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MZ (コンピュータ)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

MZ(エムゼット)は、1970年代ねんだいから1980年代ねんだいにかけてシャープ販売はんばいしていたパソコンのシリーズめい当時とうじ、シャープはパソコン御三家ごさんけといわれていた。

設計せっけいとシステム構成こうせい

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MZシリーズのはじまりは、1978ねん5月に発売はつばいされたマイコン博士はかせMZ-40Kという4ビットマイコンのトレーニングキットである。MZ-40Kの名前なまえ由来ゆらい風呂ふろブザーよう用意よういしてあった登録とうろくコードを流用りゅうようしたものであった[1]

製品せいひん発案はつあんした事業じぎょう部品ぶひん販売はんばいする部署ぶしょであり、計算けいさんなどをあつか部署ぶしょとの摩擦まさつふせ意味合いみあいもあって、MZ-40Kにつづいて技術ぎじゅつしゃようのトレーニングキットという名目めいもくでMZ-80Kをはん完成かんせいキットのかたち発売はつばいした[2]。これらとはべつに、MZ-80Tというワンボードトレーニングマイコンも用意よういされていた。 シリーズとして以下いかのような特徴とくちょうっている。

クリーン設計せっけい

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MZ-80Kも試作しさくでは、BASICROM搭載とうさいされたコンピューターであったが、シャープがROMを外部がいぶ調達ちょうたつする都合つごうじょう、ROMにおさめたプログラムにバグ発覚はっかくすればその原価げんかから多大ただい損害そんがい発生はっせいする。このリスクを回避かいひするため実際じっさい商品しょうひんされた製品せいひんられた苦肉くにくさくが、システム全体ぜんたいをROMとしてつのではなく、最低限さいていげん処理しょりおさめたモニターのみを本体ほんたいにROMで搭載とうさいし、基本きほんプログラムはカセットテープなどのメディアで供給きょうきゅうするという、のちに「クリーンコンピューター」とうたわれるシステムであった[3]現実げんじつにはそれほど致命ちめいてきなバグが露見ろけんすることはなかったが、ぎゃくにマニアからすれば自分じぶん自由じゆうにソフト開発かいはつができる環境かんきょうとなっており、ハドソンソフトキャリーラボをはじめとしてシャープ以外いがいのさまざまなソフトハウスから言語げんご、オペレーティングシステムとう発売はつばいされるとともに、各種かくしゅ言語げんごやシステムのリリースがおこなわれたり、シャープ自身じしんもハイスピードBASICなどのソフトウェアてきなアップグレードを実施じっしした。これらの状況じょうきょうから、苦肉くにくさく設計せっけいであったクリーンコンピューターは、ソフトウェアてきにフレキシブルなシステムであることを、以降いこうのMZシリーズの特徴とくちょうてき設計せっけいとして広告こうこく文句もんくにも利用りようするようになった。この実装じっそうでは、システムそのものを本体ほんたいたないため、当時とうじ標準ひょうじゅん環境かんきょうであったBASICが利用りよう可能かのうになるまで、標準ひょうじゅん内蔵ないぞうデバイスであるデータレコーダーからの起動きどうすうふんようするという欠点けってんもあったが、FDDの利用りようで10びょう前後ぜんこう短縮たんしゅくできるほか、MZ-80B以降いこうのIPL (Initial Program Loader) では、MZ-1R12とうのメモリーボードにあらかじ起動きどうするシステムをむことでも改善かいぜんすることが出来できた。同様どうようにクリーン設計せっけい採用さいようしたX1では、CZ-8RB01としてあらかじ拡張かくちょうボードにまれたBASICも発売はつばいされていた。これらのSRAMしくはROMボードじょうからの起動きどうでも、それらは直接ちょくせつメモリー空間くうかんにマッピングされているわけではなく、IPLにより、メインメモリーに「転送てんそう」されて起動きどうする。

実装じっそう変遷へんせん

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MZ-80Kではコマンド自体じたいが6しゅしか実装じっそうされていないものの、実際じっさいにROMで実装じっそうされているモニタは現在げんざいBIOS相当そうとうし、文字もじ表示ひょうじ内蔵ないぞうデバイスへの入出力にゅうしゅつりょくおと出力しゅつりょくなどのローレベルな処理しょりまれており、最低限さいていげんものしか存在そんざいしていないわけではない。MZ-80Bでは、本体ほんたい基板きばんにはIPLのみをROMで実装じっそうし、モニタもふくむシステムプログラムは、すべてRAMに展開てんかいされるようさらにその設計せっけいすすめたものになり、同社どうしゃX1ではさらにアドレスデコードの工夫くふうによって、IPL自身じしん直接ちょくせつむことが可能かのう容量ようりょうえている。これら、ソフトウェアを固定こていしないかたちですすめられたその思想しそうは、X1turboやMZ-2500では再度さいど複雑ふくざつしたハードウェアをサポートするためのBIOS(IOCS)が本体ほんたい実装じっそうされるようになり、結果けっかとして先祖返せんぞがえりするかたちになっている。また、機種きしゅであっても、起動きどうにディスク対応たいおうのモジュールのみをおこなったり、ROM部分ぶぶんのバンクえによるRAM可能かのうになるなど、実質じっしつてきには実装じっそうは、互換ごかんせい維持いじするために搭載とうさいされるBASIC-ROMの有無うむのみになっていった。

オールインワン設計せっけい

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初期しょきどうシリーズは、本体ほんたいディスプレイ・キーボード・データレコーダー一体いったいとし、本体ほんたいのみでシステムが最低限さいていげん完結かんけつするように設計せっけいされていた。機種きしゅによって構造こうぞうやパーツはことなるものの、筐体きょうたい底面ていめんのビスをはずすことで背面はいめん蝶番ちょうつがい支点してんとして、くるまのボンネットカバーのようにげることが可能かのうになっており、内部ないぶ用意よういされた支柱しちゅうによって固定こていし、内部ないぶをメンテナンスできるようになっている。PCシリーズをとするMZ-3500、MZ-5500シリーズをのぞけば、MZ-2000やMZ-1200の世代せだいまでがれる外観がいかんにもあらわれる特徴とくちょうてき設計せっけいとなっていたが、ディスプレイのカラーなどのながれとコストのバランスの都合つごうから、MZ-700以降いこうられなくなった。

アルゴマーク

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MZ-80Kの発売はつばいわせ、ブランドの確立かくりつのため、シリーズのシンボルマークとして勇気ゆうき未来みらい探求たんきゅうあこがれの象徴しょうちょうとして、ギリシャ神話しんわ物語ものがたりからアルゴごうをモチーフにつくられたデザインが制定せいていされた。その意匠いしょうデザインの由来ゆらいについては「MZ-80 SERIES BASIC解説かいせつ」の冒頭ぼうとう言及げんきゅうがあり、Oh!MZ誌上しじょうでも、その一節いっせつげられた。このロゴマークは、当時とうじ家電かでんメーカーとしてのイメージがつよかったシャープでは社名しゃめいのみではインパクトがよわく、おおくのすじ製品せいひん名前なまえなどの要素ようそや、対象たいしょうになるユーザーの嗜好しこうなどを考慮こうりょし、あたらしいベンチャーとしてのイメージ[4]たくすかたちで新設しんせつされた。この象徴しょうちょうてきなマークは最終さいしゅうまでがれ、MZ-2500、MZ-2861では特殊とくしゅキーのひとつにこのロゴがえがかれたキーが存在そんざいする。

内蔵ないぞうデータレコーダ

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MZシリーズの内蔵ないぞうデータレコーダは、専用せんよう周辺しゅうへん回路かいろ設計せっけいされていることもあり、競合きょうごう製品せいひんのデータレコーダよりもたか信頼しんらいせい確保かくほしていたほかきの速度そくど競合きょうごう製品せいひん平均へいきんてき速度そくどよりも高速こうそく[5]設定せっていされていた。記録きろくされるデータはソフトウェア制御せいぎょによるPWM変調へんちょうで、おなじデータのみをかえかい記録きろくする。データのみが失敗しっぱいした場合ばあいは、度目どめ記録きろくしたデータのむをこころみるようになっている[6]。このフォーマットは速度そくどはあるもののがれた。また、ハードウェアでは、その機種きしゅ標準ひょうじゅん速度そくど基準きじゅん調整ちょうせいされているものの、ソフトウェアによって波形はけい生成せいせいされるため、ソフトウェアによってある程度ていど記録きろく速度そくど調整ちょうせいおこなうことが可能かのうであった。

MZ-80Bではソフトウェアでもあたましやデッキオープン、早送はやおくり、もどとう制御せいぎょ可能かのうになった。この電磁でんじ制御せいぎょのデータレコーダはべつ部署ぶしょからリリースされたX1でも標準ひょうじゅん内蔵ないぞうデバイスとして採用さいようされた。また、MZ-2500ではろくさいヘッドがステレオ仕様しようになり、片方かたがたにデータ、片方かたがた音声おんせい記録きろくし、ロードしながら音声おんせい再生さいせい本体ほんたいがわから音声おんせいあたましゅっしし、再生さいせいするなどの利用りよう可能かのうになった。この信頼しんらいせい高速こうそくせいつデータレコーダにくわえ、他社たしゃ競合きょうごう製品せいひん比較ひかくし、純正じゅんせいFDDの標準ひょうじゅん価格かかく高価こうかであることも手伝てつだい、フロッピーディスクの標準ひょうじゅん搭載とうさいへの対応たいおうおくれる遠因えんいんとなった。

フロッピーディスクインターフェイス

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FDDインターフェイスの初期しょき回路かいろ設計せっけいにおいて、本来ほんらい論理ろんりのバッファをとおすところを直結ちょっけつし、その設計せっけい踏襲とうしゅうしたため、直接ちょくせつ互換ごかんせいのない機種きしゅにおいてもそのままディスクサイドの指定していや、じつ記録きろくされるデータが、標準ひょうじゅんてきなディスクにたい反転はんてんしている。また、初期しょきの1Sドライブが片面かためん35トラックであり、互換ごかんせい維持いじするため、純正じゅんせいFDDであるMZ-80BFではヘッドにストッパーが装着そうちゃくされ、公式こうしきなトラックすうが2Dでも片面かためん35トラックとなっている。ただしコントローラーやドライブ自体じたいはそれ以降いこうのトラックもあつかえるため、本来ほんらいのドライブがわ仕様しようである80トラックを利用りようできるようにする改造かいぞうや、仕様しようがいのそれ以降いこう利用りようするソフトウェアも個人こじん雑誌ざっしレベルでは存在そんざいしている。Hu-BASICでは、ソフトウェアてき反転はんてんさせることにより、記録きろく媒体ばいたいレベルでのX1との互換ごかんせい実現じつげんされている。

プリンタインターフェイス

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プリンターインターフェースは初期しょき実装じっそうではMZ-80Kけい、MZ-80B系列けいれつそれぞれことなる独自どくじ仕様しようになっていたが、MZ-2000以降いこう一般いっぱんてきなセントロニクス準拠じゅんきょ仕様しようわっている。ただし、MZ-1500では互換ごかんせい維持いじのため、本体ほんたい背面はいめんにMZ専用せんよう仕様しようセントロニクス準拠じゅんきょ仕様しようとをえるディップスイッチがあった。なお、最初さいしょ発売はつばいされたMZ-80P2は放電ほうでん破壊はかいプリンターだった。そののMZ-80P3以降いこうドットマトリクスプリンターである。MZ-700には、専用せんよう内蔵ないぞうプリンタが存在そんざい[7]しており、その後継こうけいであるMZ-1500にもそれをそと可能かのうにしたMZ-1P09が発売はつばいされている。このプリンタは、安価あんかにボールペンによって本来ほんらい高価こうかであるカラーペンプロッター実現じつげんしていた[8]

回路かいろ・ソースコード

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元々もともと部品ぶひん事業じぎょうのトレーニングキット名目めいもくでの製品せいひんであり、メモリの増設ぞうせつにもハードウェアにれる必要ひつようがあるという状況じょうきょうもあいまって、MZ-2200の時代じだいまで本体ほんたい回路かいろ、モニタのソースコード、Z80の命令めいれいひょうとう、ハードウェア、ソフトウェアを製作せいさくするのに必要ひつよう情報じょうほうが、標準ひょうじゅん添付てんぷのOwner's Manualに記載きさいされていることも特徴とくちょう[9]であった。シャープ純正じゅんせい言語げんご開発かいはつツールは価格かかくたかかったことから、これらのソースコードを使つかいこなしていたユーザーはおおくはなかったが、シャープ社内しゃない開発かいはつ担当たんとうしゃではこれらの開発かいはつツールが縦横無尽じゅうおうむじん有効ゆうこう活用かつようされていたことが、前記ぜんきモニタプログラムのソースコードかられる。なお、MZ-1500の回路かいろおよびROMモニタのソースコードは、工学こうがくしゃ『MZ-1500 テクニカル・マニュアル』に掲載けいさいされ、MZ-2500の回路かいろは、電波でんぱ新聞しんぶんしゃ『Super MZ活用かつよう研究けんきゅう』、工学こうがくしゃ『MZ-2500 テクニカル・マニュアル』〈Super Series 1〉[10]、ソフトバンク『Oh!MZ』に掲載けいさいされた。BIOSやBASICのソースリストは工学こうがくしゃから発売はつばいされた。本体ほんたいだけではなく、シャープ純正じゅんせいオプションの一部いちぶでは付属ふぞくマニュアルに回路かいろ記載きさいされている。

製品せいひん系列けいれつ

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系列けいれつとしてはMZ-80Kけい(40×25文字もじのテキスト画面がめんつ。グラフィックキャラクタを使用しようした80×50ドットのセミグラフィックが可能かのう)、MZ-80Bけい(320×200のモノクログラフィックを最大さいだい2画面がめんぶん、テキストとべつプレーンでつ)、MZ-2000けい(640×200の解像度かいぞうどくわえカラー表示ひょうじ対応たいおう)、PC-3100英語えいごばんけい、MZ-5500けい(MZ-3500けいを16bit)などがある。

なお、MZの名称めいしょう同社どうしゃMebiusZaurus頭文字かしらもじに、分割ぶんかつしてがれていると宮永みやなが好道よしみちがコラム[いつ?]かたっている。

部品ぶひん事業じぎょうによるMZ

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MZ-80K
  • MZ-80K系列けいれつ シリーズローエンドをにない、のちにMZ-1200,700につながるシリーズ。 (CPU は Z-80(LH0080) 2MHz)
    MZ-40Kをとするマイコンキットから派生はせいしたグループで、MZシリーズのなかではてい価格かかく普及ふきゅうである(てい価格かかくとはいえ、MZ-80K/CにI/Oボックス、プリンター、FDD、PCGなどをそろえると100まんえんえた)。
    • MZ-80K - 1978ねん発売はつばい。20KB RAM搭載とうさい。オールインワン筐体きょうたい・キーボード組立くみたてのセミキット。標準ひょうじゅん価格かかく198,000えん。この機種きしゅはイギリスでも発売はつばいされTRS-80と人気にんき二分にぶんした。[11]
    • MZ-80C - 1979ねん発売はつばい。48KB RAM搭載とうさい・フルキーボード。モニターのグリーン部品ぶひんも80Kにくらべて高価こうかなものがつけられていた。標準ひょうじゅん価格かかく268,000えん
    • MZ-80K2 - 1980ねん発売はつばい。80Kの完成かんせいひん販売はんばいばん。32KB RAM搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく198,000えん
    • MZ-80K2E - 1981ねん発売はつばい。32KB RAM搭載とうさい。80K2の廉価れんかばん。CPUにICソケットを使用しようせず、直接ちょくせつ基板きばん半田付はんだづけされているなど、コストダウンが随所ずいしょられる。標準ひょうじゅん価格かかく148,000えん
  • MZ-80B系列けいれつ シリーズハイエンドをにない、のちにMZ-2000へつながるシリーズ。オプションを事業じぎょう移行いこうにも、MZ-80B2としてMZ-2000と併売へいばいされている。
    320×200ピクセルのグラフィックス画面がめん最大さいだい2画面がめんサポートし、CPUは4MHz、データレコーダはソフトウェアによって制御せいぎょ可能かのうになるとともに、2000baudに高速こうそくされた。
    • MZ-80B - 1981ねん発売はつばい。64KBオールRAM構成こうせい。 Bはビジネスの意味いみわれているが、開発かいはつしゃたちは「BIGのB」として開発かいはつんだ究極きゅうきょくのMZであった。標準ひょうじゅん価格かかく278,000えん

情報じょうほうシステム事業じぎょうによるMZ

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1982ねんMZ-80Kグループを開発かいはつした部品ぶひん事業じぎょうから、情報じょうほうシステム事業じぎょうにパソコン事業じぎょう移管いかん

MZ型番かたばんは、シリーズめいしたけたに00をつ3〜4けた数字すうじ。PC型番かたばんは、PCからMZにシリーズめい変更へんこうになり、全体ぜんたいとしての命名めいめい規則きそくわった。同時どうじ周辺しゅうへん機器きき型番かたばんもリセットされ、シリーズ全体ぜんたいで、カテゴリごとに末尾まつび1からのれんばんてられた。ホビー用途ようとでは部品ぶひん事業じぎょう由来ゆらい製品せいひんおお広告こうこく販売はんばいされていたこともあり、MZとしてイメージされるのは部品ぶひん事業じぎょう由来ゆらいのシリーズである。どういちシリーズにバリエーションがある場合ばあいは、その下位かいけたである00の部分ぶぶんにバリエーションをしめ数字すうじてられた。

以降いこうのパソコン開発かいはつに、部品ぶひん事業じぎょうでMZ-80を設計せっけいしていた技術ぎじゅつしゃたち参画さんかくしていない。

ホビーけMZ

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部品ぶひん事業じぎょう展開てんかいしていたおもにホビーけのながれをけたシリーズ。だいうごとにホビーけの機能きのう充実じゅうじつしてき、おおくのひとがMZとしておもすのはこちらの系列けいれつである。

  • MZ-1200系列けいれつ(CPU は Z-80A 3.58MHz。64KB RAM 搭載とうさい)
    • MZ-80A(MZ-1200) - 1982ねん海外かいがい仕様しようのMZ-80Aの国内こくないばんがMZ-1200である。国内こくないでは、同年どうねん7がつ発売はつばいされている。グリーンディスプレイ、タイプライターキーボード採用さいよう。MZ-80Kけい完全かんぜん互換ごかん単色たんしょく表示ひょうじとしては最後さいご機種きしゅ型番かたばんの1200はデータレコーダの速度そくど由来ゆらいする。標準ひょうじゅん価格かかく148,000えん
    • MZ-700 - 1982ねん11月発売はつばい。モニターいち体型たいけい筐体きょうたい廃止はいし、データレコーダ・プロッタを内蔵ないぞう可能かのう。MZ-80Kとバイナリレベルでほぼ互換ごかんせいがある。モニター出力しゅつりょく単色たんしょく場合ばあい青地あおじしろ基本きほん家庭かていようテレビへの出力しゅつりょくにも対応たいおう。80K由来ゆらいのシリーズではじめてカラー出力しゅつりょく対応たいおうした。
    • MZ-1500 - 1984ねん5月発売はつばい。320*200ドットグラフィックけんPCG、PSG音源おんげん搭載とうさい。データレコーダのわりにQD(QuickDisk)を内蔵ないぞう
    • MZ-800 - 1984ねん-1985ねん発売はつばい。MZ-700の海外かいがい後継こうけい機種きしゅ展開てんかい時期じき地域ちいきによってことなる。640*200ドットグラフィック搭載とうさい(※日本にっぽん国内こくないでは発売はつばいde:Sharp MZ-800 および pt:Sharp MZ-800参照さんしょう)
  • MZ-2000系列けいれつ
    • MZ-80B2 - 1982ねん発売はつばい部品ぶひん事業じぎょうのMZ-80BにグラフィックRAMを1プレーン標準ひょうじゅん実装じっそうした製品せいひん事業じぎょう変更へんこう唯一ゆいいつまえ命名めいめい規則きそく販売はんばいされた製品せいひん標準ひょうじゅん価格かかく278,000えん
    • MZ-2000 - 1982ねん7がつ発売はつばい。ドットグリーン(モノクロ)ディスプレイ、高機能こうきのうデータレコーダ内蔵ないぞう。オプションでカラーモニター対応たいおう
    • MZ-2200 - 1983ねん7がつ発売はつばい。コンポーネントタイプになったMZ-2000。拡張かくちょうスロットと、カラー出力しゅつりょく機能きのう標準ひょうじゅん装備そうび
  • MZ-2500 - (SuperMZ) 1985ねん発売はつばい本体ほんたい・キーボード分離ぶんりがた。Z80B(6MHz)搭載とうさい。400ラインに対応たいおうし、最大さいだい256しょくでの描画びょうが対応たいおう。MZ-80B/MZ-2000モードを過去かこ資産しさん継承けいしょう
  • MZ-2861(MZ書院しょいん) - 1987ねん発売はつばい本体ほんたい・キーボード分離ぶんりがた。MZ-2500互換ごかんモードをもつ8bit (Z80) & 16bit (80286) CPUりょう搭載とうさいのハイブリッドマシン。16bitモードはMS-DOSのほか、付属ふぞくのソフトウエアでPC-9801エミュレーションが可能かのう高機能こうきのうデータレコーダ対応たいおうしない。MZのこちらのシリーズでは唯一ゆいいつの80286採用さいよう

ビジネスけMZ

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存続そんぞくする事業じぎょうとなった情報じょうほうシステム事業じぎょう元々もともと展開てんかいしていたシリーズの後継こうけい。ビジネスけの一体いったいがたPC、PC-3100S/PC-3200の、本体ほんたい・キーボード分離ぶんりがたにした新型しんがた型番かたばんをMZに移行いこうしたもの。5.25インチフロッピーディスクドライブを搭載とうさい(MZ-6550のみ3.5インチ)。

  • MZ-3500系列けいれつ - 1982ねん発売はつばい。Z-80A×2搭載とうさい日本語にほんご表示ひょうじ。プログラムようRAM128Kbyte標準ひょうじゅん実装じっそう(最大さいだい容量ようりょう256Kbyte)、オプションの追加ついかにより640x400ドットカラーグラフィック・漢字かんじ表示ひょうじ可能かのう、オプションのキーボードには、JIS配列はいれつ、ASCII配列はいれつふたつのタイプが用意よういされていた[12]。PC-3100S/PC-3200の上位じょうい
    • MZ-3531 - 5.25インチフロッピーディスクドライブを1搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく320,000えん[12]
    • MZ-3541 - 5.25インチフロッピーディスクドライブを2搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく410,000えん[12]
  • MZ-5500/6500系列けいれつ
    • MZ-5500 - 1983ねん発売はつばい。16ビットの8086CPUを搭載とうさい、CP/M採用さいよう。BOOT-ROMづけMS-DOS発売はつばいされた。Window Display Controller を搭載とうさいし、オプションで8087搭載とうさい可能かのう、メモリは最大さいだい512KBまで搭載とうさいそとけフロッピーディスクドライブを2だい拡張かくちょう(内蔵ないぞうわせて4だい)[13]
      • MZ-5501 - RAM128KB搭載とうさい。フロッピーディスクドライブはオプション。標準ひょうじゅん価格かかく218,000えん
      • MZ-5511 - RAM128KB搭載とうさい。5.25インチフロッピーディスクドライブを1搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく288,000えん
      • MZ-5521 - RAM256KB搭載とうさい。5.25インチフロッピーディスクドライブを2搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく388,000えん
    • MZ-6500 - 1984ねん発売はつばい。クロック周波数しゅうはすうを8MHzに高速こうそくCADきゃどけとして販売はんばい
      • MZ-6541 - 5.25フロッピーディスクドライブを2搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく650,000えん
      • MZ-6545 - 5.25フロッピーディスクドライブを1&10MBハードディスク搭載とうさい標準ひょうじゅん価格かかく998,000えん
    • MZ-5600 - MZ-6500の海外かいがいモデル。
      • MZ-5631 - 5.25フロッピーディスクドライブを1搭載とうさい
      • MZ-5641 - 5.25フロッピーディスクドライブを2搭載とうさい
      • MZ-5645 - 5.25フロッピーディスクドライブを1&10MBハードディスク搭載とうさい
    • MZ-6500C - MZ-6500の後継こうけい機種きしゅ
      • MZ-6541C - 5.25フロッピーディスクドライブを2搭載とうさい
    • MZ-6550 - 80286 CPU、たて筐体きょうたい
      • model 50 - 3.5フロッピーディスクドライブ2搭載とうさい

PC/AT互換ごかん

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  • MZ-8000系列けいれつ - (AX286/AX386) 型番かたばんはMZだが、PC/AT互換ごかん(AX)仕様しよう移行いこうした。

ソフトウェア

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自社じしゃ供給きょうきゅう

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SHARP BASICとして、(のちS-BASICばれる)PET由来ゆらいのコマンドぐんつBASICをカセットテープならびにフロッピーディスク標準ひょうじゅん添付てんぷならびにオプションとして供給きょうきゅうしていた。演算えんざん精度せいどたかいもの、漢字かんじ表示ひょうじ特定とくていデバイスのサポート、カラー表示ひょうじのサポートなど、拡張かくちょう機能きのう実装じっそうしたBASICは、別途べっとオプションとして提供ていきょうされている。それらBASIC以外いがいにも、リロケータブルバイナリ出力しゅつりょくでユーザー定義ていぎのマクロ命令めいれい記述きじゅつ可能かのうマクロアセンブラ(リンカシンボリックデバッガP-ROMフォーマッタふくむ)アセンブリ言語げんご、マシンランゲージモニタ(現在げんざいでいうバイナリエディタ)とう別売べつばいされており、テープメディアゆえ使づか勝手かってなんありといえどもきわめて強力きょうりょく開発かいはつツールであった。Floppy Disk Operating System(FDOS)には前記ぜんきアセンブラのほかBASICコンパイラどうこりされており、Z80のセルフ開発かいはつ環境かんきょうとしてはコストパフォーマンスを考慮こうりょすると当時とうじCP/M-80をも凌駕りょうがするものであった。

シャープ純正じゅんせい言語げんご前記ぜんきのとおりバリエーションが直交ちょっこうしている場合ばあいおおかったため、プログラマーはさまざまな言語げんご選択せんたくできたかわりに、アプリケーション使用しようしゃはその言語げんご購入こうにゅうする必要ひつようがある場合ばあいもあった。

サードパーティによる供給きょうきゅう

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ハドソン
  • Hu-BASIC(マイクロソフトBASICに高機能こうきのうBASICインタープリター)
  • Hu-BASICコンパイラ(マイクロソフトBASICに高機能こうきのうBASICコンパイラー)
    • すうおおくのバグをふくんでいた。
    • MZ-80K系列けいれつのみの販売はんばい
  • Hu-G-BASIC(Hu-BASICのグラフィック機能きのう実装じっそうばん)
  • GAL (GAME言語げんごコンパイラ)
    • ハドソンふう拡張かくちょうしたGAME言語げんごだが、バグの存在そんざいアスキーしゃからのクレームにより回収かいしゅう処理しょりされた。
    • MZ-80K系列けいれつのみの販売はんばい
  • H-DOS
  • Tiny Pascal PALL (Pascal言語げんごコンパイラ)
    • ハドソンふう拡張かくちょうしたTiny Pascal言語げんご。MZ-80Kようゲーム開発かいはつ言語げんごとして重宝ちょうほうされた。
    • MZ-80K系列けいれつのみの販売はんばい
  • Tiny FORTRAN FORM (FORTRAN言語げんごコンパイラ)
    • ハドソンふう拡張かくちょうしたFORTRAN言語げんご
キャリーラボ
  • BASE(BASIC記述きじゅつふうアセンブラ)
    • WICSインタプリタはBASEで記述きじゅつされていた。
  • WICS(整数せいすうがた高速こうそくBASICコンパイラ/インタプリタ)
    • 工学こうがくしゃかん雑誌ざっしI/O、およびその別冊べっさつで、BASEで記述きじゅつされたインタプリタのソースとWICS自身じしん記述きじゅつされたコンパイラのソースが公開こうかいされた。
アスキー(ACPアスキーコンシューマプロダクツ)
  • GAME-MZ(GAME言語げんごコンパイラ)
  • TOS-80B(テープオペレーティングシステム)
デービーソフト (dB-SOFT)
  • dB-BASIC (MZ-2000/2200 BASICインタプリタ)
  • dB-IBASIC (MZ-2000/2200 BASICインタプリタ・コンパイラ)
    • 機械きかいへのコンパイルが可能かのう。ソフトウェアてきにPCGを実現じつげんするなど、画期的かっきてき言語げんごだった。整数せいすうがたBASIC。
COMPAC(工学こうがくしゃ)
  • いずれもSB-5520の追加ついか機能きのうばん単体たんたいでは動作どうさしないので、SB-5520をロードしたのち、ソフトをみ、一旦いったん上書うわがきされたBASIC自身じしんべつのメディアに保存ほぞんする必要ひつようがある。
    • BASIC機能きのう拡張かくちょう(SB-5520にTRACE機能きのうなどをつけたもの)
    • COMMAND UP(機械きかいモニタ高機能こうきのう)
S-OS
  • 雑誌ざっしOh!X連載れんさい発表はっぴょうされたZ80をコアとした共通きょうつうバイナリを動作どうささせるこころみ。プログラミング言語げんご開発かいはつツール、ゲーム、ユーティリティなどが毎月まいつき掲載けいさいされた。詳細しょうさいTHE SENTINELこう参照さんしょうされたい。

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ 『パソコン革命かくめい旗手きしゅたち』 p73
  2. ^ 『パソコン革命かくめい旗手きしゅたち』 p72
  3. ^ 『パソコン革命かくめい旗手きしゅたち』関口せきぐち和一かずいち 日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ 2000ねん 73ページ
  4. ^ [1]開発かいはつしゃ回顧かいころくより。
  5. ^ どう時期じき販売はんばいされていたベーシックマスター、PC-8001は、300Baud。FM-8は1600Baud。
  6. ^ かく機種きしゅ回路かいろならびに、Owner's Manualのモニタソースコードのデータレコーダ制御せいぎょ確認かくにんできる。
  7. ^ MZ-731以外いがい機種きしゅではMZ-1P01としてオプション販売はんばいされている。
  8. ^ MZ-700こう参照さんしょう
  9. ^ MZシリーズも規模きぼおおきくなり、ユーザがみずかぶつつくることがすくなくなったMZ-1500以降いこう他社たしゃのPC製品せいひん同様どうよう出版しゅっぱんしゃとうからこれらの情報じょうほう刊行かんこうされるかたち変更へんこうされた。
  10. ^ この書籍しょせき回路かいろ信号しんごうさきしめすページと座標ざひょう削除さくじょしているため分配ぶんぱいさき複数ふくすうわた場合ばあい見逃みのが可能かのうせいがある。
  11. ^ うみこうのMZ物語ものがたり
  12. ^ a b c ASCII 1982ねん11がつごう, p. 76.
  13. ^ ASCII 1983ねん11がつごう, p. 98.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 関口せきぐち和一かずいち『パソコン革命かくめい旗手きしゅたち』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、2000ねんISBN 4-532-16331-5 
  • 「ASCII 1982ねん11がつごうだい6かんだい11ごう株式会社かぶしきがいしゃアスキー出版しゅっぱん、1982ねん11月1にち 
  • 「ASCII 1983ねん11がつごうだい7かんだい11ごう株式会社かぶしきがいしゃアスキー出版しゅっぱん、1983ねん11月1にち 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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