岸辺露伴は動かない (きしべろはんはうごかない)とは、
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を題材としたスピンオフ短編ストーリーである。
この項では、メディア化されたOVA版及び実写ドラマ版についても触れる。
概要は動かない
ジョジョの奇妙な冒険・第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場するキャラクター・岸辺露伴をストーリーテラーとした、短編(読み切り)漫画である。これらの作品において、露伴は主人公ではなくナビゲーターという立場を取っているため、「動かない」というタイトルには『岸辺露伴は語り部であって、主人公ではありませんよ』という意味が込められている。
ストーリー(原作)を岸辺露伴が、作画を荒木飛呂彦が担当した、という構成も大きな特徴。
スピンオフではあるが、ジョジョ本編とは時系列や露伴のスタンド「ヘブンズ・ドアー」のスタンド像や能力の描写に違いがある。
2022年現在、「~エピソード#16:懺悔室~」「~エピソード#02:六壁坂~」「~エピソード#05:富豪村~」「~エピソード#06:密漁海岸~」「~エピソード#04:望月家のお月見~」「~エピソード#07:月曜日-天気雨~」「~エピソード#08:D・N・A~」「~エピソード#09:ザ・ラン~」「~エピソード#10:ホットサマー・マーサ~」「~エピソード#11:ドリッピング画法~」の10タイトルが発表されている。
また、岸辺露伴が出演している作品には「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」「岸辺露伴 グッチへ行く」などといったタイトルもあるが、こちらは岸辺露伴が主人公のスピンオフ作品として扱われている。
また、ウルトラジャンプの付録冊子として別作者が手掛ける短編小説集も3回に渡り付属し、後に書き下ろしも含めて単行本として3冊出版された。
2013年11月19日には、「岸辺露伴 グッチへ行く」を含めた5種類のエピソードが収録された単行本が発売。長年待望され続けていた単行本の刊行によって、リアルタイムでジャンプを買い逃した人も全てのエピソードが読めるようになった。
2016年、TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」Blu-ray&DVDの全13巻購入特典として、「岸辺露伴は動かない~エピソード#05:富豪村~」がOVA化される事が発表された。
2017年7月から3回に渡りウルトラジャンプに複数の小説家が書いた「岸辺露伴は動かない」の7本のスピンオフ短編小説が付録冊子として付属。2017年8月号に「くしゃがら」「Blackstar.」「幸福の箱」、同年9月号に「検閲方程式」「夕柳台」、2018年1月号に「血栞塗」「シンメトリー・ルーム」が収録された。
2018年6月19日に上記の「くしゃがら」「Blackstar.」「血栞塗」「検閲方程式」に書き下ろしの「オカミサマ」を含めて「岸辺露伴は叫ばない」が、翌月19日には上記の「幸福の箱」「夕柳台」「シンメトリー・ルーム」に書き下ろしの「楽園の落穂」を含めた「岸辺露伴は戯れない」が単行本として出版された。
2018年7月19日には漫画単行本第2巻発売。さらに「岸辺露伴は動かない~エピソード#02:六壁坂~」のOVA同梱版も発売。
2019年12月8日から「~エピソード#16:懺悔室~」「~エピソード#09:ザ・ラン~」の2エピソードを含む新作OVAの上映ツアー「奇譚見聞録」が4ヶ月間9回に渡って開催された。
2020年3月25日には上記の2エピソードを含む新作OVAがBlu-ray及びDVDで発売され、先立ってOVA化した2エピソードも含めたBlu-rayも発売された。2021年春にはOVA化した4エピソードがNetflixにて全世界独占配信されている。
2020年12月には初の実写ドラマ化。主演に高橋一生、脚本をジョジョのテレビアニメシリーズで脚本を務めた小林靖子が手掛け、NHKにて同月28日から3夜連続で放送される。本作で取り上げられるのは「~エピソード#05:富豪村~」「~エピソード#08:D・N・A~」に加え、短編小説集「岸辺露伴は叫ばない」から「くしゃがら」。特に後者は荒木が直接関与しない作品としては初の映像化となる。2021年10月22日に実写ドラマ第一弾のブルーレイとDVDが発売。
2021年12月に実写ドラマ第二弾が全三話で放送。今回は「~エピソード#09~:ザ・ラン」「~エピソード#02~:六壁坂」に加え、原作第4部本編の「チープ・トリック」を実写アレンジした「背中の正面」の3作。
2022年12月19日に北國ばらっどが執筆した小説版「岸辺露伴は動かない」の単行本第三弾「岸辺露伴は倒れない」が発売。前年にウルトラジャンプ付録冊子で発表された「黄金のメロディ」「原作者 岸辺露伴」に加え書き下ろしの「5LDK○○つき」の全三作。
また、同月26,27日に実写ドラマ第三弾が全二話で放送。今回は同年発表されたばかりの新作「~エピソード#10:ホットサマー・マーサ~」に加え、前年と同じく原作第4部本編の「ジャンケン小僧がやって来る!」を実写アレンジした「ジャンケン小僧」の2作。今回は前回、前々回より1話減っているものの、本編映像は5分増えている。
そして「ジャンケン小僧」の最後で泉編集が何らかのことを示唆するようなことをつぶやいたが、その示唆した内容の通り、年明けの2023年1月5日に実写シリーズ初の映画版として『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の制作及び同年5月26日公開である事が発表された。ドラマの制作陣が再結集しパリでのロケも行われた。
2024年5月に実写ドラマ第4弾として「密漁海岸」が放送予定。また、『ルーヴルへ行く』も地上波発放送となる。
ストーリーは動かない
岸辺露伴は動かない ~エピソード#16:懺悔室~
1997年にジャンプへ掲載された、「岸辺露伴は動かない」の題を冠した最初の短編作品。
後の1999年には単行本として収録された。
参照→「死刑執行中脱獄進行中」
岸辺露伴は動かない ~エピソード#02:六壁坂~
上記の「懺悔室」発表から10年後の2007年に、新規に発表された読み切り作品。
「ジャンプスクエア」2008年1月号に掲載された。
作者・荒木に曰く『最初の「懺悔室」のエピソードをシリーズ化して何作品か描いてみたいという発想が既にあり、ジャンプスクエアから短編ストーリーの依頼が来た際にこのストーリーを「第2弾」として描くことにした』とのこと。なお、雑誌掲載時はエピソード番号が振られなかったが、単行本化の際にエピソード#02と修正された。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#05:富豪村~
短編漫画の第3弾。週刊少年ジャンプ・2012年45号に掲載されたストーリー。
「ジョジョの奇妙な冒険」25周年記念と原画展(ジョジョ展)開催記念として掲載されたストーリーである。荒木が週刊少年ジャンプに漫画を掲載するのは2004年のスティール・ボール・ラン(ウルトラジャンプへ移籍する前)以来およそ8年ぶりとなった。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#06:密漁海岸~
短編漫画の第4弾。週刊少年ジャンプ・2013年10月46号に掲載されたストーリー。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#04:望月家のお月見~
短編漫画の第5弾。電子書籍「少年ジャンプ+」にて配信されたストーリー(2014年9月22日現在、公式ホームページにて無料配信されている)。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#07:月曜日-天気雨~
短編漫画の第6弾。ジャンプスクエア2016年1月号に掲載された。
「六壁坂」から実に8年ぶりにジャンプスクエアに発表された新作。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#08: D・N・A~
短編漫画の第7弾。別冊マーガレット2017年9月号に掲載。実写映画公開記念としてなんと少女漫画雑誌に掲載という意欲的な挑戦。この号の裏表紙は丸ごと「岸辺露伴は動かない」仕様。
荒木飛呂彦が別マに掲載させるのは2013年の創刊50周年記念に「俺物語!!」のイラストを寄稿して以来。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#09 : ザ・ラン~
短編漫画の第8弾。週刊少年ジャンプ2018年13号にジャンプ創刊50周年記念読切として掲載。
「密漁海岸」以来5年ぶりにジャンプに荒木飛呂彦の漫画が掲載されることとなった。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#10 : ホットサマー・マーサ~
短編漫画の第9弾。ムック本として2022年3月19日発売された「JOJO magazine 2022SPRING」に掲載。「ザ・ラン」以来4年ぶりの「岸辺露伴は動かない」の新作。
岸辺露伴は動かない ~エピソード#11: ドリッピング画法~
短編漫画の第10弾。月刊ウルトラジャンプ2022年5月号に前編、翌6月号に後編が掲載。
「ホットサマー・マーサ」から期間を置かずの発表。初の前後編掲載で、「ジョジョ」本編を掲載するウルトラジャンプ誌上で「岸辺露伴は動かない」を掲載するのも初。
OVA
2017年に「~エピソード#05:富豪村~」を皮切りに、2018年に「~エピソード#02:六壁坂~」、2019年に「~エピソード#16:懺悔室~」「~エピソード#09:ザ・ラン~」がOVA化された。
制作はジョジョ本編のアニメシリーズを手掛けるdavid productionが担当、岸辺露伴の声はジョジョ本編に引き続き櫻井孝宏が務める。監督は加藤敏幸、キャラクターデザインは石本峻一。
スタッフ
テーマ曲
オープニングテーマ
エンディングテーマ
登場人物
エピソード#05:富豪村
エピソード#02:六壁坂
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エピソード#16:懺悔室
エピソード#09:ザ・ラン
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実写ドラマ
2020年12月28日から30日までNHK総合において「富豪村」「くしゃがら」「D. N. A」の順で3夜連続放送された。
原作やOVA版と違い、「~エピソード#05:富豪村~」に登場した泉京香が全編で相棒役を務めたり、スタンド像が現れない…というより、スタンドと言う単語がないなどの相違点がある。露伴はヘブンズ・ドアーを「神から与えられた『ギフト』としか言いようがない」と語っている。エピソードに現れる超常的な現象についても『ギフト』を持っている者の仕業と考え行動・対処する場面がある。
予告編のナレーションやドラマ本編等に刑務官役等としてジョジョ本編やOVAで岸辺露伴役を務めた櫻井孝宏が声の出演を果たした。過去に同じ荒木飛呂彦原作の舞台「死刑執行中脱獄進行中」に主演した森山未來も第二話に出演している。
2021年1月4日より3夜連続で再放送され、2021年8月14日に一挙再放送と実写ドラマの第一弾全3話のブルーレイ及びDVDの発売、そして第二弾の放映とその各話参加ゲストが発表された。
2021年12月27日より、実写ドラマ第二弾「ザ・ラン」「背中の正面」「六壁坂」が放送。
特に第5話「背中の正面」は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』を原作としたストーリーとなる。ストーリー構成的には「六壁坂」を軸に据え、他2作に登場する怪異を「六壁坂の怪異」とする形で繋がるように改変されている。
また、前年に続いて櫻井孝宏が、さらに配信開始済&翌年テレビ放送が始まる『ストーンオーシャン』空条徐倫役のファイルーズあいも声でゲスト出演している。
2022年12月26日より実写ドラマ第三弾「ホットサマー・マーサ」「ジャンケン小僧」が放送。
今回は同年3月に発表されたばかりの新作「ホットサマー・マーサ」を早くも実写化。
また前年のように第八話「ジャンケン小僧」は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』を原作としている。今回の二作はいつもの辻とは違う「四つ辻」が事件の発端となり、「3」という数字が調和のとれた縁起のいい数字としてキーワードとなっている。そして「ジャンケン小僧」の終わり際には、「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が続編の布石になるような匂わせをする発言も登場。
そして2023年1月5日。
その発言から続くかのように劇場作品「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の制作が発表。
5月26日公開。
2024年5月には「密漁海岸」が放送予定。
スタッフ
登場人物・各話リスト
第一話:富豪村
第二話:くしゃがら
第三話:D. N. A
第四話:ザ・ラン
第五話:背中の正面
第六話:六壁坂
第七話:ホットサマー・マーサ
第八話:ジャンケン小僧
劇場作品:岸辺露伴 ルーヴルへ行く
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