漢かん姓せい

漢かん姓せい（かんせい）は、漢かん民族みんぞくの姓せいおよびそれを受うけ入いれた近隣きんりん民族みんぞくの姓せいである。漢かん姓せい、漢かん名めいは漢字かんじで書かかれるか、書かかれなくても対応たいおうする漢字かんじが存在そんざいする。

漢字かんじ一いち字じの単たん姓せいがもっとも多おおいが、漢字かんじ二に字じ以上いじょうの姓せい（複ふく姓せい）も存在そんざいする。複ふく姓せいの代表だいひょうとしては「司馬しば」「欧おう陽ひ」「皇すめらぎ甫はじめ」などがある。

人口じんこうが多おおい姓せいは民族みんぞくによっても、地域ちいきによっても異ことなる。中国ちゅうごくでは王おう、李り、張ちょうが多おおく、朝鮮ちょうせんでは金きむ、李り、朴ほおが多おおい。世界せかいの約やく1億おく1000万まん人にんは李りで、中国ちゅうごく約やく9300万まん、韓国かんこく679万まん、ベトナム、日本にっぽんに約やく1万まん人にん (1966世帯せたい) である。李りは世界せかいで最もっとも多おおい姓せいとしてギネスブックにも紹介しょうかいされている。

中華ちゅうか圏けん

単たん姓せいと複ふく姓せい

中国ちゅうごくの姓せいは、漢字かんじ一いち文字もじが普通ふつうである。これを単たん姓せいという。

少数しょうすうではあるが、漢字かんじ2文字もじ以上いじょうの姓せいもあり、これを複ふく姓せいという。現在げんざい、人口じんこうの上位じょうい300位いまでに含ふくまれる複ふく姓せいは欧おう陽ひのみである。また、台湾たいわんには「張ちょう簡」「范姜」「張ちょう廖」などの独特どくとくな複ふく姓せいもある。複ふく姓せいの多おおくは漢かん民族みんぞく以外いがいに由来ゆらいし、特とくに3字じ以上いじょうの姓せいはほぼすべてが非ひ漢かん民族みんぞくのものである。

中国ちゅうごく文化ぶんか圏けんでは夫婦ふうふ別姓べっせいが一般いっぱん的てきだが、近代きんだいになって、妻つまが自分じぶんの姓せいに夫おっとの姓せいを冠かんし複ふく姓せいのようにする慣習かんしゅう（双そう姓せい、複ふく合あい姓せい、冠かんむり夫おっと姓せい）が発生はっせいした。この慣習かんしゅうは中国ちゅうごく大陸たいりくでは廃すたれたが、香港ほんこんやシンガポールでは現在げんざいでもしばしば見みられる。例れい: 林はやし鄭てい月つき娥、陳ひね方かた安やす生せい、陳ちん馮富とみ珍めずらし。

子供こどもは父ちちか母ははのどちらかの姓せいを継つぐのが一般いっぱん的てきだが、上記じょうきの双そう姓せいのようにする慣習かんしゅうもある。

姓せいと氏し

古代こだい、姓せいと氏しは異ことなるものであった。先さきに姓せいができ、後のちに氏しができた。周しゅう王朝おうちょう以前いぜんには、姓せいは貴族きぞくのみが持もっており、周辺しゅうへんの属国ぞっこくに与あたえられた官位かんいが氏しであった。貴族きぞくには土地とちが与あたえられ、それもまた氏しとなった。

夏なつ、商しょう、周しゅうの三さん代だいにおいては、男おとこは氏しを称しょうし、女おんなは姓せいを称しょうした。また、貴族きぞくには氏しも名なもあるが、平民へいみんには氏しが無なかった。また、姓せいが同おなじであれば結婚けっこんすることはできなかった（以後いご現代げんだいに至いたるまで、同姓どうせい同士どうしの結婚けっこんはタブーとされた。今いまはそのタブーはなくなったが、一般いっぱんには同姓どうせい同士どうしの結婚けっこんは好このまれない）。

春秋しゅんじゅう戦国せんごく時代じだい、周しゅう朝ちょうの基本きほん制度せいどであった宗法しゅうほうが瓦解がかいし、氏し制度せいども変化へんかした。この頃ころから、氏しが姓せい同様どうようになっていった。また、平民へいみんも姓せいを称しょうするようになり、民みんは「百姓ひゃくしょう」と呼よばれるようになった。これは貴族きぞくの地位ちいの下落げらくも意味いみした。

秦はた漢かん以降いこう、姓せいと氏しは同おなじ意味いみとなり、「姓氏せいし」と呼よばれるようになった。

中国ちゅうごくの姓氏せいしの起源きげん

歴史れきし研究けんきゅう者しゃによると、姓せいの起源きげんは5000 - 6000年ねん前まえにまでさかのぼる。その属ぞくする集落しゅうらくの名な、あるいはその集落しゅうらくの長ちょうの名なが起源きげんと思おもわれる。姓せいは母系ぼけいを示しめすため、最もっとも古ふるい姓せいは部首ぶしゅに「女おんな」を含ふくむ。例たとえば姫ひめ（周しゅう王おう）、嬴（秦しん王おう）、姜きょう、姚など上古じょうこ八はち大だい姓せいである。姓せいの役割やくわりは、集落しゅうらくの区別くべつにあった。ただし後ごの氏族しぞくの区別くべつではなく、近親きんしんの通つう婚こんを防ふせぐことにあった。

氏しは伝説でんせつによれば黄き帝みかどの時代じだいに生うまれた。信頼しんらいできる史実しじつとしては、周しゅう代だいでの例れいが見みられる。周しゅう朝ちょう初期しょき、周しゅう王おうは家臣かしんを諸侯しょこうとして地方ちほうに封ふうじ、その後裔こうえいはその国名こくめいを氏しとした。諸侯しょこうはさらにその部下ぶかを役人やくにんとして領地りょうちを与あたえ、これら役人やくにんの後裔こうえいはその領地りょうちをもって氏しとした。中国ちゅうごくの氏しの99%までは、その時ときに生うまれたと考かんがえられている。

姓氏せいしの変遷へんせん

中国ちゅうごく史上しじょうに登場とうじょうした姓氏せいしは1万まん2000に上のぼり、そのうち単たん姓せいは5000余あまり、二に字じ姓せいは4000余あまり、三さん字じ以上いじょうの姓せいは2000余あまりである。後世こうせいに、二に字じ姓せい、三さん字じ以上いじょうの姓せいから単たん姓せいに改姓かいせいする人ひとが多おおい。明あきらの史学しがく家か王おう世よ貞さだは「復姓ふくせい至いたり我わが朝あさ則のり益えき少しょう矣」と言いった。

現在げんざい使つかわれている姓氏せいしは4700余あまりであり、そのほとんどが単たん姓せいであり、二に字じ姓せいは100余あまり、三さん字じ以上いじょうは極ごく稀まれである。そのうち、上位じょういの100姓せいで全ぜん人口じんこうの60%以上いじょうを占しめる。漢かん民族みんぞくは平均へいきんすると32万まん人にんで一ひとつの姓せいを共有きょうゆうしていることになる。

中国ちゅうごくの姓氏せいしは、時代じだいと共ともに一定いっていの規則きそくに従したがって変かわっていった。

1. 音節おんせつ上じょう、複音ふくおんの姓氏せいしは単音たんおんに変かわっていった。
2. 用字ようじ上じょう、俗ぞくな字じは美び字じに変かわっていった。
3. 字形じけい上じょう、複雑ふくざつな字じは簡単かんたんな字じに変かわっていった。

ロろーマ字まじ表記ひょうき

「一般いっぱん的てきな中国ちゅうごく姓せいの表記ひょうき」も参照さんしょう

19世紀せいき以降いこう、貿易ぼうえき、留学りゅうがく、移民いみんが増ふえたため、中国ちゅうごくの姓せいをアルファベットで表あらわす必要ひつようが出でてきた。ところが同おなじ字じでも方言ほうげんによって発音はつおんがまちまちだったので、同おなじ姓せいに幾いく通とおりもの表記ひょうきが生うまれた。つまり、香港ほんこんは広東かんとん語ご、その他た地域ちいきは標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくごの発音はつおんを基もとに表記ひょうきされた。シンガポールやマレーシアはこれら双方そうほうとも異ことなっていた。また韓国かんこくや日本にっぽんでも違ちがう表記ひょうきとなった。そのため、移民いみんの姓せいは今いまでもその移民いみんの出身しゅっしん地ちの発音はつおんを基もとに表記ひょうきされている。

姓氏せいしと階級かいきゅう

元来がんらい、姓氏せいしに貴賎きせんの区別くべつはなく、諸侯しょこうとその親族しんぞくにのみ姓せいがあり、土地とちを与あたえられた一族いちぞくにのみ氏しがあり、庶民しょみんには姓氏せいし共どもに無なかった。しかし、その後ご、氏しにランクが生しょうじた時代じだいがある。

後こう漢かんの頃ころ、朝廷ちょうていは儒教じゅきょう（経学けいがく）の素養そようで士分しぶんを取とり立たてて、取とり立たてられた者ものはその経学けいがくを代々だいだい伝つたえていって官職かんしょくを得えたため、おのずと名門めいもんと呼よばれる家いえができていった。とりわけ汝なんじ南みなみ袁氏は四よん代だいにわたって最高さいこう職しょくの三公みつきみとなる人物じんぶつを輩出はいしゅつした。

魏ぎ晋すすむ南北なんぼく朝あさ時代じだいには、官吏かんりの採用さいように九品くほん官かん人じん法ほうが採用さいようされた。この制度せいどは元来がんらい、豪族ごうぞくの力ちから関係かんけいで官吏かんりが決きまっていた状況じょうきょうを、現げん官吏かんりの推挙すいきょにより能力のうりょくがある者ものを登用とうようする制度せいどであったが、すぐに特定とくていの一族いちぞくだけで官職かんしょくを独占どくせんすることとなり、名家めいかと呼よばれる氏族しぞく集団しゅうだんを生うみ出だすことになった。例たとえば王おう導しるべを始はじめとする琅邪王おう氏し、謝しゃ安やすを始はじめとする陳ひね郡ぐん謝しゃ氏しなどである。

その後ごも、この当時とうじほどの厳格げんかくさは無なくなったものの、姓せいの階層かいそうは意識いしきし続つづけられ、唐とうの中なか後期こうき以降いこう、貴族きぞく勢力せいりょくは瓦解がかいしたためこのようやく無なくなることとなった。現在げんざいでは姓せいの階層かいそうは全まったく無なくなり、姓せいを並ならべる順番じゅんばんにもピンイン（発音はつおん）等とうが用もちいられる。例たとえば香港ほんこん特別とくべつ行政ぎょうせい区立くりつ法会ほうえでは、議員ぎいんの名なを筆画ひっかく順じゅんとするよう定さだめられている。

少数しょうすう民族みんぞくの姓氏せいし

漢かん民族みんぞくの姓氏せいしは、周辺しゅうへん民族みんぞくの姓氏せいしと互たがいに影響えいきょうを受うけた。通常つうじょう、周辺しゅうへん民族みんぞくが中原なかはら（中国ちゅうごく中心ちゅうしん部ぶ）に進入しんにゅうすると、漢かん文化ぶんかの影響えいきょうを受うけて漢字かんじの姓氏せいしを称しょうするようになった。その多おおくは音訳おんやくであるため、大抵たいていは三さん字じ以上いじょうが使つかわれた。例たとえば北きた魏たかしの拓つぶせ跋ばつ氏し、遼りょうの耶律氏し、金きむの完かん顔がお氏し、元もとの奇き渥温氏し、清きよしの愛あい新しん覚さとし羅ら氏しなどである。

もっとも、しばらくすると、簡単かんたんのため、あるいは政治せいじ的てき理由りゆうにより多おおくは単たん姓せいに変かわった。例たとえば北きた魏たかしは孝文たかふみ帝みかどの時ときに漢かん化か政策せいさくを取とり、拓つぶせ跋ばつ氏しを改あらためて元もと姓せいとなった。また、耶律氏しは劉りゅう姓せい、完かん顔がお氏しは王おう姓せいに、そして清朝せいちょう滅亡めつぼう後ご、愛あい新しん覚さとし羅ら氏しは金きむ姓せいに変かえた。満州まんしゅう民族みんぞくも参照さんしょう。

ただし、今いまでも二に字じ以上いじょうの姓せいがある。例たとえば長ちょう孫まご、尉じょう遅おそなどである。一方いっぽう、少数しょうすう民族みんぞくが漢かん化かして新あらたに姓せいを作つくることもあり、例たとえばタイ族ぞくが刀かたな姓せいを作つくった例れいがある。

三さん字じ以上いじょうの複ふく姓せい

• 三さん字じ姓せい（甘木あまぎ魯、密みつ赤あか思おもえ、乙おつ那な婁など）
• 四よん字じ姓せい（愛あい新しん覚さとし羅らなど）
• 五ご字じ姓せい（苫とま滅ほろび古こ麻あさ里さとなど）
• 六ろく字じ姓せい（主おも兒じ赤あか臺だい烏がらす祐ゆうなど）
• 七なな字じ姓せい（卜ぼく領りょう勒多禮れい伯はく臺だい、ふうりんしゅとぅおりぽたい）
• 八はち字じ姓せい（辛からし格かく爾なんじ博はく爾しか吉よし吉よし特とく）
• 九字くじ姓せい（烏がらす朗ろう漢かん吉きち爾なんじ莫吉爾しか敏さとし）
• 十字じゅうじ姓せい（伙爾川かわ扎木蘇そ他た爾なんじ只ただ多た）

中国ちゅうごくの姓せいの分類ぶんるい

中国ちゅうごくの姓せいの由来ゆらいはさまざまなものが絡からみ合あっているため、非常ひじょうに複雑ふくざつである。大おおまかには、次つぎのように分わけられる。

• 出身しゅっしん地ち、居住きょじゅう地ち、封ふう国こく、封地ほうち：陳ひね（陈）、劉りゅう、馮（冯）、魯（鲁）、杜もり、謝しゃ（谢）、楊（杨）、董ただし、蔡、呂りょ（吕）、趙ちょう（赵）。
• 祖先そせんの名な、廟びょう号ごう、諡号しごう：姫ひめ（姬ひめ）、姚、張ちょう（张）。
• 祖先そせんの爵位しゃくい、官職かんしょく：史ふみ、上官じょうかん、公孫こうそん（公おおやけ孙）、司つかさ空そら、司馬しば（司つかさ马）、司つかさ徒と。
• 職業しょくぎょう、技能ぎのう：陶とうなど。
• 動物どうぶつ：牛うし、馬うま（马）、羊ひつじ、魚さかな（鱼）など。
• 植物しょくぶつ：楊（杨）、李り、松まつなど。
• 順序じゅんじょ：伯はく、孟はじめなど。（共ともに1番目ばんめを意味いみする）
• 帝王ていおうからの賜たまもの姓せい：劉りゅう、朱しゅ、李り、趙ちょう（赵）など。
• 少数しょうすう民族みんぞくの漢かん化か：元もと、劉りゅう、金きむ、譚たん（谭）など。
• 避諱や音便おんびん変化へんか：求もとめ、邱（孔子こうしの名な「丘おか」を避諱）、諸しょ葛かずら（诸葛）。

姓せいの統計とうけい

中国ちゅうごく

2007年ねん4月がつ24日にちに中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく公安こうあん部ぶ治安ちあん管理かんり局きょくが発表はっぴょうした統計とうけいによると、中国ちゅうごくで最もっとも多おおい姓せいは「王おう」であり、9288.1万まん人にん、全ぜん人口じんこうの7.25%である。2位いは「李り」で9207.4万まん人にん、7.19%。3位いは「張ちょう」で8750.2万まん人にん、6.83%。最少さいしょうの姓せいは「難なん」である。

上位じょうい10位いの姓せいの人ひとはそれぞれ2000万まん人にん以上いじょういる。上位じょうい22位いの姓せいの人ひとはそれぞれ1000万まん人にん以上いじょういる。

2020年ねんの中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく公安こうあん部ぶ戸籍こせき管理かんりセンターの統計とうけいによる上位じょうい100位いの姓せいは以下いかの通とおりである。うち上位じょうい5姓せいの人口じんこうの30.8%を占しめる。なお、この統計とうけいでは「蕭しょう」と「肖あやか」、「傅でん」と「付づけ」、「閻」と「閆」を同一どういつの姓せいとして扱あつかっている。漢字かんじの扱あつかいについて、詳細しょうさいはそれぞれの姓せいを参照さんしょう。

1-10	王おう	李り	張ちょう	劉りゅう	陳ひね	楊	黄き	趙ちょう	呉ご	周しゅう
11-20	徐じょ	孫まご	馬うま	朱しゅ	胡えびす	郭かく	何なに	林はやし	羅ら	高こう
21-30	鄭てい	梁りょう	謝しゃ	宋そう	唐とう	許もと	韓かん	鄧	馮	曹
31-40	彭	曽そ	蕭しょう	田た	董ただし	潘はん	袁	蔡	蔣	余よ
41-50	于	杜もり	葉は	程ほど	魏たかし	蘇そ	呂りょ	丁ちょう	任にん	盧の
51-60	姚	沈	鍾	姜きょう	崔ちぇ	譚たん	陸りく	范	汪ひろし	廖
61-70	石いし	金きむ	韋	賈	夏なつ	傅でん	方ほう	鄒	熊くま	白しろ
71-80	孟はじめ	秦はた	邱	侯ほう	江こう	尹いん	薛	閻	段だん	雷かみなり
81-90	龍りゅう	黎はじむ	史ふみ	陶とう	賀が	毛もう	郝	顧	龔	邵
91-100	万まん	覃	武たけ	銭ぜに	戴	厳いむ	莫	孔あな	向むかい	常つね

同年どうねんの第だい7回かい中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく全国ぜんこく人口じんこう調査ちょうさ（国勢調査こくせいちょうさ）に基もとづく姓氏せいし統計とうけいによると、人口じんこうが1億おく人にん以上いじょうの姓せいは2つで、1000万まん人にん以上いじょうのは23姓せい、100万まん人にん以上いじょうのは171姓せいである一方いっぽう、1万まん人にん以下いかの姓せいは5000以上いじょうがある。なお、当該とうがい統計とうけいによる順位じゅんいは公安こうあん部ぶの統計とうけいとは少すこし異ことなる（「韓かん」と「鄧」、「蔣」と「余よ」の順位じゅんいが入いれ替かわるなど）。

また、地域ちいきごとに人口じんこうが多おおい姓せいは大おおきく異ことなる。たとえば、2013年ねんの広西ひろせチワン族ぞく自治じち区くでは「黄き・李り・韋・陳ひね・梁はり」の順じゅんであった。

なお、2013年ねん出版しゅっぱんの「中国ちゅうごく四よん百ひゃく大だい姓せい」は13.3億おく人にんのデータを含ふくむ中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく公安こうあん部ぶの身分みぶん証明しょうめい書しょシステムを利用りようし調査ちょうさした結果けっか、人口じんこうが8万まん以上いじょうの姓せいの数かずはちょうど400であることが判明はんめいした。

1-10	王おう	李り	張ちょう	劉りゅう	陳ひね	楊	黄き	呉ご	趙ちょう	周しゅう
11-20	徐じょ	孫まご	馬うま	朱しゅ	胡えびす	林はやし	郭かく	何なに	高こう	羅ら
21-30	鄭てい	梁りょう	謝しゃ	宋そう	唐とう	許もと	鄧	馮	韓かん	曹
31-40	曽そ	彭	蕭しょう	蔡	潘はん	田た	董ただし	袁	于	余よ
41-50	葉は	蔣	杜もり	蘇そ	魏たかし	程ほど	呂りょ	丁ちょう	沈	任にん
51-60	姚	盧の	傅でん	鍾	姜きょう	崔ちぇ	譚たん	廖	范	汪ひろし
61-70	陸りく	金きむ	石いし	戴	賈	韋	夏なつ	邱	方ほう	侯ほう
71-80	鄒	熊くま	孟はじめ	秦はた	白しろ	江こう	閻	薛	尹いん	段だん
81-90	雷かみなり	黎はじむ	史ふみ	龍りゅう	陶とう	賀が	顧	毛もう	郝	龔
91-100	邵	万まん	銭ぜに	厳いむ	頼よりゆき	覃	洪ひろし	武たけ	莫	孔あな
101-110	湯ゆ	向むかい	常つね	温ぬる	康かん	施ほどこせ	文ぶん	牛うし	樊	葛かずら
111-120	邢	安やす	斉ひとし	易えき	喬たかし	伍ご	龐	顔かお	倪	荘そう
121-130	聶	章あきら	魯	岳たけ	翟	殷いん	詹	申さる	欧おう	耿
131-140	関せき	蘭らん	焦こげ	兪	左ひだり	柳やなぎ	甘あま	祝しゅく	包つつみ	甯
141-150	尚なお	符ふ	舒	阮	柯	紀きの	梅うめ	童わらわ	凌りょう	畢
151-160	単たん	季き	裴	霍	涂	成なり	苗なえ	谷たに	盛もり	曲きょく
161-170	翁おう	冉	駱	藍あい	路みち	游ゆう	辛からし	靳	欧おう陽ひ	管かん
171-180	柴しば	蒙こうむ	鮑あわび	華はな	喩たとえ	祁	蒲がま	房ぼう	滕	屈こごめ
181-190	饒にょう	解かい	牟	艾もぐさ	尤ゆう	陽ひ	時とき	穆きよし	農のう	司つかさ
191-200	卓たく	古ふる	吉よし	繆	簡	車くるま	項こう	連れん	蘆あし	麦むぎ
201-210	褚	婁	竇	戚	岑	景けい	党とう	宮みや	費ひ	卜ぼく
211-220	冷ひや	晏	席せき	衛まもる	米べい	柏かしわ	宗そう	瞿	桂かつら	全ちょん
221-230	佟	応おう	臧	閔	苟	鄔	辺あたり	卞	姫ひめ	師し
231-240	和わ	仇かたき	欒	隋ずい	商しょう	刁	沙すな	栄さかえ	巫みこ	寇
241-250	桑くわ	郎ろう	甄	叢くさむら	仲なか	虞おそれ	敖	鞏	明あきら	佘
251-260	池いけ	査	麻あさ	苑えん	遅おそ	鄺	官かん	封ふう	談だん	匡ただし
261-270	鞠きく	恵めぐみ	荊	楽らく	冀	郁いく	胥	南みなみ	班はん	儲もうか
271-280	原はら	栗ぐり	燕つばめ	楚すわえ	鄢	労ろう	諶	奚	皮かわ	粟あわ
281-290	冼	藺い	楼ろう	盤ばん	満みつる	聞	位くらい	厲	伊い	仝
291-300	区く	郜	海うみ	闞	花はな	権けん	強つよ	帥そち	屠ほふ	豆まめ
301-310	朴ほお	蓋ぶた	練ねり	廉れん	禹	井い	祖そ	漆うるし	巴ともえ	豊ゆたか
311-320	支ささえ	卿きょう	国くに	狄	平ひらた	計けい	索さく	宣せん	晋すすむ	相そう
321-330	初はつ	門もん	雲くも	容よう	敬けい	来き	扈	晁あきら	芮	都と
331-340	普ひろし	闕	浦うら	戈ほこ	伏ふく	鹿しか	薄うすき	邸やしき	雍	辜
341-350	羊ひつじ	阿おもね	烏がらす	母はは	裘	亓	修おさむ	邰	赫	杭くい
351-360	況きょう	那な	宿やど	鮮	印しるし	逯	隆たかし	茹	諸しょ	戦せん
361-370	慕	危	玉たま	銀ぎん	亢	嵆	公おおやけ	哈	湛じん	賓まろうど
371-380	戎えびす	勾	茅ちがや	利り	於	呼よび	居きょ	揭	干ひ	但ただし
381-390	尉じょう	冶	斯	元もと	柬	檀まゆみ	衣ころも	信しん	展てん	陰かげ
391-400	昝	智さとし	幸こう	奉たてまつ	植うえ	衡	富とみ	堯	閉	由ゆかり

台湾たいわん

「台湾たいわんの姓せい」も参照さんしょう

2018年ねん6月30日にちの中華民国ちゅうかみんこく内政ないせい部ぶによる統計とうけいによると、中華民国ちゅうかみんこく（台湾たいわん）の上位じょうい20位いの姓せいは以下いかの順じゅんである。

順位じゅんい	姓せい	人数にんずう	順位じゅんい	姓せい	人数にんずう	順位じゅんい	姓せい	人数にんずう	順位じゅんい	姓せい	人数にんずう
1	陳ひね	2,627,995	6	王おう	967,622	11	許もと	548,474	16	邱	343,784
2	林はやし	1,960,443	7	呉ご	952,464	12	鄭てい	443,702	17	曽そ	338,779
3	黄き	1,426,788	8	劉りゅう	743,179	13	謝しゃ	414,923	18	廖	316,264
4	張ちょう	1,242,595	9	蔡	686,717	14	洪ひろし	353,854	19	頼よりゆき	311,106
5	李り	1,208,829	10	楊	626,244	15	郭かく	351,979	20	徐じょ	296,675

シンガポール

シンガポールも国民こくみんの大だい多数たすうは華人かじんであるため、シンガポールで人口じんこうが多おおい姓せいはほとんど漢かん姓せいであり、合あわせて約やく300種類しゅるいがある。ただし、多おおくの国民こくみんの出自しゅつじは閩南語ご（福建ふっけん語ご）を話はなす閩南人じん、潮うしお州しゅう語ごを話はなす潮しお州しゅう人じんと広東かんとん語ごを話はなす広こう府ふ人じんであるため、同おなじ姓せいでも出自しゅつじの言語げんごによって異ことなる英字えいじ表記ひょうきが使つかわれる。シンガポールの人数にんずう順じゅんの上位じょうい10位いの姓せいは以下いかの通とおりである。

順位じゅんい	姓せい	普通ふつう話ばなし	福建ふっけん語ご	潮うしお州しゅう語ご	広東かんとん語ご		順位じゅんい	英字えいじ姓せい	人数にんずう（2000年ねん）
1	陳ひね	Chen	Tan	Tan	Chan		1	Tan	237,800
2	林はやし	Lin	Lim	Lim	Lam		2	Lim	166,000
3	黄き	Huang	Ng	Ng	Wong		3	Lee	112,600
4	李り	Li	Lee	Lee	Lee		4	Ng	106,200
5	王おう	Wang	Ong	Heng	Wong		5	Ong	66,700
6	張ちょう	Zhang	Teo	Teo	Cheong		6	Wong	65,000
7	呉ご	Wu	Goh	Goh	Ng		7	Goh	56,200
8	蔡	Cai	Chua	Chua	Choi		8	Chua	54,600
9	劉りゅう	Liu	Low	Low	Low		9	Chan	48,400
10	楊	Yang	Yeo	Yeo	Yeong		10	Koh	48,100

また、海南かいなん語ごを話はなす海南かいなん人じんに出自しゅつじを持もつ「符ふ」「韓かん」姓せい、客きゃく家か語ごを話はなす客きゃく家人かじんに出自しゅつじを持もつ Lai 姓せい（「頼よりゆき」「黎はじむ」など）も特徴とくちょう的てきである。

ベトナム

「ベトナムの人名じんめい」も参照さんしょう

ベトナムの主要しゅよう民族みんぞくである、キン族ぞくなどの漢字かんじ文化ぶんか民族みんぞくの姓せいは全すべて漢かん姓せいである。古代こだい等とうにおいて、漢かん姓せい以外いがいの固有こゆうの姓せいを持もっていたかどうかを確認かくにんできる史料しりょうは存在そんざいしない。ベトナムの姓名せいめいは姓せい＋ミドルネーム＋名なの3部分ぶぶん（多おおくは漢字かんじでいえば3文字もじ）構成こうせいになっている事ことが多おおい。

名なに関かんしては、農村のうそん部ぶを中心ちゅうしんに字音じおんによらない固有こゆう語ごの名なの例れいが前ぜん近代きんだいから見みられる。ただし前ぜん近代きんだいでは諱いみなではない通称つうしょうに限かぎられ、現在げんざいでも女性じょせい名めいに多おおい。

ベトナムにおける上位じょうい14位いの姓せいは以下いかの通とおりである。この14姓せいでベトナム全国ぜんこくの人口じんこうの90%位いを占しめている。

チュ・クォック・グー	漢字かんじ	ベトナム語ご読よみ	割合わりあい（2005年ねん）
Nguyễn	阮	グエン	38.4%
Trần	陳ひね	チャン	12.1%
Lê	黎はじむ	レー	9.5%
Phạm	范	ファム	7%
Hoàng/Huỳnh	黃き	ホアン/フイン	5.1%
Phan	潘はん	ファン	4.5%
Vũ/Võ	武たけ/禹（禹の場合ばあいはVũだけ）	ヴー/ヴォー	3.9%
Đặng	鄧	ダン	2.1%
Bùi	裴	ブイ	2%
Đỗ	杜もり	ドー	1.4%
Hồ	胡えびす	ホー	1.3%
Ngô	吳ご	ゴー	1.3%
Dương	楊/陽ひ/羊ひつじ	ズオン	1%
Lý	李り	リー	0.5%

朝鮮ちょうせん

「朝鮮ちょうせん人じんの人名じんめい」、「朝鮮ちょうせん人じんの姓せいの一覧いちらん」、および「人名じんめい#朝鮮半島ちょうせんはんとうの人ひとの名前なまえ」も参照さんしょう

朝鮮ちょうせんでは漢かん姓せいではない固有こゆう語ごによる名なの記録きろくがあり、古代こだい日本にっぽんの記録きろくでも、当時とうじ渡来とらいしてきた百済くだら人じんの名前なまえは、明あきらかに漢かん風ふうではない事ことが確認かくにんできる。しかし、遅おそくとも7世紀せいきまでには固有こゆう語ごの命名めいめい法ほうが消きえ、漢かん姓せい漢かん名めいが採用さいようされた。

日本にっぽん

日本にっぽんにおいては漢かん風ふうの姓名せいめいはごく一部いちぶの例外れいがいを除のぞいて見みられないが、奈良なら時代じだい以降いこう旧来きゅうらいの氏名しめい（ウヂナ）を佳けい字じに変かえる動うごきが見みられ、名なも伝統でんとう的てきな動植物どうしょくぶつ名めいに基もとづくものから、漢かん風ふうの二に文字もじ名めいを用もちいる「名乗なのり（諱いみな）」と、より和語わご的てきな「通称つうしょう」に分化ぶんかしている。

例れい：土師はじ氏し→菅原すがわら氏し・大江おおえ氏し等ひとし

　　兎うさぎ、入にゅう鹿しか、魚さかな名めい　等ひとし→和かず麿まろ、安あん麿まろ、基もと経けい

中国ちゅうごく、朝鮮ちょうせんと異ことなり、「名乗なのり（諱いみな）」に世代せだいの同一どういつ性せいを示しめす輩やから行ぎょう字じが使つかわれることは少すくなく、むしろ氏しごとに世代せだいを超こえて決きまった字じを継承けいしょうすることが多おおい。また、武家ぶけにおいては主君しゅくんの「名乗なのり」から一いち字じを賜たまわって改名かいめいする風習ふうしゅうもあった。一方いっぽう、字音じおんで読よむ姓せいは少数しょうすうであるが、唐風とうふう文化ぶんかが盛さかんであった奈良なら時代じだいから平安へいあん時代じだい初期しょきにおいては、藤原ふじわら氏しを藤ふじ氏し、菅原すがわら氏しを菅かん氏しというように氏しを漢字かんじ一いち文字もじとし、字音じおんで読よむことが行おこなわれていた。

また、琉球りゅうきゅう処分しょぶん以前いぜんの琉球りゅうきゅうでは、士族しぞくは漢かん風ふうの姓名せいめい（「唐名とうみょう（からなー）」と呼よばれ、現在げんざいでも姓せいのみは「氏し」として門もん中ちゅうの呼称こしょうとなっている）と、領地りょうちの名な（采さい地名ちめい）を「名乗なのり」（やはり音読おんよみで読よむ漢かん風ふうの命名めいめい二に字じで、はじめの一いち字じは「氏し」ごとに世代せだいを超こえて継承けいしょうされる共通きょうつうの字じを使つかう。これを「名乗なのり頭あたま（なのりがしら）」という）に冠かんした「大和やまと名めい（やまとぅなー）」の双方そうほうをもっていた。まれに唐名とうみょうを持もたない士族しぞくもあり、この場合ばあいは中国ちゅうごくに対たいして「氏し+大和やまと名めい」を用もちいた。日本にっぽんの戸籍こせき制度せいどの適用てきよう以降いこう、姓せいには尚なお家いえを除のぞき「大和やまと名めい」の采さい地名ちめいが採用さいようされ、これが「家名かめい」となった（沖縄おきなわ県けんの名字みょうじを参照さんしょう）。

江戸えど時代じだいに、儒者じゅしゃ・文人ぶんじんが著書ちょしょなどに署名しょめいする際さいに、本姓ほんせいを省略しょうりゃくして漢かん姓せいのようにするケースがみられる。荻生おぎゅう徂徠そらいが本姓ほんせいの物部ものべを略りゃくして「物もの徂徠そらい」と名乗なのったのが有名ゆうめいである。

現代げんだいにおける呼よびかけ方かた

• 「～さん」にあたる中国ちゅうごく語ごは「先生せんせい」（男性だんせい）、「小しょう姐あね」（若わかい女性じょせい。ただし、現在げんざいの中国ちゅうごくではセックスワーカーを指さす言葉ことばなので、使用しようは避さけるべき）、「女おんな士し」または「太ふとし太ふとし」（既婚きこん女性じょせい）で、これを姓せい（名な）の後のちに付つける。親したしくなったら姓せいの前まえに「小しょう」（同おない年どしか年下としした）や「老ろう」（年上としうえ）をつけて呼よぶ。ただし、「欧おう陽ひ」などの複ふく姓せいには「小しょう」「老ろう」を付つけず呼よび捨すてにする。単たん姓せいの場合ばあいは呼よび捨すてにできない。呼よび捨すてにしたい場合ばあいは、姓せいと名なを併あわせて呼よぶ。
• 中国ちゅうごくの漢かん民族みんぞくの姓せいは約やく 1000 ～ 2000 種しゅ（台湾たいわんとシンガポールは約やく 400 種しゅと言いわれる）で、人口じんこうの割わりには非常ひじょうに少すくない。そのため、上記じょうきの「小しょう（老ろう）+姓せい」ではとても間まに合あわないため、最近さいきんは名なで呼よぶことが多おおい。
• 漢かん民族みんぞくで名なが一いち字じの場合ばあい、それだけで呼よんでいいのはよほど親したしい場合ばあい（恋人こいびと、家族かぞく、親友しんゆう）に限かぎられ、普通ふつうは愛称あいしょうの「小しょう」（北方ほっぽう方言ほうげんの場合ばあい）「阿おもね」（南方なんぽう方言ほうげんの場合ばあい）を前まえに付つけるか、2回かい繰くり返かえしで呼よぶ（たとえばチェン・ミンなら「ミンミン」）か、フルネームで呼よぶ。むしろ家族かぞくでさえも一いち字じだけでは落おち着つかないため二に字じにして呼よぶくらいである。ただし、香港ほんこんやシンガポールでは一いち字じで呼よぶことが許ゆるされる範囲はんいが比較的ひかくてき広ひろい。
• 中国ちゅうごくでは改革かいかく開放かいほう以前いぜんは、中国人ちゅうごくじん同士どうしで「先生せんせい」「小しょう姐あね」「女おんな士し」ではなく「同志どうし」をつけて呼よぶのが一般いっぱん的てきであったが、現在げんざいは相手あいてが政府せいふ役人やくにんや中国共産党ちゅうごくきょうさんとう関係かんけい者しゃでなければ嫌いやがられる。
• 北朝鮮きたちょうせんでは「トンジ、동지（同志どうし）」（目上めうえの人ひとに対たいして）のほか、同等どうとうまたは下位かい階級かいきゅうの者ものに対たいしては「トンム、동무（同どう務つとむ）」という敬称けいしょうをつける。
• 韓国かんこくでは年としの近ちかい相手あいてにはフルネームまたは名なに「氏し」をつけて呼よぶのが一般いっぱん的てきである。「金きむ氏し」のように「姓せい+氏し」というのも新聞しんぶんなどでは用もちいられるが、これで相手あいてを呼よぶのは失礼しつれいである。ただし、外国がいこく人じんに対たいしては「姓せい+氏し」で呼よんでもよい。ある程度ていど年上としうえの相手あいてに対たいして、または姓せいだけで呼よびたい場合ばあいは「姓せい+ソンセンニム（朝鮮ちょうせん語ご: 선생님、漢字かんじで「先生せんせい」に"様さま"を表あらわす敬称けいしょう님をつけたもの」で呼よぶ。若者わかものの間あいだでは、「JJ」のようにイニシャルで呼よび合あうこともある
• 中国ちゅうごくでは兄あに姉あねに対たいして呼よび捨すてにすることもよくあるが、朝鮮半島ちょうせんはんとうでは、兄あに姉あねに対たいしての呼よび捨すては受うけ入いれられない。一方いっぽう、中国ちゅうごくで特とくに2人ふたり兄弟きょうだいの場合ばあい、弟おとうと、妹いもうとに対たいして「弟おとうと弟おとうと」、「妹いもうと妹いもうと」と呼よぶこともある。
• ベトナムでは、呼よびかけの際さいには名なに個人こじんの特徴とくちょうを付加ふかしたニックネーム（「色白いろじろのフェン」など）で呼よばれる。姓せい＋敬称けいしょうで呼よぶのは、建国けんこくの父ちちホー・チ・ミン（胡志明ほうちみん）を「ホーおじさん（胡えびす翁おきな）」と呼よぶなどのきわめて例外れいがい的てきな高たかい敬意けいいを表あらわすときに限かぎられる。
• 漢かん姓せい漢かん名めいの社会しゃかいでは結婚けっこん後ごも出身しゅっしん一族いちぞくの姓せいを持もつため、夫婦ふうふ別姓べっせいである。既婚きこん女性じょせいは英語えいごでは姓せいの前まえに Mrs. ではなく Madame を付つけて呼よばれることを好このむ。

関連かんれん項目こうもく

• 人名じんめい
• 百ひゃく家いえ姓せい
• 単たん姓せい村むら

参考さんこう文献ぶんけん

• 籍せき秀しゅう琴きん、『姓氏せいし、名字みょうじ、称しょう謂いい』、大だい象ぞう出版しゅっぱん社しゃ、1997年ねん ISBN 7534720109

外部がいぶリンク

• 中華ちゅうか姓氏せいし源流げんりゅう通どおり譜ふ
• 中華ちゅうか百ひゃく家いえ姓せい一覧いちらん