METAFONT

METAFONT
作者さくしゃ	ドナルド・クヌース
最新さいしん版ばん	2.71828182 / 2021年ねん2月がつ5日にち (3年ねん前まえ)
対応たいおうOS	クロスプラットフォーム
種別しゅべつ	プログラミング言語げんご
ライセンス	パーミッシブ・ライセンス
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METAFONT（メタフォント）は、フォント作成さくせい用ようのコンピュータプログラムである。組版くみはんシステム TeX とともにドナルド・クヌースにより開発かいはつされた。

概要がいよう

METAFONT は文字もじの形かたちを描えがくプログラムソースファイルを読よみ込こんで、組版くみはん用ようの情報じょうほう（文字もじの大おおきさや合ごう字じなどの情報じょうほう）を持もつフォントメトリックファイルと、文字もじの形かたちの情報じょうほう（グリフデータ）を持もつビットマップフォントファイルを生成せいせいするシステムである。フォントファイルを生成せいせいする際さいにいくつかのパラメータを調整ちょうせいすることで、同一どういつのソースファイルから幾いく種しゅものフォントを生成せいせいすることも可能かのうであり、それが名称めいしょうの由来ゆらいにもなっている。生成せいせいする文字もじの輪郭りんかくには、ベジェ曲線きょくせんが用もちいられる。

METAFONT は組版くみはんシステム TeX とともにドナルド・クヌースにより開発かいはつされた。組版くみはん処理しょりをする際さい、フォントデザインに応おうじた合ごう字じやカーニングなどの情報じょうほうが必要ひつようとなる。TeX では数式すうしき組版くみはんなどにも力点りきてんが置おかれているが、その際さいはさらに豊富ほうふな組版くみはん情報じょうほうをフォント自体じたいが持もつことが期待きたいされる。METAFONT は、そのような組版くみはん情報じょうほうを持もったフォントを作成さくせいする必要ひつようから開発かいはつされた。METAFONT は TeX と同様どうようにフリーソフトウェアであり、いくつかのプラットフォームに移植いしょくされている。

METAFONT で生成せいせいしたフォントを他たの形式けいしき（Type1など）に変換へんかんするプログラムも開発かいはつされている。

また、METAFONT 用ようのプログラムと似にた構文こうぶんのプログラムで PostScript 形式けいしきの画像がぞうファイルを生成せいせいできる MetaPost も開発かいはつされている。

プログラミング言語げんごとしての METAFONT

プログラミング言語げんごとしては、METAFONT は以下いかのような特徴とくちょうを持もつ。

フォントメトリックファイルとフォントグリフファイルを生成せいせいする
フォント作成さくせいに特とく化かした各種かくしゅ命令めいれいがある
数学すうがく的てきな意味いみの方程式ほうていしきがそのまま扱あつかえ、連立れんりつ一いち次じ方程式ほうていしきによって変数へんすうの値ねを与あたえることができる
演算えんざん子この意味いみの変更へんこうまでできる柔軟じゅうなんなカスタマイズ可能かのう性せいを持もつ

プログラム例れい

簡単かんたんなサンプルプログラムとその出力しゅつりょくを示しめす。

1: beginchar(65,10pt#,10pt#,0pt#);
2: pickup pencircle xscaled 1.2pt yscaled 0.5pt rotated 120;
3: z1=(0.1w,0.75h);
4: z2-z1=whatever*(8,1);
5: x2=0.9w;
6: z3=(0.8w,0.1h);
7: draw z1--z2{z1-z2}..{z2-z1}z3;
8: labels(1,2,3);
9: endchar;
10: end.
行くだり番号ばんごうは説明せつめいのために付つけてある。

1行ぎょう目めでは文字もじの情報じょうほうを定さだめている。この例れいでは、文字もじコード65の文字もじを幅はば10pt, 高たかさ10pt, 深ふかさ0pt（幅はばと高たかさが同おなじ値ちだが、引数ひきすうはこの順じゅん）で作成さくせいすることを宣言せんげんしている。
2行ぎょう目めでは文字もじを描えがくのに用もちいる“ペン”を定義ていぎしている。このペンは単位たんい円えんを縦横じゅうおう異ことなる比率ひりつで拡大かくだい縮小しゅくしょうしてできる楕円だえんを120度ど回転かいてんさせたもので、次つぎの図ずのような形かたちを持もつ。

3行ぎょう目めから6行ぎょう目めまでで3つの点てんの位置いちを定さだめている。3つの点てんはそれぞれ z1, z2, z3 で、図ず中ちゅうでは1,2,3とラベルを付つけて表示ひょうじしてある。w と h の値ねは1行ぎょう目めの宣言せんげんによって決きめられて、この例れいでは左下ひだりしたの座標ざひょうが (0,0)、右みぎ下かが (w,0)、右みぎ上じょうが (w,h) 等とうとなる。
z1 と z3 はそれぞれ3行ぎょう目めと6行ぎょう目めで明示めいじ的てきに決きめられる。
z2 の決きめ方かたに METAFONT の特徴とくちょうがよく現あらわれている。4行ぎょう目めの段階だんかいでは「z1 から z2 へ向むかうベクトルが (8,1) という成分せいぶんを持もつベクトルの何なん倍ばいかになっている」ことだけが定義ていぎされている。続つづく5行ぎょう目めで z2 のx成分せいぶんが明示めいじ的てきに与あたえられると、z2 の位置いちが自動的じどうてきに決定けっていされる。METAFONT 内部ないぶでは、4行ぎょう目めの段階だんかいで一いち次じ方程式ほうていしきが作つくられたのちに5行ぎょう目めと併あわせて解とかれている。
7行ぎょう目めで文字もじを描えがく。まず z1 から z2 へ直線ちょくせんを引ひき、z2 からは、z2 から z1 へと向むかう方向ほうこうへ線せんを引ひき始はじめる。その線せんは滑なめらかな曲線きょくせんを描えがきながら z3 へと向むかうのだが、最終さいしゅう的てきに z3 へたどり着つくときには z1 から z2 へと向むかう方向ほうこうを向むくようにする。
8行ぎょう目めでは、3つの点てんにラベルを付つけて表示ひょうじさせている。
9行ぎょう目めで、1行ぎょう目めから続つづいた文字もじコード 65 の文字もじは終了しゅうりょうする。さらに他たのコードの文字もじを描えがきたければ1行ぎょう目めと同様どうように続つづけることもできる。
10行ぎょう目めで1文字もじしかないこのフォントセットが終了しゅうりょうする。

（他たのプログラム例れいがw:de:Metafontにも）

概要がいよう

プログラミング言語げんごとしての METAFONT

プログラム例れい

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