カムシャフトがシリンダーブロック 側 がわ に位置 いち し、プッシュロッド とよばれる長 なが い棒 ぼう を介 かい してロッカーアーム を押 お し上 あ げバルブ を開閉 かいへい させる。したがって「プッシュロッドエンジン 」と呼 よ ばれることもある。最初 さいしょ のOHVエンジンはスコットランド系 けい アメリカ人 じん であるデビッド・ダンバー・ビュイック (英語 えいご 版 ばん ) により1902年 ねん に開発 かいはつ された。それ以前 いぜん の内燃 ないねん 機関 きかん の弁 べん 機構 きこう にはサイドバルブ (以下 いか SV)やスライドバルブ が用 もち いられていた。
側 がわ 弁 べん 式 しき のSVに対 たい して頭上 ずじょう 弁 べん 式 しき のOHVが有利 ゆうり なのは、バルブ開口 かいこう 部 ぶ をシリンダーボア径 みち 内 ない に配置 はいち することで、燃焼 ねんしょう 室 しつ を小 ちい さくできる点 てん である。
これによりOHVはSVに比 くら べて燃焼 ねんしょう 室 しつ の表面積 ひょうめんせき が小 ちい さくなったことで、ヘッドから逃 に げる熱 ねつ が少 すく なくなり、さらにノッキング を起 お こしにくい燃焼 ねんしょう 室 しつ 形状 けいじょう にしやすく圧縮 あっしゅく 比 ひ も高 たか くとれるため、一段 いちだん と熱 ねつ 効率 こうりつ を高 たか められる事 こと で出力 しゅつりょく や燃費 ねんぴ を向上 こうじょう させることが可能 かのう となった。一方 いっぽう 、高 こう 回転 かいてん でも吸排気 はいき バルブの開閉 かいへい タイミングを正 ただ しくとれるSOHC (OHC、シングルカム)や、開閉 かいへい を独立 どくりつ して変化 へんか させることが可能 かのう なDOHC (ツインカム)に比 くら べると燃費 ねんぴ や出力 しゅつりょく の面 めん で不利 ふり とされ、また、厳 きび しさを増 ま す排出 はいしゅつ ガス規制 きせい への対応 たいおう も不利 ふり とされる[4] 。
SV方式 ほうしき からの移行 いこう 期 き には吸気 きゅうき 弁 べん がOHV、排気 はいき 弁 べん がSVというIOE(intake/inlet over exhaust)エンジン も存在 そんざい した。IOEエンジンはウィリス時代 じだい のジープ やハーレーダビッドソン などにも見 み られ、米国 べいこく などでは「Fヘッド」、日本 にっぽん では「F頭 あたま 式 しき 」[注釈 ちゅうしゃく 1] と通称 つうしょう される。自動車 じどうしゃ やオートバイ ではOHVの登場 とうじょう によって廃 すた れたが、汎用 はんよう 石油 せきゆ 発動 はつどう 機 き ではその後 ご も多 おお く見 み られた。また逆 ぎゃく に吸気 きゅうき 弁 べん がSV、排気 はいき 弁 べん がOHVというEOI(Exhaust over intake)エンジンも存在 そんざい した。
SVのOHV化 か は、吸排気 はいき ポートと動 どう 弁 べん 機構 きこう を持 も つヘッドに交換 こうかん し、サイドバルブが通 かよ っていた部分 ぶぶん にプッシュロッドを通 とお してシリンダーヘッドのバルブを駆動 くどう させる事 こと で可能 かのう となるため、初期 しょき のOHVエンジンにはSVエンジンをベースにしたものもみられた。この様 よう に構造 こうぞう 上 じょう は比較的 ひかくてき 容易 ようい にOHV化 か することも出来 でき ることから、SVをOHV化 か するキット なども存在 そんざい する。
長 なが いプッシュロッドではその慣性 かんせい 質量 しつりょう と、熱 ねつ 膨張 ぼうちょう による寸法 すんぽう 変化 へんか 、および、駆動 くどう 時 じ の弾性 だんせい 変形 へんけい が問題 もんだい となるため、カムシャフトを高 たか い位置 いち に配置 はいち してプッシュロッドを短 みじか くした、ハイカムシャフト(ハイカム[注釈 ちゅうしゃく 2] )方式 ほうしき と呼 よ ばれるものもある[注釈 ちゅうしゃく 3] 。この場合 ばあい 、カムシャフトはローラーチェーン などを介 かい して駆動 くどう され、動 どう 弁 べん 系 けい の往復 おうふく 慣性 かんせい 重量 じゅうりょう はSOHCと比 くら べさほど大 おお きくならず、また、ヘッド直上 ちょくじょう にカムシャフトがないためDOHC同様 どうよう のセンタープラグ と理想 りそう 的 てき 弁 べん 配置 はいち が取 と れる利点 りてん がある。また、エンジン下部 かぶ のシリンダーブロック内 ない にカムを配置 はいち する構造 こうぞう により、騒音 そうおん 面 めん でもOHCより有利 ゆうり な場合 ばあい が多 おお い。
OHVは往復 おうふく 運動 うんどう する部品 ぶひん が多 おお く、特 とく にプッシュロッドの重量 じゅうりょう により高 こう 回転 かいてん 時 じ のポペットバルブ の追従 ついしょう 性 せい を悪化 あっか させるバルブジャンプや、往復 おうふく 運動 うんどう 機構 きこう の共振 きょうしん によるバルブサージング が発生 はっせい しやすく、エンジン の許容 きょよう 回転 かいてん 数 すう を上 あ げることが難 むずか しい。しかし、飛行機 ひこうき や船舶 せんぱく で使 つか われるレシプロエンジン ではプロペラ を定 さだ められた回転 かいてん 数 すう よりも高速 こうそく に回転 かいてん させる必要 ひつよう がない上 うえ 、耐久 たいきゅう 性 せい と信頼 しんらい 性 せい に優 すぐ れるため、 OHV は多用 たよう されている。これは常用 じょうよう 回転 かいてん 域 いき が低 ひく いディーゼルエンジン にも当 あ てはまる。ただし自動車 じどうしゃ 用 よう ディーゼルエンジンの内 うち 、小型 こがた のものはガソリンエンジンとの設計 せっけい の共通 きょうつう 化 か が進 すす み、部品 ぶひん 点数 てんすう の削減 さくげん や軽量 けいりょう 化 か の面 めん 、さらに燃費 ねんぴ の面 めん などでもOHCが有利 ゆうり とされ、OHVは淘汰 とうた された[6] 。トラック ・バス 用 よう の中 なか 排気 はいき 量 りょう 、および大 だい 排気 はいき 量 りょう のエンジンの一部 いちぶ には、OHV機構 きこう のままでありながら、厳 きび しさを増 ま す自動車 じどうしゃ 排出 はいしゅつ ガス規制 きせい に対応 たいおう するため[6] 、4バルブ 化 か されたものもある[注釈 ちゅうしゃく 4] 。
日本 にっぽん 車 しゃ では、1960年代 ねんだい から1980年代 ねんだい に製造 せいぞう された乗用車 じょうようしゃ のエンジンにOHVが多 おお く採用 さいよう された。同 どう 一 いち 車種 しゃしゅ に複数 ふくすう のグレードを設定 せってい する場合 ばあい 、上位 じょうい グレードにはSOHCもしくはDOHCを、下位 かい グレードにOHVを採用 さいよう することで差別 さべつ 化 か が計 はか られていた。なお、ホンダ およびスズキ [注釈 ちゅうしゃく 5] は、四 よん 輪 りん 車 しゃ にOHVを一切 いっさい 採用 さいよう していない。
しかし1990年代 ねんだい 以降 いこう 、LPG自動車 じどうしゃ を含 ふく む一部 いちぶ のトヨタ 製 せい の商用 しょうよう 車 しゃ を除 のぞ いてOHVはほとんど採用 さいよう されなくなり、ポペットバルブを持 も たないロータリーエンジン を除 のぞ き、すべてSOHCもしくはDOHCに置 お き換 か えられた。
唯一 ゆいいつ の例外 れいがい が水平 すいへい 対向 たいこう エンジン で、エンジン両 りょう 脇 わき にシリンダーヘッドを持 も つ構造 こうぞう から、長 なが らくOHC化 か はかえって非 ひ 効率 こうりつ で、寸法 すんぽう や重量 じゅうりょう の増大 ぞうだい 、整備 せいび 性 せい (イニシャルコスト)の悪化 あっか を招 まね くものとされていた。スバル・レオーネ は当時 とうじ の富士重工業 ふじじゅうこうぎょう (現 げん ・SUBARU )のフラグシップ車 しゃ という位置 いち づけでありながら長 なが らくOHVを採用 さいよう し続 つづ け、1984年 ねん には1,800 cc エンジンのみSOHC化 か されたものの、バルブ駆動 くどう 形式 けいしき だけ見 み るならば他社 たしゃ に一 いち 段 だん 以上 いじょう 遅 おく れた状況 じょうきょう を展開 てんかい していた[注釈 ちゅうしゃく 6] 。
オーバーホール やリビルド がしやすく、特 とく に二輪車 にりんしゃ やディーゼルエンジン を含 ふく む汎用 はんよう OHVエンジン全般 ぜんぱん では、タイミングチェーン がなく[注釈 ちゅうしゃく 7] 整備 せいび しやすい点 てん が長所 ちょうしょ となる。日本 にっぽん の乗用車 じょうようしゃ で最後 さいご までOHVを採用 さいよう した車種 しゃしゅ は、一般 いっぱん 向 む け市販 しはん 車 しゃ ではガソリン車 しゃ がトヨタ・タウンエースワゴン /ライトエースワゴン 、ディーゼル車 しゃ がダイハツ・ラガー 、それ以外 いがい では2008年 ねん 7月 がつ 以前 いぜん のモデルまで存在 そんざい していた3Y-PE型 がた LPGエンジンを搭載 とうさい したトヨタ・クラウンセダン /クラウンコンフォート /コンフォート である。
なお、大型 おおがた トラックやバスに搭載 とうさい されるディーゼルエンジン は高速 こうそく 回転 かいてん に向 む かないことから、相対 そうたい 的 てき に堅牢 けんろう かつ軽量 けいりょう な設計 せっけい が可能 かのう なOHVが選択 せんたく されることが一般 いっぱん 的 てき であったが、1990年代 ねんだい 頃 ごろ から非 ひ OHV化 か が進 すす み、2021年 ねん 時点 じてん での日本 にっぽん の自動車 じどうしゃ 用 よう OHVディーゼルエンジンは日野自動車 ひのじどうしゃ のN04C型 がた エンジン と三菱 みつびし ふそうトラック・バス の4V20型 がた エンジン のみとなっている[注釈 ちゅうしゃく 8] 。
アメリカ車 しゃ におけるOHVエンジンはコストダウンの波 なみ に押 お されて徐々 じょじょ に減 へ りつつあるが、ピックアップトラック優遇 ゆうぐう 税制 ぜいせい [注釈 ちゅうしゃく 9] とエンジンチューニングの容易 たやす さ、特 とく にシリンダーブロックの頑丈 がんじょう さゆえのターボチャージャー やナイトラス・オキサイド・システム のようなパワーアップが容易 ようい であり、そういった車種 しゃしゅ をベースに制作 せいさく されるホットロッド がカスタマイズの文化 ぶんか として定着 ていちゃく していることから、依然 いぜん としてOHVエンジン搭載 とうさい 車 しゃ が多 おお く存在 そんざい する。
シボレー・コルベット には、1980年代 ねんだい 末期 まっき のC4型 がた に「ZR-1」と呼 よ ばれるDOHC搭載 とうさい モデルが存在 そんざい したが、それ以降 いこう はDOHCを廃 はい し、現在 げんざい に至 いた るまですべてOHVとなっている。OHVのシリンダーヘッド部 ぶ はバルブとロッカーアームだけで構成 こうせい されているため、同 どう 排気 はいき 量 りょう という条件下 じょうけんか であればSOHCおよびDOHCよりもエンジンそのものを小型 こがた 軽量 けいりょう かつ低 てい 重心 じゅうしん にできる。また、V型 がた エンジンや水平 すいへい 対向 たいこう エンジンでは、カムシャフトがDOHCでは4本 ほん 、SOHCでも2本 ほん 必要 ひつよう となるが、OHVであれば1本 ほん で済 す むためエンジン内部 ないぶ の摩擦 まさつ 抵抗 ていこう を下 さ げやすく、重量 じゅうりょう もコストも減 へ らせる。コルベットはエンジンフードが低 ひく いシルエットも売 う りの一 ひと つであり、全 ぜん 高 こう を低 ひく くできるOHVエンジンはそのシルエットの構成 こうせい に一役 ひとやく 買 か っている。また「コルベットにはDOHCのように高 こう 回転 かいてん で馬力 ばりき を稼 かせ ぐエンジンより、OHVのように低 てい 回転 かいてん で大 だい トルクによって馬力 ばりき を稼 かせ ぐエンジンが似合 にあ う」といった思想 しそう も影響 えいきょう しているものとされる。
クライスラー は半球 はんきゅう 形 がた の燃焼 ねんしょう 室 しつ に由来 ゆらい するヘミエンジン を21世紀 せいき に復活 ふっかつ させた。これには、数 かず ある自動車 じどうしゃ メーカーのなかで、自社 じしゃ のアイデンティティを前面 ぜんめん に打 う ち出 だ し、他社 たしゃ との差別 さべつ 化 か を図 はか る狙 ねら いがある。
現代 げんだい のDOHCエンジンにおいては、位相 いそう 変化 へんか タイプの可変 かへん バルブタイミング機構 きこう は一般 いっぱん 的 てき となっているが、OHVでは1本 ほん のカムシャフトで吸排気 はいき バルブを駆動 くどう する関係 かんけい 上 じょう 、吸気 きゅうき の位相 いそう を変化 へんか させた場合 ばあい 排気 はいき の位相 いそう も共 とも に変化 へんか するため、オーバーラップ 量 りょう 変化 へんか による効果 こうか は得 え られない。このためOHVでの採用 さいよう は遅 おく れたが、オーバーラップ量 りょう が変化 へんか せずとも、負荷 ふか や回転 かいてん 数 すう にあわせバルブタイミングを最適 さいてき 化 か することで一定 いってい の効果 こうか [注釈 ちゅうしゃく 10] が得 え られるため、GMスモールブロック やHEMIなどの大 だい 排気 はいき 量 りょう OHVエンジンにも可変 かへん バルブタイミング機構 きこう が採用 さいよう されるようになっている。またマッスルカー など古 ふる いOHV車 しゃ に後 こう 付 つ けするホットロッド向 む けのアフターパーツも存在 そんざい する。欧州 おうしゅう でもベントレー のOHVエンジン[注釈 ちゅうしゃく 11] に可変 かへん バルブタイミング機構 きこう を採用 さいよう している例 れい がある。さらに近年 きんねん ではダッジ・バイパー (2009年 ねん モデル以降 いこう )が二 に 重 じゅう 構造 こうぞう の中空 なかぞら カムシャフトを用 もち いることで、排気 はいき のみ位相 いそう 変化 へんか をさせる機構 きこう を採用 さいよう している[注釈 ちゅうしゃく 12] 。バイパーでは排気 はいき のみの位相 いそう 変化 へんか としているが、機構 きこう 上 じょう は吸気 きゅうき のみ位相 いそう 変化 へんか 、さらには吸排気 はいき それぞれの位相 いそう 変化 へんか も可能 かのう であり、可変 かへん バルブタイミング機構 きこう に関 かん してのDOHCとの差 さ はある程度 ていど 減 げん じているといえる。
アメリカやイギリス、オーストラリアなどではOHVエンジンのプライベートチューンも盛 さか んで、日本 にっぽん では1990年代 ねんだい の省 しょう 燃費 ねんぴ 型 がた エンジンからようやく採用 さいよう が始 はじ まったローラーロッカーアームが、比較的 ひかくてき 早 はや い時期 じき からチューニングパーツとして販売 はんばい されていた。OHVエンジンのカムとリフター(タペット)の間 あいだ には高 こう 荷重 かじゅう がかかり、滑 すべ り摩擦 まさつ となるフラットタペットなどでは極 ごく 圧 あつ 条件 じょうけん となるためエンジンオイルにはある程度 ていど の耐 たい 摩耗 まもう 性 せい が求 もと められる。近年 きんねん の新 あたら しい規格 きかく のエンジンオイルでは耐 たい 摩耗 まもう 性 せい が不足 ふそく するケースもあるとされ、特 とく にバルブスプリングレートを強化 きょうか している場合 ばあい はさらに高 たか い荷重 かじゅう がかかるため注意 ちゅうい が必要 ひつよう となる。海外 かいがい ではフラットタペットOHVエンジン向 む けに耐 たい 摩耗 まもう 性 せい を強化 きょうか したエンジンオイルが設定 せってい されていることもある。またローラーロッカーアームなどと同様 どうよう に摩擦 まさつ と摩耗 まもう を低減 ていげん するためにローラーリフター仕様 しよう とするチューニングも一般 いっぱん 的 てき に行 おこな われている。
モータースポーツでは、カーボンコンポジット のプッシュロッドも用 もち いられた。B110/310系 けい 日産 にっさん ・サニー は、レース仕様 しよう としてA12型 がた エンジンをベースにプッシュロッドをカーボン素材 そざい とし、10,000 rpmという高 こう 回転 かいてん を実現 じつげん していた。これは当時 とうじ 、市販 しはん 用 よう エンジンベースではSOHCであっても達成 たっせい 不可能 ふかのう な数値 すうち だった。
また、アメリカンモータースポーツの代表 だいひょう 格 かく といえるNASCAR においては、原則 げんそく として参加 さんか する車 くるま のエンジンがOHVに限定 げんてい されているため、トヨタ・タンドラ のように市販 しはん 車 しゃ ではDOHCエンジンを搭載 とうさい している車 くるま がOHVにエンジンを換 かわ 装 そう して参加 さんか している例 れい もある[9] 。
インディ500 においては、1994年 ねん にペンスキー が3,400ccOHVターボのメルセデス エンジンで優勝 ゆうしょう を飾 かざ っている。当時 とうじ フォード・コスワース・DFSエンジン などにおされ、旧式 きゅうしき 化 か していたビュイック エンジンの救済 きゅうさい のために存在 そんざい したOHV優遇 ゆうぐう 規定 きてい [注釈 ちゅうしゃく 13] [10] に則 のっと る形 かたち でイルモア の手 て により作 つく られたこのエンジンは、最高 さいこう 回転 かいてん 数 すう 10,000rpm以上 いじょう で1,000馬力 ばりき を超 こ える出力 しゅつりょく を発揮 はっき するOHVエンジン[注釈 ちゅうしゃく 14] となった。
最高 さいこう 出力 しゅつりょく はNASCAR で用 もち いられている自然 しぜん 吸気 きゅうき のエンジンで800馬力 ばりき 、NHRA のトップフューエルクラスで用 もち いられている過 か 給 きゅう エンジンでは8,500〜10,000馬力 ばりき と、非常 ひじょう に高 たか い出力 しゅつりょく を発生 はっせい させている。
オートバイ用 よう のOHVエンジン
オートバイにおいてはハーレーダビッドソン が1936年 ねん のナックルヘッドエンジン以来 いらい 、伝統 でんとう 的 てき にOHV形式 けいしき の空冷 くうれい V型 がた 2気筒 きとう エンジンを搭載 とうさい し続 つづ けていることが広 ひろ く知 し られている。ハーレーのエンジンは典型 てんけい 的 てき な低 てい 回転 かいてん 高 だか トルク型 がた の設計 せっけい で、当時 とうじ の競合 きょうごう 他社 たしゃ の車両 しゃりょう もおおむねハーレーと同様 どうよう の状況 じょうきょう であった。
ホンダ はスーパーカブ が1958年 ねん (昭和 しょうわ 33年 ねん )の発売 はつばい 開始 かいし 時 じ ではOHVであったが、1964年 ねん (昭和 しょうわ 39年 ねん )から排気 はいき 量 りょう ごとで順次 じゅんじ SOHC化 か が実施 じっし され主力 しゅりょく となる50ccモデルは1966年 ねん に変更 へんこう された。また、1977年 ねん にOHVながら4バルブを採用 さいよう したV型 がた 2気筒 きとう エンジンを搭載 とうさい したホンダ・GL400/500 を市販 しはん した。これはキャブレター を内側 うちがわ に追 お い込 こ んでライダーの膝元 ひざもと に余裕 よゆう を持 も たせ、かつ吸排気 はいき を直線 ちょくせん 化 か するために、シリンダー方向 ほうこう をねじる目的 もくてき であえてOHVを採用 さいよう し(ツイステッドOHVと称 しょう している)、このエンジンは最高 さいこう 出力 しゅつりょく を9,000rpmで発生 はっせい し、約 やく 10,000rpmまで回 まわ った。
高 こう 回転 かいてん 指向 しこう でないクルーザー 型 かた オートバイ では、近年 きんねん ではハーレーダビッドソン 社 しゃ の他 ほか にヤマハ発動機 やまははつどうき やカワサキ もV型 がた 2気筒 きとう エンジンを限界 げんかい まで大型 おおがた 化 か するにあたって、エンジン高 だか を抑 おさ えるためにOHVを採用 さいよう している。また、ホンダ からは整備 せいび 事情 じじょう が悪 わる い東南 とうなん アジア・南米 なんべい 諸国 しょこく 向 む けにOHV125ccエンジンを搭載 とうさい したCG125 やXR125Lが現在 げんざい でも販売 はんばい されている。なおスズキ も2003年 ねん から2007年 ねん にかけて製造 せいぞう 販売 はんばい したチョイノリ に専用 せんよう 設計 せっけい のOHV50ccエンジンを採用 さいよう していた。
ライト R-1820 サイクロン 9 航空機 こうくうき 用 よう レシプロエンジンに求 もと められる性能 せいのう は、中 ちゅう 低 てい 回転 かいてん 数 すう 域 いき での高 たか いトルクである。これはプロペラにおいては、先端 せんたん が音速 おんそく に達 たっ すると衝撃波 しょうげきは による効率 こうりつ 低下 ていか が発生 はっせい するため、エンジンの回転 かいてん をプロペラに伝 つた える際 さい に変速 へんそく 機 き を用 もち いて回転 かいてん 数 すう を一定 いってい 以下 いか に抑 おさ える必要 ひつよう があるからである。当然 とうぜん ながらエンジン回転 かいてん 数 すう が高 たか いと変速 へんそく 機 き もより大掛 おおが かりなものとなり、効率 こうりつ が悪 わる い。したがって、前述 ぜんじゅつ された高速 こうそく 回転 かいてん 域 いき におけるOHV特有 とくゆう の問題 もんだい は発生 はっせい し得 え ない。また、空冷 くうれい エンジンではシリンダが直列 ちょくれつ に配置 はいち されることはまれで、特 とく に星 ほし 型 がた エンジン の場合 ばあい は、OHCによるバルブ駆動 くどう は気筒 きとう の数 かず と同数 どうすう のカムシャフトとその駆動 くどう 系 けい とを配 はい することになるため、設計 せっけい として現実 げんじつ 的 てき でない。
弁 べん 機構 きこう にOHVを用 もち いた石油 せきゆ 発動 はつどう 機 き の例 れい
OHVは、同 おな じ排気 はいき 量 りょう のSOHCエンジンと比 くら べて構造 こうぞう が単純 たんじゅん なため整備 せいび しやすく(とはいえSVほどではないが)、軽量 けいりょう ・コンパクトという利点 りてん があり、4ストロークエンジン による自家 じか 発電 はつでん 機 き 、ポンプ 、農耕 のうこう 用 よう 等 とう の汎用 はんよう エンジンといった自動車 じどうしゃ 以外 いがい の用途 ようと では主役 しゅやく の座 ざ を維持 いじ している。しかし、一方 いっぽう で汎用 はんよう エンジン大手 おおて の本田技研工業 ほんだぎけんこうぎょう は2003年 ねん に従来 じゅうらい の同社 どうしゃ のOHVエンジンより軽量 けいりょう コンパクトな SOHCエンジン、GX35 (排気 はいき 量 りょう :35.8cc、主 おも に1インチエンジンポンプ、動力 どうりょく 散布 さんぷ 機 き 、刈 かり 払 ばら い機 き 用 よう )を発表 はっぴょう し、続 つづ いて2005年 ねん にもSOHCのiGX440 (排気 はいき 量 りょう :438cc)を発表 はっぴょう するなど動 どう 弁 べん 機構 きこう をOHV からSOHCに置 お き換 か えている。