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遺贈 - Wikipedia

遺贈いぞう(いぞう)とは、遺言ゆいごんによりじん自然人しぜんじん法人ほうじんわない)に遺言ゆいごんしゃ財産ざいさん無償むしょう法律ほうりつじょう無償むしょう一定いってい負担ふたん要求ようきゅうできるが対価たいかせいがあってはならない)でゆずることである。遺贈いぞう単独たんどく行為こういであるてんで、契約けいやくである死因しいん贈与ぞうよことなる。

  • 民法みんぽうについて以下いかでは、じょうすうのみ記載きさいする。

遺贈いぞう当事とうじしゃ

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遺贈いぞうけるもの受遺しゃという。

受遺しゃ相続そうぞくじん相続そうぞく開始かいし生存せいぞんしているものでなければならない。ただし、胎児たいじは、遺贈いぞうについてはすでまれたものとみなされるため受遺能力のうりょくがある(965じょう886じょう)。遺言ゆいごんしゃ死亡しぼう以前いぜんに受遺しゃ死亡しぼうしたときは、遺贈いぞう効力こうりょくしょうじない(994じょう1こう)。停止ていし条件じょうけん遺贈いぞう場合ばあい、受遺しゃ条件じょうけん成就じょうじゅまえ死亡しぼうしたとき遺贈いぞう効力こうりょくしょうじないが、遺言ゆいごんしゃ遺言ゆいごん別段べつだん意思いし表示ひょうじをしたときはそれにしたがう(994じょう2こう)。

また、受遺しゃには相続そうぞく場合ばあい同様どうよう欠格けっかく事由じゆうがないことも必要ひつようである(965じょう891じょう)。

包括ほうかつ遺贈いぞう場合ばあい包括ほうかつ受遺しゃ相続そうぞくじん同一どういつ権利けんり義務ぎむつとされており相続そうぞくじん同一どういつ法的ほうてき地位ちいとなる(990じょう)。そのため、後述こうじゅつのように包括ほうかつ受遺しゃ特定とくてい受遺しゃとでは法律ほうりつじょうあつかいがことなる。

遺贈いぞう効力こうりょくしょうじなかったり放棄ほうきにより効力こうりょくうしなったときは、受遺しゃけるべきであったものは相続そうぞくじん帰属きぞくするが、遺言ゆいごんしゃ遺言ゆいごん別段べつだん意思いし表示ひょうじをしたときはそれにしたがう(995じょう)。

受遺しゃ遺贈いぞう放棄ほうきまたは承認しょうにんをせずに死亡しぼうしたときは、その相続そうぞくじん自己じこ相続そうぞくけん範囲はんいない遺贈いぞう承認しょうにんまたは放棄ほうきをすることができるが、遺言ゆいごんしゃ遺言ゆいごん別段べつだん意思いし表示ひょうじをしたときはそれにしたがう(988じょう)。

遺贈いぞう義務ぎむしゃ

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遺贈いぞう履行りこうする義務ぎむは、原則げんそくとして相続そうぞくじんう(だい896じょう)。包括ほうかつ受遺しゃ遺贈いぞう履行りこうする義務ぎむう(990じょう896じょう)。相続そうぞくじんのあることがあきらかでない場合ばあいには相続そうぞく財産ざいさん清算せいさんじんが(957じょう1こう)、遺言ゆいごん執行しっこうしゃがいるときはそのもの遺贈いぞう履行りこうする義務ぎむう(1012じょう1こう)。

遺贈いぞう目的もくてき

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遺贈いぞう種類しゅるい

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包括ほうかつ遺贈いぞう

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遺産いさん全部ぜんぶまたは一部いちぶ割合わりあいをもってしめ対象たいしょうとする場合ばあい包括ほうかつ遺贈いぞうという。

包括ほうかつ受遺しゃ相続そうぞくじん同一どういつ権利けんり義務ぎむつ(990じょう)。そのため、遺言ゆいごんしゃ借金しゃっきんなどの消極しょうきょく財産ざいさんがあれば遺贈いぞう割合わりあいしたがってけなければならない[1]。また、包括ほうかつ遺贈いぞう放棄ほうき自己じこのために遺贈いぞうのあったことをったから3ヶ月かげつ以内いない家庭かてい裁判所さいばんしょたいして申述もうしのべをしなければならない(990じょう915じょう1こう[1]

なお、「ぜん財産ざいさんつまXに遺贈いぞうする(または、相続そうぞくさせる)。ただし、Yが18さいたっしたときにはYが当該とうがい財産ざいさんぐこととする」といった、順次じゅんじ財産ざいさんもの指定していするかたち遺贈いぞうを、後継あとつ遺贈いぞうという。後継あとつ遺贈いぞうについて民法みんぽうなんさだめていないため、この形態けいたい遺贈いぞうみとめられるかどうかについて解釈かいしゃくさだまっていない。判例はんれいみとめている(さいはん1983ねん昭和しょうわ58ねん)3がつ18にちがつ36かん3ごう143ぺーじ)が、いや定説ていせつ有力ゆうりょくである。また、かり後継あとつ遺贈いぞうみとめられるとしても、相続そうぞく開始かいし法的ほうてき状態じょうたい不安定ふあんていおよび手続てつづきじょう煩雑はんざつさといった弊害へいがいむことになる。

2007ねん9がつ30にち施行しこうされた現行げんこう信託しんたくほうにおいては、あらたに後継あとつ遺贈いぞうがた受益じゅえきしゃ連続れんぞく信託しんたくみとめられている(信託しんたくほう3じょう2ごう・88じょう1こう・89じょう2こう)。これにより、後継あとつ遺贈いぞう同様どうよう効果こうかることができる。ただし、この場合ばあい相続そうぞくぜい課税かぜい関係かんけいについてはあきらかになっていないため、注意ちゅうい必要ひつようである。

特定とくてい遺贈いぞう

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具体ぐたいてき特定とくてい財産ざいさん対象たいしょうとする場合ばあい特定とくてい遺贈いぞうという。特定とくてい遺贈いぞう場合ばあい遺言ゆいごんによる指定していがないかぎ借金しゃっきんなど消極しょうきょく財産ざいさんぐことはない[1]特定とくてい遺贈いぞう放棄ほうき遺贈いぞうしゃこういつでもできる(986じょう)。ただし、利害りがい関係かんけいじん特定とくてい受遺しゃたいして催告さいこくすることがみとめられている[1]特定とくてい遺贈いぞう目的もくてきぶつは、遺言ゆいごんしゃ死亡しぼう同時どうじ直接ちょくせつ受遺しゃ移転いてんするとした判例はんれいがある(大判おおばん大正たいしょう5ねん11月8にちみんろく22輯2078ぺーじ)。

負担ふたんづけ遺贈いぞう

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遺贈いぞうしゃが受遺しゃたいして対価たいかとはえないほどの義務ぎむ負担ふたんするようもとめる場合ばあい負担ふたんづけ遺贈いぞうという。受遺しゃ遺贈いぞう目的もくてき価値かちえない限度げんどにおいてのみ、負担ふたんした義務ぎむ履行りこうしなければならない(1002じょう1こう)。

受遺しゃ遺贈いぞう放棄ほうきすれば、負担ふたん利益りえきけるべきものみずから受遺しゃになれるが、遺言ゆいごんしゃ遺言ゆいごん別段べつだん意思いし表示ひょうじをしたときはそれにしたがう(1002じょう2こう)。

負担ふたんづけ遺贈いぞうけたもの義務ぎむ履行りこうしないときは、相続そうぞくじんまたは遺言ゆいごん執行しっこうしゃ相当そうとう期間きかんさだめて履行りこう催告さいこくでき、なお履行りこうがないときは遺言ゆいごん取消とりけしを家庭かてい裁判所さいばんしょ請求せいきゅうできる(1027じょう1015じょう)。

担保たんぽ責任せきにんとう

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  • 特定とくていぶつ遺贈いぞう義務ぎむしゃ担保たんぽ責任せきにん
    • 特定とくていぶつ遺贈いぞう目的もくてきとした場合ばあいにおいて、受遺しゃがこれにつき第三者だいさんしゃからついだつけたときは、遺贈いぞう義務ぎむしゃ担保たんぽ責任せきにんう(998じょう1こう)。
    • 特定とくていぶつ遺贈いぞう目的もくてきとした場合ばあいにおいて、もの瑕疵かしがあったときは、遺贈いぞう義務ぎむしゃは、瑕疵かしのないものをもってこれにえなければならない(998じょう2こう)。
  • 遺贈いぞう物上ぶつじょう代位だいい
    • 遺言ゆいごんしゃが、遺贈いぞう目的もくてきぶつ滅失めっしつ変造へんぞう占有せんゆう喪失そうしつによって第三者だいさんしゃたいして償金しょうきん請求せいきゅうする権利けんりゆうするときは、その権利けんり遺贈いぞう目的もくてきとしたものと推定すいていする(999じょう1こう)。
    • 遺贈いぞう目的もくてきぶつが、もの付合つきあいまたは混和こんわした場合ばあいにおいて、遺言ゆいごんしゃ合成ごうせいぶつまたこん和物あえもの単独たんどく所有しょゆうしゃまた共有きょうゆうしゃとなったときは、その全部ぜんぶ所有しょゆうけんまた持分もちぶん遺贈いぞう目的もくてきとしたものと推定すいていする(999じょう2こう)。
  • 第三者だいさんしゃ権利けんり目的もくてきである財産ざいさん遺贈いぞう
    • 遺贈いぞう目的もくてきであるものまた権利けんり遺言ゆいごんしゃ死亡しぼうときにおいて第三者だいさんしゃ権利けんり目的もくてきであるときは、受遺しゃは、遺贈いぞう義務ぎむしゃたいしその権利けんり消滅しょうめつさせるべきむね請求せいきゅうすることができない。ただし、遺言ゆいごんしゃがその遺言ゆいごん反対はんたい意思いし表示ひょうじしたときは、このかぎりでない(1000じょう)。
  • 債権さいけん遺贈いぞう物上ぶつじょう代位だいい
    • 債権さいけん遺贈いぞう目的もくてきとした場合ばあいにおいて、遺言ゆいごんしゃ弁済べんさいけ、かつ、そのったものがなお相続そうぞく財産ざいさんちゅうるときは、そのもの遺贈いぞう目的もくてきとしたものと推定すいていする(1001じょう1こう)。
    • 金銭きんせん目的もくてきとする債権さいけん遺贈いぞう目的もくてきとした場合ばあいにおいては、相続そうぞく財産ざいさんちゅうにその債権さいけんがく相当そうとうする金銭きんせんがないときであっても、その金額きんがく遺贈いぞう目的もくてきとしたものと推定すいていする(1001じょう2こう)。

遺贈いぞう対抗たいこう要件ようけん

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説明せつめい便宜上べんぎじょうつぎのとおり略語りゃくごもちいる。

遺贈いぞう登記とうき

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遺贈いぞうにより不動産ふどうさん所有しょゆうけん移転いてんした場合ばあい登記とうきをしないと第三者だいさんしゃ対抗たいこうできない(さいばん昭和しょうわ39ねん3がつ6にち[2])。

一方いっぽう相続そうぞくじん一部いちぶたいして特定とくてい遺産いさんを「相続そうぞくさせる」むね遺言ゆいごんによって不動産ふどうさん取得しゅとくしたものは、その権利けんり登記とうきなくして第三者だいさんしゃ対抗たいこうできる(さいばん平成へいせい14ねん6がつ10日とおか[3])。

遺言ゆいごんしょ記載きさい登記とうき原因げんいん

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  • 原則げんそく
    • 遺言ゆいごんしょ文言もんごんしたがい、登記とうき原因げんいん決定けっていする。その分類ぶんるい以下いかとおりである。
      • 相続そうぞくじん全員ぜんいんたいして「相続そうぞくさせる」むね遺言ゆいごんについては「相続そうぞく」(昭和しょうわ47ねん8がつ21にちみんかぶと3565ごう回答かいとう
      • 相続そうぞくじん全員ぜんいんたいして「特定とくてい遺贈いぞうする」むね遺言ゆいごんについては「遺贈いぞう」(昭和しょうわ58ねん10がつ17にちみんさん5987ごう回答かいとう
      • 相続そうぞくじん一部いちぶたいして「相続そうぞくさせる」むね遺言ゆいごんについては「相続そうぞく」(すんでじゅつ判例はんれい参照さんしょう
      • 相続そうぞくじん一部いちぶたいして「遺贈いぞうする」むね遺言ゆいごんについては「遺贈いぞう」(特定とくてい遺贈いぞうにつき昭和しょうわ48ねん12月11にちみんさん8859ごう回答かいとう
      • 相続そうぞくじん以外いがいものたいして「相続そうぞくさせる」むね遺言ゆいごんについては「遺贈いぞう」(相続そうぞくじんでないもの相続そうぞくをすることはできない)
  • 例外れいがい
    • 相続そうぞくじん全員ぜんいんたいして「包括ほうかつ遺贈いぞうする」むね遺言ゆいごんについては、登記とうき原因げんいんは「相続そうぞく」とする(昭和しょうわ38ねん11月20にちみんかぶと3119ごう電報でんぽう回答かいとう)。また、相続そうぞくじん以外いがいものたいして「相続そうぞくさせる」むね遺言ゆいごんについては、相続そうぞくじんでないもの相続そうぞくをすることはできないので、登記とうき原因げんいんは「遺贈いぞう」となる(登記とうき研究けんきゅう480-131ぺーじ)。

登記とうき申請しんせい情報じょうほう一部いちぶ

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登記とうき目的もくてき登記とうきれい3じょう5ごう)は、不動産ふどうさん所有しょゆうけん全部ぜんぶ遺贈いぞうによって取得しゅとくした場合ばあい、「登記とうき目的もくてき 所有しょゆうけん移転いてん」と記載きさいする(記録きろくれい198)。その具体ぐたいれいについては所有しょゆうけん移転いてん登記とうき参照さんしょう

登記とうき原因げんいんおよびその日付ひづけ不動産ふどうさん登記とうきれい3じょう6ごう)のうち、登記とうき原因げんいん包括ほうかつ遺贈いぞう特定とくてい遺贈いぞうのいずれであっても「遺贈いぞう」である(記録きろくれい198)。

原因げんいん日付ひづけ原則げんそくとして遺言ゆいごんしゃ死亡しぼうである(985じょう1こう)が、停止ていし条件じょうけんした遺贈いぞうにおいて、条件じょうけん成就じょうじゅ遺言ゆいごんしゃ死亡しぼうであるときは、条件じょうけん成就じょうじゅしたである(985じょう2こう)。

原因げんいん日付ひづけわせて、「原因げんいん 平成へいせいなんねん何月なんがつなんにち遺贈いぞう」と記載きさいする(記録きろくれい198)。

登記とうき申請しんせいじん不動産ふどうさん登記とうきれい3じょう1ごう)は、所有しょゆうけんもの登記とうき権利けんりしゃとし、うしなもの登記とうき義務ぎむしゃとして記載きさいする。受遺しゃ単独たんどく申請しんせいによることはできない(昭和しょうわ33ねん4がつ28にちみんかぶと779ごう通達つうたつ)。なお、法人ほうじん申請しんせいじんとなる場合ばあい以下いか事項じこう記載きさいしなければならない。

  • 原則げんそくとして申請しんせいじんたる法人ほうじん代表だいひょうしゃ氏名しめい登記とうきれい3じょう2ごう
  • 支配人しはいにん申請しんせいをするときは支配人しはいにん氏名しめい一発いっぱつ即答そくとう14ぺーじ
  • 持分もちぶん会社かいしゃ申請しんせいじんとなる場合ばあい当該とうがい会社かいしゃ代表だいひょうしゃ法人ほうじんであるときは、当該とうがい法人ほうじん商号しょうごうまた名称めいしょうおよびその職務しょくむおこなうべきもの氏名しめい平成へいせい18ねん3がつ29にちみん755ごう通達つうたつ4)。

包括ほうかつ遺贈いぞう場合ばあい民法みんぽうじょうは受遺しゃ相続そうぞくじん同一どういつ権利けんり義務ぎむゆうするものの、登記とうき手続てつづきじょう登記とうき権利けんりしゃとして相続そうぞくじんまたは遺言ゆいごん執行しっこうしゃとの共同きょうどう申請しんせいおこなう(昭和しょうわ33ねん4がつ28にちみんかぶと779ごう通達つうたつ)。ただし、受遺しゃ遺言ゆいごん執行しっこうしゃとして指定していされた場合ばあいは、登記とうき権利けんりしゃかつ登記とうき義務ぎむしゃとして事実じじつじょう単独たんどく申請しんせいおこなう(大正たいしょう9ねん5がつ4にち民事みんじ1307ごう回答かいとう)。

登記とうき義務ぎむしゃ氏名しめいについては、遺言ゆいごん執行しっこうしゃがいる場合ばあいには「ほろびA」と、いない場合ばあいには「ほろびA相続そうぞくじんB」と記載きさいするのが実務じつむ慣行かんこうである(書式しょしき解説かいせつ-469ぺーじ・471ぺーじ)。遺言ゆいごん執行しっこうしゃについては記載きさいするせつ記載きさいしないせつがある。

添付てんぷ情報じょうほう登記とうき規則きそく34じょう1こう6ごう一部いちぶ)は、登記とうき原因げんいん証明しょうめい情報じょうほう登記とうきほう61じょう登記とうきれい7じょう1こう5ごうロ)、登記とうき義務ぎむしゃ遺言ゆいごんしゃ)の登記とうき識別しきべつ情報じょうほう登記とうきほう22じょう本文ほんぶんまた登記とうきずみしょう書面しょめん申請しんせい場合ばあいには登記とうき義務ぎむしゃ遺言ゆいごんしゃ存在そんざいしないので相続そうぞくじんまた遺言ゆいごん執行しっこうしゃ)の印鑑いんかん証明しょうめいしょ登記とうきれい16じょう2こう登記とうき規則きそく48じょう1こう5ごうおよどう規則きそく47じょう3ごうイ(1)、どうれい18じょう2こうどう規則きそく49じょう2こう4ごうおよどう規則きそく48じょう1こう5ごうならびにどう規則きそく47じょう3ごうイ(1))、登記とうき権利けんりしゃ住所じゅうしょ証明しょうめい情報じょうほう不動産ふどうさん登記とうきれい別表べっぴょう30こう添付てんぷ情報じょうほうロ)を添付てんぷする。法人ほうじん申請しんせいじんとなる場合ばあいさら代表だいひょうしゃ資格しかく証明しょうめい情報じょうほう登記とうきれい7じょう1こう1ごう)も原則げんそくとして添付てんぷしなければならない。

なお、農地のうちまた採草さいそう放牧ほうぼく農地のうちほう2じょう1こう)を特定とくてい遺贈いぞうした場合ばあい農地のうちほう3じょう許可きょかしょ不動産ふどうさん登記とうきれい7じょう1こう5ごうハ)を添付てんぷしなければならない(昭和しょうわ43ねん3がつ2にちみんさん170ごう回答かいとう)。一方いっぽう包括ほうかつ遺贈いぞう場合ばあい添付てんぷする必要ひつようはない(農地のうちほう施行しこう規則きそく3じょう5ごう[4]

遺言ゆいごん執行しっこうしゃがいる場合ばあいには、その資格しかくしょうする情報じょうほう添付てんぷしなければならない(不動産ふどうさん登記とうきれい7じょう1こう2ごう)。具体ぐたいてきには、遺言ゆいごんにより遺言ゆいごん執行しっこうしゃ指定していされた場合ばあい遺言ゆいごんしょおよ遺言ゆいごんしゃ死亡しぼうにより遺贈いぞう効力こうりょく発生はっせいしたことをしめ戸籍こせき謄本とうほん除籍じょせき謄本とうほんである(昭和しょうわ59ねん1がつ10にちみんさん150ごう回答かいとう)。家庭かてい裁判所さいばんしょ遺言ゆいごん執行しっこうしゃ選任せんにんした場合ばあい選任せんにん審判しんぱんしょおよ原則げんそくとして遺言ゆいごんしょ通常つうじょう家庭かてい裁判所さいばんしょ選任せんにん審判しんぱんしょのみでは遺言ゆいごん執行しっこうしゃ当該とうがい申請しんせいかか不動産ふどうさんにつき遺言ゆいごん執行しっこうする権限けんげんゆうするかどうかあきらかでないから)であり(昭和しょうわ44ねん10がつ16にちみんかぶと2204ごう回答かいとう登記とうき研究けんきゅう265-60ぺーじ)、死亡しぼう事実じじつ家庭かてい裁判所さいばんしょ判断はんだんするので戸籍こせき謄本とうほんとう不要ふようである(登記とうき研究けんきゅう447-84ぺーじ)。

遺言ゆいごん執行しっこうしゃがいない場合ばあいには、申請しんせいする人物じんぶつ遺言ゆいごんしゃ相続そうぞくじんであることをしょうする情報じょうほう添付てんぷしなければならない(不動産ふどうさん登記とうきれい7じょう1こう5ごうイ)。具体ぐたいてきには、遺言ゆいごんしょ登記とうき研究けんきゅう733-157ぺーじおよ遺言ゆいごんしゃ死亡しぼうしょうする戸籍こせき謄本とうほん除籍じょせき謄本とうほんおよ相続そうぞくじん戸籍こせき謄本とうほん抄本しょうほんである。

登録とうろく免許めんきょぜい不動産ふどうさん登記とうき規則きそく189じょう1こう前段ぜんだん) は、受遺しゃ相続そうぞくじんでない場合ばあい不動産ふどうさん価額かがくの1,000ぶんの20である(登録とうろく免許めんきょ税法ぜいほう別表べっぴょうだい1-1(2)ハ)。受遺しゃ相続そうぞくじんである場合ばあい相続そうぞくによる所有しょゆうけん移転いてん登記とうき場合ばあい登録とうろく免許めんきょ税法ぜいほう別表べっぴょうだい1-1(2)イ)と同様どうよう不動産ふどうさん価額かがくの1,000ぶんの4であるとされたが、この税率ぜいりつ適用てきようけるには申請しんせいしょに受遺しゃ相続そうぞくじんであることをしょうする書面しょめん戸籍こせき謄本とうほんとう)の添付てんぷ必要ひつようである(平成へいせい15ねん4がつ1にちみん1032ごう通達つうたつだい1-2)。なお、はしすう処理しょりなど算出さんしゅつ方法ほうほう通則つうそくについては不動産ふどうさん登記とうき#登録とうろく免許めんきょぜい参照さんしょう

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 徹底てってい解説かいせつ!遺贈いぞう マイタウン法律ほうりつ事務所じむしょ
  2. ^ 最高裁判所さいこうさいばんしょだいしょう法廷ほうてい判決はんけつ昭和しょうわ39ねん3がつ6にちみんしゅう18かん3ごう437ぺーじ判例はんれい検索けんさくシステム、2014ねん8がつ31にち閲覧えつらん
  3. ^ 最高裁判所さいこうさいばんしょだいしょう法廷ほうてい判決はんけつ平成へいせい14ねん6がつ10日とおかしゅうみん206ごう445ぺーじ判例はんれい検索けんさくシステム、2014ねん8がつ31にち閲覧えつらん
  4. ^ 農地のうちほう施行しこう規則きそく - e-Gov法令ほうれい検索けんさく

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 香川かがわいち編著へんちょ)『しん不動産ふどうさん登記とうき書式しょしき解説かいせついち)』テイハン、2006ねんISBN 978-4860960230 
  • 山田やまだ一雄かずおへん)、藤谷ふじたに定勝さだかつ監修かんしゅう)『しん不動産ふどうさん登記とうきほう一発いっぱつ即答そくとう800もん日本加除出版にほんかじょしゅっぱん、2007ねんISBN 978-4-8178-3758-5 
  • 訓令くんれい通達つうたつ回答かいとう-4020 遺贈いぞうによる所有しょゆうけん移転いてん登記とうき申請しんせいにおける遺言ゆいごん執行しっこうしゃ資格しかく証明しょうめいとうについて」『登記とうき研究けんきゅうだい265ごう帝国ていこく判例はんれい法規ほうき出版しゅっぱんしゃのテイハン)、1969ねん、58ぺーじ 
  • 質疑しつぎ応答おうとう-6538 遺贈いぞうによる登記とうき遺言ゆいごんしゃ戸籍こせき謄抄ほん添付てんぷよう)」『登記とうき研究けんきゅうだい447ごう、テイハン、1985ねん、84ぺーじ 
  • 質疑しつぎ応答おうとう-6909 遺言ゆいごんもとづく登記とうき申請しんせいについて」『登記とうき研究けんきゅうだい480ごう、テイハン、1988ねん、131ぺーじ 
  • 質疑しつぎ応答おうとう-7883 遺贈いぞう登記とうき原因げんいんとする所有しょゆうけん移転いてん登記とうき申請しんせいさい提供ていきょうすべき登記とうき原因げんいん証明しょうめい情報じょうほうについて」『登記とうき研究けんきゅうだい733ごう、テイハン、2009ねん、157ぺーじ 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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