Small Computer System Interface

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SASIから転送てんそう

Small Computer System Interface(スモールコンピュータシステムインタフェース、小型こがた計算けいさんシステムインタフェース)、りゃくしてSCSI (スカジー)は、おも周辺しゅうへん機器ききコンピュータなどのハードウェアあいだのデータのやりとりをおこなインタフェース規格きかくひとつである。SCSIを使用しよう可能かのうにするインタフェース装置そうちをSCSIインタフェースとぶ。ANSI米国べいこく規格きかく協会きょうかい)によって規格きかくされている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

パソコンワークステーション周辺しゅうへん機器ききとの接続せつぞくインタフェースとして、シュガートのSASI (Shugart Associates System Interface) を拡張かくちょうし、ANSIによって規格きかくされたバスかたのインタフェースである。8ビットまたは16ビットパラレルインタフェース。Ultra SCSIではシリアルかたもある。後述こうじゅつ大型おおがたのコネクタ・バスとう近年きんねんその役目やくめえたが、SCSI規格きかく自体じたい物理ぶつりてき仕様しようのみならずデバイスあいだ通信つうしんプロトコル規定きていしている。実際じっさい現在げんざい普及ふきゅうしている高速こうそく規格きかくであるATASATAUSBIEEE 1394ファイバチャネルうえではSCSIコマンドいまだにやりりされている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

SCSIバスの基本きほん[編集へんしゅう]

SCSIバスは、周辺しゅうへん機器きき接続せつぞくするインタフェースではあるが、コンピュータと周辺しゅうへん機器ききという、主従しゅうじゅう関係かんけいではなく、かく機器きき対等たいとう動作どうさをすることを基本きほんとして設計せっけいされている。入出力にゅうしゅつりょく要求ようきゅうおこなう要求ようきゅう機器きき(イニシエータ)から実際じっさい動作どうさける機器きき(ターゲット)にたいして指示しじおこない、その結果けっかかえす、というかたち動作どうさする。

一般いっぱんには、インタフェース1だい複数ふくすうのSCSI機器きき接続せつぞくするものであると認識にんしきされているが、実際じっさいには複数ふくすうだいのパソコンで1だいのディスクを共有きょうゆうするなどの構成こうせい可能かのう仕組しくみになっている。すなわち、イニシエータは1つのバスじょう複数ふくすう機器きき存在そんざいしてもよい。しかし、実際じっさいには、コンピュータがバスじょう唯一ゆいいつのイニシエータで、かく周辺しゅうへん機器きき(ディスクやテープ装置そうちなど)はターゲットとしてのみうごくのが普通ふつうである。

SCSIの概要がいよう

ちゅう、SCSIバスからかく機器ききのコントローラやホストバスアダプタまでの接続せつぞくせんをスタブと呼称こしょうし、規格きかくじょう各々おのおの機器ききにつき15cmまでが許容きょようされている。また、SCSIバスじょうでの機器きき間隔かんかくは25cm以上いじょう推奨すいしょうされている。

SCSIはバス形式けいしきではあるが、かく機器きき数珠じゅずつなぎでつないでいくため、ヒナギク花輪はなわになぞらえ「デイジーチェーン接続せつぞく」ともわれる。かく機器ききは1つのSCSIバスに接続せつぞくしなければならない。また、バスのりょうはしには信号しんごう反射はんしゃふせぐため、ターミネータを接続せつぞくしなければならない。なお、ターミネータは、かならずしもバス終端しゅうたん接続せつぞくされるわけではなく、ホストバスアダプタやSCSI機器きき内蔵ないぞうされる場合ばあいもある。

SCSIバスに接続せつぞくするかく機器ききはSCSIデバイスとばれる。各々おのおの0から7(または15)までの番号ばんごう区別くべつされる。この番号ばんごうのことをSCSI IDという。通常つうじょう、SCSI機器きき各々おのおの明示めいじてきにSCSI IDを設定せっていしなければならないが、SCAMという拡張かくちょう仕様しようもちいることで、自動的じどうてき設定せっていすることも可能かのうである。

SCSI IDは、7→0、15→8のじゅんにバス使用しよう優先ゆうせんけんられるため、コントローラのIDは7に、処理しょりおそくバスを頻繁ひんぱん開放かいほうする機器ききテープドライブCD-ROMひとし)に優先ゆうせん順位じゅんいたか番号ばんごうてる。

また、各々おのおののSCSIデバイスは、さらにユニットを8つまでつことができる。これをロジカルユニットという。かくロジカルユニットには番号ばんごうがつけられる。この番号ばんごうのことをLUN (Logical Unit Number英語えいごばん) という。ロジカルユニットは、1つのデバイスで複数ふくすう媒体ばいたいつことができる多連装たれんそうCD-ROM装置そうちや、ディスクアレイ装置そうち多連装たれんそうテープ装置そうちなどで使つかわれる。

  • ちゅう)ディスクアレイ装置そうち場合ばあい、LUNではなく、RAIDコントローラをかいして内部ないぶべつのSCSIバスを用意よういしそこにHDD接続せつぞくする実装じっそうほとんどである。

もっとも、一般いっぱんけの機器ききでこれをもちいているのはPDDVD-RAM多連装たれんそうCD-ROMドライブ程度ていどであるため通常つうじょう使用しようにおいてはまずにする必要ひつようい。

SCSI装置そうち区分くぶん[編集へんしゅう]

SCSI装置そうちはいくつかの種類しゅるいごとにカテゴリけされる。たとえば、ディスク装置そうち、テープ装置そうちなどであり、それぞれのカテゴリごとに利用りようできるコマンドるい定義ていぎされる。これは、ディスクはランダムアクセスできるが、テープはシーケンシャルアクセスしかできないため、ランダムアクセスのコマンドは定義ていぎしようにもできないからである。

SCSIのバスはば[編集へんしゅう]

並列へいれつ(パラレル)SCSIでは、8ビットはば (NARROW) では50しん、16ビットはば (WIDE) では68しんのケーブルをもちい、かく機器ききをバス接続せつぞくする。バスのりょうはしには終端しゅうたん抵抗ていこう(ターミネータ)が必要ひつようである。NARROWでは8だい、WIDEでは16だいのSCSI機器きき接続せつぞくできる。ただしインタフェースボードがIDをひと消費しょうひするので、実際じっさい接続せつぞく可能かのう機器ききはNARROWで7だい、WIDEで15だいとなる。

なお、SCSI-2の16/32ビットWIDEはNARROWにケーブルをもう1ほん追加ついかするものであったためまったく普及ふきゅうせず、Ultra SCSIで廃止はいしされ、あらたに16bit WIDEが規定きていされた。 通常つうじょう、WIDEといえばUltra SCSIの16bit WIDEをす。

規格きかく[編集へんしゅう]

規格きかく基本きほん[編集へんしゅう]

アダプテックせいSCSI-2インタフェースボード
バッファローせいPCカードかたちSCSI-2インタフェース

SCSIはなん規格きかく更新こうしんし、速度そくど向上こうじょう機能きのう追加ついかおこなわれている。

SCSI-1
1986ねんにANSIにて制定せいていされた最初さいしょ規格きかく。HVD(電圧でんあつどうがた)もこの時点じてん制定せいていされている。
CCS (Common Command Set)
SCSI-1制定せいてい色々いろいろ開発かいはつされたHDD以外いがい製品せいひんなどの制御せいぎょ方式ほうしき統一とういつするために業界ぎょうかい制定せいていしたコマンドセット。ANSIとは無関係むかんけいである。
SCSI-2
1989ねんにANSIで制定せいてい。CCSをベースに、Fast10、16bit/32bit WIDE(ようオプションケーブル)、ケーブル、ターミネータ抵抗ていこう、コネクタ形状けいじょうパリティ必須ひっす記憶きおく装置そうち以外いがい周辺しゅうへん機器ききモデムスキャナひとし)の接続せつぞく機能きのうとう規格きかくされた。
Ultra SCSI
1992ねんにANSIで制定せいてい。WIDEのさい定義ていぎ、シリアルSCSI、Fast20とう包括ほうかつてき様々さまざま仕様しよう定義ていぎされた。これ以降いこう機能きのう追加ついか (Ultra2、U160、U320) はUltra SCSIの改訂かいていかたちおこなわれている。

SCSI-1や2という規格きかくめいより、Narrow SCSI、Fast SCSI、Wide SCSIなどという名称めいしょうのほうが一般いっぱんてきである。またUltra SCSIのことをSCSI-2のつぎ規格きかくのためSCSI-3だと勘違かんちがいされるが、実際じっさいにはSCSI-3という規格きかく存在そんざいせずUltra SCSIというのが規格きかく正式せいしき名称めいしょうである。

SCSIには、転送てんそう速度そくどやバスはば以外いがいにも電圧でんあつ伝送でんそう方式ほうしきによるちがいがあり、現状げんじょうSE(シングルエンド)、HVD(ハイボルテージディファレンシャル)、LVDてい電圧でんあつどうがた:ローボルテージディファレンシャル)の3種類しゅるい機器きき流通りゅうつうしている。SEとLVDにかんしてはピン互換ごかんせいがあり、また、電気でんきてき相互そうご接続せつぞくすること可能かのうとなるよう設計せっけいされているが、HVDについては、電気でんきてき互換ごかんせい考慮こうりょされていないため、あやまって接続せつぞくすると機器きき故障こしょう原因げんいんとなるので注意ちゅういようする。

規格きかく一覧いちらん
規格きかくぐん 規格きかく 省略形しょうりゃくけい 周波数しゅうはすう 速度そくど
(MB/s)
バスはば 最大さいだいバスちょう(m) 備考びこう
LVD SE HVD
SCSI-1 SCSI 5MHz 5 8bit 6 25 一般いっぱんにはたんに「SCSI」とえばこの規格きかく
SCSI-2 Fast10 10MHz 10 3 FastSCSI
SCSI-2 20 16bit FastWideSCSI
SCSI-2 40 32bit 32bit FastWideSCSI
Ultra SCSI Ultra/Fast20 U 20MHz 20 8bit 1.5 UltraSCSI 3だい以下いか場合ばあいSEで3m
Ultra Wide UW 40 16bit Wide Ultra SCSI
Ultra2 U2 40MHz 8bit 12 1だいのみの場合ばあい25m 通常つうじょうはU2Wが使つかわれる
Wide Ultra2 U2W 80 16bit
Ultra160 U160 40MHz DDR 160 Ultra3 SCSI ドメインバリデーションを追加ついか
Ultra320 U320 80MHz DDR 320 現行げんこう規格きかく
Ultra640 U640 160MHz DDR 640 SE機器きき接続せつぞく保証ほしょうされない。廃案はいあん
Ultra1280 160MHz PAM-4 1280 実験じっけんおよ一部いちぶ仕様しよう策定さくてい
Ultra2560、Ultra5120 ロードマップのみ存在そんざい
Ultra327680 将来しょうらい展望てんぼうとしてここまでかんがえられていた(なか冗談じょうだんとも)

また、パラレルSCSIの開発かいはつはU640(製品せいひんはU320まで)で終了しゅうりょうし、次世代じせだいのSCSIはシリアル (Serial Attached SCSI, SAS) で一本いっぽんされることになっている。

コネクタ[編集へんしゅう]

50pinケーブル

内部ないぶ接続せつぞくコネクタはSCSI-1時代じだいには規格きかくされており、SCSI-2で追加ついかされたWide規格きかくにおいては、SCSI-1からの8ビットはばの50ピンケーブル(Aコネクタ)と、オプションの68ピンケーブル(Bコネクタ)を併用へいようする必要ひつようがあった。 Ultra SCSIにてWideのさい定義ていぎおこない、68ピンケーブル(Pコネクタ)一本いっぽんで16bitWideが使用しよう可能かのうになった。32bitWideを使用しようするときはもう一本いっぽん68ピンケーブル(Qコネクタ)を併用へいようする必要ひつようがあったが、1つのバスにおおくの機器ききを(しかもケーブル2ほん使用しようしてまで)接続せつぞくする必要ひつよう現実げんじつ問題もんだいとしてく(32bit規格きかく理論りろんじょう32だいのデバイスをサポートしている)、転送てんそう速度そくどのアドバンテージもLVDによりうすれ、LVD規格きかくでは32bit規格きかくはドロップされた。

SCSI外部がいぶ機器ききがケーブルの接続せつぞく使用しようするコネクタは、SCSI-2/Ultra SCSIで規格きかくされ、NarrowはD-Sub 50pin ハーフピッチコネクタ、Ultra SCSIの16ビットWideは内部ないぶ接続せつぞくおなじ D-Sub 68pin ハーフピッチコネクタに固定こていよう螺子ねじ追加ついかしたもの使用しようされる。ただ、ピン形状けいじょうやコネクタ形状けいじょう螺子ねじあな位置いち規格きかくされているが、それをおおうコネクタカバーあつさと螺子ねじかた(インチ螺子ねじなのかJIS螺子ねじなのか)には規定きていく、機器きき干渉かんしょうする場合ばあいもある。

また、RAIDカードや複数ふくすうチャネルをつコントローラはせまいスロットカバーに複数ふくすうのWideケーブルを接続せつぞく出来できるようにするためちょう高密度こうみつど68pinコネクタを採用さいようしている。

SCSI-1時代じだいには、内部ないぶ接続せつぞくコネクタ形状けいじょうのみ規格きかくされていたため、一般いっぱんてきにはセントロニクスコネクタと同様どうようなベローズ形状けいじょうのフルピッチの50ピンコネクタが使用しようされていたが、AppleMacintoshやIO-MEGAのZipドライブではRS-232CおなじD-SUB 25pinが、また、日本電気にほんでんき (NEC) のPC-9800シリーズでは、ベローズ形状けいじょうをシュリンクしたSCSI-2のそれとどうサイズのコネクタを採用さいようしている。NECのEWS4800シリーズはこれにくわえ、ケーブルがわコネクタの外周がいしゅうに2つの突起とっきがあり、機器ききがわのマイクロスイッチでケーブルが接続せつぞくされているかかを判断はんだんする仕組しくみが追加ついかされている。このため、一般いっぱんのSCSI機器ききにEWS4800ようのSCSI機器きき接続せつぞく出来できない(ぎゃく可能かのう)。また、AppleのPowerBook 5300では HDI-30[1][2]採用さいようされていた。

ターミネータ[編集へんしゅう]

SCSI ターミネータ

ターミネータterminator, 終端しゅうたん抵抗ていこう)には外部がいぶ接続せつぞくするもの、SCSI機器きき内部ないぶのコントローラ基板きばんじょうにあるものの種類しゅるいがある。また、動作どうさ方式ほうしきとしてパッシブターミネータ英語えいごばんアクティブターミネータ英語えいごばんがある。

パッシブターミネータはたん抵抗ていこうをバスラインに接続せつぞく[3]するだけである。一方いっぽうアクティブターミネータは、抵抗ていこうだけでなく、能動のうどう素子そしてい電圧でんあつレギュレータ)を使つかっている。SCSI-2以降いこうはアクティブターミネータの使用しよう必須ひっすであり、その回路かいろはSCSIの規格きかくしょ記載きさいされている[4]。パッシブターミネータの場合ばあい、アクティブな信号しんごうおおいほどターミネータにながれる電流でんりゅうおおくなり、TERMPWRラインの電圧でんあつがり動作どうさ不安定ふあんていになる場合ばあいがある。アクティブターミネータの場合ばあい同様どうよう条件じょうけんであっても抵抗ていこう接続せつぞくされているのはてい電圧でんあつレギュレータであるため、SCSIの仕様しようないであればレギュレータの出力しゅつりょく電圧でんあつ補正ほせいされ安定あんていした動作どうさ期待きたいできる。

SCSI機器きき動向どうこう[編集へんしゅう]

かつて日本にっぽんでも各種かくしゅパソコンやワークステーションPC-9800シリーズFMRシリーズ/FM TOWNSX68000や、また、日本にっぽん国内こくない販売はんばいされたMacintoshサン・マイクロシステムズなど)でハードディスクドライブ (HDD) やイメージスキャナCD-ROMMOなどを接続せつぞくする高速こうそくインタフェースとして使つかわれていた。PC-9800シリーズやMacintoshではSCSIが記憶きおく装置そうち入出力にゅうしゅつりょく装置そうち標準ひょうじゅんインタフェースとなっており、PC-9800シリーズやMacintoshではSCSI接続せつぞくしたMOディスクからも起動きどう可能かのうであった。また、MacintoshではSCSI接続せつぞくしたMacintosh本体ほんたいそとけハードディスクとして利用りようする、SCSIターゲットディスクモードばれる仕様しよう接続せつぞくさきから起動きどう可能かのう仕様しようになっていた)も用意よういされていた。FM TOWNSも登場とうじょうはSCSIを標準ひょうじゅん搭載とうさいとしていた。これらの機種きしゅのようにフロッピーディスクドライブとHDDのいずれからもシステムの起動きどう失敗しっぱいした場合ばあいに、SCSI接続せつぞく機器ききから「だいさん選択肢せんたくし」としてシステム起動きどうこころみることができる仕様しようとなっていたものもあり、当時とうじ潤沢じゅんたくではなかったシステム資源しげん有効ゆうこう活用かつようするめんでも重要じゅうよう選択肢せんたくしとして活躍かつやくした。

その一方いっぽうPC/AT互換ごかんでは、内蔵ないぞうHDDは歴史れきしてきST-506始祖しそとするIDE主流しゅりゅうであり、おもそとけCD-ROMやMOとう接続せつぞくため使用しようされていただけだった。CD-ROMについてはコスト削減さくげんのため、内蔵ないぞうされ、SoundBlasterMKEミツミソニー独自どくじ接続せつぞく規格きかく1996ねんころからはATAPIによる接続せつぞく主流しゅりゅうとなった。また2002ねん以降いこう順次じゅんじシリアル伝送でんそうによる規格きかくへの置換ちかんすすんでおり、パーソナルコンピューターけではシリアルATA、サーバーけではSerial Attached SCSI (SAS) への置換ちかんすすんでいたが、2020ねん現在げんざいでは2013ねん規格きかくかたまり製品せいひん登場とうじょうしたより高速こうそくNVMe両者りょうしゃともに主流しゅりゅうとなっている。

MOやイメージスキャナなど、そとけの周辺しゅうへん機器ききについても、2000ねんころからUSB 1.1(さらに2002ねんころからは、より転送てんそう速度そくどはやいUSB 2.0)やIEEE 1394に、そのはUSB 3.0にってわられた状況じょうきょうである。

Macintosh(とくiMac以降いこう)でも同様どうように、HDDやCD-ROMといった内蔵ないぞう機器ききはIDE、MOやイメージスキャナなどのそと機器ききはUSBやIEEE 1394に、さらにUSB 3.0やIEEE1394bをて、2020ねん現在げんざいではUSB 3.1 Gen2とThunderbolt 3わっている。ターゲットディスクモードも、IEEE 1394やThunderboltでサポートされている。

高速こうそく処理しょり速度そくどつよもとめられるサーバ用途ようとでは、CPUへの負荷ふかおさえられることから、現在げんざいでもSCSI接続せつぞくのハードディスクがおももちいられている。この場合ばあい故障こしょうたいするたいせいたかめる目的もくてきで、冗長じょうちょうせいたせるためRAID構成こうせい(RAID1、あるいはRAID5)としてもちいられることがおおい。

また一般いっぱん用途ようとでも、日常にちじょうてきにアクセスするそとけHDDを増設ぞうせつする場合ばあい、USBやIEEE1394はバスパワー供給きょうきゅう干渉かんしょう論理ろんりてき切断せつだんされる現象げんしょうがまれに発生はっせいするため、これをきらってSCSIを採用さいようするユーザもすくなからずいる。この場合ばあい現在げんざいはSCSIようのHDDが非常ひじょう高価こうかなため、ATAシリアルATAのHDDをSCSIに接続せつぞくするため変換へんかん基板きばんATA-SCSIブリッジS・ATA-SCSIブリッジ)が使用しようされることがおおい。

複数ふくすうのイニシエータをつことが出来できことから、コンピュータクラスタのストレージようバスとして使つかわれている。ストレージを共有きょうゆうすることで個々ここのストレージへのアクセスをモニタするオーバーヘッドを削減さくげんし、異常いじょう事態じたいしょうじてフェイルオーバーするとき最終さいしゅう状態じょうたい保存ほぞんされているストレージにアクセスできるため瞬時しゅんじにクラスタ構成こうせい要素ようそはなしたり代替だいたいすることができた。これはIEEE 1394にもがれている。

一般いっぱんけでもSCSIのハードディスクが多用たようされていた時代じだいには、ドライブユニットはIDEとおなじで、制御せいぎょ基板きばんのみえていた製品せいひんおおくをめていたが、近年きんねんのSCSIハードディスクは(SCSI規格きかくそのものによる優位ゆういせいではないが)サーバでの使用しよう前提ぜんていとした専用せんよう設計せっけいとなり、しょう口径こうけいプラッタ採用さいようによるシーク速度そくど性能せいのう向上こうじょうや、信頼しんらいせい確保かくほため、IDEハードディスクとは文字通もじどお桁違けたちがいの平均へいきん故障こしょう時間じかん実現じつげんしている。

近年きんねんではSCSIという規格きかく名称めいしょうかんした製品せいひんかける機会きかい以前いぜんくらべて減少げんしょうしているが、SCSIのデータ伝送でんそうプロトコルを応用おうようした規格きかくとして、前述ぜんじゅつの SAS (Serial Attached SCSI)、UASP (USB Attached SCSI Protocol)の対応たいおう製品せいひんが、またIPネットワーク技術ぎじゅつ進展しんてんにともない、SCSI機器ききをIPネットワーク経由けいゆ接続せつぞくするための iSCSIという規格きかくIETFにおいて標準ひょうじゅんされている。従来じゅうらいストレージエリアネットワーク (SAN) ではファイバチャネルが使つかわれることがおおかったが、コストがたかくなりがちである、ファイバチャネル精通せいつうした技術ぎじゅつしゃすくない、などの問題もんだいてんがあった。これにたいし、IPネットワーク機器ききひろ普及ふきゅうしており、IP ネットワーク技術ぎじゅつ関連かんれんした技術ぎじゅつしゃおおいことから、iSCSIをベースとしたSANも普及ふきゅうをみせている。

補足ほそく[編集へんしゅう]

  • 「SCSIインタフェース」というインタフェースがじゅうになったようないいかたをされることがある。これは「SCSIという規格きかく合致がっちしたインタフェース機器きき」という意味いみ解釈かいしゃくすれば、かならずしも間違まちがいではないが、混乱こんらんけるには「SCSIカード」「SCSI端子たんし(ポート)」などとう。
  • SCSIのインタフェースカードはHost Bus Adapter (HBA) とばれる。これはストレージシステムにおいて、ディスクがわにもアダプターが実装じっそうされることもあり、ホスト (PC) がわのアダプターであることを明示めいじする必要ひつようがあるからである。
  • SCSIは、ホットスワップ電源でんげん投入とうにゅう脱着だっちゃく)に対応たいおうしておらず、起動きどう機器ききつないでも認識にんしきされない。認識にんしきさせるためにはコンピュータのさい起動きどう必要ひつようであり、外部がいぶ周辺しゅうへん機器ききでホットスワップにも対応たいおうしている、USBやIEEE 1394にってわられたひとつの要因よういんえる。
  • SCSIの規格きかくとしては、接続せつぞくさえしておけばホストアダプタがわ電源でんげん投入とうにゅう機器ききがわのコネクト/ディスコネクトが可能かのうとなっている。ただしオペレーティングシステム (OS) またドライバ対応たいおうしている必要ひつようがある。たとえばWindows 95以降いこうであればOS起動きどうにHDDの電源でんげんれても、デバイスマネージャからデバイスの更新こうしん操作そうさおこなえばさいスキャンがおこなわれさい設定せっていされる。
  • 2006ねん現在げんざい日本にっぽん国内こくない販売はんばいされている一般いっぱんけのSCSI機器ききは、HDDのベアドライブをのぞけば、IDE→SCSI変換へんかん基板きばんかいしたものがほとんどである。ある意味いみ初期しょきST-506+変換へんかん基板きばん時代じだい回帰かいきしたともえる。
  • NECのちょう並列へいれつコンピュータ Cenju の外部がいぶSCSIコネクタは一部いちぶ配線はいせん間違まちがえて接続せつぞくされているため、最初さいしょ機器きき接続せつぞくする場合ばあい専用せんようのケーブルを購入こうにゅうしなければならない。
  • PC-9800シリーズの初期しょき純正じゅんせいSCSIボード (PC-9801-55) において、NECせい以外いがいのHDDを接続せつぞくすると認識にんしきしないという処置しょちがされており、たちのわるいプロテクトであると一般いっぱんおもわれている。しかしこれは、当時とうじSCSIの代替だいたいセクタの解釈かいしゃくにゆれがあり、他社たしゃせいHDDをつなぐとトラブルがきる可能かのうせいがあるため、やむなくとられた措置そちである。とはいえ、このために純正じゅんせいボードがリファレンスとして機能きのうせず、サードパーティーのHDDは自社じしゃのSCSIボードとのセット販売はんばい主流しゅりゅうとなり、互換ごかんせいをめぐる混乱こんらん(HDDを他社たしゃのボードにつなぎかえるとジオメトリのちがいによりパーティション認識にんしきされない)をこす遠因えんいんとなったことは否定ひていできない。55ボード問題もんだい参照さんしょう
  • PC-9800シリーズにおける純正じゅんせいインタフェースボードが、SASIのものとSCSIのもので別々べつべつのコントローラを使用しようしていて互換ごかんであるため、日本にっぽんにおいてはSASIとSCSIは別物べつものであるとかんがえられていることおおい(これは、同様どうようにPC-9800シリーズ、FMRシリーズとその上位じょうい互換ごかんであるFM TOWNSで、当初とうしょIDEに専用せんようのI/Oが定義ていぎされず、ソフトウェアじょうはSASIの上位じょうい互換ごかんとして処理しょりすること導入どうにゅうされた経緯けいいもある)。しかし実際じっさいには、元々もともとSASIを大幅おおはば拡張かくちょうしたうえ規格きかくしたものがSCSIであり、SCSIはSASIの上位じょうい互換ごかん規格きかくとなっている。このため、プロトコルシーケンスをすべてソフトウェアで実現じつげんする原始げんしてきなSASIコントローラの場合ばあい、ソフトウェア次第しだいではSCSIデバイスを接続せつぞくすることも不可能ふかのうではい。実際じっさい、PC-9800シリーズようSASIボードにSCSIのHDDを接続せつぞくするためのドライバソフトは存在そんざいする。また、X68000でも、SCSIインタフェース搭載とうさい以前いぜん機種きしゅで、本来ほんらいはSASIのインタフェースにたいし、SCSIプロトコルをソフトウェアてき実装じっそうし、接続せつぞく実現じつげんしたSxSIというドライバが存在そんざいする。またSCSI普及ふきゅう初期しょきには、一部いちぶサードパーティーせいSCSIボードにSASIのHDDが使用しよう可能かのうなものがあったり、SCSI/SASIをえて使つかえるHDDなども存在そんざいした。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Macintosh PowerBook 5300/100 - 技術ぎじゅつ仕様しよう”. 2022ねん10がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ HDI-30 SCSI Apple Computer Bus”. 2022ねん10がつ20日はつか閲覧えつらん
  3. ^ 具体ぐたいてきにはかく信号しんごうせんを220Ωおーむ抵抗ていこうでTERMPWRラインに、330Ωおーむ抵抗ていこうでGNDに終端しゅうたんするものである
  4. ^ かく信号しんごうせんを110Ωおーむ抵抗ていこうで2.85Vのてい電圧でんあつ電源でんげん終端しゅうたんするものである

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]