SFCG

株式会社かぶしきがいしゃSFCG
SFCG CO.,LTD.

種類しゅるい	株式会社かぶしきがいしゃ、公開こうかい会社かいしゃ
市場いちば情報じょうほう	東証とうしょう1部ぶ 8597 1999年ねん7月がつ - 2009年ねん3月24日にち
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 〒103-8305 東京とうきょう都と中央ちゅうおう区く日本橋にほんばし室町むろまち3-2-15 NBF日本橋にほんばし室町むろまちセンタービル 北緯ほくい35度ど41分ふん16.2秒びょう 東経とうけい139度ど46分ふん22.15秒びょう
設立せつりつ	1978年ねん12月20日にち
業種ぎょうしゅ	その他た金融きんゆう業ぎょう
法人ほうじん番号ばんごう	1010001046107
事業じぎょう内容ないよう	中小ちゅうしょう企業きぎょう向むけ保証人ほしょうにん付つきローン、有ゆう担保たんぽローン、商業しょうぎょう手形てがた割引わりびき
代表だいひょう者しゃ	破産はさん管財かんざい人じん 瀬戸せと英雄ひでお
資本しほん金きん	791億おく4915万まん円えん （2009年ねん1月がつ27日にち現在げんざい）
発行済はっこうずみ株式かぶしき総数そうすう	1224万まん5470株かぶ
売上うりあげ高だか	単体たんたい:839億おく89百ひゃく万まん円えん 連結れんけつ:1364億おく01百ひゃく万まん円えん （2008年ねん7月がつ期き）
純じゅん利益りえき	単体たんたい:3億おく36百ひゃく万まん円えん 連結れんけつ:68億おく51百ひゃく万まん円えん （2008年ねん7月がつ期き）
純資産じゅんしさん	単体たんたい:2550億おく86百ひゃく万まん円えん 連結れんけつ:2822億おく19百ひゃく万まん円えん （2008年ねん7月がつ31日にち現在げんざい）
総そう資産しさん	単体たんたい:6515億おく06百ひゃく万まん円えん 連結れんけつ:7489億おく71百ひゃく万まん円えん （2008年ねん7月がつ31日にち現在げんざい）
従業じゅうぎょう員数いんずう	単体たんたい:300人にん 連結れんけつ:1621人にん （2008年ねん7月がつ31日にち現在げんざい）
決算けっさん期き	7月がつ末日まつじつ
主要しゅよう株主かぶぬし	株式会社かぶしきがいしゃKEホールディングス 33.01% 日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこう株式会社かぶしきがいしゃ 11.75% 株式会社かぶしきがいしゃ光通信ひかりつうしん 3.82% （2009年ねん2月がつ23日にち現在げんざい）
主要しゅよう子会社こがいしゃ	株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんアセットファイナンス 100% 株式会社かぶしきがいしゃMAGねっとホールディングス 41.28% 株式会社かぶしきがいしゃジャスティス債権さいけん回収かいしゅう 100%
関係かんけいする人物じんぶつ	大島おおしま健けん伸しん（創業そうぎょう者しゃ・前まえ会長かいちょう）
特記とっき事項じこう：2009年ねん4月がつ21日にち破産はさん手続てつづき開始かいし決定けってい。2019年ねん12月18日にち破産はさん手続てつづき結ゆい了りょう・法人ほうじん格かく消滅しょうめつ。

株式会社かぶしきがいしゃSFCG（エスエフシージー）は、かつて存在そんざいした日本にっぽんの貸金かしきん業者ぎょうしゃ（ノンバンク）。主おもに事業じぎょう者しゃ向むけローン（事業じぎょう者しゃ金融きんゆう）・手形てがた割引わりびき等ひとしを扱あつかっていた。旧きゅう商号しょうごうは、株式会社かぶしきがいしゃ商工しょうこうファンド。民事みんじ再生さいせい手続てつづきを廃止はいしし、破産はさん手続てつづきに移行いこうした。

概要がいよう

1978年ねんに、株式会社かぶしきがいしゃ商工しょうこうファンドとして設立せつりつ。銀行ぎんこうからの借かり入いれが困難こんなんな中小ちゅうしょう企業きぎょう向むけに貸かし付つけを行おこなう、いわゆる商工しょうこうローン（事業じぎょう者しゃ金融きんゆう）として成長せいちょう。取とり立たて方法ほうほうが問題もんだい化かし始はじめた後のちの2002年ねん11月に、現在げんざいの株式会社かぶしきがいしゃSFCGに商号しょうごうを変更へんこうした。これは、商工しょうこうファンドカンパニーグループ（Shoko Fund Company Group）の略りゃくである。

2007年ねん6月がつに、全国ぜんこく各地かくち（元々もともと支店してんがなかった沖縄おきなわ県けんを除のぞく）に金融きんゆう子会社こがいしゃである「株式会社かぶしきがいしゃ○○（都道府県とどうふけん名めい）アセットファイナンス」46社しゃを設立せつりつし、顧客こきゃくに対たいする融資ゆうしはこの各かく子会社こがいしゃが担当たんとうすることとし、全国ぜんこくの支店してんを廃止はいしした。その後ごSFCGは、東京とうきょう都とのみに営業えいぎょう店てんを有ゆうする、東京とうきょう都と管轄かんかつの貸金かしきん業者ぎょうしゃ（登録とうろく番号ばんごう：東京とうきょう都知事とちじ(1)第だい30884号ごう）となり、主おもに上記じょうきアセットファイナンス各社かくしゃからの債権さいけん買取かいとり、管理かんり業務ぎょうむを行おこなっていた。

親会社おやがいしゃは、長ながらく創業そうぎょう者しゃの大島おおしま健けん伸しんの資産しさん管理かんり会社かいしゃである株式会社かぶしきがいしゃKEホールディングスや株式会社かぶしきがいしゃケン・エンタープライズであった（出資しゅっし構造こうぞうは時々ときどき変更へんこうがあった）。しかし、民事みんじ再生さいせい申立もうしたてて（後述こうじゅつ）に先立さきだつ2009年ねん2月がつ18日にちに、日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこう株式会社かぶしきがいしゃが、SFCGの債務さいむの物上ぶつじょう保証ほしょうとして、親会社おやがいしゃの株式会社かぶしきがいしゃKEホールディングスが担保たんぽ提供ていきょうしていたSFCG株かぶ（約やく11%相当そうとう）について、担保たんぽ権けんを実行じっこうしたため、同どう銀行ぎんこうが第だい2位いの株主かぶぬしとなり、株式会社かぶしきがいしゃKEホールディングスは親会社おやがいしゃではなく「その他た関係かんけい会社かいしゃ」に該当がいとうすることとなった（筆頭ひっとう株主かぶぬしではある）。外国がいこく人じん持株もちかぶ比率ひりつが2007年ねん時点じてんで22%であり、SFCGによれば「圧倒的あっとうてきな外国がいこく人じん持株もちかぶ比率ひりつ」と主張しゅちょうしている 。

経営けいえい破綻はたんし破産はさんへ

2008年ねん3月がつには15,000円えんほどあった同社どうしゃ株価かぶかが、リーマン・ブラザーズ・グループから巨額きょがくの借かり入いれ（2007年ねん7月がつ時点じてんで734億おく3300万まん円えん、2008年ねん9月がつ時点じてんで52億おく9000万まん円えん）をしていたこともあり、サブプライムローン問題もんだいを端緒たんしょとした、リーマン・ショックをはじめとする世界せかい金融きんゆう危機ききの影響えいきょうをもろに受うけ、株価かぶかが同年どうねん10月がつには14,000円えん以上いじょう落おちるという結果けっかとなった。

過払かばらい金きん返還へんかん訴訟そしょうや取立とりたてをめぐる損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう訴訟そしょうが相次あいついでいた中なか、2008年ねん8月がつのアーバンコーポレイションの破綻はたんをきっかけに資金繰しきんぐりが悪化あっかし、同年どうねん9月がつのリーマン・ショック以降いこうは資金しきん調達ちょうたつが困難こんなんになる。貸かし剥はがしとも言いわれた強引ごういんな資金しきん回収かいしゅうを行おこなったものの、遂ついには決算けっさん資金しきんまで行いき詰づまる事態じたいとなり、2009年ねん2月がつ23日にちに、東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ第だい20部ぶへ民事みんじ再生さいせい法ほうの適用てきようを申請しんせいして受理じゅりされた。負債ふさい総額そうがくは3380億おく4000万まん円えん。

その後ご、保有ほゆうする債権さいけんを約やく700億おく円えん相当そうとうを、日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうと複数ふくすうの信託しんたく銀行ぎんこうに二に重じゅう譲渡じょうとしていたことが、民事みんじ再生さいせい手続てつづき中ちゅうに発覚はっかく。約やく38億おく円えんの税金ぜいきん滞納たいのうで、銀行ぎんこう預金よきんの差さし押おさえを受うけた。さらに、3月23日にちに、2008年ねん7月がつ期き決算けっさんにつき粉飾ふんしょく決算けっさんによる違法いほう配当はいとうを行おこなっていた疑うたがいがあるとして、被害ひがい対策たいさく弁護べんご団だんが、大島おおしまについて東京とうきょう地方ちほう検察庁けんさつちょうに、会社かいしゃ法ほう違反いはんで告発こくはつするに至いたった。このような事情じじょうがあり、債権さいけん者しゃらの同意どういが得えられる見通みとおしがなくなったばかりか、近ちかく貸金かしきん業ぎょう登録とうろくの取とり消けし処分しょぶんがなされる見込みこみとなったことで再建さいけんが困難こんなんとなり、3月24日にちに東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょは民事みんじ再生さいせい手続てつづきの廃止はいしを決定けってい。これを受うけて、同年どうねん4月がつ21日にちに破産はさん手続てつづき開始かいし決定けってい、会社かいしゃは清算せいさんされて、会社かいしゃ財産ざいさんは債権さいけん者しゃに分配ぶんぱいされる予定よていである。SFCGが返還へんかんを求もとめられる可能かのう性せいのある過払かばらい金きんが約やく2100億おく円えん存在そんざいすることが判明はんめいし、負債ふさい総額そうがくは約やく5480億おく円えんに及およぶことが判明はんめいした。

破産はさん管財かんざい人じんである弁護士べんごしの瀬戸せと英雄ひでおが記者きしゃ会見かいけんで明あきらかにしたところによると、破綻はたん直前ちょくぜんのSFCGでは、以下いかの財産ざいさん流出りゅうしゅつ行為こういが行おこなわれていた。

• 2008年ねん10月がつ以降いこう、貸付かしつけ債権さいけん約やく1420億おく円えん分ぶんを、関連かんれん会社かいしゃや大島おおしまの親族しんぞく会社かいしゃなどに無償むしょう譲渡じょうとか、安値やすね売却ばいきゃくした。
• 2009年ねん2月がつに行いった民事みんじ再生さいせい手続てつづき開始かいしの申立もうしたて直前ちょくぜんに、子会社こがいしゃ株式かぶしきなど約やく1238億おく円えん分ぶんの財産ざいさんを、関係かんけい会社かいしゃ等とうに譲渡じょうとした。
• 東京とうきょう都と渋谷しぶや区く松濤しょうとうにある大島おおしまの自宅じたくを、親族しんぞく会社かいしゃ（代表だいひょう取締役とりしまりやくは大島おおしまの妻つま）の所有しょゆうとし、SFCGが家賃やちんとして月つき1525万まん円えんを支払しはらっていたが、2008年ねん10月がつからは月つき3150万まん円えんに引ひき上あげた。
• 2008年ねん8月がつに、役員やくいん報酬ほうしゅうを、他たの役員やくいんは全員ぜんいん月額げつがく30万まん円えんだったにもかかわらず、大島おおしまの報酬ほうしゅうのみ月額げつがく2000万まん円えんから月額げつがく9700万まん円えんに増額ぞうがくした。

破産はさん管財かんざい人じんは、会社かいしゃ法ほう違反いはん（特別とくべつ背任はいにん）や民事みんじ再生さいせい法ほう違反いはん（詐欺さぎ再生さいせい）の被疑ひぎ事実じじつで、大島おおしまほか旧きゅう経営けいえい陣じんを告発こくはつ。2009年ねん5月がつ8日にち、過払かばらい金きん債権さいけん者しゃ法人ほうじん44社しゃなどが、東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに大島おおしまの破産はさんを申もうし立たてた。2009年ねん6月がつ2日にち、東京とうきょう地裁ちさいは、破産はさん法ほうに基もとづく損害そんがい賠償ばいしょう額がくの査定さていを破産はさん管財かんざい人じんが求もとめていたことに対たいし、大島おおしまの責任せきにんを認みとめ、約やく717億おく円えんの賠償ばいしょう額がくを認みとめる決定けっていを出だした。2009年ねん6月がつ4日にち、東京とうきょう地裁ちさいは、大島おおしま本人ほんにんの破産はさん手続てつづき開始かいしを決定けっていした。

2010年ねん6月がつ16日にち、警視庁けいしちょう刑事けいじ部ぶ捜査そうさ第だい二に課かは破産はさん管財かんざい人じんから告発こくはつされている上記じょうきの容疑ようぎなどで、大島おおしま健けん伸しんら4人にんを逮捕たいほした。大島おおしまのみ起訴きそされたが、無罪むざいとなった。

沿革えんかく

• 1978年ねん12月10日にち - 株式会社かぶしきがいしゃ商工しょうこうファンド設立せつりつ。商業しょうぎょう手形てがた割引わりびきを始はじめる。
• 1980年ねん2月がつ - 手形てがた担保たんぽ貸付かしつけ、保証人ほしょうにん貸付かしつけを始はじめる。
• 1984年ねん
  • 1月がつ - 貸金かしきん業ぎょう規制きせい法ほうの施行しこうに伴ともない、東京とうきょう都とに貸金かしきん業ぎょう登録とうろく
  • 7月がつ - 不動産ふどうさん担保たんぽ貸付かしつけを始はじめる。
• 1985年ねん2月がつ - 有価ゆうか証券しょうけんやゴルフ会員かいいん権けんを担保たんぽとした貸付かしつけを始はじめる。
• 1988年ねん2月がつ - 仮かり登記とうき担保たんぽ貸付かしつけを始はじめる。
• 1989年ねん8月がつ - 株式かぶしきを店頭てんとう公開こうかい
• 1997年ねん10月 - 東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょ2部ぶ上場じょうじょう
• 1999年ねん
  • 7月がつ - 東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょ1部ぶに指定してい替がえ
  • 11月と12月 - 商工しょうこうローン問題もんだいを受うけ、大島おおしま健けん伸しん社長しゃちょう（当時とうじ）が国会こっかいで証人しょうにん喚問かんもんを受うける。
• 2002年ねん11月1日にち - 商号しょうごうを株式会社かぶしきがいしゃSFCGに変更へんこう
• 2005年ねん11月25日にち - 貸金かしきん業法ぎょうほう違反いはんにより、関東かんとう財務局ざいむきょくから12日間にちかん（東京とうきょう・大宮おおみや両りょう支店してんでは22日間にちかん）の業務ぎょうむ停止ていし命令めいれいを受うける。
• 2007年ねん
  • 1月がつ - 株式会社かぶしきがいしゃメサイア・インベストメント、株式会社かぶしきがいしゃヴィーナスファンド・ホールディングスの2社しゃを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
  • 6月がつ - 全国ぜんこくに融資ゆうし業務ぎょうむを行おこなう子会社こがいしゃ46社しゃ（株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんアセットファイナンス）などを設立せつりつし、融資ゆうし業務ぎょうむを移管いかん。SFCGの全ぜん支店してんを廃止はいし。
  • 11月 - 株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんアセットファイナンスの株主かぶぬし割当わりあて増資ぞうしに際さいし、他たの都道府県とどうふけんごとの子会社こがいしゃ（沖縄おきなわ県けん以外いがいの45社しゃ）の株式かぶしきで現物げんぶつ出資しゅっしをして、株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんアセットファイナンスの子会社こがいしゃ（SFCGの孫まご会社かいしゃ）とする。
• 2009年ねん
  • 2月がつ20日はつか - 臨時りんじ株主かぶぬし総会そうかいで、辞任じにんした2人ふたりの代かわりに取締役とりしまりやく2人にんの選任せんにん、取締役とりしまりやくの報酬ほうしゅうを月額げつがく2億おく円えん以下いかへの改定かいていなどを決議けつぎ。その後ごの取締役とりしまりやく会かいで、創業そうぎょう者しゃの大島おおしま健けん伸しんが代表だいひょう取締役とりしまりやく会長かいちょう兼けん社長しゃちょうから代表だいひょう権けんの無ない取締役とりしまりやく会長かいちょうになり、小笠原おがさわら充たかし執行しっこう役員やくいん副ふく社長しゃちょうが代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうとなる。同日どうじつ、担保たんぽ提供ていきょうしていたSFCGおよび子会社こがいしゃ保有ほゆうの株式かぶしきについて、日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうが担保たんぽ権けんの実行じっこうをし、多おおくの株式かぶしきを失うしない、複数ふくすうの子会社こがいしゃ・関連かんれん会社かいしゃが子会社こがいしゃ・関連かんれん会社かいしゃから外はずれる。
  • 2月がつ23日にち - 東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに民事みんじ再生さいせい法ほうの適用てきようを申請しんせい（負債ふさい総額そうがく3380億おく円えん）。東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょは整理せいり銘柄めいがらに指定していし、上場じょうじょう廃止はいし日びを3月がつ24日にちと決定けってい。
  • 2月がつ24日にち - 東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょから再生さいせい手続てつづき開始かいし決定けってい。
  • 3月16日にち - 関連かんれん会社かいしゃの株式会社かぶしきがいしゃJファクター（旧きゅう株式会社かぶしきがいしゃマイダスキャピタル）が、貸金かしきん業法ぎょうほうに違反いはんして、禁固刑きんこけい以上いじょうの刑けいが確定かくていした人物じんぶつが、刑けいの執行しっこう終了しゅうりょう後ご5年ねん以内いないにもかかわらず経営けいえいに参加さんかしていたとして、関東かんとう財務局ざいむきょくから貸金かしきん業ぎょう登録とうろくを取とり消けす行政ぎょうせい処分しょぶんを受うける（貸金かしきん業法ぎょうほう26条じょうの6の5第だい1項こう第だい1号ごう、6条じょう1項こう9号ごう・4号ごう）。
  • 3月23日にち - 会長かいちょうである大島おおしま健けん伸しんが、会社かいしゃの決算けっさんを粉飾ふんしょくして親族しんぞくらに18億おくに及およぶ違法いほうな配当はいとうをしたとして、弁護士べんごしグループに刑事けいじ告発こくはつされる。
  • 3月24日にち - 東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょが再生さいせい手続てつづき廃止はいし決定けってい。東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょの上場じょうじょう廃止はいし。
  • 3月27日にち - SFCG社長しゃちょうの小笠原おがさわら充たかしが、登録とうろく取消とりけし処分しょぶんを受うけた株式会社かぶしきがいしゃJファクターの役員やくいんを兼任けんにんしていたとして、東京とうきょう都とから貸金かしきん業ぎょう登録とうろくの取消とりけし処分しょぶんを受うける（貸金かしきん業法ぎょうほう26条じょうの6の5第だい1項こう第だい1号ごう、6条じょう1項こう9号ごう・3号ごう）。
  • 4月がつ21日にち - 破産はさん手続てつづき開始かいし決定けってい。
• 2010年ねん6月16日にち - SFCG元もと会長かいちょうらを資産しさん隠かくしなどの容疑ようぎで逮捕たいほ。
• 2016年ねん3月28日にち - SFCG元もと会長かいちょうに問とわれていた民事みんじ再生さいせい法ほう違反いはんや会社かいしゃ法ほうの特別とくべつ背任はいにんなどの罪つみについて、1審しんの有罪ゆうざい判決はんけつを取とり消けし、2審しんで全面ぜんめん無罪むざいの判決はんけつが下くだされた。
• 2019年ねん12月18日にち - 東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょから破産はさん手続てつづき結ゆい了りょう決定けっていを受うける。同時どうじに法人ほうじん格かく消滅しょうめつ。

SFCGの特徴とくちょう

SFCGは、旧きゅう商号しょうごうである「株式会社かぶしきがいしゃ商工しょうこうファンド」であった時代じだいから、銀行ぎんこうや他たの金融きんゆう機関きかんが「与信よしん能力のうりょくに問題もんだいがあり、自社じしゃとしては貸付かしつけ不能ふのう」と判断はんだんした企業きぎょうに対たいして、銀行ぎんこう等とうより高たかく設定せっていした金利きんりと複数ふくすうの連帯れんたい保証人ほしょうにんをつける事ことによりリスクを軽減けいげんする戦略せんりゃくで融資ゆうしを行おこなってきた企業きぎょうである。

また、訴訟そしょう・保全ほぜん・担保たんぽ実行じっこう・公正こうせい証書しょうしょによる強制きょうせい執行しっこうなど、法律ほうりつを使つかった回収かいしゅうを行おこなう事ことが特徴とくちょうである。

1999年ねんに、日栄にちえい（現げん：日本にっぽん保証ほしょう）問題もんだいから端緒たんしょを発はっしたいわゆる商工しょうこうローン問題もんだいが社会しゃかい問題もんだいとなった際さいには、社長しゃちょうが国会こっかいに証人しょうにん喚問かんもんされ、発言はつげんを求もとめられた。

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）11月25日にち、貸金かしきん業法ぎょうほう違反いはんにより、管轄かんかつである関東かんとう財務局ざいむきょくから、2005年ねん12月5日にちから12日間にちかん（特とくに悪質あくしつと認みとめられた東京とうきょう支店してんと大宮おおみや支店してんでは22日間にちかん）の業務ぎょうむ停止ていし命令めいれいが下くだされた。SFCGはこれに対たいし、東京とうきょう地裁ちさい・東京とうきょう高裁こうさいに処分しょぶんが無効むこうであることを確認かくにんする仮処分かりしょぶんを求もとめたが、認みとめられなかった。

SFCGの営業えいぎょう方法ほうほう

破産はさん直前ちょくぜんまで

SFCGの営業えいぎょう方法ほうほうは、電話でんわによる企業きぎょう経営けいえい者しゃならびに経理けいり担当たんとう者しゃへのアプローチから始はじまる。俗ぞくに、テレアポセールスという。電話でんわ先さきリストは、電話でんわ帳ちょうデータを元もとに、民間みんかん信用しんよう調査ちょうさ機関きかんの信用しんよう調査ちょうさデータを組くみ合あわせた「GSリスト」と呼よばれるものを使つかっている。営業えいぎょう担当たんとう者しゃは、銀行ぎんこうなどからの借かり入いれが難むずかしく需要じゅようを見込みこめるということで、信用度しんようどが低ひくい企業きぎょうを選えらんで電話でんわをかけることが多おおい。電話でんわで興味きょうみを示しめした顧客こきゃくに対たいしては、FAXなどで融資ゆうし申込もうしこみ書しょを送付そうふしそれに記載きさいされた情報じょうほうを元もとに与信よしん審査しんさを行おこなう。与信よしん審査しんさの方法ほうほうは銀行ぎんこうからの貸付かしつけ量りょうなどのほかにもノンバンクからの借かり入いれ状況じょうきょうやトラブル状況じょうきょうなどの確認かくにんなどで行おこなわれる。

信用しんよう力りょく強化きょうかノルマ達成たっせいのために、既存きそんの連帯れんたい保証人ほしょうにんの根ね保証ほしょう額がくの残額ざんがくに関係かんけいなく、連帯れんたい保証人ほしょうにんの担保たんぽ力りょくが低下ていかした場合ばあいには、新あらたな「連帯れんたい保証人ほしょうにん」をつけることを条件じょうけんに貸付かしつけを行おこなうことも頻繁ひんぱんである。

過去かこ

過去かこの営業えいぎょう手法しゅほうで問題もんだいとなったのは、「新規しんき顧客こきゃく」の獲得かくとく数すうで営業えいぎょう担当たんとう者しゃの評価ひょうかが決きまっていたため、本人ほんにんへの融資ゆうしのほかに、ノルマ達成たっせいのため配偶はいぐう者しゃへの融資ゆうしや、個人こじんに「屋号やごう」をつけて「新規しんき顧客こきゃく」とすることが行おこなわれていた。また、債務さいむ者しゃが返済へんさいできなくなった際さいも、連帯れんたい保証人ほしょうにんとして債務さいむを引ひき継つがせるのではなく、連帯れんたい保証人ほしょうにんを「新規しんき顧客こきゃく」扱あつかいにするという手法しゅほうも行おこなわれる。これらの手法しゅほうは、社内しゃないで「作つくり新規しんき」と呼よばれており、SFCG社内しゃないでのノルマ達成たっせいの常套じょうとう手段しゅだんとなっていた。これら「作つくり新規しんき」による「新規しんき顧客こきゃく」は、社会しゃかい通念つうねん上じょう、一般いっぱん的てきに使用しようされる「新規しんき顧客こきゃく」とは言いえないものである。

現在げんざい、「作つくり新規しんき」については社内しゃないでの管理かんり・監査かんさ態勢たいせいが強化きょうかされたため、「新規しんき顧客こきゃく」と扱あつかわれなくなった。したがって、ノルマ達成たっせいの用ように供きょうすることができなくなったため、行おこなわれなくなった。

契約けいやくの方法ほうほう

SFCGは、契約けいやく時じに多数たすうの書類しょるいに署名しょめい・捺印なついんさせ、印鑑いんかん証明しょうめい書しょを添付てんぷさせているが、それは貸金かしきん業法ぎょうほうが詳細しょうさいな説明せつめいと書類しょるいの受渡うけわたしを法定ほうていしているためである（貸金かしきん業法ぎょうほう17条じょうなど）。

契約けいやく時じに署名しょめい・捺印なついんさせられる書類しょるいは主おもなものだけでも、

1. 金銭きんせん消費しょうひ貸借たいしゃく契約けいやく書しょ（借用しゃくよう書しょに該当がいとうするもの）
2. 連帯れんたい根ね保証ほしょう契約けいやく書しょ（上記じょうき、金銭きんせん消費しょうひ貸借たいしゃく契約けいやく書しょと同一どういつ書面しょめんに記載きさい）
3. 根抵当ねていとう権けん設定せってい登記とうき、及および公正こうせい証書しょうしょ作成さくせい委任いにん状じょう
4. 私製しせい手形てがた
5. 実行じっこう写真しゃしん（ポラロイドカメラによる）※下記かき、参照さんしょう

などが挙あげられる。

また、本人ほんにん確認かくにんのため、本人ほんにん確認かくにん用ようの書類しょるい（免許めんきょ証しょう等とう）のコピーの取得しゅとくの上うえ、本人ほんにん（主しゅ債務さいむ者しゃ）および保証人ほしょうにん（連帯れんたい保証人ほしょうにん）は融資ゆうし実行じっこう者しゃと共ともに、写真しゃしん撮影さつえいをされる。

また、契約けいやくの際さい、借かり主ぬしに渡わたされる金員きんいんは、金銭きんせん消費しょうひ契約けいやく書しょに記載きさいされている全額ぜんがくであるが、前まえ取と利息りそくとして、契約けいやく後ご速すみやかに一いち月がつ分ぶんの利息りそくを取とり立たてるため、仮かりに100万まん円えん借かりた場合ばあい、1万まん円えん札さつ100枚まいが渡わたされるのではなく、利息りそくを支払しはらうのに必要ひつような金額きんがくが両替りょうがえされ、封筒ふうとうに入いれられた上うえで渡わたされていた。

上記じょうき、契約けいやく書類しょるいへの署名しょめい・捺印なついんがなされると、直ただちに借かりた金かねが交付こうふされるが、合計ごうけい額がくが金銭きんせん消費しょうひ契約けいやく書しょに記載きさいされている額がくと合あっているのが確認かくにんされ次第しだい、その場ばで一いち月がつ分ぶんの利息りそくを取とり立たてていた。

これは、利息りそくを支払しはらったという事実じじつを作つくることにより、契約けいやくが無効むこうであるという主張しゅちょうを債務さいむ者しゃがしてくることを防ふせぐ目的もくてきもあった。

SFCGの取立とりたて・回収かいしゅう手法しゅほう

SFCGの取立とりたては、保証人ほしょうにんに、根ね保証ほしょうによる連帯れんたい保証ほしょう契約けいやくを結むすばせるという手法しゅほうを使つかう。その結果けっか、根ね保証ほしょう極度きょくど額がくの範囲はんい内ないで、保証人ほしょうにんへ告知こくちすることなく債務さいむ者しゃの債務さいむ額がくは増減ぞうげんし、結果けっかとして、連帯れんたい保証人ほしょうにんの知しらない間あいだに保証人ほしょうにんが考かんがえている以上いじょうの金額きんがくを債務さいむ者しゃが借かり入いれている場合ばあいがあり、錯誤さくご無効むこうの主張しゅちょう（裁判さいばん上じょうは保証ほしょう否認ひにんの訴うったえ）がされることがある。また、SFCGの回収かいしゅう手法しゅほうは、借用しゃくよう書しょや連帯れんたい保証ほしょう契約けいやく書しょを裁判さいばんによる確定かくてい判決はんけつなしに強制きょうせい執行しっこうを行おこなえる強制きょうせい執行しっこう認諾にんだく文言もんごん付づけ公正こうせい証書しょうしょにしておくのが特徴とくちょうである。これらの公正こうせい証書しょうしょ作成さくせいに関かんして、白紙はくし委任いにん状じょうをとっておくという手法しゅほうが、監督かんとく官庁かんちょうに問題もんだい視しされ、2005年ねんの処分しょぶんの原因げんいんとなった。

SFCGは、主しゅ債務さいむ者しゃの支払しはらいが遅おくれた場合ばあい、期限きげんの利益りえきが喪失そうしつしたとして、強制きょうせい執行しっこう認諾にんだく文言もんごん付づけ公正こうせい証書しょうしょを使つかって債務さいむ者しゃ・保証人ほしょうにんに対たいして強制きょうせい執行しっこうを行おこない、回収かいしゅうを行おこなう。 その際さいには、公正こうせい証書しょうしょに基もとづき連帯れんたい保証人ほしょうにんの給与きゅうよやその他た不動産ふどうさん等ひとしの財産ざいさんを差さし押おさえることも行おこなわれる 。しかし、給与きゅうよの差押さしおさえを理由りゆうに、勤務きんむ先さきが連帯れんたい保証人ほしょうにんを解雇かいこするケースもある。

また、私製しせい手形てがたを使つかった手形てがた訴訟そしょうを行おこなっていたが、後述こうじゅつのように司法しほうにより否定ひていされた。

ダイレクトメールを送付そうふすることにより債務さいむ者しゃらに対たいし一斉いっせいに一括いっかつ返済へんさいを迫せまったり、期限きげんの利益りえきを喪失そうしつしたかどうか争あらそいがある状態じょうたいでの売掛金うりかけきん債権さいけん譲渡じょうと担保たんぽの実行じっこう（売掛うりかけ先さきからの回収かいしゅう・督促とくそく行為こうい）している。なお、いわゆる人権じんけん派は弁護士べんごしによって構成こうせいされる「日栄にちえい・商工しょうこうファンド対策たいさく全国ぜんこく弁護べんご団だん」が、SFCGに対たいして全国ぜんこくで訴訟そしょうを提起ていきした。

司法しほうによる判断はんだん

いわゆるグレーゾーン金利きんりについて、金融きんゆう業者ぎょうしゃ一般いっぱんと同様どうようSFCGも利息りそく制限せいげん法ほうを超過ちょうかする約定やくじょう利息りそくを徴収ちょうしゅうしている。現時点げんじてんにおいては、2006年ねんの改正かいせい利息りそく制限せいげん法ほうにより否定ひていされている（詳細しょうさいについては過払かばらい金きんの項こう参照さんしょう）。

いわゆるみなし弁済べんさい規定きていについて、SFCGも最高裁さいこうさいまで争あらそったが敗訴はいそし、その後ご、2006年ねんの貸金かしきん業法ぎょうほうの改正かいせいによって、みなし弁済べんさい規定きていは廃止はいしされた。

私製しせい手形てがた（おもちゃ手形てがた、手形てがた記載きさい事項じこうを統一とういつ手形てがた用紙ようしではない私製しせいの用紙ようしに記入きにゅうした流通りゅうつう性せいを意図いとしない手形てがた）について手形てがた訴訟そしょう（いずこの債務さいむ者しゃでも東京とうきょう地裁ちさいで迅速じんそくな判決はんけつが得えられた）を行おこない、確定かくてい判決はんけつを得えて強制きょうせい執行しっこうする手法しゅほうについては、2002年ねんに東京とうきょう地裁ちさいがSFCGに手形てがた訴訟そしょうを起おこさないよう要請ようせいするという異例いれいの事態じたいにまで発展はってんした。2002年ねんに東京とうきょう地裁ちさいにおける手形てがた訴訟そしょうの約やく8割わりの1500件けんがSFCGの提訴ていそによるものであったという。また、2003年ねん11月17日にちの東京とうきょう地裁ちさい判決はんけつにおいて私製しせい手形てがたに係かかる手形てがた訴訟そしょうが、手形てがた制度せいど及および手形てがた訴訟そしょう制度せいどを濫用らんようするものとして不ふ適法てきほうとされた。

行政ぎょうせいによる対応たいおう

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）11月25日にちには、白紙はくし委任いにん状じょうを不適切ふてきせつに取得しゅとくした上うえでの公正こうせい証書しょうしょ作成さくせいならびにその行使こうしが、重大じゅうだいな貸金かしきん業法ぎょうほう違反いはんに当あたるとして、関東かんとう財務局ざいむきょくから12月5日にちから12日間にちかん（一部いちぶの支店してんでは22日間にちかん）の業務ぎょうむ停止ていし命令めいれいが出だされ、SFCGは東京とうきょう地裁ちさいに処分しょぶん停止ていしの仮処分かりしょぶん申請しんせいを申請しんせいしたが却下きゃっかされ、それを不服ふふくとして東京とうきょう高裁こうさいに即時そくじ抗告こうこくしたが認みとめられなかった。

SFCGの強引ごういんな強制きょうせい執行しっこう認諾にんだく付づけ公正こうせい証書しょうしょ取得しゅとく方法ほうほうは、行政ぎょうせいでも問題もんだい視しされ、法務省ほうむしょうから「公正こうせい証書しょうしょ作成さくせいにあたっての手続てつづきの適正てきせい化か」として、公正こうせい証書しょうしょ作成さくせい手続てつづきが厳格げんかく化かされるなどの影響えいきょうを及およぼした。

また、金融きんゆう庁ちょうの「貸金かしきん業ぎょう制度せいど等とうに関かんする懇談こんだん会かい」（第だい6回かい会合かいごう）でSFCGの貸付かしつけ・回収かいしゅう方法ほうほうについて債務さいむ者しゃからの発言はつげんが取とり上あげられるなど 、高金利こうきんり貸金かしきん業者ぎょうしゃに対たいする行政ぎょうせいのこれからの対応たいおうが注目ちゅうもくされる中なか、金融きんゆう庁ちょうはSFCGがその顧客こきゃくが気付きづかない間あいだに白紙はくし委任いにん状じょうを作成さくせいし、それによって作つくられた公正こうせい証書しょうしょを使つかった債権さいけん回収かいしゅうを行おこなう手法しゅほうが、重大じゅうだいな貸金かしきん業法ぎょうほう違反いはんだとして、平成へいせい17年ねん11月25日にち、業務ぎょうむ停止ていし命令めいれいを発出はっしゅつし、平成へいせい17年ねん12月5日にちから16日にちまで（東京とうきょう支店してんと大宮おおみや支店してんでは12月26日にちまで）、SFCGは全すべての業務ぎょうむ（約定やくじょう返済へんさい期日きじつに返済へんさいするための振込ふりこみ用紙ようしの送付そうふに関かんする業務ぎょうむを含ふくみ、訴訟そしょう又または調停ちょうていに応おうずる業務ぎょうむ及および関東かんとう財務局ざいむきょくが特とくに必要ひつようと認みとめた業務ぎょうむを除のぞく）ができなくなる事態じたいになった。

当該とうがい業務ぎょうむ停止ていし処分しょぶんは、大宮おおみや支店してんが200万まん円えんの連帯れんたい保証ほしょう契約けいやくを交かわした連帯れんたい保証人ほしょうにんに対たいし、白紙はくし委任いにん状じょうを使つかって594万まん円えん保証ほしょうした旨むねの公正こうせい証書しょうしょを作成さくせいし、連帯れんたい保証人ほしょうにんの預金よきんならびに生命せいめい保険ほけんの差さし押おさえを行おこなった事案じあん（白紙はくし委任いにん状じょうの取得しゅとく禁止きんし（貸金かしきん業法ぎょうほう第だい20条じょう違反いはん））と、東京とうきょう支店してんが債務さいむ者しゃが借かり入いれ後ごに購入こうにゅうした不動産ふどうさんに対たいしなんらの通知つうちもなく担保たんぽ権けんの設定せっていを行おこなった事案じあん（契約けいやく書面しょめんの不ふ交付こうふ（貸金かしきん業法ぎょうほう第だい17条じょう違反いはん））である。本来ほんらいであれば、大宮おおみや支店してんと東京とうきょう支店してんのみの営業えいぎょう停止ていし処分しょぶんが考かんがえられるが、金融きんゆう庁ちょうによれば大宮おおみや支店してんの事案じあんと同様どうようの白紙はくし委任いにん状じょうが全国ぜんこく各地かくちの営業えいぎょう所しょで75件けん見みつかったため、会社かいしゃぐるみで法令ほうれい違反いはんの債権さいけん回収かいしゅうを指示しじしていたと認定にんていし、全ぜん支店してんの営業えいぎょう停止ていし処分しょぶんに踏ふみ切きったとしている。

SFCGは「法令ほうれい違反いはんの事実じじつはない」と、東京とうきょう地裁ちさいに行政ぎょうせい処分しょぶん取とり消けしの仮処分かりしょぶんの申もうし立たてを行おこなったが、同どう地裁ちさいのSFCGの債権さいけん回収かいしゅう手法しゅほうに対たいする判例はんれい・態度たいど等とう等とうから予測よそくされたように、仮処分かりしょぶんは認みとめられなかった。SFCGは、東京とうきょう高裁こうさいに即時そくじ抗告こうこくを行おこなったが、それも認みとめられず却下きゃっかされた。SFCGは、さらに最高裁さいこうさいへの特別とくべつ抗告こうこくを検討けんとう中ちゅうとしていたが、特別とくべつ抗告こうこくは行おこなわれなかったようである。

最近さいきんの、金融きんゆう庁ちょう「貸金かしきん業ぎょう制度せいど等とうに関かんする懇談こんだん会かい」の動向どうこうを見みている限かぎりでは、SFCGを含ふくめた「高利貸こうりかし」を規制きせいし、さらに「利息りそく制限せいげん法ほう」以上いじょうの利息りそくを払はらわないことによる「不利益ふりえき」を与あたえない旨むねを契約けいやく書しょに記載きさいすべきという、日弁連にちべんれんから「「貸金かしきん業ぎょうの規制きせい等とうに関かんする法律ほうりつ施行しこう規則きそくの改正かいせいを求もとめる」意見いけん書しょ（要望ようぼう）」 が出だされるなど、「高利貸こうりかし」借入かりいれ者しゃ保護ほごの立場たちばからの発表はっぴょうが多数たすう取とり上あげられていることに鑑かんがみると、「利息りそく制限せいげん法ほう」以上いじょうの利息りそくを取とる（いわゆるグレーゾーン）事ことができなくなるという事態じたいも容易よういに想像そうぞうできる。

立法りっぽうの対応たいおう

事業じぎょう者しゃ金融きんゆう業者ぎょうしゃによる根ね保証ほしょう契約けいやくによる被害ひがいが多発たはつしたため、救済きゅうさいと債務さいむ者しゃ・保証人ほしょうにんを保護ほごするため民法みんぽうが改正かいせいされた。

1. 極度きょくど額がくの無ない根ね保証ほしょう契約けいやくが無効むこうになる
2. 保証人ほしょうにんは元本がんぽん確定かくてい期日きじつまでに発生はっせいした融資ゆうしに限かぎって保証ほしょうすればよい。元本がんぽん確定かくてい期日きじつは契約けいやく日びから5年ねん、あるいは、期限きげんの定さだめの無ない時ときは契約けいやく日びから3年ねんである。
3. 主しゅたる債務さいむ者しゃや保証人ほしょうにんが強制きょうせい執行しっこうを受うける・破産はさん手続てつづきを開始かいしする・死亡しぼうした場合ばあいは、それ以降いこうに行おこなわれた融資ゆうしの保証ほしょうをする必要ひつようが無ない
4. 根ね保証ほしょう契約けいやくを含ふくむ保証ほしょう契約けいやくは書面しょめんによらなければ無効むこうになる

金融きんゆう庁ちょうは、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）1月がつ13日にちに最高裁さいこうさいがグレーゾーン金利きんりによる契約けいやくにおいて、「期限きげんの利益りえきの喪失そうしつ」条項じょうこうがある場合ばあいは、事実じじつ上じょう利息りそく制限せいげん法ほう以上いじょうの金利きんりを強制きょうせい的てきに払はらわせるものだとして、みなし弁済べんさいは認みとめられないとの判決はんけつを出だしたのを受うけて、平成へいせい18年ねん2月がつ8日にち、「貸金かしきん業ぎょうの規制きせい等とうに関かんする法律ほうりつ施行しこう規則きそくの一部いちぶを改正かいせいする内閣ないかく府ふ令れい」を改正かいせいするとの意向いこうを発表はっぴょうした。

貸金かしきん業法ぎょうほう（平成へいせい19年ねん12月19日にち施行しこうより、「貸金かしきん業ぎょうの規制きせい等とうに関かんする法律ほうりつ」から名称めいしょう変更へんこう）の改正かいせいにも、SFCGの業態ぎょうたいを想定そうていしたと思おもわれる条文じょうぶんが散見さんけんされる（例れい:公正こうせい証書しょうしょについて、貸金かしきん業ぎょうを営いとなむ者ものは、債務さいむ者しゃ等とうに対たいして公正こうせい証書しょうしょ作成さくせい嘱託しょくたくの代理人だいりにんを推薦すいせんその他たそれに類るいする行為こういを行おこなってはならないとされた（貸金かしきん業法ぎょうほう20条じょう3項こう））。

その他たの事象じしょう

• 2005年ねん（平成へいせい17年ねん）11月25日にちに、金融きんゆう庁ちょうは、SFCGが公正こうせい証書しょうしょ偽造ぎぞう等とうによる債権さいけん確保かくほを図はかった行為こういが、重大じゅうだいな貸金かしきん業法ぎょうほう違反いはんであるとして、営業えいぎょう停止ていし処分しょぶんを課かしたが、それを受うけ東京とうきょう都と貸金かしきん業ぎょう協会きょうかいは、2005年ねん11月29日にち、会員かいいん権けんの一時いちじ停止ていし処分しょぶんを下くだした。その後ご、平成へいせい17年ねん12月12日にち臨時りんじ理事りじ会かいを開ひらき、社長しゃちょうならびに役員やくいんを招集しょうしゅうした上うえで弁明べんめいの機会きかいを与あたえたが、同日どうじつ理事りじ会かいは6ヶ月かげつ間あいだの会員かいいん権けん停止ていし（義務ぎむは課かす）処分しょぶんを行おこなった。

• 株価かぶかは1999年ねん7月がつ6日にちに94000円えんを記録きろくしたのがピーク。民事みんじ再生さいせい申もうし立たて後ごの2009年ねん2月がつ末まつ時点じてんでの株価かぶかは10円えんを割わり込こんでおり、ピーク時じの約やく1万まん数すう千せん分ぶんの1にまで下落げらくしていた。一時いちじ1円えんにまで下落げらくした。上場じょうじょう廃止はいし時点じてんでの株価かぶかは2円えんだった。

関連かんれん判例はんれい

• みなし弁済べんさい（貸金かしきん業法ぎょうほう43条じょう）が厳格げんかく適用てきようされ、書類しょるいが完全かんぜんでない場合ばあいはみなし弁済べんさいの要件ようけんを満みたしていないとされ、差戻さしもどされた事件じけん。
  • 最高裁判所さいこうさいばんしょ 平成へいせい15（受）390号ごう 不当ふとう利得りとく返還へんかん請求せいきゅう事件じけん
  • 最高裁判所さいこうさいばんしょ 平成へいせい15年ねん（オ）386号ごう 不当ふとう利得りとく返還へんかん請求せいきゅう事件じけん
• みなし弁済べんさい（貸金かしきん業法ぎょうほう43条じょう）が厳格げんかく適用てきようされ、利息りそく制限せいげん法ほう以上いじょうの金利きんりの支払しはらいについて、「期限きげんの利益りえき喪失そうしつ条項じょうこう」などで事実じじつ上じょうの強制きょうせい・明確めいかくな強制きょうせいがなされた場合ばあい、みなし弁済べんさいの要件ようけんを満みたしていないとされ、差さし戻もどされた事件じけん。
  • 平成へいせい18年ねん01月がつ13日にち 第だい二に小しょう法廷ほうてい判決はんけつ 平成へいせい16（受）1518 貸金かしきん請求せいきゅう事件じけん
• SFCGが貸付かしつけに際さいし主しゅ債務さいむ者しゃ及および連帯れんたい根ね保証人ほしょうにんから共同きょうどう振出ふりださせている私製しせい手形てがたに係かかる手形てがた金きん請求せいきゅうの手形てがた訴訟そしょうが、手形てがた制度せいど及および手形てがた訴訟そしょう制度せいどを濫用らんようするものとして不ふ適法てきほうとされた事例じれい
  • 東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ平成へいせい15年ねん（手てワ）第だい168号ごう、同どう第だい169号ごう、同どう第だい180号ごう約束やくそく手形てがた金きん請求せいきゅう

関連かんれん会社かいしゃ

親会社おやがいしゃ

• 株式会社かぶしきがいしゃQ and Company（旧きゅうケン・エンタープライズ） - 創業そうぎょう家かの資産しさん管理かんり会社かいしゃ。創業そうぎょう者しゃ家族かぞくが株式かぶしき大だい部分ぶぶんの保有ほゆうし、SFCG会長かいちょう（創業そうぎょう者しゃ）の妻つまが代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう。2008年ねん10月がつ28日にちに、KEホールディングスの株式かぶしき54.74%を創業そうぎょう者しゃ夫妻ふさいから取得しゅとくし、SFCGの親会社おやがいしゃとなる。2008年ねん10月がつ31日にちに現在げんざいの商号しょうごうに変更へんこう。
• 株式会社かぶしきがいしゃASA（旧きゅう株式会社かぶしきがいしゃKEホールディングス） - 株式会社かぶしきがいしゃQ and Companyの子会社こがいしゃ（2008年ねん10月がつまでは創業そうぎょう家かが全ぜん株式かぶしきを所有しょゆうする関連かんれん会社かいしゃ（間接かんせつ保有ほゆう9.36%含ふくむ）だった）。SFCG会長かいちょう（創業そうぎょう者しゃ）が同社どうしゃの代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうを兼務けんむ。SFCGの株式かぶしき44.76%を保有ほゆうする親会社おやがいしゃだったが、日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん実行じっこうにより33.01%に低下ていかしたため、現在げんざいは「その他た関係かんけい会社かいしゃ」に該当がいとう。

主おもな子会社こがいしゃ

• 株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんアセットファイナンス - 事業じぎょう者しゃ金融きんゆう事業じぎょうの中なか間あいだ持株もちかぶ会社かいしゃ
  • 株式会社かぶしきがいしゃ東京とうきょうアセットファイナンスほか45社しゃ（沖縄おきなわ県けん以外いがいの都道府県とどうふけんごとにある子会社こがいしゃ） - SFCGの事業じぎょうを承継しょうけいした販売はんばい子会社こがいしゃ
• 株式会社かぶしきがいしゃMAGねっとホールディングス（旧きゅう株式会社かぶしきがいしゃT・ZONEホールディングス→株式会社かぶしきがいしゃMAGねっと） - 投資とうし事業じぎょう
  • 株式会社かぶしきがいしゃT・ZONEストラテジィ - パソコン関連かんれん機器きき販売はんばい業ぎょう
  • 旧きゅう株式会社かぶしきがいしゃTZCS（旧きゅう株式会社かぶしきがいしゃT-ZONEキャピタル） - 2008年ねん3月がつ26日にちにSFCGが吸収きゅうしゅう合併がっぺい
• 株式会社かぶしきがいしゃTZCI
• 株式会社かぶしきがいしゃジャスティス債権さいけん回収かいしゅう - 債権さいけん回収かいしゅう代行だいこう業ぎょう（サービサー）。SFCG経営けいえい破綻はたん後ご大島おおしまの親族しんぞくに株式かぶしきが移うつされ、本店ほんてんが宮城みやぎ県けん栗原くりはら市しに移うつされている。

主おもな関連かんれん会社かいしゃ

• 株式会社かぶしきがいしゃ塩見しおみホールディングス - 2008年ねん8月がつまではMAGねっとが、以降いこうはSFCGが、31.10%の株式かぶしきを保有ほゆう
• マジェスティ ゴルフ株式会社かぶしきがいしゃ（旧きゅうマルマン株式会社かぶしきがいしゃ） - SFCG子会社こがいしゃのMAGねっとが67.06%の株式かぶしきを保有ほゆうする親会社おやがいしゃであったが、2009年ねん2月がつの日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん実行じっこうにより、保有ほゆう株式かぶしきを67.06%から30.35%に減少げんしょうさせ、SFCGおよびMAGねっとの子会社こがいしゃではなくなった。

かつての関連かんれん会社かいしゃ

• 株式会社かぶしきがいしゃカーチスホールディングス - SFCG子会社こがいしゃのMAGねっとが51.0%の株式かぶしきを保有ほゆうする親会社おやがいしゃであったが、2009年ねん2月がつの日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん実行じっこうにより、保有ほゆう株式かぶしきを51.0%から0.05%に減少げんしょうさせ、SFCGおよびMAGねっとの子会社こがいしゃではなくなった。
• 佐藤食品工業さとうしょくひんこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ（愛知あいち県けんの天然てんねん調味ちょうみ料りょう等とう製造せいぞう会社かいしゃ） - SFCG子会社こがいしゃの株式会社かぶしきがいしゃTZCIが50.05%の株式かぶしきを保有ほゆうする親会社おやがいしゃであったが、2009年ねん2月がつの日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん実行じっこうにより、TZCIは保有ほゆう株式かぶしきをすべて失うしない、SFCGおよびTZCIの子会社こがいしゃではなくなった。
• 株式会社かぶしきがいしゃ大田花おおたかき - SFCGが22.6%の株式かぶしきを保有ほゆうする第だい2位いの株主かぶぬしだったが、2009年ねん2月がつの日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん実行じっこうにより、SFCGは保有ほゆう株式かぶしきをすべて失うしない、関連かんれん会社かいしゃではなくなった。
• ミヤコ株式会社かぶしきがいしゃ（本社ほんしゃ・大阪おおさか市しの配管はいかん部材ぶざい製造せいぞう会社かいしゃ） - SFCGが28.73%の株式かぶしきを保有ほゆうする筆頭ひっとう株主かぶぬしだったが、2009年ねん2月がつの日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん実行じっこうにより、SFCGは保有ほゆう株式かぶしきをすべて失うしない、関連かんれん会社かいしゃではなくなった。
• 日本管財にほんかんざい株式会社かぶしきがいしゃ - 9.47%の株式かぶしきを2008年ねんに松下電工まつしたでんこう（後ごのパナソニック電工でんこう）に売却ばいきゃく。2009年ねん2月がつに日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうの担保たんぽ権けん行使こうしにより、残のこる18.20%の保有ほゆう株式かぶしきを全すべて失うしなう。
• ビオフェルミン製薬びおふぇるみんせいやく株式会社かぶしきがいしゃ - T-ZONEキャピタルが筆頭ひっとう株主かぶぬしとなる。2008年ねんに大正製薬たいしょうせいやくの株式かぶしき公開こうかい買かい付つけに賛同さんどうし、株式かぶしき売却ばいきゃく。
• 理研りけんビタミン株式会社かぶしきがいしゃ - 2005年ねんよりTZSCの株式かぶしき買かい占しめにより筆頭ひっとう株主かぶぬしとなる。2008年ねんにキッコーマンへ譲渡じょうと。
• 株式会社かぶしきがいしゃライブドアオート（現在げんざいのカーチスホールディングス株式会社かぶしきがいしゃ） - ケン・エンタープライズによる敵対てきたい的てき買収ばいしゅうで子会社こがいしゃ化か、2009年ねん2月がつに日本にっぽん振興しんこう銀行ぎんこうによる担保たんぽ権けんが行使こうしされ、保有ほゆう株式かぶしきを全すべて失うしなう。

関連かんれん項目こうもく

• 大島おおしま健けん伸しん
• 簡易かんい裁判所さいばんしょ
• 少額しょうがく訴訟そしょう
• 手形てがた訴訟そしょう

外部がいぶリンク

• 株式会社かぶしきがいしゃSFCG - ウェイバックマシン（2019年ねん12月13日にちのキャッシュ）
• 日栄にちえい・商工しょうこうファンド対策たいさく全国ぜんこく弁護べんご団だん