神通川じんづうがわ

神通川じんづうがわ
	; （上段じょうだん）夏なつの神通川じんづうがわ; （大沢野おおさわの大橋おおはし（富山とやま市し）からの眺ながめ）; （下段げだん）冬ふゆの宮川みやがわ; （古川ふるかわ大橋おおはし（飛騨ひだ市し）からの眺ながめ）
水系すいけい	一級いっきゅう水系すいけい神通川じんづうがわ
種別しゅべつ	一級いっきゅう河川かせん
延長えんちょう	120 km
平均へいきん流量りゅうりょう	163.6 m3/s; （神通じんずう大橋おおはし観測かんそく所しょ 2002年ねん）
流域りゅういき面積めんせき	2,720 km2
水源すいげん	川上かわかみ岳たけし
水源すいげんの標高ひょうこう	1,626 m
河口かこう・合流ごうりゅう先さき	富山湾とやまわん（富山とやま県けん富山とやま市し）
流域りゅういき	日本にっぽん; 岐阜ぎふ県けん、富山とやま県けん
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神通川じんづうがわ（じんずうがわ^[1]^[2]、じんづうがわ、じんつうがわ^[3]^{[注ちゅう 1]}）は、岐阜ぎふ県けん及および富山とやま県けんを流ながれる一級いっきゅう河川かせん（1969年ねん 4月がつ1日にち指定してい^[5]）で、神通川じんづうがわ水系すいけいの本流ほんりゅう。上うえ流域りゅういきは宮川みやがわ（みやがわ）と呼よばれる^[6]。

地理ちり

神通川じんづうがわ（宮川みやがわ）・概略がいりゃく図ず

川上かわかみ岳たけし付近ふきん

（一いち）県道けんどう宮みや清見きよみ線せん（大橋おおはし）

（一いち）県道けんどう宮みや清見きよみ線せん（鱒渕ますぶち橋きょう）

（一いち）県道けんどう宮みや清見きよみ線せん（駒こま渕ふち橋きょう）

（一いち）県道けんどう宮みや清見きよみ線せん（中河原なかかはら橋きょう）

JR 高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう七なな宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

常泉つねいずみ寺川てらがわ

国道こくどう41号ごう（松橋まつはし）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう六ろく宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう五ご宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

阿おもね矢谷やたに川がわ

（一いち）県道けんどう岩井いわい高山たかやま停車場ていしゃじょう線せん（筏いかだ橋きょう）

国道こくどう158号ごう（鍛治かじ橋きょう）

江名子えなこ川がわ

（一いち）県道けんどう町方まちかた高山線たかやません（万まん人にん橋きょう）

大八賀川だいはちががわ

（一いち）県道けんどう石浦いしうら陣屋じんや下か切線せっせん（松本まつもと橋きょう）

苔こけ川かわ

（主あるじ）県道けんどう高だか山上さんじょう宝たから線せん（宮川みやがわ大橋おおはし）

川上川かわかみがわ

小八賀川こはちががわ

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう四よん宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

あじめ峡かい

糠塚ぬかづか川がわ

（一いち）県けん道谷どうたに高山線たかやません（金桶かねおけ橋きょう）

瓜巣うりす川がわ

（一いち）県道けんどう新田にった飛騨ひだ国府こくふ停車場ていしゃじょう線せん（新しん広瀬ひろせ橋きょう）

国道こくどう41号ごう（名張なばり橋きょう）

宇津江うつえ川がわ

（一いち）県道けんどう古川ふるかわ宇津江うつえ四十八滝しじゅうはったき国府こくふ線せん（四十八滝しじゅうはったき橋きょう）

国道こくどう41号ごう（新しん蛤はまぐり橋きょう）

荒城川あらきがわ

（一いち）県道けんどう飛騨古川ひだふるかわ停車場ていしゃじょう線せん（宮城みやぎ橋きょう）

太江たいえ川がわ

国道こくどう41号ごう（新しん鮎あゆノ瀬せ橋きょう）

（主あるじ）県道けんどう神岡かみおか河合かわい線せん（鷹狩たかがり橋きょう）

殿川とのがわ

戸市といち川がわ

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう三さん宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう二に宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

角川かどかわダム

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう一宮川いちのみやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（河合かわい橋きょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい十じゅう宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

小鳥川おどりがわ

坂上さかがみダム

JR高山本線たかやまほんせん（第だい九きゅう宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい八はち宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（西忍にししのび橋きょう）

国道こくどう360号ごう（宮川みやがわ新大橋しんおおはし）

打保うつぼダム

JR高山本線たかやまほんせん（第だい七なな宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（ヤソゼ橋きょう）

国道こくどう360号ごう（蛇渕じゃぶち橋きょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい六ろく宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい五ご宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（第だい五ご宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（大瀬おおぜ橋きょう）

国道こくどう360号ごう（成なり手しゅ橋きょう）

国道こくどう360号ごう（平成へいせい橋きょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい四よん宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい三さん宮川みやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（新旭しんあさひ橋きょう）

国道こくどう360号ごう（鮎飛あゆとび橋きょう）

国道こくどう360号ごう（飛越とびこし橋きょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい二宮にのみや川がわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい一宮川いちのみやがわ橋梁きょうりょう）

国道こくどう360号ごう（加賀沢かがさわ橋きょう）

国道こくどう41号ごう（新しん国境こっきょう橋きょう）

高原川たかはらがわ（以下いか、神通川じんづうがわ）

国道こくどう41号ごう（庵谷いおのたに町まち長大ちょうだい橋きょう）

国道こくどう41号ごう（布尻ぬのしり楡原にれはら大橋おおはし）

観光かんこう橋きょう

神かみ二にダム

国道こくどう41号ごう（新しん笹津ささづ橋きょう）

国道こくどう41号ごう（笹津ささづ橋きょう）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい二に神通川じんづうがわ橋梁きょうりょう）

神かみ三さんダム

（一いち）県道けんどう八尾やお大沢野おおさわの線せん（大沢野おおさわの大橋おおはし）

JR高山本線たかやまほんせん（第だい一いち神通川じんづうがわ橋梁きょうりょう）

市道しどう新婦しんぷ1号線ごうせん（新婦しんぷ大橋おおはし）

（主あるじ）県道けんどう立山たてやま山田線やまだせん（成子なるこ大橋おおはし）

（主あるじ）県道けんどう富山とやま外郭がいかく環状かんじょう線せん（新保しんぼ大橋おおはし）

北陸ほくりく自動車じどうしゃ道どう（神通川じんづうがわ橋きょう）

国道こくどう359号ごう（婦中ふちゅう大橋おおはし）

熊野川くまのがわ

土川つちかわ

（主あるじ）県道けんどう富山とやま小杉こすぎ線せん（有沢ありさわ橋きょう）

井田川いだがわ

（主あるじ）県道けんどう富山とやま高岡たかおか線せん・富山とやま地方ちほう鉄道てつどう富山とやま軌道線きどうせん（富山大とやまだい橋きょう）

神通じんずう大橋おおはし

北陸ほくりく新幹線しんかんせん（神通川じんづうがわ橋梁きょうりょう）

JR高山本線たかやまほんせん（神通川じんづうがわ橋梁きょうりょう）

あいの風ふうとやま鉄道てつどう線せん（新しん神通川じんづうがわ橋梁きょうりょう）

（一いち）県道けんどう小竹おだけ諏訪川原すわのかわら線せん（富山とやま北大橋きたおおはし）

いたち川かわ

国道こくどう8号ごう（中島なかじま大橋おおはし）

国道こくどう415号ごう（萩はぎ浦うら橋きょう）

富山湾とやまわん

筏いかだ橋きょうからみた宮川みやがわ（神通川じんづうがわ）と中橋なかはし

神通川じんづうがわの河川敷かせんしきに建設けんせつされた富山とやま空港くうこう

富山とやま県けんの七なな大だい河川かせん（黒部川くろべがわ、片貝川かたかいかわ、早月川はやつきがわ、常願寺川じょうがんじがわ、神通川じんづうがわ、庄川しょうがわ、小矢部川おやべがわ）の一ひとつ。河口かこう部ぶは傾斜けいしゃが緩ゆるやかなものの、上うえ・中流ちゅうりゅう部ぶは日本にっぽんでも屈指くっしの急流きゅうりゅうとなっている^[7]。

岐阜ぎふ県けん高山市たかやましの川上かわかみ岳たけし付近ふきんを水源すいげんとし、「宮川みやがわ」として高山たかやま盆地ぼんちや古川ふるかわ盆地ぼんちを抜ぬけて川上川かわかみがわ・大八賀川だいはちががわ・小鳥川おどりがわなどと合流ごうりゅうしながら北きたへと流ながれる^[7]^[8]。富山とやま県けんに入はいると細入ほそいり地域ちいき南部なんぶの猪谷いのたに付近ふきんで高原川たかはらがわと合流ごうりゅうして、名前なまえを「神通川じんづうがわ」へと変かえる^[8]。猪谷いのたにから下流かりゅうは河岸かわぎし段丘だんきゅうが形成けいせいされており、この付近ふきんに神かみ一いちダム・神かみ二にダム・神かみ三さんダムが建設けんせつされている^[8]。

大沢野おおさわの地域ちいき笹津ささづ付近ふきんからは常願寺川じょうがんじがわとの複ふく合あい扇状地せんじょうちを形成けいせいし、大沢野おおさわの地域ちいき岩木いわき付近ふきんからは富山平野とやまへいやを直線ちょくせん的てきに北きたへと流ながれる^[7]^[8]。井田川いだがわ・熊野川くまのがわ・いたち川かわ・松川まつかわなどと合流ごうりゅうして富山湾とやまわんに注そそぐ^[8]。河口かこう周辺しゅうへんは富山とやま県けん指定していの「神通川じんづうがわ河口かこう鳥獣ちょうじゅう保護ほご区く」として鳥獣ちょうじゅう保護ほご区くに指定していされている。

下しも流域りゅういきの新婦しんぷ大橋おおはし付近ふきん、神通川じんづうがわ本流ほんりゅうと西にし派は川かわに挟はさまれた富山とやま市し八尾やお町まち中神通なかじんずう・西神通にしじんずうの地域ちいきでは輪中わじゅうが形成けいせいされている^[7]。

流域りゅういきの自治体じちたい

岐阜ぎふ県けん: 高山市たかやまし、飛騨ひだ市し^[6]
富山とやま県けん: 富山とやま市し、南みなみ砺市

主おもな支流しりゅう

一級いっきゅう河川かせんのみ、下流かりゅう側がわから順じゅんに記載きさい（出典しゅってん：岐阜ぎふ県けん^[9]）。

自然しぜん

気候きこう

神通川じんづうがわ下流かりゅうに位置いちする富山とやま市しの年とし降水こうすい量りょうは約やく2,200mmで、左岸さがんに位置いちする同市どうし八尾やお町まちでは約やく2,500 mmである。いずれも夏季かきの気温きおんが高たかく冬季とうきの雨量うりょうが多おおい日本海にほんかい側がわ気候きこうとなっている。上流じょうりゅう部ぶは高たかい山々やまやまに囲かこまれた盆地ぼんち地域ちいきで、夏季かきに雨あめが多おおく気温きおんが比較的ひかくてき低ひくい内陸ないりく性せい気候きこうであり、上流じょうりゅう部ぶの高山たかやま観測かんそく所しょにおける年とし降水こうすい量りょうは約やく1,700 mmである^[11]。

地下ちか資源しげん

高原川たかはらがわ沿ぞいには神岡かみおか鉱山こうざんという大だい規模きぼな亜鉛あえん・鉛なまり・銀鉱ぎんこう山やまが所在しょざいし、神岡かみおか町まち（現げん・飛騨ひだ市し）の小しょう盆地ぼんちに大だい規模きぼな鉱山こうざん町まちを形成けいせいしていた。その採掘さいくつの歴史れきしは奈良なら時代じだいにまで遡さかのぼるが、2001年ねん（平成へいせい13年ねん）6月がつに鉱石こうせきの採掘さいくつを中止ちゅうしした。

長棟川ながとがわの長ちょう棟とう鉛山なまりやまは1626年ねん（寛永かんえい3年ねん）に山師やましである大山おおやま佐平次さへいじが発見はっけんしたもので、流域りゅういきに鉱山こうざん町まちを形成けいせいしたが、昭和しょうわ10（1935）年ねんには廃はい村むらとなった。

また、庵谷いおのたに峠とうげ（神かみ一いちダム付近ふきん）では銀山ぎんざんが所在しょざいした。

植生しょくせい

上流じょうりゅう部ぶの樹木じゅもくとしてはミズナラやブナ、クリなどが多おおく、その中なかにアカマツが混こんじる。植物しょくぶつでは、絶滅ぜつめつ危惧きぐI類るいのシャジクモや準じゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐ種しゅであるミクリ、岐阜ぎふ県けんの準じゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐであるヒメザゼンソウ、チョウジギクなどが確認かくにんされている。

下流かりゅうでは、砂礫されき州しゅうにツルヨシが多おおく、カワラハハコの群落ぐんらくやアキグミ群落ぐんらく、ネコヤナギ群落ぐんらくなどが見みられる。高水たかみず敷じきは撹乱かくらんが少すくなく安定あんていし、ススキが多おおく、落葉らくよう広葉樹こうようじゅ林りんであるエノキやヌルデ、アカメガシワ、常緑じょうりょく針葉樹しんようじゅ林りんのアカマツの群落ぐんらくが多おおい。

最下さいか流りゅうにはカワラヨモギやカワラハハコの群落ぐんらくがあり、高水たかみず敷じきにはオギやカナムグラ、ヨモギ、クズ、アズマハネザサの群落ぐんらくがある。この辺あたりではススキより帰化きか植物しょくぶつのセイタカアワダチソウが優勢ゆうせいとなる。

動物どうぶつ

上流じょうりゅう部ぶ（小鳥川おどりがわ合流ごうりゅうより上流じょうりゅう）では、鳥類ちょうるいでは、サギ類るい、カモ類るい、チドリ類るい、カワガラス、カワセミ、ヤマセミのほかに絶滅ぜつめつ危惧きぐII類るいであるオオタカやサンショウクイ、環境省かんきょうしょう指定していの準じゅん絶滅ぜつめつ危惧きぐのチュウサギ、ハチクマ、ハイタカが確認かくにんされている^{[要よう出典しゅってん]}。哺乳類ほにゅうるいでは、ニホンザル、ツキノワグマ、タヌキ、アナグマのほかに国くに指定してい特別とくべつ天然記念物てんねんきねんぶつのニホンカモシカが確認かくにんされている^{[要よう出典しゅってん]}。

魚類ぎょるい・水生すいせい生物せいぶつ

上流じょうりゅう部ぶの魚類ぎょるいでは、アユ^[6]、ウグイ、オイカワ、カワムツ、アブラハヤ、イワナ、ニジマス、カワヨシノボリに、絶滅ぜつめつ危惧きぐII類るいに指定していされるアカザやスナヤツメが生息せいそくする。

下流かりゅう部ぶには瀬せと淵ふちが形成けいせいされ、アユ、サクラマス、アカザ、スナヤツメなどの希少きしょうな魚類ぎょるいが生息せいそくする。ワンドにはフナやコイが生息せいそくするが、外来がいらい生物せいぶつのブルーギルも繁殖はんしょくを続つづけている^[12]。

神通川じんづうがわ水系すいけい

神通川じんづうがわ流域りゅういきは、富山とやま、岐阜ぎふ両りょう県けんにまたがり、富山とやま市し、南みなみ砺市、岐阜ぎふ県けんの高山たかやま市し、飛騨ひだ市しの4市しからなる。流域りゅういきの土地とち利用りようは、山地さんちが約やく87%、水田すいでん・畑地はたちが約やく9%、宅地たくち等とうが約やく4%となっている^{[要よう出典しゅってん]}。

流域りゅういき人口じんこうは37万まん7000人にんで、支ささえ川かわ数すうは105であった。

支流しりゅうと流域りゅういき自治体じちたい

下流かりゅうの富山平野とやまへいや区間くかんでは排水はいすい河川かせんの役割やくわりもしており、右岸うがんには常願寺川じょうがんじがわ扇状地せんじょうちに押おし出だされるように神通川じんづうがわに合流ごうりゅうした小しょう河川かせんが複数ふくすうある。

また、第だい一いち支流しりゅうの井田川いだがわとその第だい二に支流しりゅうの久婦須川くぶすがわは両りょう県けんに跨またがる大だい河川かせんである。

名前なまえの由来ゆらい

神通川じんづうがわという名前なまえの由来ゆらいについては大おおまかに2つの説せつがある^[13]。

川かわを挟はさんで鵜坂うさか神社じんじゃの神かみと多久たく比禮ひれい志こころざし神社じんじゃ（塩しお宮みや）の神かみが交遊こうゆうされていたので、「神かみが通とおられた川かわ」という意味いみから神通川じんづうがわと呼よばれた。
太古たいこの昔むかし、神かみ々が飛騨ひだの船津ふなつから乗船じょうせんし、越中えっちゅうの笹津ささづに着船ちゃくせんされたことから神通川じんづうがわと呼よばれた。
神通力じんずうりきに由来ゆらいするという説せつがあるが、確実かくじつなものではない。

一方いっぽう、岐阜ぎふ県内けんないの「宮川みやがわ」という名前なまえはこの川かわの源流げんりゅう付近ふきんに飛騨ひだ国こくの一宮いちのみやである水無みずなし神社じんじゃがあることに由来ゆらいする^[14]。

歴史れきし

先史せんし

『万葉集まんようしゅう』に「売うれ比ひ川かわ（婦負ねい川がわ）」「鵜坂うさか川がわ」の名ながあり、神通川じんづうがわの古名こみょうと見みられている（鵜坂うさか川がわは井田川いだがわのこととする説せつもある）。

サケやマス（サクラマス）が遡上そじょうする川かわとしても知しられていた。平安へいあん時代じだいの延喜えんぎ式しきには、都とへの献上けんじょう品ひんとして神通川じんづうがわのサケのなれ寿司ずしが登場とうじょうする^[15]。後のちに、神通川じんづうがわから取とれるサクラマスを使つかった鱒ます寿司ずしは富山とやまの名物めいぶつとなった。サクラマスの漁獲ぎょかく量りょうは激減げきげんしたが、神通川じんづうがわに近ちかい市街地しがいちには鱒ます寿司ずしを製造せいぞうする店みせが多おおく存在そんざいする^[16]。

河川かせん改修かいしゅう事業じぎょう

かつての神通川じんづうがわは、富山とやまの街まちの中なかを東ひがしに大おおきく蛇行だこうし、河口かこうが現在げんざいより西側にしがわに位置いちしていた。戦国せんごく時代じだいには神通川じんづうがわのすぐ脇わきに富山とやま城じょうが築城ちくじょうされ天然てんねんの堀ほりとして利用りようされた。この際さい、佐々ささ成しげる政せいによって洪水こうずいによる流りゅう路ろ変更へんこうを利用りようして富山とやま城じょうの北側きたがわに流ながれるよう流りゅう路ろを付つけ替かえている^[17]。

しかし蛇行だこう部分ぶぶんでたびたび水害すいがいが発生はっせいしていたため、明治めいじ時代じだいの1901年ねん1月がつから1903年ねん 5月21日にちにかけて、蛇行だこう部分ぶぶんを短絡たんらくする分流ぶんりゅう路ろ（馳はせ越えつ線せん）を作つくり^[18]（工事こうじ完成かんせいは同年どうねん5月31日にち^[19]）、一定いってい量りょうを超こえる洪水こうずいは、新あらたに造つくった馳はせ越えつ線せんに流ながれるようにした。しかし、洪水こうずいの度たびに、馳はせ越えつ線せんの方ほうが本流ほんりゅうのようになり、本来ほんらいの本流ほんりゅうには水みずが流ながれないようになってきたため、馳はせ越えつ線せんの方ほうを本流ほんりゅうとした。馳はせ越えつ線せん工事こうじ後ごの旧きゅう川かわについては、水みずの流ながれを締切しめきり^[20]、水みずが流ながれなくなった部分ぶぶんには1930年ねんから建設けんせつが始はじまった富とみ岩がん運河うんがから出でた大量たいりょうの土砂どしゃで埋立うめたてて川幅かわはばを狭せばめ、旧来きゅうらいの本流ほんりゅうは松川まつかわと名なを改あらためた^[10]。埋立うめたて地ちとなった廃はい川がわ敷じきには1936年ねんには町名ちょうめいが設定せっていがなされ^[21]、日ひ満まん産業さんぎょう大だい博覧はくらん会かいの会場かいじょうとなるなど区画くかく整理せいりと土地とち利用りようが徐々じょじょに進すすみ、富山とやま県けん庁舎ちょうしゃ、富山とやま市役所しやくしょなどの施設しせつが建設けんせつされていった。

1918年ねん、大沢野おおさわの村むらから河口かこうまでの約やく20kmの川幅かわはばを広ひろげ、両りょう岸きしの護岸ごがんを統一とういつ的てきに見直みなおす改修かいしゅう事業じぎょうが開始かいしされ、予算よさんや工期こうきを見直みなおす等ひとして、1938年ねん3月がつに完了かんりょうした。^[20]。

河口かこう部分ぶぶんについては、1928年ねん3月がつに東岩瀬ひがしいわせ港こう（現げん・富山とやま港こう）と分離ぶんりされ、現在げんざいの流りゅう路ろが確定かくていした^[22]。また、八尾やお町まちの中神通なかじんずうと西神通にしじんずうの輪中わじゅう堤つつみも整備せいびされた^[20]。

災害さいがい・事故じこ

1914年ねん^[10]（大正たいしょう2年ねん）8月がつ13日にち - 大だい水害すいがい。死者ししゃ54人にん、行方ゆくえ不明ふめい60人にん^[23]。
1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）7月がつ25日にち - 集中しゅうちゅう豪雨ごううによる増水ぞうすいのため富山とやま市内しないの堤防ていぼう左岸さがんが決壊けっかい、浸水しんすい家屋かおく800戸こ以上いじょう。また、神通じんずう大橋おおはしの中央ちゅうおう部ぶが流失りゅうしつした^[24]。
1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）10月7日にち - 成子なるこ橋きょう下流かりゅうの渡わたし船ぶねが転覆てんぷく。4人にんが死亡しぼう^[25]。

一級いっきゅう河川かせん指定してい以降いこう

1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）9月4日にち、一級いっきゅう河川かせんの指定していを受うけた^[26]。

2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）10月5日にち、北陸ほくりく新幹線しんかんせん神通川じんづうがわ橋梁きょうりょう上流じょうりゅうから熊野川くまのがわ合流ごうりゅう部ぶまでの約やく3.7kmの区間くかんの右岸うがん堤防ていぼうの整備せいびを行おこなう富山とやま市街地しがいち重点じゅうてん防御ぼうぎょ築堤ちくてい事業じぎょうが着工ちゃっこうした^[27]。同どう事業じぎょうにより堤防ていぼうが平均へいきん80cmの嵩上かさあげおよび平均へいきん3.3mの拡幅かくふくが行おこなわれ、2023年ねん（令れい和わ5年ねん）9月30日にちに竣工しゅんこう式しきが挙行きょこうされた^[28]。

公害こうがい

詳細しょうさいは「イタイイタイ病いたいいたいびょう」を参照さんしょう

高度こうど成長せいちょう期き、主おもに大正たいしょう時代じだいから昭和しょうわ40年代ねんだいにかけて神通川じんづうがわ流域りゅういきでイタイイタイ病いたいいたいびょうが問題もんだい化かした。これは、岐阜ぎふ県けんの神岡かみおか鉱山こうざん（三井金属鉱業みついきんぞくこうぎょう株式会社かぶしきがいしゃ管理かんり）から出だされた廃液はいえき中ちゅうのカドミウムを原因げんいんとする公害こうがい病びょうであった。

「ビタミンD不足ふそく説せつ」と「カドミウム原因げんいん説せつ」に意見いけんが分わかれたが、婦負ねい郡ぐん婦中ふちゅう町まち（現在げんざいの富山とやま市し婦中ふちゅう町まち）にある萩野はぎの病院びょういん（当時とうじ）の院長いんちょうである萩野はぎの昇のぼるが神通川じんづうがわ流域りゅういきのカドミウムが原因げんいんであると突つき止とめた^[29]。

文化ぶんか作品さくひん

新田にった次郎じろうにイタイイタイ病いたいいたいびょうを扱あつかった『神通川じんづうがわ』という小説しょうせつがある。常願寺川じょうがんじがわと神通川じんづうがわをつなぐいたち川かわは富山とやまに住すんでいたことがある作家さっか宮本みやもと輝あきらの小説しょうせつ『螢川ほたるがわ』の舞台ぶたいとなっている（1987年ねんに映画えいが化か）^[30]。

河川かせん施設しせつ

一いち次じ支ささえ川名かわな（本川ほんがわ）	二に次じ支ささえ川名かわな	三さん次じ支ささえ川名かわな	ダム名めい	堤つつみ高だか (m)	総そう貯水ちょすい容量ようりょう (千せんm³)	型式けいしき	事業じぎょう者しゃ	備考びこう
宮川みやがわ	－	－	宮川みやがわ防災ぼうさいダム	29.0	1,628	アース	岐阜ぎふ県けん
宮川みやがわ	－	－	角川かどかわダム	21.5	879	重力じゅうりょく	関西電力かんさいでんりょく
宮川みやがわ	－	－	坂上さかがみダム	23.5	1,839	重力じゅうりょく	関西電力かんさいでんりょく
宮川みやがわ	－	－	打保うつぼダム	25.5	4,524	重力じゅうりょく	関西電力かんさいでんりょく
神通川じんづうがわ	－	－	神かみ一いちダム	45.0	5,742	重力じゅうりょく	北陸電力ほくりくでんりょく
神通川じんづうがわ	－	－	神かみ二にダム	40.0	8,663	重力じゅうりょく	北陸電力ほくりくでんりょく
神通川じんづうがわ	－	－	神かみ三さんダム	15.5	1,455	重力じゅうりょく	北陸電力ほくりくでんりょく
大八賀川だいはちががわ	－	－	大島おおしまダム	53.1	4,720	重力じゅうりょく	岐阜ぎふ県けん	建設けんせつ中ちゅう
小八賀川こはちががわ	－	－	深谷ふかやダム	27.3	300	ロックフィル	岐阜ぎふ県けん
荒城川あらきがわ	－	－	丹生川にゅうかわダム	69.5	6,200	重力じゅうりょく	岐阜ぎふ県けん
小鳥川おどりがわ	－	－	下小鳥しもことりダム	119.0	123,037	ロックフィル	関西電力かんさいでんりょく
高原川たかはらがわ	－	－	浅井あさい田たダム	21.1	340	重力じゅうりょく	北陸電力ほくりくでんりょく
高原川たかはらがわ	－	－	新しん猪谷いのたにダム	56.0	1,608	重力じゅうりょく	北陸電力ほくりくでんりょく
高原川たかはらがわ	双六川すごろくがわ	－	双そう六ろくダム	19.0	－	重力じゅうりょく	富山とやま共同きょうどう自家じか発電はつでん
高原川たかはらがわ	山田川やまだかわ	－	山田やまだ防災ぼうさいダム	32.3	1,246	アース	岐阜ぎふ県けん
熊野川くまのがわ	－	－	熊野川くまのがわダム	89.0	9,100	重力じゅうりょく	日本海にほんかい発電はつでん
井田川いだがわ	－	－	猿さる越えつダム	29.6	－	重力じゅうりょく	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	－	－	中山なかやまダム	24.0	111	重力じゅうりょく	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	－	－	室むろ牧まきダム	80.5	17,000	アーチ	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	－	－	八尾やおダム	21.0	300	重力じゅうりょく	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	大足おおあし谷川たにがわ	－	仁じん歩ふ水槽すいそうダム	19.9	111	重力じゅうりょく	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	野積川のづみがわ	－	原山はらやまダム	18.5	35	アース	－
井田川いだがわ	久婦須川くぶすがわ	－	久ひさ婦ふ須第二にダム	18.6	132	重力じゅうりょく	北陸電力ほくりくでんりょく
井田川いだがわ	久婦須川くぶすがわ	－	久婦須川くぶすがわダム	95.0	10,000	重力じゅうりょく	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	山田川やまだかわ	－	菅沼すがぬまダム	22.0	524	重力じゅうりょく	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	山田川やまだかわ	－	若土わかづちダム	26.0	242	アーチ	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	山田川やまだかわ	湯谷ゆたに川がわ	湯谷ゆたに川がわダム	63.7	1,636	ロックフィル	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく
井田川いだがわ	山田川やまだかわ	辺あたり呂りょ川かわ	藤ふじヶ池ち	18.2	615	アース	富山とやま県けん企業きぎょう局きょく

並行へいこうする交通こうつう

鉄道てつどう

富山とやま地方ちほう鉄道てつどう富山港線とやまこうせん
西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう（JR西日本にしにほん）・東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう（JR東海とうかい）高山本線たかやまほんせん
あいの風ふうとやま鉄道てつどうあいの風ふうとやま鉄道てつどう線せん

道路どうろ

国道こくどう41号ごう - 高山市たかやまし・宮みや峠とうげ - 富山とやま市し市街地しがいち。ただし、飛騨ひだ市内しないで宮川みやがわは大おおきく西にしに蛇行だこうするのに対たいし、国道こくどう41号ごうは数河すごう峠とうげを越こえ高原川たかはらがわに沿そうルートを通とおってショートカットする。
国道こくどう360号ごう・国道こくどう471号ごう（国道こくどう472号ごう） - 国道こくどう41号ごうがショートカットする区間くかんで宮川みやがわに並行へいこうする。

主おもな橋梁きょうりょう

笹津ささづ橋きょう（手前てまえ）と新しん笹津ささづ橋きょう（奥おく）

有沢ありさわ橋きょう

富山大とやまだい橋きょう