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外国人参政権 - Wikipedia
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外国がいこく人参にんじん政権せいけん

外国がいこく籍せきの者ものが政治せいじに参加さんかする権利けんり

外国がいこく人参にんじん政権せいけん（がいこくじんさんせいけん）とは、その国くにの国籍こくせきを有ゆうしない外国がいこく人じんに付与ふよされる参政さんせい権けんをさす。

概観がいかん

外国がいこく人参にんじん政権せいけんは世界せかい的てきには一般いっぱん的てきでないものの、欧州おうしゅう地域ちいきなど一定いっていの制約せいやく下かで認みとめられているケースもある。国家こっか基本きほん問題もんだい研究所けんきゅうじょは、長期間ちょうきかんに渡わたって外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃを誘引ゆういんする政策せいさくを採用さいようしていたなどの特別とくべつな理由りゆうのある国家こっかのみが外国がいこく人じんに参政さんせい権けんを認みとめているとしている[1]。

以下いかは、いずれも滞在たいざい期間きかん・在留ざいりゅう資格しかく・年収ねんしゅうなどの要件ようけんで一定いっていの制限せいげんを課かす。

  • 居住きょじゅうする外国がいこく人じんに対たいし、地方ちほうレベルの投票とうひょう権けんを、国内こくないの全域ぜんいきで、国籍こくせきを問とわず、付与ふよしている国家こっかの数かずは、24か国こく。
  • これらに超ちょう国家こっか的てきグループ（スープラナショナリズム）の加盟かめい国こくが相互そうごに限かぎって投票とうひょう権けんを認みとめている国家こっかを合あわせると、39か国こく。
  • 地方ちほうレベルに加くわえ、国政こくせいレベルの投票とうひょう権けんまで認みとめる国家こっかの数かずは、11か国こく（その内うちの7か国こくは、国籍こくせきを制限せいげんしている）。
  • 地方ちほうレベルの投票とうひょう権けんに加くわえ、被選挙権ひせんきょけんまで認みとめる国家こっかの数かずは、26か国こく（その内うちの12か国こくは、国籍こくせきを制限せいげんしている）。
  • 経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)の加盟かめい34か国こくの内うちで外国がいこく人参にんじん政権せいけんを地方ちほうレベルで認みとめている国家こっかの数かずは、30か国こくで、国政こくせいレベルに限かぎれば7カ国かこくである。
 
非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに対たいする各国かっこくの地方ちほう選挙せんきょ権けん付与ふよ状じょう況きょうを表あらわしたヨーロッパの地図ちず
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じん全すべてに対たいし、居住きょじゅう期間きかん制限せいげんをかけずに投票とうひょう権けんを与あたえる国々くにぐに
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じん全すべてに対たいし、一定いってい期間きかんの居住きょじゅうを条件じょうけんに投票とうひょう権けんを与あたえる国々くにぐに
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんのうち特定とくてい国籍こくせきの者ものに対たいし、相互そうご主義しゅぎを条件じょうけんに投票とうひょう権けんを与あたえる国々くにぐに
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんのうち特定とくてい国籍こくせきの者ものに対たいし、相互そうご主義しゅぎを条件じょうけんに投票とうひょう権けんを与あたえる国々くにぐに(実際じっさいには、相互そうご協定きょうていはどの国家こっかとも結むすばれている)
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんのうちイギリス連邦れんぽう出身しゅっしん者しゃに対たいし、投票とうひょう権けんを与あたえる国々くにぐに
  スイス:非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに対たいし、いくつかの地域ちいきで投票とうひょう権けんを与あたえるが、他たの地域ちいきでは与あたえない
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに対たいし、投票とうひょう権けんを与あたえないEU加盟かめい国こく
  非ひEU国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに対たいし、投票とうひょう権けんを与あたえないEU非ひ加盟かめい国こく
国政こくせいレベルの被選挙権ひせんきょけん（立候補りっこうほ権けん）
イギリス1国こくのみがコモンウェルスの加盟かめい国こく（1948年ねん〜）およびアイルランド（1983年ねん〜）の国民こくみんに認みとめている。ただしこれは大だい英えい帝みかど国民こくみんにすべて選挙せんきょ権けんを与あたえていた制度せいどを引ひき継ついだものである。
国政こくせいレベルの選挙せんきょ権けん（投票とうひょう権けん）
特定とくていの国籍こくせきに限かぎって認みとめている国くにが7か国こくあり、国籍こくせきを問とわずに認みとめている国くにが4か国こくある。
地方ちほうレベルの被選挙権ひせんきょけん（立候補りっこうほ権けん）
特定とくていの国籍こくせきに限かぎって認みとめている国くにが11か国こくあり、国籍こくせきを問とわずに認みとめている国くにが14か国こくある。
地方ちほうレベルの選挙せんきょ権けん（投票とうひょう権けん）
特定とくていの国籍こくせきに限かぎって認みとめている国くにが13か国こくあり、国籍こくせきを問とわずに認みとめている国くにが26か国こくある。

国籍こくせきを問とわずに付与ふよしている国家こっか

超ちょう国家こっか的てきグループ

世界せかいには、いくつかの超ちょう国家こっか的てきグループが存在そんざいしており、これらのグループの内うちの何なんか国こくかの加盟かめい国こくは、多国たこく間あいだ協定きょうていや多国たこく間あいだ条約じょうやくを締結ていけつし、そして、外国がいこく人参にんじん政権せいけんに関かんし、ある程度ていどの相互そうご主義しゅぎに同意どういしている。（EU、CN など）複数ふくすうの超ちょう国家こっか的てきグループの加盟かめい国こくとなっている国くにも、いくつか存在そんざいする。

欧州おうしゅう連合れんごう(EU)

欧州おうしゅう連合れんごう(EU)は、マーストリヒト条約じょうやく（1992年ねん調印ちょういん、1993年ねん発効はっこう）によって設立せつりつされたヨーロッパの地域ちいき統合とうごう体たいである。

経緯けいい
  • マーストリヒト条約じょうやくが調印ちょういんされた1992年ねん・発効はっこうした1993年ねんの時点じてんで、それ以前いぜんから既すでに外国がいこく人じんの居住きょじゅう者しゃに参政さんせい権けんを認みとめていた国家こっかは、以下いかの5か国こくである。
    アイルランド
    国籍こくせきを問とわず、地方ちほうの選挙せんきょ権けん（1963年ねん–）、地方ちほうの被選挙権ひせんきょけん（1974年ねん–）、イギリス国籍こくせき者しゃに限かぎって国会こっかい（下院かいん）の選挙せんきょ権けん（1984年ねん–）
    スウェーデン
    国籍こくせきを問とわず、地方ちほうの選挙せんきょ権けんおよび被選挙権ひせんきょけん、国政こくせいの国民こくみん投票とうひょうの投票とうひょう権けん（1976年ねん–）
    デンマーク
    国籍こくせきを問とわず、地方ちほうの選挙せんきょ権けんおよび被選挙権ひせんきょけん（1981年ねん–）
    オランダ
    国籍こくせきを問とわず、地方ちほうの選挙せんきょ権けんおよび被選挙権ひせんきょけん（1983年ねん–）
    ノルウェー
    （94年ねんに EU 加盟かめいを国民こくみん投票とうひょうに掛かけたが、国民こくみんが自みずから否決ひけつ）
    国籍こくせきを問とわず、地方ちほうの選挙せんきょ権けんおよび被選挙権ひせんきょけん（1985年ねん–）
  • マーストリヒト条約じょうやくは、EU 加盟かめい国こく間あいだで相互そうご主義しゅぎ的てきに地方ちほう参政さんせい権けんを認みとめることを課かしている[注ちゅう 1]。条約じょうやくに従したがい、いくつかの欧州おうしゅう諸国しょこくにおいては、外国がいこく人参にんじん政権せいけんに関かんする国民こくみん的てき議論ぎろんが新あらたに巻まき起おこった。ただし、ヨーロッパ国籍こくせきを持もつ外国がいこく人じんの居住きょじゅう者しゃについては、参政さんせい権けんを付与ふよする一方いっぽう、非ひ EU の居住きょじゅう者しゃについては、付与ふよされなかった。これは、マーストリヒト条約じょうやくが欧州おうしゅう連合れんごうの市民しみんという概念がいねんを前提ぜんていとして参政さんせい権けん問題もんだいを考かんがえている帰結きけつであった。
  • 欧州おうしゅう議会ぎかい、欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かい、バルト海ばるとかい沿岸えんがん諸国しょこく会議かいぎ[注ちゅう 2]は、「外国がいこく人参にんじん政権せいけんの導入どうにゅう」、「地方ちほうレベルにおける全すべての定住ていじゅう外国がいこく人じんに対たいする選挙せんきょ権けん付与ふよ」に賛成さんせいし、さまざまな提言ていげんを発信はっしんしている。1992年ねんの欧州おうしゅう評議ひょうぎ会かいの条約じょうやく[2]は、署名しょめい・批准ひじゅんに向むけて公開こうかいされている。
  • 1994年ねん12月19日にちに欧州おうしゅう連合れんごう理事りじ会かいが発はっした理事りじ会かい指令しれい・「地方ちほう選挙せんきょへの参加さんか：投票とうひょう権けんと立候補りっこうほ権けん」[3]は、参政さんせい権けんの付与ふよについて具体ぐたい的てきな内容ないようを示しめしている。
概要がいよう
  • EU 諸国しょこくが外国がいこく人じん地方ちほう参政さんせい権けんの付与ふよに積極せっきょく的てきに見みえるのは、欧州おうしゅう連合れんごうという枠組わくぐみにおいて国家こっか間あいだの政策せいさくや協力きょうりょくにより一致いっち結束けっそくして実行じっこうするという目的もくてきが背景はいけいにある。マーストリヒト条約じょうやくでも「EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じん」に対たいして付与ふよすることを定さだめ、これを満みたすことが批准ひじゅんの条件じょうけんとなっている。この結果けっかとして EU 加盟かめい国こくでは、全すべての EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに対たいして地方ちほう選挙せんきょへの投票とうひょう権けん（選挙せんきょ権けん）が付与ふよされる。被選挙権ひせんきょけんについては、与あたえる国くにと与あたえない国くにとに分わかれている。
  • 以上いじょうの背景はいけいから、非ひ EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんについては、参政さんせい権けんの付与ふよをしない国家こっかがある（図ずを参照さんしょう）。ドイツなどは、憲法けんぽうの規定きていで「EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに限かぎって地方ちほう参政さんせい権けんを認みとめる」とし、非ひ EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんについては、付与ふよが禁止きんしされている。
    • 非ひ EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに一切いっさいの参政さんせい権けんを認みとめないのは、計けい6か国こく。フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア、チェコ、ギリシャ。
    • 非ひ EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに、被選挙権ひせんきょけん・投票とうひょう権けんの両方りょうほうを認みとめるのは、既すでに挙あげた北欧ほくおう諸国しょこくやアイルランドやオランダの5か国こくにスロバキア、スロベニアの2か国こくを合あわせ、計けい7か国こく。
    • 非ひ EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに、投票とうひょう権けんのみを認みとめるのは、ベルギー、ルクセンブルク、ハンガリー、リトアニア、エストニアの5か国こく。この5か国こくの中なかでも、EU 国籍こくせきの居住きょじゅう外国がいこく人じんに被選挙権ひせんきょけんも併あわせて付与ふよしている場合ばあいがあり、両者りょうしゃの待遇たいぐうに差別さべつ化かがなされている。

コモンウェルス(CN)

コモンウェルス・オブ・ネイションズ(The Commonwealth of Nations)は、50以上いじょうの独立どくりつした主権しゅけん国家こっかで構成こうせいされている。これらの殆ほとんどは、旧きゅうイギリス帝国ていこくの植民しょくみん地ちであった。その内うち、以下いかのコモンウェルス諸国しょこくは、コモンウェルス市民しみん権けん（Commonwealth Citizenship）として参政さんせい権けんを認みとめ、特とくに制限せいげんを設もうけることなく、地方ちほうレベルや国政こくせいレベルを問とわずに権利けんりを付与ふよしている。

各国かっこくの参政さんせい権けん付与ふよ状じょう況きょう一覧いちらん表ひょう

ヨーロッパ

国名こくめい 対象たいしょう者しゃの国籍こくせき 国政こくせいレベル 地方ちほうレベル 要件ようけん等とう
選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん 選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん
  イギリス 英えい連邦れんぽう諸国しょこく ○ ○ ○ ○
EU加盟かめい国こく × × ○ ○
その他た × × × ×
  アイルランド イギリス ○ × ○ ○ 国政こくせいレベルの選挙せんきょ権けんは議会ぎかい選挙せんきょのみであり、大統領だいとうりょう選挙せんきょは除のぞく。
その他た × × ○ ○
  フランス EU加盟かめい国こく × × ○ ○ 6か月げつ以上いじょうの居住きょじゅうまたは5年ねん以上いじょう直接ちょくせつ地方ちほう税ぜいを納入のうにゅうしている者もの。なお、外国がいこく人じん地方ちほう議員ぎいんは、元老げんろう院いん議員ぎいんの選挙せんきょ権けんを有ゆうしない。
その他た × × × ×
  ドイツ EU加盟かめい国こく × × ○ ○ 州しゅうの参政さんせい権けんは対象たいしょう外がいで、郡ぐん及および市町村しちょうそんのみ。バイエルン州しゅう及およびザクセン州しゅうは首長しゅちょうの被選挙権ひせんきょけんを除のぞく。
その他た × × × ×
  イタリア EU加盟かめい国こく × × ○ ○ 首長しゅちょうの被選挙権ひせんきょけんを除のぞく。
その他た × × × ×
  ベルギー EU加盟かめい国こく × × ○ ○
その他た × × ○ × 5年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  オランダ EU加盟かめい国こく × × ○ ○
その他た × × ○ ○ 5年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  ルクセンブルク EU加盟かめい国こく × × ○ ○
  • 選挙せんきょ権けん:過去かこ7年間ねんかんに6年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  • 被選挙権ひせんきょけん:過去かこ15年間ねんかんに12年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。各かく候補者こうほしゃ名簿めいぼ中ちゅう、候補者こうほしゃの50%以上いじょうはルクセンブルク市民しみんでなければならない。
その他た × × ○ ×
  スウェーデン EU加盟かめい国こく × × ○ ○
その他た × × ○ ○ 3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  デンマーク EU加盟かめい国こく・ノルウェー・アイスランド × × ○ ○
その他た × × ○ ○ 3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  ノルウェー スウェーデン・デンマーク・フィンランド・アイスランド × × ○ ○
その他た × × ○ ○ 3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  フィンランド EU加盟かめい国こく・ノルウェー・アイスランド × × ○ ○
その他た × × ○ ○ 2年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  アイスランド スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド × × ○ ○ 3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
その他た × × ○ ○ 5年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  スペイン EU加盟かめい国こく × × ○ ○
ノルウェー × × ○ ○ 3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
その他た × × × ×
  ポルトガル ブラジル ○ × ○ ○
  • 国政こくせい選挙せんきょ権けん:5年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  • 地方ちほう選挙せんきょ権けん:2年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  • 地方ちほう被選挙権ひせんきょけん:4年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
カーボベルデ × × ○ ○
  • 地方ちほう選挙せんきょ権けん:2年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  • 地方ちほう被選挙権ひせんきょけん:4年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
ペルー・ウルグアイ × × ○ ○
アルゼンチン・チリ・エストニア・イスラエル・ノルウェー・ベネズエラ × × ○ × 地方ちほう選挙せんきょ権けん:3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
EU加盟かめい国こく × × ○ ○
その他た × × × ×
  スイス 全すべての国くに × × ▲ ▲
  • ヌーシャテル州しゅう→地方ちほう選挙せんきょ権けん:永住えいじゅう者しゃで1年ねん以上いじょうの州しゅう内ない居住きょじゅう。
  • ジュラ州しゅう→地方ちほう選挙せんきょ権けん及および地方ちほう被選挙権ひせんきょけん:10年ねん以上いじょうの州しゅう内ない居住きょじゅう。
  • ヴォー州しゅう→地方ちほう選挙せんきょ権けん:10年ねん以上いじょうの国内こくない居住きょじゅう及および3年ねん以上いじょうの州しゅう内ない居住きょじゅう。
  • ジュネーヴ州しゅう→地方ちほう選挙せんきょ権けん:8年ねん以上いじょうの州しゅう内ない居住きょじゅう。
  • フリブール州しゅう→地方ちほう選挙せんきょ権けん:5年ねん以上いじょうの州しゅう内ない居住きょじゅう。
  • アッペンツェル＝アウサーローデン州しゅうの一部いちぶの自治体じちたい→地方ちほう選挙せんきょ権けん:10年ねん以上いじょうの国内こくない居住きょじゅう及および5年ねん以上いじょうの州しゅう内ない居住きょじゅう。
  • その他た、グラウビュンデンでも一部いちぶの自治体じちたいで地方ちほう参政さんせい権けんを付与ふよしている（詳細しょうさいは不明ふめい）。
  オーストリア EU加盟かめい国こく × × ○ ○ 州しゅうの参政さんせい権けんは対象たいしょう外がいで、市町村しちょうそん及およびウィーンの区くのみ。
その他た × × × × ウィーン市区しく議会ぎかいについて、5年ねん以上いじょうの居住きょじゅう者しゃに選挙せんきょ権けん・被選挙権ひせんきょけんを付与ふよすることとなったが、憲法けんぽう裁判所さいばんしょで現在げんざい審査しんさ中ちゅう。
  ハンガリー 全すべての国くに × × ○ ×
  チェコ EU加盟かめい国こく × × ○ 不明ふめい
その他た × × × ×
  スロバキア 全すべての国くに × × ○ ○ 永住えいじゅう者しゃ。
  スロベニア イタリア・ハンガリー △ △ △ △ イタリア人じん・ハンガリー人じんには共和きょうわ国こく議会ぎかいに1議席ぎせきずつ与あたえられ、その居住きょじゅう地域ちいきでは地方ちほう自治じちも認みとめられている。
その他た × × ○ ○ 永住えいじゅう者しゃ。首長しゅちょうの被選挙権ひせんきょけんは除のぞく。
  ギリシャ EU加盟かめい国こく × × ○ ○ 当該とうがい自治体じちたいに10年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。首長しゅちょうの被選挙権ひせんきょけんを除のぞく。
その他た × × × ×
  マルタ イギリス × × ○ ○ 過去かこ18か月げつ間あいだに6か月げつ以上いじょうの居住きょじゅう。
  ロシア 全すべての国くに × × ○ ○ 永住えいじゅう者しゃ。
  リトアニア 全すべての国くに × × ○ × 永住えいじゅう者しゃ。
  エストニア 全すべての国くに × × ○ × 永住えいじゅう資格しかくがあり、当該とうがい地域ちいきに5年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。

コモンウェルス

（イギリス及およびマルタはヨーロッパを参照さんしょう）

国名こくめい 対象たいしょう者しゃの国籍こくせき 国政こくせいレベル 地方ちほうレベル 要件ようけん等とう
選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん 選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん
  カナダ 英えい連邦れんぽう諸国しょこく × × △▲ × サシュカチュワン州しゅう:1971年ねん6月がつ23日にちの時点じてんで、選挙せんきょ人じん名簿めいぼに登録とうろくされており、6か月げつ以上いじょう居住きょじゅうしている英えい連邦れんぽう市民しみん。
その他た × × × ×
  オーストラリア 英えい連邦れんぽう諸国しょこく △ × △ △▲
  • 国政こくせいの選挙せんきょ権けんは1984年ねん1月がつ25日にちの時点じてんで選挙せんきょ人じん名簿めいぼに登録とうろくされている英えい連邦れんぽう市民しみん。
  • 地方ちほうの選挙せんきょ権けんは特定とくていの期日きじつ（州しゅうにより異ことなる）時点じてんで選挙せんきょ人じん名簿めいぼに登録とうろくされている英えい連邦れんぽう市民しみん。地方ちほうの被選挙権ひせんきょけんは西にしオーストラリア州しゅうなど一部いちぶの州しゅうで付与ふよされている。
その他た × × △▲ ×
  • 南みなみオーストラリア州しゅう→1か月げつ以上いじょうの居住きょじゅう。
  • 南みなみオーストラリア州しゅう、タスマニア州しゅう及およびビクトリア州しゅう→州しゅう内ないに不動産ふどうさんを所有しょゆうしている州しゅう外がい居住きょじゅう者しゃ。
  ニュージーランド イギリス ○ × ○ ×
その他た ○ × ○ × 1年ねん以上いじょう居住きょじゅうしている永住えいじゅう者しゃ。
  バルバドス 英えい連邦れんぽう諸国しょこく ○ × ○ × 3年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
その他た × × × ×
  ベリーズ 英えい連邦れんぽう諸国しょこく ○ × ○ × 永住えいじゅう者しゃまたは1年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
その他た × × × ×

アメリカ州しゅう

国名こくめい 対象たいしょう者しゃの国籍こくせき 国政こくせいレベル 地方ちほうレベル 要件ようけん等とう
選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん 選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん
  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 全すべての国くに × × ▲ ▲

国政こくせい・州しゅうレベルでは認みとめられず、市町村しちょうそんレベルで限定げんてい的てきに認みとめるところもある。

  • メリーランド州しゅうのタコマパーク市しなどでは、国籍こくせきに関係かんけいなく、選挙せんきょ権けん・被選挙権ひせんきょけんを付与ふよしている。
  • シカゴでは子こどものいる外国がいこく人じんに教育きょういく委員いいん選挙せんきょの選挙せんきょ権けん・被選挙権ひせんきょけんを付与ふよしている。
  ベネズエラ 全すべての国くに × × ○ 不明ふめい 10年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。年齢ねんれい18歳さい以上いじょう。憲法けんぽうで市町村しちょうそんにおける外国がいこく人じんの選挙せんきょ権けんを保障ほしょうし、選挙せんきょ人じん登録とうろくをした地域ちいきに1年ねん以上いじょう在住ざいじゅうする者ものに選挙せんきょ権けんを保障ほしょうしている（憲法けんぽう64条じょう、投票とうひょうに関かんする組織そしき法ほう8条じょう）。
  チリ 全すべての国くに ○ × ○ × 5年ねん以上いじょうの在住ざいじゅう。
  ウルグアイ 全すべての国くに ○ × ○ × 15年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。憲法けんぽう78条じょうで、国内こくないで15年ねん以上いじょう居住きょじゅうする外国がいこく人じん選挙せんきょ権けんを保障ほしょうしている。

その他た

国名こくめい 対象たいしょう者しゃの国籍こくせき 国政こくせいレベル 地方ちほうレベル 要件ようけん等とう
選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん 選挙せんきょ権けん 被選挙権ひせんきょけん
  韓国かんこく 全すべての国くに × × ○ × 永住えいじゅう資格しかく取得しゅとく後ご3年ねん以上いじょうが経過けいかした19歳さい以上いじょうの外国がいこく人じん（永住えいじゅう資格しかく取得しゅとくには金銭きんせん面めんを中心ちゅうしんに極きわめて高たかいハードルが設定せっていされている。詳細しょうさいは永住えいじゅう権けん#韓国かんこく参照さんしょう）。
  イスラエル 全すべての国くに × × ○ ○ 永住えいじゅう者しゃ。
  マラウイ 全すべての国くに ○ × ○ × 7年ねん以上いじょうの居住きょじゅう。
  香港ほんこん（参考さんこう） 全すべての国くに × × ○ ○ 基本きほん法ほう26条じょうで、永えい住居じゅうきょ民権みんけん取得しゅとく者しゃに、香港ほんこん特別とくべつ行政ぎょうせい区くの選挙せんきょ権けん及および被選挙権ひせんきょけんを保障ほしょうしている。

外国がいこく人参にんじん政権せいけんについて各国かっこくの現状げんじょう

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの現状げんじょう

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは、合衆国がっしゅうこく市民しみん(=国籍こくせき保持ほじ者しゃ)でない者ものには国政こくせい及および州しゅうレベルの参政さんせい権けんは認みとめられていない。永住えいじゅう者しゃ(永住えいじゅう者しゃカードまたは居住きょじゅう外国がいこく人じんカード、いわゆるグリーンカード保持ほじ者しゃ)も参政さんせい権けんはない。合衆国がっしゅうこくに帰化きかし合衆国がっしゅうこく市民しみんになれば被選挙権ひせんきょけんを含ふくむあらゆる参政さんせい権けんが付与ふよされるが、合衆国がっしゅうこく大統領だいとうりょうの被選挙権ひせんきょけんは例外れいがいとして帰化きかした市民しみんには認みとめられない。過去かこには外国がいこく人じんに参政さんせい権けんを付与ふよした州しゅうも多数たすうあったが、1926年ねんのアラスカ州しゅうを最後さいごにすべての州しゅうで外国がいこく人じんの参政さんせい権けんは停止ていしされ今日きょうに至いたっている。市町村しちょうそんレベルも同様どうようであるが、ごくまれに市内しないに居住きょじゅうする固定こてい資産しさん税ぜい納税のうぜい者しゃの外国がいこく人じんにタウンミーティングでの投票とうひょうを認みとめるなどの例外れいがいもある。

日本にっぽんの現状げんじょう

詳細しょうさいは「日本にっぽんにおける外国がいこく人参にんじん政権せいけん」を参照さんしょう

日本国にっぽんこく憲法けんぽうは、第だい15条じょう第だい1項こうで「公務員こうむいんを選定せんていし、及およびこれを罷免ひめんすることは、国民こくみん固有こゆうの権利けんりである」、第だい43条じょう第だい1項こうで「両りょう議院ぎいんは、全ぜん国民こくみんを代表だいひょうする選挙せんきょされた議員ぎいんでこれを組織そしきする」としており、現状げんじょうで外国がいこく人じんの参政さんせい権けんは認みとめられていない。もっとも、判例はんれいおよびもっとも有力ゆうりょくな学説がくせつにおいては、憲法けんぽう上じょう地方ちほう参政さんせい権けんは必かならずしも禁止きんしされることはないとする[4][5]。

日本にっぽんにおける外国がいこく人じんの地方ちほう参政さんせい権けんには首長しゅちょう・議員ぎいん選挙せんきょなど公職こうしょく選挙せんきょ法ほうが適用てきようされるものと、一部いちぶの地方自治体ちほうじちたいにおける（特定とくていの問題もんだいについて住民じゅうみんの賛否さんぴを問とう）住民じゅうみん投票とうひょう条例じょうれいのように国籍こくせき条項じょうこうがないものがある。前者ぜんしゃの公職こうしょく選挙せんきょ法ほうに関かんしては、選挙せんきょ人じんは日本にっぽん国民こくみんに限定げんていされるため、外国がいこく籍せき所持しょじ者しゃに参政さんせい権けんは法律ほうりつ上じょう認みとめられていない[注ちゅう 3]。後者こうしゃの住民じゅうみん投票とうひょう条例じょうれいに関かんしては、外国がいこく籍せき所持しょじ者しゃに住民じゅうみん投票とうひょう権けんを認みとめる動うごきを見みせる自治体じちたいもある（東京とうきょう都と小金井こがねい市し[6][注ちゅう 4]、長野ながの県けん小諸こもろ市し[8][9][注ちゅう 5]、広島ひろしま県けん広島ひろしま市し[11][9]など）。

日本にっぽんにおいて外国がいこく人参にんじん政権せいけん問題もんだいの主おもな争点そうてんとなっているのは、地方ちほう選挙せんきょ権けん付与ふよが検討けんとうされている特別とくべつ永住えいじゅう外国がいこく人じんで、その数かずは28万まん1218人にん。そのうち99%の27万まん7707人にんが韓国かんこく・朝鮮ちょうせん籍せきである。なお永住えいじゅう者しゃは89万まん1569人にんである（全すべて2023年ねん12月がつ末まつ時点じてん）[12]。

韓国かんこくの現状げんじょう

詳細しょうさいは「韓国かんこくにおける外国がいこく人参にんじん政権せいけん」を参照さんしょう

韓国かんこくでは永住えいじゅう資格しかく(F-5)を獲得かくとくして3年ねん以上いじょうが経過けいかした19歳さい以上いじょうの外国がいこく人じんに地方ちほう参政さんせい権けんを付与ふよしている。2005年ねん7月がつの済州さいしゅう道どうにおける住民じゅうみん投票とうひょうが、永住えいじゅう資格しかく保有ほゆう者しゃの参政さんせい権けんを認みとめる初はつの例れいとなった。外国がいこく人じん有権者ゆうけんしゃには政党せいとう加入かにゅう、政治せいじ資金しきんの寄付きふが禁止きんしされ、基本きほん的てきに投票とうひょう行為こうい以外いがいの選挙せんきょ運動うんどうは禁止きんしされており[13]、違反いはんした場合ばあいは3年ねん以下いかの懲役ちょうえき刑けいが科かせられることとなっている[14]。

日本にっぽんでの在日ざいにち韓国かんこく人じん地方ちほう参政さんせい権けん獲得かくとく運動うんどうの進展しんてんが見みられないため、これへの支援しえんの一環いっかんとして韓国かんこくでの外国がいこく人参にんじん政権せいけん付与ふよが検討けんとうされてきた側面そくめんが大おおきい[13]。また、付与ふよ対象たいしょう外国がいこく人じん有権者ゆうけんしゃ数すうは内国ないこく人じん有権者ゆうけんしゃの0.05%であり、選挙せんきょ結果けっかに何なにも影響えいきょうしないとの思惑おもわくもあった[13]。韓国かんこくの金きむ大中でじゅん大統領だいとうりょうは1999年ねん以降いこう外国がいこく人参にんじん政権せいけん付与ふよを目指めざしたが、当時とうじ韓国かんこくでは永住えいじゅう資格しかく制度せいどもまだ整ととのっておらず（2002年ねんから）時期じき尚早しょうそうであり、また、日にち帝みかど残滓ざんしである在日ざいにち問題もんだいと国内こくない問題もんだいを同どう一線いっせん上じょうで捉とらえることへの反発はんぱつなど国民こくみん世論せろんも収斂しゅうれんしておらず韓国かんこく国内こくないで廃案はいあんとなった。この後のち、金きむ大中でじゅんのノーベル平和へいわ賞しょう受賞じゅしょうの趣旨しゅしを後押あとおしする目的もくてきで再さい推進すいしんされ[13]、2005年ねん6月がつに盧武鉉のむひょん政権せいけん下かで「永住えいじゅう外国がいこく人じんに対たいする外国がいこく人じん地方ちほう参政さんせい権けん付与ふよ法案ほうあん」が可決かけつされた。

主おもな当事とうじ者しゃである華僑かきょうからの要求ようきゅうが表面ひょうめん化かしない中なかで付与ふよが決定けっていされたが、在日ざいにち韓国かんこく人じん支援しえんの名分めいぶんがなければ成立せいりつしたかは疑問ぎもんであるとされる[13]。またそれ以外いがいにも、韓国かんこくは日本にっぽんよりもナショナリズムが強つよく排外はいがい的てきな国くになので、思おもい切きって地方ちほう参政さんせい権けんを開放かいほうした（文ぶん喜き相しょうウリ党とう党首とうしゅ）、激はげしく華僑かきょうを差別さべつしてきた国くにで真しんの民主みんしゅ化かを達成たっせいするには外国がいこく人じんの人権じんけん保障ほしょうを進すすめなければならず、地方ちほう参政さんせい権けん付与ふよはその象徴しょうちょうである（民主みんしゅ労働党ろうどうとう議員ぎいん）といった意見いけんが述のべられている[15]。

永住えいじゅう資格しかく取得しゅとく（詳細しょうさいは永住えいじゅう権けん#韓国かんこく）には、韓国かんこく人じんの一人ひとり当あたり国民こくみん総そう所得しょとくの4倍ばいの年間ねんかん所得しょとく6500万まんウォン以上いじょうがあること[16]、あるいは7年ねん以上いじょう滞在たいざいして居住きょじゅう資格しかく(F-2)を獲得かくとくした後のち、さらに5年ねん滞在たいざいし、かつ韓国かんこく人じんの1人ひとり当あたり国民こくみん所得しょとく以上いじょうの収入しゅうにゅうがあること[17]など、特とくに東南とうなんアジアからの移住いじゅう労働ろうどう者しゃには厳きびしい条件じょうけんとされる。また、韓国かんこく人じんや永住えいじゅう者しゃの配偶はいぐう者しゃとして永住えいじゅう権けんを申請しんせいする場合ばあいも3000万まんウォン以上いじょうの財産ざいさん関係かんけい立証りっしょう書類しょるいの提出ていしゅつを要求ようきゅうされるが、一方いっぽう、大韓民国だいかんみんこく政府せいふ樹立じゅりつ以前いぜんに入国にゅうこくした在ざい韓かん華僑かきょうとその直系ちょっけい卑属ひぞく、及および2002年ねん4月がつ18日にち以前いぜんに居住きょじゅう資格しかくを取得しゅとくした韓国かんこく人じんの日本人にっぽんじん妻つまは、身元みもと保証ほしょう及および財産ざいさん関係かんけい立証りっしょう書類しょるいの提出ていしゅつが免除めんじょされる[18]。

2006年ねん5月がつ31日にちの第だい4回かい韓国かんこく統一とういつ地方ちほう選挙せんきょの時点じてんで、韓国かんこくに居住きょじゅうする約やく20万まん人にんの外国がいこく人じんのうち6726人にんに選挙せんきょ権けんが与あたえられ、内訳うちわけは大陸たいりく系けい華人かじん5人にん、台湾たいわん系けい華人かじん6511人にん、日本人にっぽんじん51人にん、米国べいこく人じん8人にん、ドイツ人じん2人にん、マレーシア人じん1人にん、アイルランド人じん1人にんなどとなっている[19][20]。在ざい韓かん日本人にっぽんじん有権者ゆうけんしゃのうち9割わり以上いじょうが韓国かんこく人じんと結婚けっこんした日本人にっぽんじん女性じょせいである。これは当時とうじの在ざい韓かん日本人にっぽんじん永住えいじゅう者しゃ1622人にんのうち3.144%にあたる[21]。また、東南とうなんアジアからの移住いじゅう労働ろうどう者しゃ80万まん名めいのうち、投票とうひょう権けんを得えたのは11人にんだった[17]。

2010年ねん6月がつ2日にちに実施じっしされた第だい5回かい韓国かんこく統一とういつ地方ちほう選挙せんきょで投票とうひょう権けんを持もつ外国がいこく人じんは2006年ねんに比くらべ11680人にんに倍増ばいぞうし、成人せいじん年齢ねんれい19歳さい以上いじょうの地方ちほう選挙せんきょ有権者ゆうけんしゃ3876万まん人にんの0.030%となった[16]。外国がいこく人じん有権者ゆうけんしゃが最もっとも多おおい地域ちいきはソウル市しの3400人にんで、以下いか、京畿けいき道どう1600人にん、台湾たいわん華僑かきょうの多おおい仁川にがわ広域こういき市し1400人にん、釜山ぷさん広域こういき市し850人にん、江原えばら道みち590人にん[注ちゅう 6]、全羅南道ぜんらなんどう550人にん、忠清ただきよ南道みなみどう500人にん、忠清ただきよ北道ほくどう460人にん、全羅北道ぜんらほくどう410人にん、大邱たいきゅう広域こういき市し430人にんとなっている[16][20]。

韓国かんこくは、相互そうご主義しゅぎとして在日ざいにち韓国かんこく人じんへの参政さんせい権けんの付与ふよを日本にっぽんに対たいして求もとめている。日本にっぽんでは、その非対称ひたいしょう性せいのため「相互そうご主義しゅぎ」そのものが成立せいりつしないとする意見いけんや、参政さんせい権けんを付与ふよすべきだとする意見いけんなど、議論ぎろんになっている。

詳細しょうさいは「日本にっぽんにおける外国がいこく人参にんじん政権せいけん#日にち韓かんの比較ひかく」を参照さんしょう

北朝鮮きたちょうせんの現状げんじょう

北朝鮮きたちょうせんは外国がいこく人じんに参政さんせい権けんを付与ふよしていない。朝鮮ちょうせん新報しんぽうは「参政さんせい権けん付与ふよが安易あんいに時代じだいの流ながれと言いえないことは明白めいはくだ。」としている[22][注ちゅう 7]。

中国ちゅうごくの現状げんじょう

中国ちゅうごくは外国がいこく人じんに参政さんせい権けんを付与ふよしていない。

ヨーロッパの現状げんじょう

「移民いみん」、「市民しみん権けん」、および「国籍こくせき」も参照さんしょう

ヨーロッパ諸国しょこくのうち先進せんしん諸国しょこくには旧きゅう宗主そうしゅ国こくとして移民いみんを受うけ入いれて来きた長ながい歴史れきしがあるが[注ちゅう 8]、外国がいこく人参にんじん政権せいけんは上記じょうきしたように主おもにEU加盟かめい国こく間あいだでの協定きょうていとしての側面そくめんが強つよく、一般いっぱんに、EU加盟かめい諸国しょこくの国民こくみんであることを前提ぜんていとしている。EU加盟かめい諸国しょこくに帰化きかせずに参政さんせい権けんを要求ようきゅうすることは、公民こうみん権けんまたは市民しみん権けんの問題もんだいとして議論ぎろんされているが、EUでは市民しみん権けんの拡張かくちょうの方針ほうしんを提示ていじしたものの、公式こうしきに導入どうにゅうされてはいない。

フランスの現状げんじょう

フランス（EU加盟かめい国こく）は、EU国民こくみんに限かぎって地方ちほう参政さんせい権けんの付与ふよを認みとめている。過去かこの憲法けんぽうにおいては、外国がいこく人じん地方ちほう参政さんせい権けんの付与ふよが認みとめられなかったが、EU他国たこくとの相互そうご主義しゅぎを前提ぜんていとしてEU国民こくみんに地方ちほう参政さんせい権けんを付与ふよできるように憲法けんぽうを改正かいせいしてきたが、2010年ねん1月がつ13日にち、フランス政府せいふリュック・シャテル(Luc Chatel)報道ほうどう官かんは、最大さいだい野党やとうの社会党しゃかいとうが、EU国民こくみん以外いがいに対たいする外国がいこく人じん地方ちほう参政さんせい権けん法案ほうあんを提出ていしゅつする動うごきを示しめしたことについて、「論外ろんがい」とフランス政府せいふの公式こうしき見解けんかいとして表明ひょうめいし、一般いっぱん外国がいこく人じんの参政さんせい権けんを認みとめないことを明あきらかにした[25]。

ドイツの現状げんじょう

ドイツ（EU加盟かめい国こく）は、EU他国たこくとの相互そうご主義しゅぎを前提ぜんていとしてEU国民こくみんに限かぎって地方ちほう参政さんせい権けんの付与ふよを認みとめている。EU成立せいりつ以前いぜん、ドイツ憲法けんぽうでは、外国がいこく人じんの参政さんせい権けんは認みとめていなかった。1989年ねん、シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州しゅうが相互そうご主義しゅぎを前提ぜんていとした外国がいこく人じん地方ちほう参政さんせい権けんを付与ふよした件けんが憲法けんぽう訴訟そしょうに発展はってんした。1990年ねん、ドイツの連邦れんぽう憲法けんぽう裁判所さいばんしょはこの州法しゅうほうを違憲いけん[注ちゅう 9]とする判決はんけつを出だしている。ドイツは「ヨーロッパ連合れんごう条約じょうやくの批准ひじゅん」という要請ようせいがあったため、1990年ねんに憲法けんぽうを改正かいせい[26]し、EU加盟かめい国こく国民こくみんに地方ちほう参政さんせい権けんを認みとめた[22]。

オランダの現状げんじょう

オランダ（EU加盟かめい国こく）は、ロッテルダムにおける1979年ねんの地方ちほう選挙せんきょで外国がいこく人参にんじん政権せいけんを認みとめた。この動うごきは1985年ねんまでに全国ぜんこくに拡ひろがることとなった。導入どうにゅう後ごおよそ20年ねんたった2000年ねんの時点じてんの移民いみん世代せだいの投票とうひょう行動こうどうの分析ぶんせきによれば、移民いみん世代せだいによる支持しじ政党せいとうの内訳うちわけはほぼオランダ国籍こくせき所持しょじ者しゃと同おなじであり、労働党ろうどうとう(Partij van de Arbeiders)の支持しじ率りつが若干じゃっかん高たかくなっている程度ていどの差異さいに過すぎず、また固有こゆうの政治せいじ的てき利害りがいを主張しゅちょうするエスニック小しょう政党せいとうの乱立らんりつは生しょうじておらず、これは「移民いみん有権者ゆうけんしゃの投票とうひょう行動こうどうと政党せいとうの戦略せんりゃくとが相互そうご作用さようとなり、オランダ社会しゃかいの移民いみんに対たいする求心力きゅうしんりょくは遠心えんしん力りょくを凌駕りょうがする結果けっかとなっている」とする見解けんかいもある[27]。しかし2002年ねん5月6日にち、移民いみん制限せいげんやイスラム教いすらむきょう批判ひはんなどを説といていた政治せいじ家かピム・フォルタインが暗殺あんさつされたり、2004年ねん11月2日にちに同おなじくイスラム批判ひはんを含ふくむ内容ないようの映画えいがを製作せいさくしたテオ・ファン・ゴッホが暗殺あんさつされるなどの事件じけん（テオ・ファン・ゴッホ暗殺あんさつ事件じけん）が相次あいついで起おこり、外国がいこく人じんへの“寛容かんよう”政策せいさくの見直みなおしも行おこなわれるようになってきている[28]。

参考さんこう文献ぶんけん

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 同どう規定きていは、欧州おうしゅう議会ぎかい議員ぎいん選挙せんきょについて既すでに存在そんざいしていた。
  2. ^ the Baltic Sea States Conference
  3. ^ 公職こうしょく選挙せんきょ法ほう第だい二に十じゅう一いち条じょうでは、選挙せんきょ人じん名簿めいぼに登録とうろくされるのは「当該とうがい市町村しちょうそんの区域くいき内ないに住所じゅうしょを有ゆうする年齢ねんれい満まん二に十じゅう年ねん以上いじょうの日本にっぽん国民こくみん」である。
  4. ^ 併あわせて小金井こがねい市しは国くにに対たいし、定住ていじゅう外国がいこく人じんに対たいし地方ちほう参政さんせい権けんを付与ふよするための立法りっぽう措置そちを講こうずることを求もとめる意見いけん書しょを、同どう市議会しぎかいに於おいてその原案げんあんをそのまま審議しんぎ・可決かけつさせた上うえで、送付そうふしている[7]。
  5. ^ 同おなじく長野ながの県内けんないに位置いちする中野なかの市しでも、外国がいこく籍せき住民じゅうみんの投票とうひょう参加さんかを認みとめる条例じょうれいの存在そんざいは認みとめられないものの、前記ぜんき小金井こがねい市しと同様どうよう、国くにに対たいし定住ていじゅう外国がいこく人じんへの地方ちほう参政さんせい権けん付与ふよを認みとめるよう求もとめる意見いけん書しょを送付そうふしている[10]。
  6. ^ 人口じんこう比ひで外国がいこく人じん有権者ゆうけんしゃが釜山ぷさんに次ついで江原えばら道みちに多おおいのは、嫁よめ不足ふそくのために国際こくさい結婚けっこんで嫁とついで来きた人ひとが多おおいため。
  7. ^ 在日ざいにち朝鮮ちょうせん人じんの北朝鮮きたちょうせん国政こくせいへの参政さんせい権けんについて───在日ざいにち朝鮮ちょうせん人じんは「朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくの在外ざいがい公民こうみん」とされており、最高さいこう人民じんみん会議かいぎ代議員だいぎいん選挙せんきょに立候補りっこうほ・投票とうひょうすることができる。ただし、投票とうひょうは国内こくないでしかおこなわれないので、在日ざいにち朝鮮ちょうせん人じんは選挙せんきょ期間きかん中ちゅうに祖国そこく訪問ほうもんしていなければ投票とうひょうできない。また自由じゆうに立候補りっこうほすることは事実じじつ上じょうできない。在日ざいにち朝鮮ちょうせん人じんからの最高さいこう人民じんみん会議かいぎ代議員だいぎいん（日本にっぽんの国会こっかい議員ぎいんにあたる）は徐じょ萬まん述じゅつ（朝鮮総聯ちょうせんそうれん中央ちゅうおう議長ぎちょう）、許宗萬きょしゅうまん（朝鮮総連ちょうせんそうれん中央ちゅうおう責任せきにん副ふく議長ぎちょう）、梁りょう守まもる政せい（総連そうれん中央ちゅうおう副ふく議長ぎちょう）、姜きょう秋あき蓮れん（女性じょせい同盟どうめい中央ちゅうおう委員いいん長ちょう）、張ちょう炳泰（朝鮮大学校ちょうせんだいがっこう学長がくちょう）、朴ほお喜き徳とく（朝鮮総連ちょうせんそうれん中央ちゅうおう経済けいざい委員いいん会かい副ふく委員いいん長ちょう）が選出せんしゅつされており、北朝鮮きたちょうせん国政こくせいに参画さんかくしている[23]。
  8. ^ 移民いみんについては、フランスはアルジェリアなど北きたアフリカ諸国しょこくなどから、ドイツにはトルコ人じんが、イギリスには旧きゅう植民しょくみん地ちのインド人ひと、パキスタン人ひとが移民いみんまたは労働ろうどう者しゃとして流入りゅうにゅうしてきたが、政府せいふの移民いみん受うけ入いれ政策せいさくへの国民こくみんからの批判ひはんもあり、議論ぎろんが継続けいぞくしている。なお、エマニュエル・トッドは、西欧せいおう四よん大国たいこく（アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ）を分析ぶんせきし、移民いみんの統合とうごう状じょう況きょうに大おおきな違ちがいがあることを示しめした[24]。
  9. ^ ドイツ憲法けんぽう20条じょう2項こう違反いはん

出典しゅってん

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  2. ^ Convention on the Participation of Foreigners in Public Life at Local Level
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  4. ^ 佐藤さとう令れい 2 　外国がいこく人参にんじん政権せいけんをめぐる論点ろんてん - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん・調査ちょうさ及および立法りっぽう考査こうさ局きょく『総合そうごう調査ちょうさ「人口じんこう減少げんしょう社会しゃかいの外国がいこく人じん問題もんだい』
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  8. ^ “小諸こもろ市し自治じち基本きほん条例じょうれい” (PDF). 長野ながの県けん小諸こもろ市し. 2017年ねん10月がつ22日にち閲覧えつらん。 “平成へいせい22年ねん（2010年ねん）4月がつ1日にち施行しこう”
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  22. ^ a b “検証けんしょう/「参政さんせい権けん要求ようきゅう運動うんどう」(3)欧州おうしゅうでの「参政さんせい権けん」動向どうこう”. 朝鮮ちょうせん新報しんぽう. (1996年ねん6月がつ4日にち). https://web.archive.org/web/19980705220747/http://www1.korea-np.co.jp/special/sanseiken/k83.htm 2017年ねん10月がつ22日にち閲覧えつらん。  ※ 現在げんざいはインターネットアーカイブ内ないに残存ざんそん
  23. ^ 在日ざいにち同胞どうほう6人にんも選出せんしゅつ 朝鮮ちょうせん新報しんぽう 2009.3.11 《現在げんざいはウェブアーカイブサイト「ウェブ魚拓ぎょたく」内ないに残存ざんそん》
  24. ^ エマニュエル・トッド 著しる、東ひがし松まつ秀雄ひでお、石崎いしざき晴はる己おのれ 訳やく『移民いみんの運命うんめい～同化どうかか隔離かくりか』藤原ふじわら書店しょてん、1999年ねん11月。ISBN 978-4894341548。 
  25. ^ 「外国がいこく人参にんじん政権せいけん認みとめず　仏ふつ報道ほうどう官かんが表明ひょうめい（記事きじ実物じつぶつ写真しゃしん画像がぞう）」 『読売新聞よみうりしんぶん』2010年ねん1月がつ14日にち
  26. ^ 第だい28条じょう第だい1項こうに”Bei Wahlen in Kreisen und Gemeinden sind auch Personen, die die Staatsangehörigkeit eines Mitgliedstaates der Europäischen Gemeinschaft besitzen, nach Maßgabe von Recht der Europäischen Gemeinschaft wahlberechtigt und wählbar."「郡ぐんおよび市町村しちょうそんの選挙せんきょにおいては、ヨーロッパ共同きょうどう体たいの構成こうせい国こくの国籍こくせきを有ゆうする者ものも、ヨーロッパ共同きょうどう体たい法ほうに基もとづいて選挙せんきょ権けんおよび被選挙権ひせんきょけんを有ゆうする。」を追加ついかした。
  27. ^ 上西かみにし秀明ひであき「外国がいこく人じんの政治せいじ参加さんかは社会しゃかいをいかなる方向ほうこうへ向むかわせるのか？」ワールドリーダー660記事きじ・2000年ねん12月6日にち発信はっしん《2017年ねん10月がつ22日にち閲覧えつらん；現在げんざいはインターネットアーカイブ内ないに残存ざんそん》。また”金きむ千佳ちか「オランダにおける外国がいこく人参にんじん政権せいけんの意義いぎと位置付いちづけ～移民いみんたちの国籍こくせきと市民しみん権けん」『日にち蘭らん学会がっかい会誌かいし』第だい25巻かん第だい1号ごう、日にち蘭らん学会がっかい、2000年ねん10月がつ、91-103頁ぺーじ、ISSN 02869381、全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:00037524。「記事きじ登録とうろくID「5553256」」 ”
  28. ^ テオ・ファン・ゴッホの暗殺あんさつ：オランダが得えた教訓きょうくん ダニエル・パイプス（歴史れきし家か）公式こうしきWebサイト・2004年ねん11月16日にち付づけ掲載けいさい記事きじ《2017年ねん10月がつ22日にち閲覧えつらん》。また”長坂ながさか寿久としひさ「14」『オランダを知しるための60章しょう』明石書店あかししょてん、2007年ねん4月がつ1日にち。ISBN 978-4750325187。「出版しゅっぱん年月日ねんがっぴ表記ひょうきは、出版しゅっぱん元もとサイトに掲載けいさいの当該とうがい書籍しょせき案内あんないページによる」 ”

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