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太陽光 - Wikipedia

太陽光たいようあきら

太陽たいようはなひかり
天日てんじつから転送てんそう

太陽光たいようあきら(たいようこう、えい: sunlight)とは、太陽たいようはなひかりである。日光にっこう(にっこう)ともう。地球ちきゅうにおいては生物せいぶついとなみや気候きこうその自然しぜん現象げんしょう根幹こんかんてき影響えいきょうあたえている。人類じんるいは、太陽たいようめぐみともわれるひかり享受きょうじゅし、古代こだいより共存きょうぞん発展はってんしてきた。

雲間くもまから太陽光たいようこう

太陽たいようのメカニズム

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太陽光たいようこう発生はっせい

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  1. 太陽たいよう中心ちゅうしんでは、重力じゅうりょくによって水素すいそかく融合ゆうごうこっており、ガンマ線がんません発生はっせいする。
  2. ガンマ線がんませんは、太陽たいよう内部ないぶ物質ぶっしつへの吸収きゅうしゅう放出ほうしゅつかえし、そのさいにエネルギーがうしなわれる。表面ひょうめんちかづくほど周波数しゅうはすうがり、一部いちぶ可視かし光線こうせん赤外線せきがいせん紫外線しがいせんとなり放射ほうしゃされる。

地球ちきゅう到達とうたつ

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地球ちきゅう軌道きどうじょうでの太陽光たいようこう(AM0)、および温帯おんたい地上ちじょうでの平均へいきんてき太陽光たいようこうスペクトルのがいがた(AM1.5G)

太陽光たいようこうとして太陽たいようから放出ほうしゅつされたひかりは、地球ちきゅう軌道きどう付近ふきんやく1.37kW/m2太陽たいよう定数ていすう)のエネルギーつ。これが地球ちきゅう軌道きどうじょう人工じんこう衛星えいせい受光じゅこうできるエネルギーとなる。光子こうしかずにして1平方へいほうメートル・びょうあたり6×1021じゅう以上いじょうになる。

エックス線えっくすせんほとんどが大気たいき遮断しゃだんされる。また有害ゆうがい紫外線しがいせん成層圏せいそうけんオゾンそうで90%以上いじょうがカットされる。可視かし光線こうせんあかがいこうも、大気圏たいきけんなかでの反射はんしゃ散乱さんらん吸収きゅうしゅうなどによって平均へいきん4わりきょう減衰げんすいし、地上ちじょう到達とうたつする [注釈ちゅうしゃく 1]大気たいき通過つうかする距離きょりわるため、地上ちじょうかく地点ちてん受光じゅこうできるエネルギー密度みつど緯度いどぶし時刻じこくしたがって変化へんかする。日本にっぽん付近ふきんでは最大さいだいやく1kW/m2のエネルギーとなる。

  • 太陽光たいようこう太陽たいようからはなたれて地上ちじょう到達とうたつするまでの時間じかんやく8ふん17~19びょう天文てんもん単位たんい太陽たいよう地球ちきゅう半径はんけい光速こうそくから計算けいさんできる)。
  • 地球ちきゅう到達とうたつした太陽光たいようこうせんの1あいだあたりのそうエネルギーりょう20世紀せいき後半こうはん世界せかいの1年間ねんかん消費しょうひされるエネルギーに匹敵ひってきする。
    そのエネルギーの地上ちじょうでの内訳うちわけは、
    • 地上ちじょうねつわってしまうエネルギーはやく45%
    • 海中かいちゅうたくわえられるエネルギーは20すう%
    • ふうなみうごかす原動力げんどうりょくわるエネルギーは0.2%程度ていど
    • 光合成こうごうせい使つかわれるエネルギーは0.02%程度ていど
    • 宇宙うちゅう反射はんしゃしてしまうエネルギーは30%程度ていど

最終さいしゅうてきには、可視かしこう赤外線せきがいせんなどの電磁波でんじはとして宇宙うちゅうさい放射ほうしゃされる。くわしくは地球ちきゅうのエネルギー収支しゅうし参照さんしょう

太陽光たいようこうから変換へんかんされたねつエネルギーは、気象きしょう現象げんしょう駆動くどうりょくとしてはたらき、地球ちきゅうじょうのさまざまな場所ばしょあめふうをもたらすことに寄与きよしている。

また、植物しょくぶつ植物しょくぶつプランクトンは光合成こうごうせいによって必要ひつよう酸素さんそやエネルギーをさんしている。動物どうぶつも、太陽光たいようこうびることによって体温たいおん維持いじおこなっているものがいる。また、日射にっしゃりょう変化へんかつまりひるよるうつわりは、生物せいぶつ活動かつどう多大ただい影響えいきょうあたえている。

太陽光たいようこう利用りよう

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ごくじくしき日時計ひどけい
 
太陽光たいようこう発電はつでんパネル(ドイツ)

地上ちじょう到達とうたつしたエネルギーは直接的ちょくせつてき間接かんせつてき人間にんげん生活せいかつ利用りようされている。

古代こだいからの利用りよう

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れた衣類いるい乾燥かんそう土器どき乾燥かんそう乾物かんぶつオリンピック聖火せいか点火てんかなどに利用りようされた。

発明はつめい

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日時計ひどけい
太陽たいようかたむきを太陽光たいようこう利用りようして時刻じこくとして利用りようした。
かがみ
採光さいこうのためや合図あいず伝言でんごん使用しようされた。
レンズ
カメラや、望遠鏡ぼうえんきょう顕微鏡けんびきょうなど光学こうがく機械きかいんだ。

発電はつでん

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太陽光たいようこう発電はつでん太陽熱たいようねつ発電はつでん
太陽光たいようこうのエネルギーを、太陽たいよう電池でんちやタービンをもちいて電力でんりょくえる。
水力すいりょく発電はつでん
河川かせんながれは太陽光たいようこうによってあたためられた雨雲あまぐもらせたあめである。
風力ふうりょく発電はつでん
ふう太陽光たいようこうあたためた空気くうきながれである。
なみりょく発電はつでん
海面かいめん上下じょうげふうあふられたなみのうねりである。
海流かいりゅう発電はつでん
海流かいりゅう太陽たいようあたためられた海水かいすい循環じゅんかんである。ちなみにしおりょく発電はつでん太陽光たいようこうとは無関係むかんけい
バイオマス発電はつでん
植物しょくぶつ光合成こうごうせい太陽光たいようこうのエネルギーをもちいておこなわる。

太陽光たいようこう悪影響あくえいきょう

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太陽光たいようこうふくまれる紫外線しがいせんは、合成ごうせい樹脂じゅし(プラスチック)をひかり反応はんのうにより分解ぶんかいして劣化れっかする原因げんいんとなる。また、その材料ざいりょうにおいても、紫外線しがいせん劣化れっか変色へんしょく原因げんいんになるものはおおい。

太陽光たいようこうふくまれる紫外線しがいせん一部いちぶは、殺菌さっきん作用さようつと同時どうじに、はつがんせいつことも確認かくにんされている。IARCはつがんリスク区分くぶんでは「太陽光たいようこう曝露ばくろ」がGroup1(はつがんせいみとめられる)に分類ぶんるいされている。とくに、皮膚ひふがん発症はっしょう要因よういんの1つとされる。疫学えきがくてきには、UV-C(地表ちひょうにはほとんど到達とうたつしない)やUV-Bによるがんにつながりうる遺伝子いでんし損傷そんしょうみとめられているほか、どう人種じんしゅあいだでは緯度いどひくいほど皮膚ひふがんの発生はっせいりつたかいという研究けんきゅう結果けっかもある[2][3]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 気象庁きしょうちょうによる解説かいせつ(2000年代ねんだい初期しょきのデータであることに注意ちゅうい[1]
  1. ^ 気象庁きしょうちょう (2012ねん10がつ19にち). “付録ふろく3 基本きほんてき事項じこう温室おんしつ効果こうか”. 2012ねん12月19にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2022ねん7がつ26にち閲覧えつらん
  2. ^ だい19かい国際こくさい色素しきそ細胞さいぼう学会がっかい参加さんかして 錦織にしきおり千佳子ちかこ、がん研究けんきゅうかかわる特定とくてい領域りょういき研究けんきゅう
  3. ^ 紫外線しがいせん日焼ひやけの関係かんけい解説かいせつインタビュー 梅田うめだ正隆まさたか日経にっけいBP SAFETY JAPAN、2005ねん8がつ18にち

関連かんれん項目こうもく

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