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ザウルス

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ザウルス (Zaurus) は、シャープ株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽん国内こくないおよび海外かいがい製造せいぞう販売はんばいしていた携帯けいたい情報じょうほう端末たんまつ(PDA)の製品せいひんめいである。

概要がいよう

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当初とうしょ電子でんし手帳てちょう発展はってんがたとしてパソコンひとしとの連携れんけいせいひくかったが、のちに人気にんき結果けっかこの連携れんけいせい強化きょうかし、一時期いちじき日本にっぽんせいPDAを代表だいひょうする地位ちいきずいた。「ザウルス」という愛称あいしょうは、学名がくめいで「トカゲ」を意味いみする単語たんご「サウルス」に由来ゆらいし、力強ちからづよさをあらわしている。

日本にっぽん国内こくないけの製品せいひんとしては、1993ねん平成へいせい5ねん)に発売はつばいされた8ビットCPUモノクロ液晶えきしょう使用しようした PI シリーズにはじまり、32ビットRISC CPU とカラー(一部いちぶ機種きしゅはモノクロ)液晶えきしょう使用しようした MI シリーズ、オペレーティングシステムLinux採用さいようしたSLシリーズと、続々ぞくぞく性能せいのう向上こうじょうはかられている。ただし、シリーズあいだ互換ごかんせいく、すべシリーズのソフトを動作どうささせることはできない。

2002ねん11月発売はつばいされたSL-C700には、製品せいひんとして世界せかいはじめてCG silicon システム液晶えきしょう使用しようされた。

2004ねん11月発売はつばいされたSL-C3000には、PDAとしてははじめてハードディスク内蔵ないぞうされた。

2008ねん12月13にちに、2006ねん3がつ発売はつばいされたモデルSL-C3200最後さいご生産せいさん停止ていしずみ報道ほうどうされた[1]

スマートフォン時代じだい先取さきどりしたかのような未来みらいてきなガジェットであったが、ザウルスの市場いちばへの投入とうにゅうはネットワーク環境かんきょうBluetoothなどの技術ぎじゅつととのまえだったため、情報じょうほう端末たんまつとしてそのスマートフォンなみることはできなかった[2][3]

PIシリーズ

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Apple Computer手書てが認識にんしき研究けんきゅう開発かいはつ協力きょうりょくい、アップルコンピュータがNewton開発かいはつ、シャープは「ザウルス」を開発かいはつした。発売はつばい当初とうしょ正式せいしき商品しょうひんめいは「液晶えきしょうペンコム」であり、「ザウルス」は愛称あいしょうぎなかった。

どうPIシリーズは電子でんし手帳てちょう延長えんちょうとして発展はってんしたもので、前身ぜんしんのPAの型番かたばん同社どうしゃ電子でんし手帳てちょうシリーズでつちかわれた小型こがた技術ぎじゅつもちいられている。

シャープはザウルスシリーズをげるまえに、手書てがき・ペン操作そうさ可能かのう電子でんしシステム手帳てちょう PV-F1 を発売はつばいしていたが、128,000えん高価こうかでサイズがおおきかったため商業しょうぎょうてきにはるわなかった。その反省はんせいち、おおきさ、おもさ、価格かかく半分はんぶんに、処理しょり速度そくどを2ばいにするという目標もくひょうかかげ、PI-3000を開発かいはつした。そして計画けいかくどおりに小型こがた軽量けいりょうてい価格かかくげ、「液晶えきしょうペンコム」としてすと、ビジネスマンを中心ちゅうしんにそのコンセプトがれられ、同社どうしゃ定番ていばん商品しょうひんひとつとして認知にんちされるようになった。

シリーズ共通きょうつう特徴とくちょう

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すべてタッチパネル反射はんしゃがたモノクロ液晶えきしょうディスプレイ採用さいようされている。フロントライトは付属ふぞくしない。解像度かいぞうどは239×168ピクセル、PI-8000のみ319×168ピクセルのワイド画面がめんである。

CPUはメインにポケコンもちいられていた独自どくじアーキテクチャの8ビットプロセッサESR-Lと、手書てが文字もじ認識にんしきようZ80使用しようしている。Z80はタッチパネル制御せいぎょ手書てが文字もじ認識にんしきのみをおこない、これを区別くべつすることで全体ぜんたい反応はんのう速度そくど向上こうじょうさせている。

ハードキーはなく、すべてスタイラス(ペン)によって画面がめん直接ちょくせつ入力にゅうりょくするか、表示ひょうじ領域りょういきがい配置はいちされたショートカットキーをすことで操作そうさおこなえるようになっている。手書てが文字もじ認識にんしき採用さいようしており、画面がめんないめられたわくない画面がめん下部かぶよっつのわく)に文字もじ記号きごうむことで入力にゅうりょくおこなえる。かなをんだのち漢字かんじ変換へんかんおこなうこともできる。また、ソフトウェアキーボード使つかうこともできる。手書てがきメモやインクワープロなど、画面がめんない任意にんい領域りょういきいた軌跡きせきをそのまま保存ほぞんするアプリケーションも付属ふぞくしている。

外部がいぶ機器ききとのデータのやりりには、オプションポート4(おも同社どうしゃ電子でんし手帳てちょう)、オプションポート15(パソコン携帯けいたい電話でんわなど)、光通信ひかりつうしん赤外線せきがいせん通信つうしん)をもちいる。光通信ひかりつうしんはASKのみであり、IrDAなど通信つうしん方式ほうしきには対応たいおうしていない。 同社どうしゃ電子でんし手帳てちょうよう開発かいはつされたICカード一部いちぶ使つかうことができる(PI-7000をのぞく)。SRAMカードなどをもちいることで機器ききとデータを共有きょうゆうできる。 アナログ電話でんわ回線かいせん接続せつぞくできるFAXモデム使用しよう可能かのうである。PI-3000/4000シリーズはFAX通信つうしんのみ、PI-5000以降いこうタ通信たつうしん可能かのう通信つうしん速度そくどはデータ通信つうしん2,400bps、FAX通信つうしん9,600bps。PI-8000のみデータ通信つうしん9,600bps、FAX通信つうしん14.4kbps。別売べつうりのPIAFSアダプタ使用しよう場合ばあいは32kbps。

電源でんげんたん4乾電池かんでんち2ほん、バックアップようCR-2025 1個いっこ

ラインナップ

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仕様しよう同社どうしゃカタログによる。

  • PI-3000
    • 初代しょだい液晶えきしょうペンコム『ザウルス』」
    • そとがたFAXモデム「CE-FM3-H」がオプションで用意よういされており、FAX送信そうしん可能かのうであった。
    • 発売はつばい 1993ねん10がつ1にち
    • 価格かかく 65,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 288KB
    • サイズ 157mm×94.6mm×17.3mm、重量じゅうりょう 250g(電池でんちふくむ、以下いかおなじ)
    • 1993年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[4]
  • PI-4000/4000FX
    • 型番かたばん「FX」はそとがたFAXモデムが付属ふぞくする。以下いかおなじ。
    • 発売はつばい 1994ねん6がつ
    • 価格かかく PI-4000 75,000えん、PI-4000FX 91,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 544KB
    • サイズ 157mm×94.6mm×17.3mm、重量じゅうりょう やく250g(FAXモデムべつ
    • 1993年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[5][6]
  • PI-5000/5000FX/5000DA
    • DAは携帯けいたい電話でんわ接続せつぞくアダプタが付属ふぞく以下いかおなじ。
    • 愛称あいしょう「アクセスザウルス」。パソコン通信つうしんソフトウェアが内蔵ないぞうされ、FAX送信そうしんくわえてパソコン通信つうしん利用りよう可能かのうになった。
    • 以降いこう機種きしゅでは「Add-in」とばれる外部がいぶソフトウェアが使つかえる。
    • 発売はつばい 1994ねん11月
    • 価格かかく PI-5000 82,000えん、PI-5000FX 98,000えん、PI-5000DA 141,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 1MB
    • サイズ 160.2mm×94.6mm×17.3mm、重量じゅうりょう やく250g
  • PI-4500
    • 発売はつばい 1995ねん1がつ
    • 価格かかく 68,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 544KB
    • サイズ 160.2mm×94.6mm×17.3mm、重量じゅうりょう やく250g
  • PI-6000/6000FX/6000DA
    • 発売はつばい PI-6000/6000FX 1995ねん8がつ、PI-6000DA 1995ねん11月
    • 価格かかく PI-6000 69,000えん、PI-6000FX 85,000えん、PI-6000DA 91,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 1MB
    • サイズ 147mm×87mm×17mm、重量じゅうりょう やく195g
  • PI-7000
    • ICカードスロットなし
    • FAXモデム内蔵ないぞう
    • データ保存ほぞんようフラッシュメモリ内蔵ないぞう
    • 発売はつばい 1996ねん2がつ
    • 価格かかく 93,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 1MB/フラッシュメモリ 2MB
    • サイズ 147mm×87mm×17mm、重量じゅうりょう やく200g
    • 1996年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[7]
  • PI-6500[8]
    • 発売はつばい 1996ねん11月
    • 価格かかく 55,000えん
    • 記憶きおく容量ようりょう 1MB
    • サイズ 147mm×87mm×17mm、重量じゅうりょう やく195g
  • PI-8000
    • FAXモデム内蔵ないぞう
    • ほんのみワイド画面がめんであり表示ひょうじ解像度かいぞうどよこひろい。
    • 価格かかく 80,000えん
    • 発売はつばい 1997ねん1がつ
    • 記憶きおく容量ようりょう 1MB
    • サイズ 147mm×87mm×17mm、重量じゅうりょう やく215g
    • 1997年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[9]
  • PI-6600
    • 本体ほんたいしょくシルバー
    • パソコンようPIMソフト「PowerPIMM Ver 2.0」、Microsoft Excelのデータを閲覧えつらんできる「パソコンビューアソフト」どうこり
    • 発売はつばい 1997ねん9がつ
    • 価格かかく オープン
    • 記憶きおく容量ようりょう 1MB
    • サイズ 147mm×87mm×17mm、重量じゅうりょう やく195g

業務ぎょうむよう特定とくてい顧客こきゃくけ)

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特定とくてい顧客こきゃくけにPI-B304/B308がラインナップされている。型番かたばんはPIからはじまるが、16ビットCPUとMS-DOS採用さいようされる、C言語げんごによる開発かいはつ環境かんきょう提供ていきょうされるなど、のザウルスシリーズとは一線いっせんかくす。

  • 発売はつばい 1995ねん10がつ
  • CPU 16ビット(V30てい消費しょうひ電力でんりょくばん
  • OS MS-DOS
  • 記憶きおく容量ようりょう RAM 2MB、フラッシュメモリ B304 2MB/B308 6MB
  • インターフェース オプションポート15、光通信ひかりつうしん(ASK・IrDA 1.0/1.1)、PCMCIA TypeII
  • 画面がめん 5.9がた 480×320 反射はんしゃがたモノクロ液晶えきしょう
  • 電源でんげん たん4乾電池かんでんち4ほん(バックアップようCR2025 1個いっこ
  • サイズ 177mm×115mm×23mm、重量じゅうりょう 397g

MIシリーズ

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アウトライン

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カラーザウルスMI-10にはしはっする32ビット高機能こうきのうPDA。PIシリーズとはソフトめんでの互換ごかんせいはない。反射はんしゃがた液晶えきしょうやLCフォント搭載とうさいなど「液晶えきしょうのシャープ」をアピールする使命しめいびているようにもえる、シャープの特徴とくちょうてき製品せいひんぐんだった。なお、MI-EX1のVGAポリシリコン液晶えきしょう東芝とうしばせいである。

オペレーティングシステム

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オペレーティングシステム (OS) に、株式会社かぶしきがいしゃアックス[よう曖昧あいまい回避かいひ]せいのXTALをカスタマイズしたシャープ独自どくじのZaurusOSを採用さいようし、CPUには日立ひたちSH-3プロセッサを搭載とうさい初期しょき製品せいひんでは60MHz程度ていどのクロックで、後期こうき製品せいひんでは120/133MHz(SH-3DSP)のクロックで駆動くどうしていた。

MIシリーズに採用さいようされていたZaurusOSは、軽快けいかい動作どうさし、心地ここちよい使つか勝手がって実現じつげんしていた。 ZaurusOSじょう動作どうさするアプリケーションは、ROM記録きろくされている標準ひょうじゅん搭載とうさいのものとMoreソフトとばれる追加ついか搭載とうさい可能かのうなものの種類しゅるい分類ぶんるいできた。標準ひょうじゅん開発かいはつ言語げんごC言語げんご

独自どくじOSながらMS-DOS互換ごかんファイルシステムっていた。標準ひょうじゅん搭載とうさいのアプリケーションはファイルという概念がいねん意識いしきさせないつくりになっていたが、ユーザーせいのMoreソフトを使用しようすればファイルを直接ちょくせつ編集へんしゅう操作そうさすることができた。また、内部ないぶてきにはマルチタスクを実現じつげんしていた。ただしシェルインタフェースはあくまでシングルユーザー・シングルタスクであり、PCやSL-Zaurusのように自由じゆうこのみのアプリケーションをスイッチできたわけではない。

系譜けいふ

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MIシリーズなかばで登場とうじょうしたMI-E1はそれまでのビジネスマン御用達ごようたしマシン路線ろせんあらため、たてがたボディにフロントライト反射はんしゃがたカラー液晶えきしょう・SD/CFデュアルスロット・キーボード内蔵ないぞう・マルチメディア対応たいおう(MP3/MPEG4再生さいせい)と、高機能こうきのうなPDAの標準ひょうじゅんてきなスタイルとなったフォームファクタをはじめて実現じつげんした革新かくしんてきなモデルだった。恐竜きょうりゅう背中せなか背負せおった人々ひとびとまちちゅう同機どうきあやつりエンターテイメントする印象いんしょうてきなTV-CMにより話題わだいとなり、PDAにえんのなかった人々ひとびと関心かんしんせた。

その、MI-L1、MI-E21、MI-E25DCと進化しんかしたが、LinuxされたSL-A300の登場とうじょうをもってMIシリーズのしん機種きしゅ発売はつばいにピリオドがたれた。

コンシューマけMIシリーズの系譜けいふ以下いかとおり。にビジネスザウルスが存在そんざいする。

初期しょきモデル

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  • MI-10、10DC(カラーザウルス) - 5インチTFTカラー液晶えきしょう(320×240ドット65,536しょく)、DCモデルはデジタルカメラカードどうこり[10]。また、白黒しろくろのみながらキャノン(BJ-10Vとう)、エプソン(AP-700とう)、NEC(PR-PR150nとう)、などのプリンタに印字いんじ可能かのうであった[11]
    • 発売はつばい 1996ねん6がつ25にち[12]
    • 価格かかく MI-10 120,000えん、MI-10DC 155,000えん[12]
    • サイズ 175×104×30mm、重量じゅうりょう やく490g[12]

小型こがた性能せいのう向上こうじょう

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  • MI-504、506、506DC(パワーザウルス)- ハードウェア/OS高速こうそく[13]。1997年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[14][15]
  • MI-106、106M、110M(ポケットザウルス)- モノクロ液晶えきしょう、パワーザウルス仕様しよう
  • MI-610、610DC(パワーザウルス)- フラッシュメモリ10MB

しんUI採用さいよう

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  • MI-310(ザウルスカラーポケット)- 世界せかいはつ反射はんしゃがたカラー液晶えきしょう搭載とうさい最後さいご乾電池かんでんち駆動くどうモデル。

コンテンツ&インターネット志向しこう

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  • MI-P1、P2(ザウルスアイゲッティ)- ハードウェアキー/ボタン採用さいよう。1999年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[16]
  • MI-EX1(ザウルスアイクルーズ)- VGA液晶えきしょう搭載とうさい/動作どうさようメモリ8MB
  • MI-J1(辞書じしょザウルス)
  • MI-C1(パワーザウルス)- 改良かいりょうがた反射はんしゃがたカラー液晶えきしょう搭載とうさい
  • MI-P10(ザウルスアイゲッティ)- パワーザウルス仕様しようアイゲッティ

eコンセプトZaurus(e-Zaurus)

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  • MI-E1(ザウルス) - 3.5インチ反射はんしゃがたTFTカラー液晶えきしょう(240×320ドット65,536しょく)、ボディ/画面がめんたてがた変更へんこう、ハードウェア高速こうそく、マルチメディア
    • 発売はつばい 2000ねん12月15にち[17]
    • 価格かかく オープンプライス(じつうれ価格かかく やく50,000えん前後ぜんこう
    • サイズ 液晶えきしょう保護ほごカバーはず 81.5×139.5×17mm、液晶えきしょう保護ほごカバー 81.5×139.5×20mm[18]
    • 重量じゅうりょう 液晶えきしょう保護ほごカバーはず やく200g、液晶えきしょう保護ほごカバー やく220g[18]
  • MI-L1(ザウルス)- E1からフロントライトとマルチメディア機能きのう省略しょうりゃくしたビジネス志向しこう。2001年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[19]
  • MI-E21(ザウルス)- CPU高速こうそく、Nancyコーデック対応たいおう
  • MI-E25DC(ザウルス)- デジタルカメラ内蔵ないぞう

SLシリーズ

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アウトライン

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海外かいがいばんザウルスにはしはっするLinuxJavaをベースとするPDA。PIシリーズ・MIシリーズとはソフトめんでの互換ごかんせいはない。Linux搭載とうさいのザウルスであることから、「りなざう」とばれることがある。

アーキテクチャ

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CPUにはARMアーキテクチャ採用さいようし、OSにはPDALinux採用さいようする。

機種きしゅによりOSの名前なまえことなるが、初期しょきのOSEmbedix Plus PDA開発元かいはつもと買収ばいしゅうとう名前なまええていったものであり、実質じっしつ同一どういつファミリーである[よう出典しゅってん]

SL-A300をのぞCFスロットとSDスロットをかく1個いっこずつ標準ひょうじゅん搭載とうさいする。SL-A300は標準ひょうじゅんでSDスロットのみで、SL-C3000/3100/3200はかくしCFスロットにハードディスクを搭載とうさいしている。

また、SL-C860/SL-6000まで公式こうしきでオプションポート16を搭載とうさいする。SL-C1000/3000/3100はフラットなぶたかくされている。

ユーザインタフェースにはGUIツールキットQtようであるQtopia採用さいようしている。

QtではX11ようのソフトがうごかないが、pdaXrom、OpenZaurus、PocketWorkstationとう代替だいたいOSやQtじょう動作どうさするX/Qt ServerひとしX11サーバをもちいることでX11ようのソフトも稼動かどうする。これによりOpenOffice.orgひとしのPC-Linuxようソフトを利用りようすること可能かのうである。

歴史れきし

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前史ぜんし

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  • 1984ねん ユナイテッドシステムエンジニアしゃ設立せつりつされる
  • 1999ねん モトローラしゃ半導体はんどうたい部門ぶもんがMetrowerksしゃ取得しゅとく
  • 1999ねん Lineoしゃがユナイテッドシステムエンジニアしゃ取得しゅとく
  • 1999ねん ユナイテッドシステムエンジニアしゃ株式会社かぶしきがいしゃリネオ(Lineo Japanしゃ)に改名かいめい

ほん

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  • 2001ねん11月 シャープがSL-5000Dを開発かいはつしゃけに発売はつばい。OSはLineo英語えいごばんしゃEmbedix使つかっている。
  • 2002ねん3がつ シャープがZaurus SL-5500を海外かいがい発売はつばい
  • 2002ねん4がつ EmbedixしゃがLineoしゃ株式会社かぶしきがいしゃリネオ(Lineo Japanしゃ)をさい合併がっぺい
  • 2002ねん8がつ 一般いっぱんけとして最初さいしょ機種きしゅにあたるSL-A300の国内こくない販売はんばい開始かいし
  • 2002ねん10月 Embedixしゃからマネジメント・バイアウトにより株式会社かぶしきがいしゃリネオ(Lineo Japanしゃ)が独立どくりつ、Lineoブランドを継承けいしょう
  • 2002ねん12月 MetrowerksしゃがEmbedixしゃのLinux部門ぶもん買収ばいしゅう
  • 2003ねんごろ MetrowerksしゃがEmbedixをOpenPDAへ改名かいめい
  • 2003ねん2がつ 株式会社かぶしきがいしゃリネオがリネオ ソリョーションズしゃ改名かいめい
  • 2003ねん Motorolaしゃ半導体はんどうたい部門ぶもんがスピンオフしてFreescaleしゃ分離ぶんり
  • 2005ねん FreescaleしゃがMetrowerksの名前なまえ廃止はいし
  • 2005ねん シャープがSL-C3000を発売はつばい。このかたからOSにリネオ ソリョーションズしゃLineo uLinux使つかわれている。
  • 2006ねん3がつ シャープが最後さいごのZaurusにあたるSL-C3200を発売はつばい、そのしん製品せいひん開発かいはつおこなわれず
  • 2006ねん6がつごろ インテルマーベル・テクノロジー・グループXScaleまわりの事業じぎょう譲渡じょうと

こう

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  • 2009ねん9月 - シャープがNetWalker発売はつばい。CPUはFreescaleしゃのi.MX515であり、OSはUbuntuをカスタマイズしたものを使つかっている。ラインナップのうち、PC-T1モデルのみ手書てが入力にゅうりょく機能きのうゆう[20]モデルについては一切いっさいい。
  • 2019ねん10月22にち - シャープが電子でんしノート WG-PN1発売はつばい手書てがきメモにとく強化きょうかした携帯けいたい情報じょうほうはしまつであり、てい価格かかくおよび視認しにんせい重視じゅうしし、白黒しろくろ液晶えきしょう表示ひょうじとなっている。

初期しょきモデル

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SLザウルスは当初とうしょ海外かいがいのみでの展開てんかいだった。開発かいはつ環境かんきょうとしてはJavaおよびクロスコンパイラ用意よういされた。

これらの機種きしゅにおいてフラッシュメモリはOS格納かくのうよう領域りょういきである。ユーザーデータはRAMに格納かくのうされるためバッテリがれるとデータがえる。

機種きしゅめい SL-5000D SL-5500
コンセプトなど 海外かいがいばんザウルス。開発かいはつしゃけバージョン。 海外かいがいばんザウルス。通常つうじょうバージョン。
筐体きょうたい MI-E21とおな筐体きょうたい SL-5500と類似るいじ筐体きょうたい
キーボード 格納かくのうしきのキーボード 同左どうさ
OS Embedix Plus PDA 同左どうさ
JavaVM
CPU Intel StrongARM SA1110 Intel StrongARM SA1110 206MHz
フラッシュメモリ 16MB 同左どうさ
DRAM 32MB 64MB
画面がめん 240×320pixcel たてがた3.5インチ液晶えきしょう 同左どうさ
その

国内こくない展開てんかい初期しょき

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国内こくない展開てんかい初期しょきはPocket PCやPalmの市場いちば競合きょうごうする構成こうせいになっていた。これはMIシリーズとの競合きょうごうけるためと推測すいそくされる。

SL-A300ではフラッシュメモリはOS格納かくのうよう領域りょういきである。ユーザーデータはRAMに格納かくのうされるためバッテリがれるとデータがえる。

機種きしゅめい SL-A300
コンセプトなど
筐体きょうたい 新規しんき開発かいはつされた筐体きょうたい
キーボード キーボードなし。方向ほうこうキーと4つの操作そうさボタンをつ。
OS Embedix
JavaVM Jeode
CPU Intel XScale PXA210 200MHz
フラッシュメモリ 16MB
DRAM 64MB
画面がめん 240×320pixcel たてがた3.5インチ液晶えきしょう
その オプションのコミュニケーションアダプター(CE-JC1)を使用しようすることでCFスロットを増設ぞうせつ可能かのう。 

国内こくない展開てんかい本格ほんかく

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国内こくないでもMIザウルスに競合きょうごうするSLザウルスが投入とうにゅうされた。

これ以降いこうはユーザーデータはフラッシュメモリにまれ、RAMはワーク専用せんようになった。

機種きしゅめい SL-B500 SL-C700
コンセプトなど
筐体きょうたい SL-5500と類似るいじ筐体きょうたい しん設計せっけいクラムシェルがた筐体きょうたい
キーボード 格納かくのうしきのキーボード ミニキーボード
OS Embedix 同左どうさ
JavaVM Jeode 同左どうさ
CPU Intel XScale PXA250 400MHz 同左どうさ
フラッシュメモリ 64MB 同左どうさ
DRAM 32MB 同左どうさ
画面がめん 240×320pixcel たてがた3.5インチ液晶えきしょう 640×480pixcel 3.7インチ液晶えきしょう
その 液晶えきしょうパネルは回転かいてん可能かのうで、回転かいてんじるとビュースタイルとなる。
世界せかいはつのCG silicon システム液晶えきしょう搭載とうさい製品せいひん

海外かいがいだい2世代せだい

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SL-B500と同等どうとうのハードウェアスペックをもつ海外かいがいばん

機種きしゅめい SL-5600
コンセプトなど
筐体きょうたい SL-5500と類似るいじ筐体きょうたい
キーボード 格納かくのうしきのキーボード
OS Embedix
JavaVM
CPU Intel XScale PXA250 400MHz
フラッシュメモリ 64MB
DRAM 32MB
画面がめん 240×320pixel たてがた3.5インチ液晶えきしょう
その

国内こくないだい2世代せだい

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OSがOpenPDAに、JavaVMがCVMに変更へんこうされた国内こくないだい2世代せだい機種きしゅ

機種きしゅめい SL-C750 SL-C760 SL-C860
コンセプトなど
筐体きょうたい SL-C700のクラムシェルがた筐体きょうたい改訂かいてい 同左どうさ 同左どうさ
キーボード ミニキーボード 同左どうさ 同左どうさ
OS OpenPDA 同左どうさ 同左どうさ
JavaVM CVM 同左どうさ 同左どうさ
CPU Intel XScale PXA255 400MHz 同左どうさ 同左どうさ
フラッシュメモリ 64MB 128MB 同左どうさ
DRAM 64MB 同左どうさ 同左どうさ
画面がめん 640×480pixcel 3.7インチ液晶えきしょう 同左どうさ 同左どうさ
その 2003年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[21] 2003年度ねんどグッドデザインしょう受賞じゅしょう[22] SL-C760に翻訳ほんやくソフト、USBストレージ機能きのう追加ついかしたモデル。

国内こくない業務ぎょうむよう海外かいがいだい3世代せだい

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無線むせんLANBluetoothひとし搭載とうさいしたモデルもある。

オプションのCF拡張かくちょうアダプターを利用りようすることでCFスロットの増設ぞうせつとバッテリの増強ぞうきょう可能かのう

機種きしゅめい SL-6000N SL-6000L SL-6000W
コンセプトなど
筐体きょうたい しん設計せっけいたてがた筐体きょうたい 同左どうさ 同左どうさ
キーボード 格納かくのうしきのキーボード 同左どうさ 同左どうさ
OS OpenPDA 同左どうさ 同左どうさ
JavaVM CVM 同左どうさ 同左どうさ
CPU Intel XScale PXA255 400MHz 同左どうさ 同左どうさ
フラッシュメモリ 64MB 同左どうさ 同左どうさ
DRAM 64MB 同左どうさ 同左どうさ
画面がめん 640×480pixcel 4インチ液晶えきしょう 同左どうさ 同左どうさ
Bluetooth Ver1.1
無線むせんLAN(IEEE 802.11b)
その

国内こくないだい3世代せだい

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OSをLineo uLinux変更へんこうしJavaVM標準ひょうじゅん搭載とうさいをやめた国内こくないだい3世代せだい

メイン基板きばんにCFスロット2ち(うち1個いっこかくしスロット)、CFタイプのハードディスクを搭載とうさい可能かのうである。

非公式ひこうしきながらUSBホスト機能きのう搭載とうさいしている。

機種きしゅめい SL-C3000 SL-C1000 SL-C3100 SL-C3200
コンセプトなど 初代しょだいHDD搭載とうさいザウルス そく戦力せんりょくザウルス コンテンツザウルス すきま時間じかんを、きた時間じかんに。
仕事しごとも、スキルも、ザウルスでをつけろ
筐体きょうたい 新規しんき設計せっけいのクラムシェルがた筐体きょうたい 同左どうさ 同左どうさ 同左どうさ
キーボード ミニキーボード 同左どうさ 同左どうさ 同左どうさ
OS Lineo uLinux 同左どうさ 同左どうさ 同左どうさ
CPU Intel XScale PXA270 416MHz 同左どうさ 同左どうさ 同左どうさ
フラッシュメモリ 16MB 128MB 同左どうさ 同左どうさ
HDD容量ようりょう 4GB なし 4GB 6GB
HDD種別しゅべつ 日立ひたちGSTせいマイクロドライブ - 日立ひたちGSTせいのマイクロドライブ 同左どうさ
DRAM 64MB 同左どうさ 同左どうさ 同左どうさ
画面がめん 640×480pixel 3.7インチ液晶えきしょう 同左どうさ 同左どうさ 同左どうさ
その アプリケーションをHDDにれたことによりアプリケーション起動きどうのレスポンスがわるい。 かくしCFスロット自体じたい実装じっそうされておらず、からHDDを搭載とうさいすることは出来できない。 辞典じてん地図ちず電子でんし文庫ぶんこなどのコンテンツを満載まんさいしたモデル

英会話えいかいわコンテンツがえ、電子でんし文庫ぶんこコンテンツがった。
地図ちずソフトのバージョンががり、広域こういき表示ひょうじが1段階だんかいえ、乗換のりかえ案内あんないとの連携れんけい可能かのうになった。
英文えいぶんげソフトがあらたに追加ついかされた。

OEMおよびOSえモデル

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SL-6000シリーズにPocketPC 2003を搭載とうさいしたモデル。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ https://web.archive.org/web/20081214135927/http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081213-OYT1T00466.htm
  2. ^ 朝日新聞あさひしんぶん2013ねん3がつ11にち4めん『イノベーション「ネット時代じだい仕掛しかえがけず」』記事きじより。
  3. ^ AndroidはZaurusにまたがるか - ITmedia エンタープライズ
  4. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:93C0293
  5. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:94K0577
  6. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:94K0578
  7. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:96K0551
  8. ^ シャープ、内蔵ないぞうソフトや、表示ひょうじ機能きのうなどを強化きょうかした「アクセスザウルス PI-6500」を発売はつばい”. PC Watch (1996ねん11月13にち). 2012ねん4がつ30にち閲覧えつらん
  9. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:97K0572
  10. ^ シャープ COLOR ZAURUS登場とうじょう、6月25にち発売はつばい”. PC Watch (1996ねん5がつ9にち). 2012ねん4がつ30にち閲覧えつらん
  11. ^ ザウルスサポートステーション”. 2024ねん4がつ5にち閲覧えつらん
  12. ^ a b c シャープ COLOR ZAURUS登場とうじょう、6月25にち発売はつばい(PC Watch)
  13. ^ シャープ、「カラーザウルス」の小型こがた軽量けいりょうした後継こうけい「パワーザウルス」を発表はっぴょう”. PC Watch (1997ねん6がつ23にち). 2012ねん8がつ29にち閲覧えつらん
  14. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:97K0573
  15. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:97K0574
  16. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:99A2251
  17. ^ MI-E1(ASCII.jp)
  18. ^ a b ZAURUSラインアップ MI-E1仕様しよう(シャープ 公式こうしきHP)
  19. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:01A10254
  20. ^ NetWalker 【PC-T1】(シャープ 公式こうしきHP )
  21. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:03A03098
  22. ^ 受賞じゅしょう番号ばんごう:03A03099

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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