リパロヴェナトル

リパロヴェナトル
	生息せいそく年代ねんだい: 中生代ちゅうせいだい前期ぜんき白はく亜紀あきバレミアン, 128 Ma PreЄ Є O S D C P T J K Pg N ↓
	ホロタイプ標本ひょうほんの頭蓋骨ずがいこつ（上うえ）と割わり当あてられた尾お椎しい（下した）
地質ちしつ時代じだい
	中生代ちゅうせいだい前期ぜんき白はく亜紀あきバレミアン
分類ぶんるい
学名がくめい
	Riparovenator; Barker et al., 2021
種たね
	Riparovenator milnerae（模も式しき種しゅ）;

リパロヴェナトル（学名がくめい：Riparovenator）は、約やく1億おく2900万まん年ねん前まえから約やく1億おく2500万まん年ねん前まえごろの前期ぜんき白はく亜紀あきのヨーロッパに生息せいそくした、スピノサウルス科かバリオニクス亜あ科かに属ぞくする獣しし脚あし類るいの恐竜きょうりゅうの属ぞく。イギリスのワイト島とうに分布ぶんぷするウェセックス層そう（英語えいご版ばん）から断片だんぺん的てきな化石かせきが産出さんしゅつしており、2021年ねんに新しん属ぞく新種しんしゅとして記載きさいされた。属ぞく名めいは「川岸かわぎしの狩人かりゅうど」を意味いみする^[1]^[2]。推定すいてい全長ぜんちょうは約やく7.5メートルと考かんがえられている^[3]。

発見はっけんと命名めいめい

ケラトスコプス（奥おく）とリパロヴェナトル（手前てまえ）の発見はっけん部位ぶい

2013年ねんから2017年ねんにかけて、ワイト島とう南西なんせい部ぶの海岸かいがんで未み同定どうていのスピノサウルス科かの化石かせきが発見はっけんされ、ダイナソー・アイルに所蔵しょぞうされた。これらの化石かせきは長ながらくバリオニクスに分類ぶんるいされていたが、2021年ねんにリパロヴェナトル・ミルネラエとしてケラトスコプスと共ともに記載きさい・命名めいめいされた。属ぞく名めいは「川岸かわぎしの狩人かりゅうど」を意味いみし、種たね小名しょうみょうはイギリスの恐竜きょうりゅう学者がくしゃアンジェラ・ミルナー（英語えいご版ばん）にちなむ^[2]^[4]。

ホロタイプ標本ひょうほんは前ぜん上顎じょうがく骨こつ体からだ(IWCMS 2014.95.6)、関節かんせつしない頭蓋とうがい(IWCMS 2014.96.1, 2; 2020.448.1, 2)、部分ぶぶん的てきな涙なみだ骨こつおよび前ぜん前ぜん頭骨とうこつ(IWCMS 2014.96.3)から構成こうせいされる。本属ほんぞくに割わり当あてられた標本ひょうほんには鼻骨びこつの後のち側がわ断片だんぺん(IWCMS 2014.95.7)、一連いちれんの尾お椎しい骨ほね(IWCMS 2020.447.1-39)がある^[4]。これらの化石かせきはBrighstone砂岩さがんとChilton Chine砂岩さがんの間あいだの層そうやその付近ふきんで産出さんしゅつしており、当該とうがいの層そうにしては植物しょくぶつ片へんの乏とぼしい母はは岩がんから得えられている^[4]。

特徴とくちょう

生体せいたい想像そうぞう復元ふくげん図ず

本属ほんぞく種しゅの固有こゆう派生はせい形質けいしつは記載きさいされていない一方いっぽうで、他たのバリオニクス亜あ科かからの識別しきべつを可能かのうとする形質けいしつの組くみ合あわせが記載きさいされている。具体ぐたい的てきには、外側そとがわから見みて鼻骨びこつの前額ぜんがく突起とっきの背せ側がわ縁えんが湾曲わんきょくする点てん（バリオニクスでは直線ちょくせん状じょう）、蝶ちょう形がた骨こつのトルコ鞍くらを構成こうせいするdorsum sellaesの背せ側がわ縁えんが直線ちょくせん状じょうである点てん（バリオニクスやケラトスコプスではV字じ型がた）、後こう頭あたま関節かんせつ丘おかの外そと後頭部こうとうぶの間隙かんげきが狭せまい（ケラトスコプスおよびスコミムス?と一致いっちしバリオニクスと不一致ふいっち）、内外ないがい側がわに厚あつい鶏冠けいかんが下しも顎あご頸部の切きり痕こんを区切くぎる点てん（バリオニクスと一致いっちしスコミムス?およびケラトスコプスと不一致ふいっち）、腹はら側がわから見みて基もと翼状よくじょう突起とっきの外側そとがわ縁えんが凹状をなす点てんが挙あげられる^[4]。

系統けいとう

最大さいだい節約せつやく法ほうを用もちいた系統けいとう解析かいせきでは、リパロヴェナトルはバリオニクス亜あ科かに置おかれ、ケラトスコプスとの姉妹しまい群ぐんをなした^[4]。このことはスピノサウルス科かのヨーロッパ起源きげん説せつを補強ほきょうするものであり、バリオニクス亜あ科かのスコミムスの祖先そせんとスピノサウルス亜あ科かのシギルマッササウルスおよびスピノサウルスの祖先そせんは、それぞれ別個べっこにアフリカ大陸たいりくへ進出しんしゅつしたことが示唆しさされる^[2]^[4]。