キリマンジャロ

キリマンジャロ Kilimanjaro
キリマンジャロ（タンザニア側がわより）
標高ひょうこう	5,895 m
所在地しょざいち	タンザニア キリマンジャロ州しゅう
位置いち	南緯なんい3度ど04分ふん00秒びょう 東経とうけい37度ど21分ふん00秒びょう
山系さんけい	独立どくりつ峰ほう
種類しゅるい	成層せいそう火山かざん
初はつ登頂とうちょう	ハンス・メイヤー
キリマンジャロ キリマンジャロの位置いち（タンザニア） キリマンジャロ キリマンジャロの位置いち（アフリカ）
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プロジェクト 山やま

キリマンジャロ（スワヒリ語ご: Kilimanjaro） はタンザニア北東ほくとう部ぶにある山やまで、標高ひょうこう5,895m。アフリカ大陸たいりくの最高峰さいこうほう。山やま域いきがキリマンジャロ国立こくりつ公園こうえんに指定していされている。山脈さんみゃくに属ぞくさない独立どくりつ峰ほうとしては世界一せかいいちの高たかさを誇ほこる。

概要がいよう

キボ峰ほうの氷こおり冠かんむり
（上うえ：1993年ねん、下した：2000年ねん）

2009年ねん12月の航空こうくう写真しゃしん

東南とうなん約やく50km、南北なんぼく30kmに広ひろがった成層せいそう火山かざんである。西にしからシラ峰ほう(Shira、3962m)、キボ峰ほう(Kibo、5895m) 、マウエンジ峰ほう(Mawenzi、5149m）の3つから成なる。南東なんとう部ぶには巨大きょだいなカルデラがある。中央ちゅうおうにあるキボ峰ほうが最高峰さいこうほうで、頂上ちょうじょうはスワヒリ語ごで「自由じゆう」を意味いみするウフル（Uhuru）と呼よばれている。これは1961年ねんのタンザニア独立どくりつを記念きねんして命名めいめいされたもので、ここにはタンザニア初代しょだい大統領だいとうりょうジュリウス・ニエレレの言葉ことばが刻きざまれたレリーフがある。キボ峰ほうからガスが出でていることがあり、2003年ねんの調査ちょうさでマグマは頂上ちょうじょうから400mの深ふかさにあると推定すいていされた。約やく100万まん年ねん前まえに噴火ふんかが始はじまり、約やく36万まん年ねん前まえに大だい規模きぼな噴火ふんかが終息しゅうそくしたと推定すいていされる。最近さいきんの火山かざん活動かつどうは200年ねん前まえに記録きろくされている。

赤道あかみち付近ふきんにもかかわらず、キボ峰ほうの頭頂とうちょう部ぶには、20世紀せいき後期こうきまでレブマン氷河ひょうがなどの巨大きょだいな氷河ひょうがが存在そんざいしていた。近年きんねんは気候きこう変動へんどう（降水こうすい量りょうの減少げんしょうなど）にともなって規模きぼが極端きょくたんに縮小しゅくしょうしているが、とはいえ、現在げんざいでも年間ねんかんを通とおして氷雪ひょうせつを見みることができる。しかし、1970年代ねんだいに比くらべて2002年ねんには氷河ひょうがは半分はんぶん以下いかになってしまい、国連こくれん環境かんきょう計画けいかくによれば「2020年ねんまでに完全かんぜんに消滅しょうめつする可能かのう性せいがある」（2008年ねん6月がつ）とされている。。この要因よういんについては、地球ちきゅう温暖おんだん化かの影響えいきょうによるものだという説せつと、そうではなく、降雪こうせつ量りょうの減少げんしょうとともに常つねに山頂さんちょう近ちかくの気温きおんが氷点下ひょうてんかとなっているため、山頂さんちょう部ぶの氷こおりが直接ちょくせつ昇華しょうかしてしまい消きえていくといった地域ちいき的てきな要因よういんによるものだという説せつがあり、原因げんいんがはっきりと確定かくていしているわけではない。

キリマンジャロの「キリマ（kilima）」はスワヒリ語ごで「山やま」、「ンジャロ（njaro）」はチャガ語かたりで「白しろさ」であり、全体ぜんたいとして「白しろく輝かがやく山やま」を意味いみするというのが通説つうせつだが、実じつは正確せいかくな語源ごげんははっきりしていない。3つの峰みねの名前なまえもチャガ語ごに由来ゆらいするといわれているが、こちらも語源ごげんについても諸説しょせつ挙あげられている。また、マサイ人じんはこの山やまをンガジェンガ（神かみの家いえ）と呼よぶ。

キリマンジャロは、アフリカ大だい地溝ちこう帯たいの中なかに位置いちし、東ひがしリフト・バレーに属ぞくする。赤道あかみちからは350km南みなみに位置いちし、タンザニアの首都しゅとダルエスサラームからは500km北西ほくせいに位置いちする。キリマンジャロは独立どくりつ峰ほうであるが、南西なんせい70kmの地点ちてんに4562mのメルー山さんがある。また、南東なんとうの方向ほうこうには標高ひょうこう2463mのパーレ山脈さんみゃくや、それに続つづくウサンバラ山地さんちがあり、インド洋いんどようへと続つづいている。北きた麓ふもとにはタンザニアとケニアの国境こっきょう線せんが走はしっており、200km北きた北西ほくせいにはケニアの首都しゅとナイロビがある。

山やま全体ぜんたいがキリマンジャロ州しゅうに属ぞくする。キリマンジャロ周辺しゅうへんには適度てきどな雨あめがあり、またキリマンジャロの雪解ゆきどけ水すいなどもあるため、南みなみのタンザニア側がわにパンガニ川がわ、北きたのケニア側がわにツァボ川がわなどが流ながれ出だしている。

キリマンジャロは標高ひょうこうが高たかいため高山たかやま気候きこうとなり、標高ひょうこうによって植生しょくせいが違ちがい、山頂さんちょう部ぶには氷河ひょうがが存在そんざいする。山麓さんろくの標高ひょうこう1000mから1900mまではサバナであり、コーヒーなどのプランテーションや農地のうちが拓ひらかれている。その上うえ、3000mまでは森林地帯しんりんちたいであり、降雨こうう量りょうも最もっとも多おおい。ほぼ3000mで森林しんりん限界げんかいとなり、ここで樹林じゅりん帯たいは途切とぎれて草地くさちやまばらな低木ていぼくが広ひろがるようになる。4400mで植生しょくせいの限界げんかいとなり、これ以上いじょうは砂礫されきや岩石がんせきのみが広ひろがる。5500m以上いじょうは氷雪ひょうせつ地帯ちたいであり、氷河ひょうがが広ひろがる。氷河期ひょうがきには氷河ひょうがの先端せんたんは3660m地点ちてんにまで達たっしていた。

歴史れきし

1847年ねん、ケニアの東海岸ひがしかいがんで布教ふきょうをしていたヨハン・ルートヴィヒ・クラプフ、ヤーコプ・エアハルト、ヨハネス・レブマンの三さん人にんのドイツ人じん宣教師せんきょうしは、内陸ないりく部ぶに頂上ちょうじょうが銀ぎんでおおわれた高たかい山やまがあることを聞きいた。この話はなしに興味きょうみを持もった3人にんは内陸ないりく部ぶに調査ちょうさに出でかけることにし、3人にんのうちのレブマンが内陸ないりく部ぶへと向むかった。1848年ねん5月11日にち、レブマンは内陸ないりく部ぶのチャガ人じんの土地とちで、頂上ちょうじょうが白しろくおおわれた高山こうざんを「発見はっけん」する。海岸かいがんに戻もどったレブマンはヨーロッパにこの高山こうざんのことを報告ほうこくしたが、頂上ちょうじょうが雪ゆきに覆おおわれているというレブマンの報告ほうこくは、熱帯ねったいに雪ゆきが存在そんざいするはずがないというヨーロッパの地理ちり学者がくしゃの受うけ入いれるところとはならなかった。

ヨーロッパ人じんによる登頂とうちょうの試こころみは、ドイツ人じん将校しょうこうカール・クラウス・フォン・デア・デッケンとイギリス人じんの若わかい地質ちしつ学者がくしゃリチャード・ソーントンによる1861年ねんのものが最初さいしょであるが、彼かれらは8200フィート（2500m）の地点ちてんまでしか到達とうたつできなかった。1862年ねんには、フォン・デア・デッケンはオットー・ケルステンとともに再度さいどの挑戦ちょうせんを行おこない、14000フィート（4280m）の地点ちてんまで到達とうたつした 。

ヨーロッパ列強れっきょうによるアフリカ分割ぶんかつが進すすんでいくとキリマンジャロはイギリス植民しょくみん地ち領りょう（現在げんざいのケニア）とドイツ領りょうタンガニーカの境界きょうかい線せんに位置いちするにようになったが、後のちに、アフリカ最高峰さいこうほうだと知しったドイツ皇帝こうていヴィルヘルム2世せいは、イギリスに国境こっきょう線せんの変更へんこうを要求ようきゅうする。結局けっきょく、その要求ようきゅうは受うけ入いれられ、1885年ねんのベルリン会議かいぎにおいてこの地域ちいきはヴィルヘルム2世せいの誕生たんじょう日びのプレゼントとしてイギリスからドイツへと割譲かつじょうされた。このため、当初とうしょ直線ちょくせんだった国境こっきょうは、キリマンジャロ付近ふきんで大おおきくケニア側がわに湾曲わんきょくした線せんになっており、山麓さんろく部分ぶぶんも含ふくめた山やま体たいすべてがタンザニア領りょうとなっている。

1887年ねんにはドイツ人じん地質ちしつ学者がくしゃハンス・メイヤーが登頂とうちょうを試こころみ、キボ峰ほうのふもとにまで達たっしたが、キボ峰ほうの雪ゆきや氷こおりに対処たいしょする装備そうびを持もっておらず、引ひき返かえすことを余儀よぎなくされた。翌年よくねんの1888年ねん、メイヤーは地図ちず製作せいさく者しゃのオスカー・バウマンとともに再ふたたび登頂とうちょうを目指めざしたが、タンガニーカ海岸かいがん部ぶで勃発ぼっぱつしたアブシリの乱らんによって中止ちゅうしを余儀よぎなくされた。二人ふたりは反乱はんらん軍ぐんに捕とらえられ、1万まんルピーの身代金みのしろきんを支払しはらうまで解放かいほうされなかった 。1889年ねん、メイヤーはオーストリア人じんの登山とざん家かLudwig Purtschellerとともに3度目どめの登頂とうちょうを目指めざした。この一いち行ぎょうは2人ふたりの地元じもと首長しゅちょうと9人にんのポーター、コック、ガイドからなっていた。モンバサから徒歩とほではじめたこの試こころみは、あらかじめ各地かくちに食糧しょくりょう供給きょうきゅう用ようのキャンプを設置せっちしておいたことからうまくいった。二人ふたりは凍こおった斜面しゃめんを登のぼった後のち、10月3日にちに火口かこうの縁えんに到達とうたつし、10月6日にちにキボ峰ほうの頂点ちょうてんに到達とうたつした。

1900年ねんごろからは南みなみ麓ふもとでチャガ人じんがコーヒー栽培さいばいを開始かいしし、1921年ねんには海岸かいがんのタンガ港みなとから南みなみ麓ふもとのモシまで鉄道てつどうが開通かいつうした。これによってキリマンジャロ地方ちほうの開発かいはつが進展しんてんし、モシはコーヒーの集散しゅうさん地ちとして都市とし化かしていった。

1973年ねんに山やま域いきの一部いちぶ、75,575haがキリマンジャロ国立こくりつ公園こうえんに指定していされ、1987年ねんにキリマンジャロ山さん域いきを含ふくむキリマンジャロ国立こくりつ公園こうえんが、世界せかい遺産いさんに登録とうろくされた。

産業さんぎょう

キリマンジャロはタンザニア有数ゆうすうの観光かんこう資源しげんであり、多おおくの登山とざん客きゃくが訪おとずれる。2004年ねんには年間ねんかん35000人にんが登山とざんを試こころみた。

また、この山やまの南みなみ麓ふもとに住すむチャガ人じんは勤勉きんべんな農民のうみんとして知しられ、1900年ねんごろからコーヒーの栽培さいばいを開始かいし。キリマンジャロから灌漑かんがい水路すいろを引ひくことで安定あんていした生産せいさんを可能かのうにし、1932年ねんには協同きょうどう組合くみあい「キリマンジャロ原住民げんじゅうみん共同きょうどう組合くみあい連合れんごう会かい」を組織そしきして品質ひんしつの維持いじに努つとめた結果けっか、南みなみ麓ふもとで栽培さいばいされるコーヒーはコーヒー豆まめの銘柄めいがら「キリマンジャロ」としてブランド化かし、高たかい評価ひょうかを得えるようになった。これにより、南みなみ麓ふもとのモシは都市としとして発展はってんするようになり、農産物のうさんぶつの集散しゅうさん地ちや観光かんこうの拠点きょてんとなっている。キリマンジャロ山麓さんろくは適度てきどな降雨こううに恵めぐまれ土地とちも肥沃ひよくであるため、タンザニアでも特とくに人口じんこう密度みつどの高たかい地域ちいきとなっている。山麓さんろくではコーヒーに限かぎらず、バナナやサイザル麻あさ、トウモロコシなども盛さかんに栽培さいばいされており、タンザニア有数ゆうすうの肥沃ひよくな農業のうぎょう地帯ちたいとなっている。トウモロコシとコーヒーは生育せいいく条件じょうけんが全まったく違ちがうため、コーヒーは標高ひょうこうの高たかい土地とちで、トウモロコシは標高ひょうこうの低ひくい土地とちで栽培さいばいされるが、陰かげ樹じゅであるコーヒーと大おおきく成長せいちょうするバナナとは共存きょうぞんできるため、この地域ちいきの小しょう農民のうみんはまずバナナを育そだて、この木陰こかげで商品しょうひん作物さくもつとして現金げんきん収入しゅうにゅうをもたらすコーヒーを栽培さいばいし、さらにその根元ねもとでイモ類るいや豆類まめるいなどを栽培さいばいし、自給じきゅう用よう作物さくもつと商品しょうひん作物さくもつを同おなじ畑はたけで同時どうじに栽培さいばいしている。これらの小しょう農民のうみんのコーヒー畑はたけは標高ひょうこうの高たかい土地とちにあり、コーヒー豆まめの風味ふうみに定評ていひょうがある一方いっぽう、それよりやや低ひくい土地とちには外国がいこく人じんなどによる大だい規模きぼコーヒー園えんが広ひろがっている。コーヒーの風味ふうみには1日にちの気温きおん差さが重要じゅうようであるため、このコーヒー園えんにおけるコーヒーの評価ひょうかはやや低ひくい。キリマンジャロ産さんのコーヒーの最大さいだい消費しょうひ者しゃは日本にっぽんであり、特とくに高こう品質ひんしつの豆まめの多おおくは日本にっぽんへと輸入ゆにゅうされる。

アクセス

実じつはタンザニアからよりも、ケニア側がわの北きた麓ふもとにあるアンボセリ国立こくりつ公園こうえんからのほうが、キリマンジャロの山裾やますその全容ぜんようを綺麗きれいに見みることができる。

キリマンジャロ登山とざんを目指めざす場合ばあい、キリマンジャロ麓ふもとの町まち、モシまたはアルーシャへ。両方りょうほうの町まちには、ナイロビ、モンバサ、ダルエスサラームから定期ていきバスがでている。

アルーシャとモシの間あいだあたりにキリマンジャロ国際こくさい空港くうこうがあり、ナイロビ、モンバサ、ダルエスサラーム、さらにはフランクフルトやアムステルダムなどから定期ていき便びんがでている。またアルーシャにはより小規模しょうきぼなアルーシャ空港くうこうがあり、ザンジバル国際こくさい空港くうこうなどからの定期ていき便びんがある。

登山とざん方法ほうほう

大陸たいりく最高峰さいこうほうの中なかでは登山とざんがしやすい山やまであり、登山とざんルートも整備せいびされているため、登山とざん家かでなくても健常けんじょう者しゃで万全ばんぜんの準備じゅんびがあれば、山頂さんちょうまでの登山とざんを楽たのしむことができる。このため世界中せかいじゅうから多おおくの観光かんこう客きゃくが登山とざんを楽たのしむためにキリマンジャロを訪おとずれ、多おおいときは月つきに1,000人にん近ちかくが山頂さんちょうを目指めざしている。しかし、登山とざんが容易よういであるとはいっても標高ひょうこう5000mを超こえる世界せかい有数ゆうすうの高峰こうほうであることには変かわりなく、高山病こうざんびょうや事故じこにより、毎年まいとし数すう名めいの死者ししゃがでている。

キリマンジャロには雨季うきと乾季かんきがあり、登山とざんのベストシーズンは乾季かんきに当あたる12月から3月がつと、7月がつから9月がつである。

キリマンジャロ登山とざんには、現地げんち人じんガイド同行どうこうが義務付ぎむづけられている。ほとんどの場合ばあい、ガイド・ポーター・コックが付随ふずいするツアーに参加さんかするようである。また登山とざん用品ようひんは現地げんちで借かりることも可能かのう。また、キリマンジャロ山さんは全体ぜんたいがキリマンジャロ国立こくりつ公園こうえんに指定していされているため、登山とざんには指定していの入園にゅうえん料りょうがかかる。2005年ねんまでは入園にゅうえん料りょうは30アメリカドルであったが、同年どうねんキリマンジャロ国立こくりつ公園こうえんを管理かんりするタンザニア国立こくりつ公園こうえん公社こうしゃ（TANAPA)が入園にゅうえん料りょうを倍額ばいがくの60ドルに設定せっていし、観光かんこう業界ぎょうかいを中心ちゅうしんに大だい論争ろんそうが巻まき起おこった。2012年ねん現在げんざいも、入園にゅうえん料りょうは60ドルとなっている。

登山とざんルート

ルート	特徴とくちょう	日数にっすう	長ながさ
ノーザン・サーキット	北西ほくせい部ぶ山麓さんろくのロンドロッシ村むら（2250m）が起点きてん。キリマンジャロで最もっとも最近さいきん開発かいはつされた登山とざんルートである。山やまの北側きたがわ全域ぜんいきを走はしる非常ひじょうに長ながいルートであるため時間じかんがかかり、利用りよう者しゃは非常ひじょうに少すくない。北側きたがわ山麓さんろくをめぐるため、ルート全体ぜんたいにわたって素晴すばらしい眺望ちょうぼうに恵めぐまれる。	9	90 km (55.9 mi)
レモショ	西部せいぶ山麓さんろくのレモショ村むらが起点きてん。長ながい登山とざん道どうのため利用りよう者しゃは少すくない。美うつくしい森もりの中なかを通とおる。山麓さんろくを横切よこぎりバラフ・ハットへと向むかう風光ふうこう明媚めいびなルートが分岐ぶんきする。徐々じょじょに高度こうどを上あげていくため馴化じゅんかに最適さいてきである。	8 (-1)	56 km (34.8 mi)
マチャメ	南西なんせい部ぶ山麓さんろくのマチャメ村むら（1800m）が起点きてん。２番目ばんめに人気にんきのあるルートである。美うつくしい森もりの中なかを走はしるルートで、馴化じゅんかにとても適てきしている。山麓さんろくを横切よこぎりバラフ・ハットへと向むかう風光ふうこう明媚めいびなルートが分岐ぶんきする。	7 (-1)	49 km (30.4 mi)
マラング	南東なんとう部ぶ山麓さんろくのマラング村むら(1,700m)が起点きてん。最もっとも人気にんきのあるルートである。4700m地点ちてんまでの長ながい区間くかんは勾配こうばいがゆるやかであり、基本きほん的てきな設備せつびももっとも整ととのっている。美うつくしい森林しんりんやムーアの中なかを走はしるルート。6日間にちかんの日程にっていは馴化じゅんかには程ほどよい期間きかんである。	6 (-1)	64 km (39.8 mi)
ロンガイ	北東ほくとう部ぶ山麓さんろくからのルート。長ながい登山とざん道どうで、利用りよう者しゃも少すくない。あまり手しゅを加くわえられておらず、眺ながめも良よくなくキャンプ地ちも少すくないが、馴化じゅんかには適てきしている。	6	65 km (40.4 mi)
ウンブウェ	南部なんぶ山麓さんろくのウンブウェ村むら(1,800m)が起点きてん。最もっとも短みじかいルートであるが、急きゅう勾配こうばいで難所なんしょが続つづき、登頂とうちょうにはかなりの体力たいりょくが必要ひつようとなる。美うつくしい森もりや険けわしい尾根おねを通とおるルート。山麓さんろくを横切よこぎりバラフ・ハットへと向むかう風光ふうこう明媚めいびなルートが分岐ぶんきする。馴化じゅんかには向むいていない。危険きけんなルートである。	6 (-1)	37 km (23 mi)

グーグルアースによるルートマップはこのようになっている。 登山とざんルートは、主要しゅようなものは上記じょうきのノーザン・サーキット・ルート、レモショ・ルート、マチャメ・ルート、マラング・ルート、ロンガイ・ルート、ウンブウェ・ルートの6本ほんで、他たにシラ・ルートや、下山げざん専用せんようのムウェカ・ルートがある。

マラング・ルート(別名べつめいコカ・コーラルート：コカコーラが売うられているから、またはコカコーラを売うっている程ほど、整備せいびされた登のぼりやすいルートという意味いみ)が比較的ひかくてき簡単かんたんで、山頂さんちょうまで最短さいたん(それでも最低さいてい4泊はく5日にちかかるが)のルート。登山とざん者しゃが最もっとも多おおい。次つぎに登山とざん客きゃくが多おおいのはマチャメ・ルート（別名べつめいウィスキー・ルート）である。

マラング・ルート概要がいよう

マラング・ゲート

ホロンボ・キャンプサイト

奥おく、キボ峰ほう

氷河ひょうが(山頂さんちょう)

Kilimanjaro

第だい1日にち目め

モシまたはアルージャから車くるまで、マラングゲート(1,700m)へ。ここで入山にゅうざん手続てつづきを行おこなう。昼前ひるまえから、登山とざん開始かいしする。ジャングルの中なかを進すすむ。途中とちゅう昼食ちゅうしょくを取とり、ゲートから3～4時じ間あいだで、マンダラ・キャンプサイト(2,740m)に到着とうちゃく。マンダラ・キャンプサイトで宿泊しゅくはく。

第だい2日にち目め

朝あさ出発しゅっぱつ。ジャングルを抜ぬけて、草原そうげん地帯ちたいに入はいる。ジャイアント・セネシオなど独特どくとくの植物しょくぶつを見みることができる。昼食ちゅうしょくを挟はさみ、5～7時じ間あいだで、ホロンボ・キャンプサイト(3,700m)へ。ホロンボ・キャンプサイトで宿泊しゅくはく。高山病こうざんびょうの心配しんぱいがある場合ばあい、ここで2泊はくすることも可能かのう。

第だい3日にち目め

朝あさ出発しゅっぱつ。LAST-WATERの看板かんばんを抜ぬけると完全かんぜんに植物しょくぶつの姿すがたは無なくなり、砂漠さばくを進すすむ。昼食ちゅうしょくを挟はさみ、5～7時じ間あいだで、キボ・キャンプサイト(4,700m)。早はやめの夕食ゆうしょくを取とり、仮眠かみんをとる。

第だい4日にち目め

深夜しんや零れい時じ、山頂さんちょうへ向むけ出発しゅっぱつ。4～7時じ間あいだで、キボ峰ほうのカルデラの淵ふちであるギルマンズ・ポイント(5,681m)に着つく。ここで日ひの出でを迎むかえる。体力たいりょくと時間じかんがあれば、ここから1時じ間あいだでウフル・ピーク(5,895m)。途中とちゅう、氷河ひょうがの壮大そうだいな風景ふうけいを楽たのしむことができる。登頂とうちょう後ご、一気いっきにホロンボ・キャンプサイトへ下くだる。ホロンボ・キャンプサイトで宿泊しゅくはく。

第だい5日にち目め

朝あさ出発しゅっぱつ。5～7時じ間あいだで、マラングゲートへ戻もどる。

映画えいが・文学ぶんがく

アーネスト・ヘミングウェイは、1936年ねん、キリマンジャロを舞台ぶたいにした小説しょうせつ『キリマンジャロの雪ゆき』（原題げんだい:The Snows of Kilimanjaro）を発表はっぴょうした。

1952年ねんには映画えいが化かされた（監督かんとく:ヘンリー・キング、主演しゅえん:グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、スーザン・ヘイワード）。

関連かんれん項目こうもく

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