高階たかしな経けい仲なか

高階たかしな 経けい仲なか（たかしな の つねなか、保ほ元もと2年ねん（1157年ねん） - 嘉よしみ禄ろく2年ねん（1226年ねん）2月がつ）は、平安へいあん時代じだい末期まっきから鎌倉かまくら時代ときよにかけての公家くげ。初はつ名なは業ごう仲なか。正せい三さん位い・高階たかしな泰やすし経けいの長男ちょうなん。官位かんいは正せい三さん位い・播磨はりま守まもる。

経歴けいれき

永えい万よろず2年ねん（1166年ねん）大膳だいぜん亮あきらに任官にんかん。皇太后こうたいごう・平滋子たいらのしげこの皇太后こうたいごう宮みや権けん少しょう進すすむや六ろく位い蔵人くろうど・右みぎ近衛このえ将すすむ監かんを経へて、仁じん安やす3年ねん（1168年ねん）従したがえ五ご位い下かに叙爵じょしゃくする。

その後ご、石見いわみ守まもる・常陸ひたち介かいなどの国司こくしや、右みぎ衛門えもん佐さを務つとめ、この間あいだの承うけたまわ安やす2年ねん（1172年ねん）従したがえ五ご位い上じょう、治ち承うけたまわ3年ねん（1179年ねん）正せい五ご位い下かに昇叙しょうじょされた。また、父ちちの高階たかしな泰やすし経けいとともに後こう白河しらかわ法皇ほうおうに近臣きんしんとして近侍きんじする。治ち承うけたまわ2年ねん（1178年ねん）平清盛たいらのきよもりの外孫そとまご・言げん仁じん親王しんのうが春宮とうぐうに立たてられると、経けい仲なかは春宮とうぐう権けん大進たいしんとなるが、治ち承うけたまわ3年ねん（1179年ねん）平清盛たいらのきよもりによる後こう白河しらかわ法皇ほうおうの鳥羽とば殿どの幽閉ゆうへい（治ち承うけたまわ三さん年ねんの政変せいへん）に伴ともなって、経けい仲なかは泰たい経けいとともに解かい官かんされた。

治ち承うけたまわ5年ねん（1181年ねん）泰たい経けいが復ふく任まかしていることから、このころに経けい仲なかも許ゆるされたらしく、寿ことぶき永ひさし2年ねん（1183年ねん）従したがえ四よん位い下か、元もと暦こよみ元年がんねん（1184年ねん）従したがえ四よん位い上じょう・右みぎ馬頭めずに叙任じょにんされている。文治ぶんじ元年がんねん（1185年ねん）には源義経みなもとのよしつね・行くだり家かの謀叛ぼうほんが発生はっせいすると、源みなもと頼朝よりともから謀叛ぼうほんへの関与かんよを疑うたがわれて、再ふたたび泰たい経けいとともに解かい官かんの憂うき目めに遭あった。

文治ぶんじ5年ねん（1189年ねん）泰たい経けいが復ふく任まかしていることから、このころに経けい仲なかも再ふたたび許ゆるされたらしく、翌よく文治ぶんじ6年ねん（1190年ねん）正せい四よん位い下か・播磨はりま守まもるに叙任じょにんされ、建たて久ひさ2年ねん（1191年ねん）内蔵ないぞう頭あたまを兼かねる。建けん久ひさ3年ねん（1192年ねん）に後こう白河しらかわ法皇ほうおうが没ぼっすると、後鳥羽上皇ごとばじょうこうの側近そっきんとなって院いん別当べっとうを務つとめ、常つねに院いん御所ごしょに祗候しこうした。建けん久ひさ10年ねん（1199年ねん）従したがえ三さん位いに叙じょせられて公卿くぎょうに列れっし、建たて仁ひとし4年ねん（1204年ねん）正せい三さん位いに至いたる。

建たて保たもつ4年ねん（1216年ねん）3月がつに出家しゅっけし、嘉よしみ禄ろく2年ねん（1226年ねん）2月がつ薨去こうきょ。享年きょうねん70。

官かん歴れき

『公卿くぎょう補任ほにん』による。

• 永えい万よろず2年ねん（1166年ねん） 正月しょうがつ12日にち：大膳だいぜん亮あきら（本名ほんみょう業ぎょう仲なか）
• 仁じん安やす3年ねん（1168年ねん） 3月がつ20日はつか：兼けん皇太后こうたいごう宮みや権けん少しょう進すすむ（皇太后こうたいごう・平滋子たいらのしげこ）。8月26日にち：六ろく位い蔵人くろうど。9月4日にち：右みぎ近衛このえ将すすむ監かん。9月13日にち：従したがえ五ご位い下か、将監しょうげん如元
• 嘉よしみ応おう2年ねん（1170年ねん） 正月しょうがつ18日にち：兼けん石見いわみ守まもる、獻けんじ者しゃ将監しょうげん如元
• 承うけたまわ安やす元年がんねん（1171年ねん） 12月8日にち：兼けん常陸ひたち介かい、将監しょうげん如元
• 承うけたまわ安やす2年ねん（1172年ねん） 4月がつ11日にち：従したがえ五ご位い上じょう（罷やめ申さる賞しょう）
• 承うけたまわ安やす4年ねん（1174年ねん） 正月しょうがつ21日にち：兼けん右みぎ衛門えもん佐さ
• 治ち承うけたまわ2年ねん（1178年ねん） 12月15日にち：兼けん春宮とうぐう権けん大進たいしん（立たて坊ぼう日び、春宮とうぐう・言げん仁じん親王しんのう）
• 治ち承うけたまわ3年ねん（1179年ねん） 正月しょうがつ5日にち：正せい五ご位い下か（佐さ労ろう）。11月17日にち：解かい却所帯たい三さん官かん（治ち承うけたまわ三さん年ねんの政変せいへん）
• 寿ことぶき永ひさし2年ねん（1183年ねん） 8月がつ25日にち：従したがえ四よん位い下か
• 元もと暦こよみ元年がんねん（1184年ねん） 7月がつ2日にち：従したがえ四よん位い上じょう（皇后こうごう宮みや入内じゅだい賞しょう）。9月18日にち：右みぎ馬頭めず
• 文治ぶんじ元年がんねん（1185年ねん） 12月17日にち：解かい官かん
• 文治ぶんじ6年ねん（1190年ねん） 正月しょうがつ5日にち：正せい四よん位い下か（臨時りんじ）。10月27日にち：播磨はりま守まもる（院いん御ご分ぶん）
• 建たて久ひさ2年ねん（1191年ねん） 閏うるう12月がつ4日にち：兼けん内蔵ないぞう頭あたま
• 建たて久ひさ10年ねん（1199年ねん） 正月しょうがつ5日にち：従したがえ三さん位い、元もと内蔵ないぞう頭あたま、播磨はりま守まもる如元。3月23日にち：止とめ守もり
• 建たて仁ひとし元年がんねん（1201年ねん） 11月23日にち：服ふく解かい（父ちち）
• 建たて仁ひとし4年ねん（1204年ねん） 正月しょうがつ5日にち：正せい三さん位い
• 建たて保たもつ4年ねん（1216年ねん） 3月がつ：出家しゅっけ
• 嘉よしみ禄ろく2年ねん（1226年ねん） 2月がつ：薨去こうきょ

系譜けいふ

『系図けいず纂要』による。

• 父ちち：高階たかしな泰やすし経けい
• 母はは：藤原ふじわら行広ゆきひろ女おんな
• 妻つま：藤原ふじわら範はん季き女おんな
  • 男子だんし：高階たかしな経時きょうじ（1180-?）

参考さんこう文献ぶんけん

• 『朝ちょう日にち日本にっぽん歴史れきし人物じんぶつ事典じてん』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1994年ねん
• 『公卿くぎょう補任ほにん 第だい一いち篇へん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1982年ねん