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水平対向エンジン - Wikipedia

水平すいへい対向たいこうエンジン

レシプロエンジンの形式けいしきのひとつ

水平すいへい対向たいこうエンジン(すいへいたいこうエンジン、えい: Horizontally-opposed cylinder engine)または水平すいへい対向たいこう機関きかんは、レシプロエンジン形式けいしきひとつで、1ほんクランクシャフトをはさんでシリンダー気筒きとう)を左右さゆう水平すいへい配置はいちし、たいになるピストン同士どうしかならかいうように下降かこうまたは上昇じょうしょうするエンジンである[1]ボクサーエンジン(boxer engine)やフラットエンジン[注釈ちゅうしゃく 1](flat engine、ひらたいエンジン)ともばれる。

ピストンのうごき(6気筒きとう場合ばあい
ひだり: 180Vがたみぎ: ボクサーがた
ボクサーエンジン(うえ)と180Vがたエンジン(した)のアニメーション
ボクサーエンジンの動作どうさ(2気筒きとう

もっと一般いっぱんてき水平すいへい対向たいこうエンジンは、かいうシリンダーどうしでピストンが180位相いそう運動うんどうするボクサーがた[2]である。気筒きとう配置はいち外形がいけいたエンジンとして、左右さゆうかいったシリンダーがクランクピン共有きょうゆうする180Vがたがある(詳細しょうさい後述こうじゅつ)。なお、外観がいかんじょうから水平すいへい対向たいこうエンジンであるか180Vがたエンジンであるかを識別しきべつすることは、きわめて困難こんなんである。

日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく(JIS)は水平すいへい対向たいこう機関きかんを「2れつシリンダーバンク英語えいごばんを、クランクじく両側りょうがわ対向たいこうして配置はいちした機関きかん[3]定義ていぎする(JISB0108-1:1999、番号ばんごう12.10)。国際こくさい標準ひょうじゅん機構きこう(ISO)による定義ていぎ同様どうようである[4]。この定義ていぎはボクサーがたと180Vがた両方りょうほうふくむ。一方いっぽうで、ドイツ工業こうぎょう規格きかく(DIN)は DIN-Norm 1940 において、"Boxermotor" を「2れつのシリンダーが対向たいこうしている1つの平面へいめんないのシリンダー配置はいち。クランクシャフトはシリンダーごとにクランクピンつ。」と定義ていぎしており[5]、この定義ていぎはボクサーがたのみをす。

米国べいこく自動車じどうしゃ技術ぎじゅつしゃ協会きょうかい(SAE International)が出版しゅっぱんしているDictionary of Automotive Engineeringでは以下いかのように用語ようご解説かいせつされている[6]

フラットエンジン(flat engine)
シリンダーが水平面すいへいめんない配置はいちされたエンジン、とく水平すいへい方向ほうこう対向たいこうして配置はいちされたエンジン。
水平すいへい対向たいこうエンジン(horizontally opposed engine)
クランクシャフトの両側りょうがわにシリンダーが水平すいへい配置はいちされているエンジン。
ボクサーエンジン(boxer engine)
水平すいへい対向たいこうエンジンのこと。くだけた表現ひょうげん

180Vがた水平すいへい対向たいこうんでいるれいとしては、フェラーリ自社じしゃの180V12エンジンを「水平すいへい対向たいこう12気筒きとう (12 horizontally opposed cylinders)」と説明せつめいしていたり[7]SUBARU開発かいはつした180V12エンジン英語えいごばんおなじく「水平すいへい対向たいこう12気筒きとう[8]しるしているれいげられる。また、フェラーリが180V12エンジン搭載とうさいしゃである365GT4BB512BBのようにBB(=「ベルリネッタ・ボクサー」)ともちいたれいもある[9]

以下いかほんこうでは、「ボクサーエンジン」と「180Vがたエンジン」とを区別くべつしてび、JIS規格きかくにならいこれらを総称そうしょうして「水平すいへい対向たいこうエンジン」とぶことにする。

名称めいしょう

編集へんしゅう

水平すいへい対向たいこうエンジンの左右さゆう対称たいしょうなピストンのうごきが、ボクシング選手せんしゅがグローブをわせる様子ようすおもわせることからボクサーエンジン (Boxer engine) とばれる[10]。また、2ほんのクランクシャフトのあいだで1シリンダーないのピストン2対向たいこうする「対向たいこうピストンエンジン」と区別くべつするため、対向たいこうシリンダーエンジンともばれる[11]日本語にほんごの「水平すいへい対向たいこうエンジンおよび180°Vがたエンジンの総称そうしょう」に対応たいおうするきたアメリカでの呼称こしょうは「flat engine」(たいらなエンジン)である。富士重工業ふじじゅうこうぎょうげんSUBARU)では水平すいへい対向たいこうエンジンの英訳えいやくとして、レオーネおよびそれ以前いぜんのエンジンにたいして「FLAT-4」をあてていた。そのレガシィ以降いこうは「flat engine」や「BOXER[注釈ちゅうしゃく 2]」を採用さいようしている。

設計せっけい

編集へんしゅう
 
スバルの水平すいへい対向たいこう6気筒きとうエンジンのカットモデル

水平すいへい対向たいこうエンジンの利点りてんは、全長ぜんちょうみじかいこと、重心じゅうしんひくいこと、表面積ひょうめんせきおおきく空冷くうれいてきしていることである。

4気筒きとう以下いかのエンジンでもっと一般いっぱんてきなレイアウトである直列ちょくれつエンジン比較ひかくして、ボクサーエンジンはプライマリー・バランスにすぐれ、その結果けっか振動しんどうすくなくなるが、はばおおきくなり、シリンダー・ヘッドを2つ必要ひつようがあるという欠点けってんがある[注釈ちゅうしゃく 3]。6気筒きとう以上いじょうのエンジンでもっと一般いっぱんてきなレイアウトであるVがたエンジンとの比較ひかくでは、ボクサーエンジンは重心じゅうしんひくく、6気筒きとうではV6エンジンよりもいち振動しんどうすくないが、通常つうじょうはばおおきくなる。

2つのシリンダーで一対いっついとなるため、かなら偶数ぐうすう気筒きとうすうのみとなる。12気筒きとうでは、180Vがたでもいち偶力相殺そうさいできること[注釈ちゅうしゃく 4][13]、また、かいうシリンダーとクランクピンを共用きょうようできるため位相いそうをずらすためのクランクウエブが不要ふようで、クランクシャフトの全長ぜんちょう剛性ごうせいでボクサー構成こうせいよりも有利ゆうりである[14]ことから、あえてボクサー構成こうせい採用さいようする必要ひつようがない。クランクケースうち圧力あつりょく変動へんどう関係かんけいこう回転かいてん有利ゆうりてんでも、180Vがたレイアウトはレースようエンジンによりてきしている[14]

水平すいへい対向たいこう2気筒きとう
おもオートバイ使用しようされる。1960年代ねんだいまでは、小型こがた航空機こうくうき小型車こがたしゃなどでも使用しようされた。
水平すいへい対向たいこう4気筒きとう
もっと一般いっぱんてき用途ようと小型こがた航空機こうくうきようエンジンである。そのいくつかのメーカーの自動車じどうしゃやオートバイにもちいられており、量産りょうさん自動車じどうしゃようでは水冷すいれいのみがのこっている。
水平すいへい対向たいこう6気筒きとう
おも乗用車じょうようしゃ使用しようされるが、オートバイや小型こがた航空機こうくうき飛行船ひこうせん使用しようされることもある。
水平すいへい対向たいこう8気筒きとう
おもに1960年代ねんだいのポルシェのレーシングカーもちいられた。小型こがた航空機こうくうきでも使用しようされる。
水平すいへい対向たいこう10気筒きとう
1960年代ねんだいシボレーでロードカーようのエンジンが試作しさくされたが、生産せいさんいたっていない。180Vがたレイアウトが西にしドイツ戦車せんしゃ使つかわれた。
水平すいへい対向たいこう12気筒きとう
180Vがたレイアウトが1960年代ねんだいと1970年代ねんだい様々さまざまなレーシングカーで使つかわれた。その大型おおがたバスや鉄道てつどう車両しゃりょうでも使つかわれた。
水平すいへい対向たいこう16気筒きとう
1960年代ねんだいから1970年代ねんだいにかけて、コベントリーしゃとポルシェしゃによって、プロトタイプのレーシングカーようエンジンが製造せいぞうされたが、生産せいさんにはいたっていない。

ボクサーがた

編集へんしゅう

水平すいへい対向たいこうエンジンのおおくは、対向たいこうする一対いっついのピストンが同時どうじ内向ないこうきとがいきにうごき、まるでボクシングの選手せんしゅ試合しあいまえにグローブをわせてパンチするようなうごきをする「ボクサー構成こうせい」を採用さいようしている[15]。ボクサーエンジンでは、たいになる気筒きとうあいだのクランクシャフト位相いそうかくを180°(クランクピンが対称たいしょう位置いち)としてピストンとコネクティングロッドじく対称たいしょう動作どうささせる。これによりたい気筒きとう同士どうし振動しんどうしあうため、直列ちょくれつがたなどの形式けいしきエンジンと比較ひかくして格段かくだんてい振動しんどうとなる。そのためボクサーエンジンには、往復おうふくする部品ぶひん重量じゅうりょうわせるためのバランスシャフト[16]クランクシャフトうえのカウンターウエイトが必要ひつようない。しかし、6気筒きとう以下いかのボクサーエンジンの場合ばあい、クランクシャフトに沿ったクランクピンあいだ距離きょりがあり、かく気筒きとう対向たいこうする気筒きとうからわずかにずれているため、ゆらどう偶力振動しんどう)が発生はっせいする[15]

180Vがた

編集へんしゅう
 
フェラーリ・テスタロッサの180Vがた12気筒きとうエンジン

外観がいかんじょうから水平すいへい対向たいこうエンジンであるか180Vがたエンジンであるかを識別しきべつすることはきわめて困難こんなんである[注釈ちゅうしゃく 5]ものの、実際じっさいには内部ないぶ構造こうぞう(クランク・シリンダー形式けいしき)や振動しんどうなどの動作どうさ特性とくせいは「ボクサーエンジン」と「180Vがたエンジン」とではべつのものである。具体ぐたいてき構造こうぞう相違そういてんは、水平すいへい対向たいこう左右さゆうのバンクでたいをなすシリンダーあいだ位相いそうを180ずらしたクランクシャフトを採用さいようするのにたいし、180Vがたでは左右さゆうシリンダーにおけるクランクピンが共通きょうつうどう位相いそう)というてんである。

180Vがたエンジンでは水平すいへい対向たいこうことなり振動しんどう対向たいこうシリンダーのあいだ相殺そうさいすることができないため、片側かたがわバンクのみでいち振動しんどう・偶力振動しんどう相殺そうさいできる8気筒きとうかたバンク4気筒きとう以上いじょう気筒きとうすうでなければ、はげしい振動しんどう発生はっせいする[10]。ただし振動しんどうかんしては水平すいへい対向たいこう同様どうよう対向たいこうシリンダーあいだ相殺そうさいされる。また、気筒きとうすうによってはバンクかくが180だと等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうにならないという短所たんしょがある。

8気筒きとうエンジンにおける180Vがた長所ちょうしょは、振動しんどう特性とくせい良好りょうこうなまま単純たんじゅんなフラットプレーンクランクシャフトを使用しようできるてんである。ただしその場合ばあいは2気筒きとうずつのどうばくとなるため、燃焼ねんしょう間隔かんかく直列ちょくれつ4気筒きとう同等どうとうの180°となる[注釈ちゅうしゃく 6]。90°の等間隔とうかんかくとするためにはクロスプレーンクランクシャフトを使用しようする必要ひつようがあり、発生はっせいする偶力振動しんどう低減ていげんするためのシャフト両端りょうたんのバランスウェイトが90Vがた同様どうようもちいられる。

12気筒きとうエンジンでは、ボクサーがたよりも圧倒的あっとうてきに180Vがたおおい。バランスウェイトのない単純たんじゅんな6クランクピン(120°位相いそう)のクランクシャフトによる180Vがたとした場合ばあいでも、60°の等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうられるとともに、片側かたがわバンクのみで直列ちょくれつ6気筒きとう同様どうよういち振動しんどう振動しんどう・偶力振動しんどうともいがれる。そのため複雑ふくざつながくなる12ピンのクランクシャフトによるボクサーしきとする必要ひつようはなく、180Vがたとすることでながくなりがちな12気筒きとうエンジンの全長ぜんちょう短縮たんしゅくすることが可能かのう[注釈ちゅうしゃく 7]なためである。12気筒きとうでの採用さいようれいとしては、自動車じどうしゃようではフェラーリ市販しはんミッドシップ12気筒きとうモデル[注釈ちゅうしゃく 8]や、レーシングカーようメルセデス・ベンツ・M291エンジン富士重工ふじじゅうこうモトーリ・モデルニ共同きょうどう開発かいはつしたスバル・1235エンジン英語えいごばんがあり、鉄道てつどうしゃ両用りょうようでは日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうDML30けいエンジンがある。

タトラは1932ねんタトラ・T57で4気筒きとう180Vがたエンジンを使用しようした[17]

ボクサーエンジンは、1じくではもっと振動しんどう特性とくせいすぐれたクランク、気筒きとう形式けいしきのエンジンで、しょう気筒きとうすうでもバランスシャフト使用しようすることなく2以上いじょう振動しんどうまで相殺そうさいすることができる。なお、クランクの関係かんけい対向たいこう気筒きとうどう一軸いちじくせんじょうには配置はいちできないことから、2気筒きとうではよわい1偶力振動しんどう(カップリング振動しんどう)が発生はっせいするが、4気筒きとう以上いじょうであれば前後ぜんご気筒きとうあいだしあうことができる[18]

ボクサーエンジンは特別とくべつ細工ざいくなしで等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうとなる[10]。これにたい直列ちょくれつがた[注釈ちゅうしゃく 9]やVがた[注釈ちゅうしゃく 10]のエンジンでは、とく少数しょうすう気筒きとうにおいて等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうてい振動しんどう両立りょうりつできない。

水平すいへい対向たいこうエンジンのクランクシャフトは、とく直列ちょくれつがたエンジンにたいしてはみじかかるくなる。Vがたエンジンにたいしても、上記じょうきのとおりバランスウェイトが不要ふようなため、てい振動しんどうのままクランクシャフトを軽量けいりょうにできる。

水平すいへい対向たいこうエンジンは、どう気筒きとうすうのVがたエンジンにくらべてぜんこうひくくすることができる。またそれにより、エンジン単体たんたいとしてひく重心じゅうしん[注釈ちゅうしゃく 11]実現じつげんできる。

水平すいへい対向たいこうエンジンでは、どう規模きぼ直列ちょくれつエンジンとくらべて空冷くうれい方式ほうしき場合ばあい冷却れいきゃくふうける面積めんせきひろくなる。

欠点けってん

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ボクサーエンジンは直列ちょくれつがたエンジンよりはあきらかに全長ぜんちょうみじかいが、Vがたエンジン(180Vがたふくむ)との比較ひかくでは若干じゃっかんながい。これはVがたエンジンでは同一どういつのクランクピンを左右さゆうバンクで共用きょうようするが、ボクサーエンジンではたいになる気筒きとうのクランクピンは180° 位相いそう独立どくりつしていて、このあいだつなぐクランクウエブのあつみによりクランクシャフトがながくなり、エンジン全長ぜんちょうながくなるためである。

水平すいへい対向たいこうエンジンは全幅ぜんぷくおおきいため、車体しゃたい機体きたいへの搭載とうさい制約せいやくけることがある。このため、車体しゃたい機体きたい重心じゅうしんかならずしもがらないことなど、長所ちょうしょ(エンジン単体たんたいてい重心じゅうしんなど)がかせない場合ばあいがある。ぎゃく全幅ぜんぷくおさえるためにエンジンの設計せっけい制約せいやくされることもある。この影響えいきょうでロングストロークむずかしく、おおくはスクエアがたもしくはショートストロークがたとなってしまうため、昨今さっこんてい燃費ねんぴ重視じゅうしながれでは不利ふりなレイアウトとされる[19]

水平すいへい対向たいこうエンジンでは左右さゆうバンク(気筒きとうれつ)のシリンダーヘッドがエンジンのりょうはしとなり、間隔かんかくはなれる。そのため吸排気はいき燃料ねんりょう供給きょうきゅう点火てんか、吸排気はいきバルブ駆動くどうなどの、燃焼ねんしょうしつふくむシリンダーヘッドへのアクセスが必要ひつよう系統けいとうまわしが煩雑はんざつとなる。とく燃焼ねんしょうにより膨張ぼうちょうしたガスをとおすために吸気きゅうきしてふと配管はいかん必要ひつようとなる排気はいきけいでは影響えいきょうおおきい。

水平すいへい対向たいこうエンジンでは、通常つうじょう吸気きゅうきけいをエンジンの上側うわがわに、排気はいきけいしたがわ配置はいちするため、排気はいきけいまわしによってはエンジン搭載とうさい位置いちたかくなってしまい、エンジン自体じたいてい重心じゅうしんであるという長所ちょうしょそこなうことがある。

水平すいへい対向たいこうエンジンのような水平すいへいシリンダー配置はいち場合ばあいには、シリンダー内面ないめん潤滑じゅんかつ油膜ゆまく上下じょうげ均一きんいつになることによるへん摩耗まもうなど、潤滑じゅんかつ起因きいんする問題もんだいしょうじやすくなる。このため、直列ちょくれつがたなどの形式けいしきよりも設計せっけい製造せいぞう保守ほしゅにおける配慮はいりょ[注釈ちゅうしゃく 12]必要ひつようとなる[注釈ちゅうしゃく 13]

ベアリングのかず

編集へんしゅう

水平すいへい対向たいこう4気筒きとう場合ばあいクランクシャフトささえるベアリングかずはいくつかバリエーションがある。かつてのフォルクスワーゲン・タイプ1れいではベアリングはりょうはし中央ちゅうおうの3つであった。スバルでも過去かこEAエンジンは3ベアリングであった。スバルのEJエンジン直列ちょくれつ4気筒きとうおなじくベアリングは5つである。ちなみに、より一般いっぱんてき直列ちょくれつ4気筒きとうエンジンの場合ばあいは、設計せっけいふるいものでりょうはし中間ちゅうかんの3つ、それ以降いこうりょうはしかく気筒きとうあいだ合計ごうけい5つというれいおおい。またVがた4気筒きとう場合ばあいは、りょうはし中間ちゅうかん合計ごうけい3つである。

かつてのF1カー フェラーリ・312B搭載とうさいされた180Vがた12気筒きとうエンジンでは、ベアリングはりょうはしの2つとかたバンク2気筒きとうき1つの合計ごうけい4つであった。

自動車じどうしゃよう(オートバイふくむ)

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水平すいへい対向たいこうエンジンのてい全高ぜんこうかつこう全幅ぜんぷくという形状けいじょうよんりんしゃ車体しゃたい構造こうぞうにとっては基本きほんてきこのましい。四輪よんりんしゃでは、エンジンルームのたかさは極力きょくりょくおさえるべきものであるのにたいし、はばかんしてはトレッド(車輪しゃりん左右さゆう間隔かんかく)やキャビン(乗員じょういん空間くうかん)の確保かくほのために、エンジンはばにかかわりなくある程度ていどおおきく必要ひつようがある。つまりよんりんしゃのエンジンルームの空間くうかんは、水平すいへい対向たいこうエンジンにより有効ゆうこう活用かつようできる。とくに、こう回転かいてんがたたて気筒きとうエンジンをひく幅広はばひろなボディに搭載とうさいすることがおおいスポーツカーにおいては、水平すいへい対向たいこうエンジンのメリットはおおきい。こう回転かいてんがたのエンジンはおのずとショートストロークがたとなり、こう回転かいてんいき多用たようする都合つごう振動しんどう特性とくせいのよさがもとめられるからである。またひく幅広はばひろなボディは、てい全高ぜんこうこう全幅ぜんぷく水平すいへい対向たいこうエンジンとの相性あいしょうがよい。スポーツカーは量産りょうさん実用じつようしゃ比較ひかくすれば燃費ねんぴ性能せいのうはいガス性能せいのうきびしくもとめられないことも、水平すいへい対向たいこうエンジンにとって有利ゆうりてんであるといえる。また大衆たいしゅうしゃにおいても、軽量けいりょうしょう気筒きとうすうでもてい振動しんどうであることや冷却れいきゃくせいのよさなどから、1960年代ねんだいごろまでは空冷くうれい水平すいへい対向たいこうエンジンがこのんでもちいられた。

しかし気筒きとう配置はいちにかかわらずエンジン振動しんどう低減ていげんする技術ぎじゅつ進歩しんぽよこきエンジンFFレイアウト一般いっぱんてい燃費ねんぴ要求ようきゅうによるロングストロークはいガス対策たいさくによる排気はいきけい複雑ふくざつなど、上記じょうき水平すいへい対向たいこうエンジンの「長所ちょうしょ」をよわめ「短所たんしょ」をつよめるような環境かんきょう変化へんかおおく、自動車じどうしゃへの採用さいようっている。そのうえとく日本にっぽんでは全高ぜんこう・エンジンルームだかともにたか乗用車じょうようしゃ一般いっぱんしてきたため、このてんでも水平すいへい対向たいこうエンジンの利点りてんうすれている。

てい重心じゅうしん水平すいへい対向たいこうエンジンにより、車両しゃりょう重心じゅうしんぎゃくたかくなるとする意見いけんがある。実際じっさい自動車じどうしゃ搭載とうさいする場合ばあい水平すいへい対向たいこうエンジンは全幅ぜんぷくおおきく、しかもクランクシャフトのたかさあるいはそれより下部かぶしたがわカムシャフトなど)で最大さいだいはばとなる。このため、ひく位置いちにある部品ぶひん(ステアリングけいやサスペンションけいなど)との干渉かんしょうけるためにエンジンをたか位置いち搭載とうさいすると、おもトランスミッションなどの搭載とうさい位置いちもクランクシャフトのたかさにわせる必要ひつようがあるため、車両しゃりょう全体ぜんたい形式けいしきエンジンよりてい重心じゅうしん実現じつげんできるとはかぎらない。したがって、水平すいへい対向たいこうエンジンの長所ちょうしょ最大限さいだいげんかすためには、前述ぜんじゅつした問題もんだいてん考慮こうりょれた車体しゃたい設計せっけい必要ひつようになる。

ストローク(行程こうてい)をばすとエンジン本体ほんたいよこはばおおきくなり、たてきの場合ばあい車体しゃたいはばひろげる必要ひつようがある。車体しゃたいはばには制限せいげんがあるため、トルクをしやすいロングストロークエンジンがつくりにくくなる。そのため、水平すいへい対向たいこうエンジンではショートストロークエンジンが主流しゅりゅうである。

かつて4気筒きとうボクサーエンジンの独特どくとく排気はいきおんは、「ボクサーサウンド」としてファンからしたしまれていた。等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうであるかたバンクごとに排気はいきかん集合しゅうごうさせたためにしょうじる排気はいき干渉かんしょうによるおとであり、前側まえがわ2気筒きとうこうがわ2気筒きとうをそれぞれとうちょう排気はいきかん集合しゅうごうさせれば、この排気はいき干渉かんしょう回避かいひできる[注釈ちゅうしゃく 14]。クロスプレーンクランクシャフトのVがた8気筒きとうエンジンでもかたバンクが等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうであり、やはり「V8サウンド」としてファンにしたしまれるが、ボクサーサウンドともちかおとであるといわれる。

ドライブトレインのレイアウト

編集へんしゅう

水平すいへい対向たいこうエンジンは全長ぜんちょうみじかいため、自動車じどうしゃホイールベース外側そとがわいてもオーバーハングを最小限さいしょうげんにすることができる[21]。したがって、水平すいへい対向たいこうエンジンを搭載とうさいするおおくのくるまうしきエンジン・こう駆動くどう配置はいち(RR)を採用さいようしてきた。れい: 2気筒きとうBMW・600(1957ねん - 1959ねん)、BMW・700(1959ねん - 1965ねん); 4気筒きとうタトラ・T97(1936ねん - 1939ねん)、フォルクスワーゲン・ビートル(1938ねん - 2003ねん)、ポルシェ・356(1948ねん - 1965ねん); 6気筒きとうシボレー・コルヴェア(1959ねん - 1969ねん)、ポルシェ・911(1963ねん - 現在げんざい)、タッカー・トーピード(1947ねん - 1948ねん)。

前後ぜんごぎゃくのレイアウトである前置まえおきエンジン・前輪ぜんりん駆動くどう(FF)も水平すいへい対向たいこうエンジン搭載とうさいしゃ一般いっぱんてきであった。れいとして、シトロエン・2CV(1948ねん - 1990ねん)、パナール・ディナX(1961ねん - 1970ねん)、シトロエン・GS(1970ねん - 1986ねん)、アルファロメオ・アルファスッド(1971ねん - 1989ねん)、スバル・レオーネ(1971ねん - 1994ねん)がある。

SUBARUは1972ねんから水平すいへい対向たいこうエンジン(ほとんどは4気筒きとう)で駆動くどうする前置まえおきエンジン・4りん駆動くどう配置はいちくるま生産せいさんしている。れいとして、スバル・レオーネ(1971ねん - 1994ねん)、スバル・レガシィ(1989ねん - 現在げんざい)、スバル・インプレッサ(1992ねん - 現在げんざい)などがある。まえのハーフシャフトは、ギアボックスの一部いちぶであるフロントデフからている。リアドライブシャフトがギアボックスとリアのハーフシャフトを連結れんけつする。

伝統でんとうてき前置まえおきエンジン・こう駆動くどう配置はいち(FR)は水平すいへい対向たいこうエンジン搭載とうさいしゃでは比較的ひかくてきめずらしいが、トヨタ・86/スバル・BRZ(2012ねん - 現在げんざい)、ジョエット・ジャベリン英語えいごばん(1947ねん - 1953ねん)、グラース・イザール英語えいごばん(1958ねん - 1965ねん)、タトラ・T11英語えいごばん(1923ねん - 1927ねん)などがある。

フォルクスワーゲンせい空冷くうれい英語えいごばん水平すいへい対向たいこう4気筒きとうエンジン
スバル・FA20水平すいへい対向たいこう4気筒きとうエンジン

最初さいしょのボクサーエンジンは1897ねんにドイツじん技師ぎしカール・ベンツによって生産せいさんされた[22][23]Kontraエンジンとばれたこのエンジンは水平すいへい対向たいこう2気筒きとう設計せっけいであった。自動車じどうしゃにボクサーエンジンが採用さいようされた初期しょきれいとしては、1900ねんランチェスター・8 hpフェートン英語えいごばん水平すいへい対向たいこう2気筒きとう、1901ねんウィルソン-ピルチャー英語えいごばん水平すいへい対向たいこう4気筒きとう[24]、1904ねんのウィルソン-ピルチャー18/24 HP水平すいへい対向たいこう6気筒きとう、1903ねんフォード・モデルA、1904ねんフォード・モデルC英語えいごばん、1905ねんフォード・モデルF英語えいごばんなどがある[25]

1938ねんフォルクスワーゲン・ビートル当時とうじは "KdF-Wagen "とばれていた)は、リアに水平すいへい対向たいこう4気筒きとうエンジンを搭載とうさいして発売はつばいされた。このフォルクスワーゲンの空冷くうれいエンジン長年ながねんにわたって生産せいさんされ、フォルクスワーゲン・タイプ2(トランスポーター、コンビ、マイクロバス)、スポーツカーのフォルクスワーゲン・カルマンギア、コンパクトカーのフォルクスワーゲン・タイプ3にも搭載とうさいされた。1982ねんにはヴァッサーボクサー英語えいごばん(Wasserboxer)とばれる水冷すいれいしき登場とうじょうし、やがて空冷くうれいしきってかわった。

その最初さいしょくるまから、ポルシェの歴史れきしとおして、スポーツカーの大半たいはんがボクサーエンジンを搭載とうさいしている。1948-1965ねんポルシェ・356空冷くうれいしき水平すいへい対向たいこう4気筒きとうエンジンを使用しようしていた。また、1969ねんから1976ねんポルシェ・914、1965ねんから1969ねんポルシェ・912、2016ねんから現在げんざいポルシェ・98ポルシェ・ボクスター/ケイマン(982)水平すいへい対向たいこう4気筒きとうエンジンを採用さいようしている。ポルシェ・911は、1964ねん登場とうじょうから現在げんざいいたるまで、水平すいへい対向たいこう6気筒きとうエンジンのみを使用しようしている。1997ねん、ポルシェ・911は空冷くうれいしきから水冷すいれいしき変更へんこうされた。

ポルシェの水平すいへい対向たいこう8気筒きとうエンジン英語えいごばんは、1962ねんポルシェ・804 F1カーや1968-1971ねんポルシェ・908スポーツカーなど、1960年代ねんだいつうじてさまざまなレーシングカーに搭載とうさいされた。また、1969ねんから1973ねんポルシェ・917スポーツカーよう水平すいへい対向たいこう12気筒きとうエンジンが生産せいさんされた。

シボレーコルヴェアシリーズに空冷くうれい6気筒きとうボクサーエンジンを1960ねんから1969ねんまでのぜん期間きかんにわたって使用しようし、さまざまな用途ようと出力しゅつりょく使用しようしたが、そのなかには量産りょうさんしゃはじめてターボチャージャーを使用しようしたものもあった。

1966ねん登場とうじょうしたスバル・EAがたエンジンは、今日きょう生産せいさんされつづけているSUBARUの4気筒きとうボクサーエンジンのはじまりである[26]。SUBARUのほとんどのモデルは、自然しぜん吸気きゅうきまたはターボチャージャーきの4気筒きとうボクサーエンジンを搭載とうさいしている。1973ねん発売はつばいされたスバル・レオーネクーペの米国べいこくにおける広告こうこくでは、このエンジンは "Quadrozontal"[注釈ちゅうしゃく 15]ばれていた[27]。また、1988ねんから1996ねん、2001ねんから2019ねんまで6気筒きとうボクサーエンジン生産せいさんしていた[28]。2008ねんには、スバル・EEがたエンジン世界せかいはつ乗用車じょうようしゃようディーゼルボクサーエンジンとなった。このエンジンは、コモンレールしき燃料ねんりょう噴射ふんしゃ採用さいようしたターボチャージャーき4気筒きとうボクサーエンジンである[16][29][30][31]

フェラーリは1970年代ねんだい、さまざまなF1カーに水平すいへい対向たいこう12気筒きとうエンジンを使用しようしていた。公道こうどう走行そうこうしゃよう水平すいへい対向たいこう12気筒きとうエンジン(180V12構成こうせい採用さいよう)は、1973ねんから1984ねんフェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー、1984ねんから1996ねんフェラーリ・テスタロッサとその派生はせいモデルに採用さいようされた[32]

トヨタでは、トヨタ・86/スバル・BRZのトヨタブランドしゃ搭載とうさいされている4気筒きとうボクサーエンジンを「トヨタ4U-GSE」とんでいるが、これは実際じっさいにはスバルが設計せっけい製造せいぞうしたスバル・FA20がたエンジンである[15]

搭載とうさい車種しゃしゅ

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2019ねん時点じてんでボクサーエンジンを搭載とうさいした4りんしゃ生産せいさんしている企業きぎょうは、SUBARU[注釈ちゅうしゃく 16]いすゞ自動車ずじどうしゃおよびサーブ・オートモービルOEM供給きょうきゅうされていた製品せいひん[注釈ちゅうしゃく 17]と、トヨタ自動車とよたじどうしゃとの共同きょうどう開発かいはつしゃ[注釈ちゅうしゃく 18]ふくむ)およびポルシェの2しゃのみである。両社りょうしゃ市販しはん4りんしゃようのボクサーエンジンを長年ながねんにわたり生産せいさんつづけている。

オートバイではBMWツュンダップをはじめ、その亜流ありゅうふくめてすうしゃがボクサーエンジンを生産せいさんしていたが、開発かいはつつづけているのはBMWBMWモトラッド)、本田技研工業ほんだぎけんこうぎょう(ホンダ)、ウラルモト (IMZ)、長江ながえモーターワークスのみとなっている。

 
BMW R 50のエンジン
 
BMW 7シリーズエンジン
 
スバルの水平すいへい対向たいこうディーゼルエンジン

(アルファベットじゅん

過去かこ搭載とうさい車種しゃしゅ
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スバル・アルシオーネSVXもちい3.3L水平すいへい対向たいこう6気筒きとうエンジン
 
日野自動車ひのじどうしゃRA900P搭載とうさいされていた水平すいへい対向たいこう12気筒きとうエンジン

(アルファベットじゅん

モータースポーツ

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スポーツカーレースにおいて、とくにポルシェが水平すいへい対向たいこうエンジンで活躍かつやくしたことでられる。ポルシェ・917956/962CWSC95911 GT1といった伝説でんせつスポーツプロトタイプはいずれも水平すいへい対向たいこうエンジンである。グループCカー規定きてい当初とうしょからグラウンド・エフェクトを容認ようにんしていたが、956・962Cはたてきの水平すいへい対向たいこう6気筒きとうターボエンジンを前下まえさがりに傾斜けいしゃ搭載とうさいすることによって、床下ゆかしたでダウンフォースをるためのディフューザー形状けいじょう水平すいへい対向たいこうエンジンによるてい重心じゅうしんとを両立りょうりつし、効率こうりつのよいはやさをていた。一方いっぽうでデザインじょう制約せいやくから、そらりょく性能せいのうはVがたエンジンぜいいちゆずった。2014ねんにポルシェがル・マンのプロトタイプクラスに復帰ふっきしたさい水平すいへい対向たいこうではなくVがた4気筒きとう採用さいようしている。

メルセデス・ベンツC291において180Vがた12気筒きとうのM291エンジンをポルシェ956・962C同様どうよう傾斜けいしゃ搭載とうさいしたが、水平すいへい対向たいこうエンジンを熟知じゅくちするポルシェのような信頼しんらいせいられず、成功せいこうをおさめることなく撤退てったいした。

F1のエンジンとしても、かつてポルシェフェラーリアルファロメオなどが水平すいへい対向たいこうエンジンを開発かいはつしていた。とくにフェラーリの180Vがた12気筒きとうエンジンは、ドライバーズタイトルやコンストラクターズタイトルを獲得かくとくするなど、てい重心じゅうしんかし成功せいこうおさめたといえる。しかしグラウンド・エフェクト・カー時代じだいになると、ダウンフォース[注釈ちゅうしゃく 19]をよりおおるために車体しゃたい底面ていめん空気くうきながれる空間くうかんひろ確保かくほすることが重要じゅうようされて、エンジン左右さゆう空間くうかんてき余裕よゆうがあって有利ゆうりなVがたエンジンにたいして、ひく位置いちはばひろ水平すいへい対向たいこうエンジンはすたれていった。車体しゃたい底面ていめん形状けいじょう制約せいやくしたフラットボトム規制きせい以降いこうの1990ねん平成へいせい2ねん)に、スバルとモトーリ・モデルニが提携ていけいして180Vがた12気筒きとうエンジン供給きょうきゅうしたこともあるが、パワーも信頼しんらいせい供給きょうきゅうさきチーム資金しきん不足ふそくするなかで、予備よび予選よせんすら通過つうかできないままシーズン途中とちゅう撤退てったいした。2000ねん平成へいせい12ねん)からF1のエンジンはレギュレーションでVがたエンジン統一とういつされたが、そのまえからF1のそらりょく処理しょり車体しゃたい後部こうぶ左右さゆうしぼんでおこなうのが肝要かんようとなっており、かり参加さんかゆるされていたとしても、そらりょくじょう制約せいやくおおきい水平すいへい対向たいこうエンジンにかつてのような成功せいこう期待きたいできない環境かんきょうにあった。

1980年代ねんだいダカール・ラリーではりん部門ぶもんBMWよんりん部門ぶもんでポルシェが活躍かつやくし、1984ねんにはりょう部門ぶもん水平すいへい対向たいこうエンジンしゃ制覇せいはした[33]

日本にっぽんにおけるナショナルフォーミュラーカテゴリーFJ1600(1980~2009ねん)では、乗用車じょうようしゃけとしては生産せいさん終了しゅうりょうして以降いこうEA71がた使用しようしており、スバルもこのレースのためだけにサポートをつづけていた。

市販しはんしゃをベースとするGT/ツーリングカーレースラリーなどでは、現在げんざいでもポルシェやスバルの水平すいへい対向たいこうエンジンしゃ国際こくさいてき活躍かつやくつづけている。

鉄道てつどうしゃ両用りょうよう

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日本にっぽん

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国鉄こくてつキハ183けい気動車きどうしゃのDML30HSI: 180°Vがた12気筒きとうディーゼルエンジン

鉄道てつどう車両しゃりょうとく気動車きどうしゃにおいては、直列ちょくれつエンジンの場合ばあいにはシリンダーをかせた横型よこがたディーゼルエンジン主流しゅりゅうとなってきている[注釈ちゅうしゃく 20]。そのため、水平すいへい対向たいこうエンジンはクランクシャフトのぎゃくがわにシリンダーを増設ぞうせつしたこう出力しゅつりょくばんという位置いちづけで開発かいはつされていた。なお、気動車きどうしゃにおいて横型よこがた主流しゅりゅうである理由りゆうは、レールと車体しゃたいだいわくあいだせま空間くうかんにエンジンをおさめなければならないこと、たてがたでは上向うわむきにシリンダーヘッドが位置いちし、客室きゃくしつゆかめんにメンテナンスホールをもうけなければならないため防音ぼうおんじょう不利ふりであることの2つである。ともに水平すいへい対向たいこうエンジンであれば問題もんだいはない。

国鉄こくてつはじめての特急とっきゅうがた気動車きどうしゃキハ80けいには、当時とうじ標準ひょうじゅんエンジンだったDMH17H直列ちょくれつ8気筒きとう燃焼ねんしょうしつしき、180馬力ばりき)が1りょう最大さいだい2搭載とうさいされた[注釈ちゅうしゃく 21]。この構成こうせいでは最大さいだいでも1りょうあたり360馬力ばりきにとどまり、特急とっきゅうようとしては力不足ちからぶそくであった。そこで新型しんがた気動車きどうしゃ試作しさく開発かいはつに、500馬力ばりきのターボき30リットル180°Vがた12気筒きとう水平すいへい対向たいこうエンジンDML30HSA開発かいはつされ、キハ91かたちはつ搭載とうさいされた。直列ちょくれつ6気筒きとうDMF15HZ[注釈ちゅうしゃく 22]を1搭載とうさいしたキハ90かたちとの比較ひかく試験しけん結果けっか、DML30HSの1搭載とうさい有利ゆうりであるとされ、その特急とっきゅうがた急行きゅうこうがた気動車きどうしゃにはDML30HSけいエンジンが搭載とうさいされた。

国鉄こくてつ民営みんえいのちになると、直接ちょくせつ噴射ふんしゃインタークーラー装着そうちゃくしたDML30HZ(660馬力ばりき)を搭載とうさいしたキハ183けい最後さいごに、水平すいへい対向たいこうエンジンの採用さいようられた。民営みんえい前後ぜんこうからは小型こがた軽量けいりょうだか出力しゅつりょく直列ちょくれつ6気筒きとうエンジン[注釈ちゅうしゃく 23]主流しゅりゅうとなっており、DML30けいなどの従来じゅうらいがたエンジンからかわそうした車両しゃりょうおおい。

日本にっぽん国外こくがい

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スイス国鉄こくてつBDm2/4かたち気動車きどうしゃに、水平すいへい対向たいこう4気筒きとうで294kWを発生はっせいするGebrüder Sulzerせいの4ZG14がたエンジンが搭載とうさいされていたことがある。

搭載とうさい気動車きどうしゃ

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  • DML30HS/HZけい
  • 4ZG14がた
    • BDm2/4がた(スイス国鉄こくてつ

航空こうくうよう

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現代げんだい小型こがた飛行機ひこうき装備そうびする航空こうくうようレシプロエンジンは、冷却れいきゃく特性とくせいのよさや振動しんどうすくなさから、ほとんどすべて空冷くうれい水平すいへい対向たいこうがたである。エンジンのパーツナンバーには対向たいこうがた (Opposed) をあらわすO-がく。飛行機ひこうきのほかにロビンソン・ヘリコプターしゃせいピストンエンジンヘリコプターにも採用さいようされている。

そらのF1」ともばれるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズでは、ぜんチームにおな規格きかく空冷くうれい水平すいへい対向たいこう6気筒きとうエンジンの使用しよう義務付ぎむづけられている。

おもなエンジンメーカー

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 直列ちょくれつエンジンをよこかせて設置せっちしたものをフラットエンジンとんでいることがあるので注意ちゅういようする。
  2. ^ SUBARUの登録とうろく商標しょうひょうであるが、それ以前いぜんマツダが「MAZDA BOXER」の商標しょうひょう所有しょゆうしていたため、富士重工ふじじゅうこう特許庁とっきょちょうたいして「MAZDA BOXER」の商標しょうひょうしをもとめ、同社どうしゃが「BOXER」を使用しようできるようになったのは2004ねん平成へいせい16ねん)2がつ以降いこうである[12]
  3. ^ 航空こうくうようエンジンではとく欠点けってんとはならない。
  4. ^ 両方りょうほうのバンクが直列ちょくれつ6気筒きとう同等どうとう構成こうせいとなるため。
  5. ^ 左右さゆうのシリンダれつじく方向ほうこうのズレりょうが、180Vがた共有きょうゆうしたクランクピンないのコンロッド1ほんぶんのズレ)はボクサーがた共有きょうゆうできないクランクピンあいだのクランクウェブとうあつみがコンロッド1ほんぶんくわわったズレ)よりもちいさいことを外観がいかん識別しきべつできれば、不可能ふかのうではない。
  6. ^ 4のピストンが同時どうじうえてんたっするため。ちなみに90Vがた8気筒きとうでは、クランクシャフトがフラットプレーンでもクロスプレーンでも90°の等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうにできる。
  7. ^ ただし全幅ぜんぷくおさえるとう目的もくてきショートストロークかたとする場合ばあいには、ボアみち増大ぞうだいによりシリンダーピッチ(気筒きとう間隔かんかく)がながくなり、180Vがたでもクランクシャフトはみじかくできずに重量じゅうりょう軽減けいげんのみとなることもありうる。
  8. ^ 365GT4BBからF512Mまで。
  9. ^ 直列ちょくれつ2気筒きとう4ストロークエンジンにおいて、360°クランク(2つの気筒きとうのクランクピンの位相いそうおなじ)では等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうになるが1振動しんどう発生はっせいし、180°クランク(2つの気筒きとうのクランクピンがじく対称たいしょう位置いち)では1振動しんどうせるが等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうとなり偶力もおおきい。水平すいへい対向たいこう2気筒きとうでは、直列ちょくれつ2気筒きとうちゅうの1気筒きとうをクランクシャフト中心ちゅうしんで180° 移動いどうさせて180° クランクを使用しようするかたちであり、等間隔とうかんかく燃焼ねんしょう振動しんどう相殺そうさい両立りょうりつされる。このかんがかたはそのまま任意にんい気筒きとうすう水平すいへい対向たいこうエンジンに拡張かくちょうできる。
  10. ^ 気筒きとうすうやバンクかくによっては、クランクピンをりょうバンクで共有きょうゆうしたままでは等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうとなり、位相いそうクランクをもちいて等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうとすると振動しんどう特性とくせい悪化あっかする場合ばあいがある。
  11. ^ おおくの量産りょうさんエンジンにDOHCマルチバルブ可変かへんバルブタイミングちょく噴化など、シリンダーヘッド周辺しゅうへん重量じゅうりょう増加ぞうかする機構きこう採用さいようされるようになってきたため、直列ちょくれつがたやVがたエンジンの重心じゅうしんたかくなっている。これにたい水平すいへい対向たいこうエンジンでは、クランクシャフトとほぼおなたかさにシリンダーヘッドがあり、これらの機構きこう採用さいようしても静的せいてき重心じゅうしんたかくならない。
  12. ^ つつないあつ解析かいせき、ボアにたいするピストンピンオフセット、ピストンスカートプロフィールの最適さいてき形状けいじょうなど動的どうてきなシミュレーション技術ぎじゅつ利用りようなど
  13. ^ 国鉄こくてつがディーゼル機関きかんしゃ使用しようしていたたてがたのDMF31けいエンジンを気動車きどうしゃよう水平すいへいシリンダーしたエンジンの開発かいはつすすめたが、だいみちシリンダーの水平すいへい配置はいちという特殊とくしゅ構造こうぞうのために潤滑じゅんかつけい問題もんだい発生はっせいしたことなどで開発かいはつ難航なんこうして、結局けっきょく実用じつようされなかった[20]。なおこの経験けいけんは、その開発かいはつ実用じつようされた180°Vがたエンジンの潤滑じゅんかつ設計せっけいなどにかされている。
  14. ^ なおボクサーエンジンであっても6気筒きとうエンジンの場合ばあいは、かたバンク3気筒きとうがクランクかく240°ごとの等間隔とうかんかく燃焼ねんしょうであり、かたバンクごとに排気はいきかん集合しゅうごうしても干渉かんしょうしない。
  15. ^ "Quad"(よん-)+ "hydro"(すい-)+ "horizontal"(水平すいへいの)のかばん
  16. ^ a b 同社どうしゃの2017ねん3がつ31にちまでの正式せいしき社名しゃめい富士重工業ふじじゅうこうぎょうだった。
  17. ^ 前者ぜんしゃジェミネットIIアスカ2代目だいめ)、後者こうしゃ9-2X該当がいとうする。
  18. ^ トヨタ自動車とよたじどうしゃとの共同きょうどう開発かいはつしゃとしてはスバルのBRZと、その姉妹しまいしゃであるトヨタ・86該当がいとうする。
  19. ^ はやはしるためにタイヤを路面ろめんしつけることに利用りようする、車体しゃたい周囲しゅういながれる空気くうきによる下向したむきのちから。この時代じだい当初とうしょ飛行機ひこうきつばさ裏返うらがえしたような断面だんめんのサイドポンツーンで下向したむきの揚力ようりょく発生はっせいさせているようにもみられたが、実際じっさいには車体しゃたい底面ていめん路面ろめんとのあいだ構成こうせいされたベンチュリうち高速こうそく気流きりゅうによってあつしょうじさせて、車体しゃたい路面ろめんかせていた。
  20. ^ 鉄道てつどう車両しゃりょうむけ直列ちょくれつエンジンでも床上ゆかうえ搭載とうさい可能かのう機関きかんしゃにおいては潤滑じゅんかつ有利ゆうりたてがた主流しゅりゅうである。気動車きどうしゃでも技術ぎじゅつてき観点かんてんから黎明れいめいにはたてがたエンジンの採用さいようれいがあったように、横型よこがただけでたてがたのものが皆無かいむというわけではないが、近年きんねんてい重心じゅうしんていゆかのニーズがたかまっているため、横型よこがたへの要求ようきゅうつよい。
  21. ^ 当初とうしょしん開発かいはつDMF31HS直列ちょくれつ6気筒きとう横型よこがた搭載とうさい目論もくろまれていたが、不具合ふぐあいおお解決かいけつまで時間じかんがかかるとして変更へんこうされた。
  22. ^ どう時期じきにDML30HSけいかたバンク6気筒きとうぶんをなくした直列ちょくれつ6気筒きとう派生はせいエンジンDMF15けい並行へいこう開発かいはつされており、キハ90かたちには300馬力ばりきのインタークーラーターボ仕様しよう搭載とうさいされた。DMF15けい次世代じせだい特急とっきゅうがた気動車きどうしゃようエンジンにはならなかったものの、車載しゃさい発電はつでんようや、デチューンされたうえキハ40けい気動車きどうしゃ駆動くどうようとして車両しゃりょう搭載とうさいされることとなった。
  23. ^ あたらしい直列ちょくれつ6気筒きとうエンジンは、特急とっきゅうがた気動車きどうしゃではキハ185けい以降いこう新型しんがたしゃから採用さいよう直接ちょくせつ噴射ふんしゃしきインタークーラーターボきで排気はいきりょう11 - 15リットルきゅう、330 - 460馬力ばりき程度ていどで、1りょうあたり2搭載とうさいした車両しゃりょうおおい。なお大柄おおがらな180°Vがた12気筒きとうのDML30けいエンジンでは、2搭載とうさいはほぼ不可能ふかのうである。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • モーターファン・イラストレーテッド: 水平すいへい対向たいこうエンジンのテクノロジー」だい20かん三栄書房さんえいしょぼう、2008ねん5がつ15にちISBN 978-4779604102 

関連かんれん項目こうもく

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