マダバ

マダバ Madaba مدينة مادبا
県けん都と
マダバの街まち
印章いんしょう
マダバ Madaba ヨルダン内ないの位置いち
北緯ほくい31度ど43分ふん 東経とうけい35度ど48分ふん
国くに	ヨルダン
行政ぎょうせい区画くかく	マダバ県けん
成立せいりつ	1921年ねん
面積めんせき
• 県けん都と	39.440 km2
• 都市とし圏けん	100 km2
人口じんこう （2004）
• 県けん都と	65,000人にん
• 都市とし圏けん	83,180人にん
等ひとし時とき帯おび	UTC+2 (UTC+2)
• 夏時間なつじかん	UTC+3 (UTC+3)
市外しがい局番きょくばん	+(962)5
ウェブサイト	http://www.madabacity.gov.jo

マダバ（مادبا, Madaba）はヨルダン西部せいぶの都市としでマダバ県けんの県けん都と。首都しゅとアンマンの南西なんせい35km、死し海うみの東ひがしの台だい地上ちじょうに位置いちする。人口じんこうは約やく60,000人にんでヨルダンでは第だい5位い。

東ひがしロろーマ帝国まていこく時代じだいおよびウマイヤ朝あさ時代じだいのモザイクが残のこることで知しられており、特とくに東ひがしロろーマ帝国まていこく時代じだいのパレスチナおよびナイル川がわデルタを描えがいた、モザイクでできた大おおきな地図ちず（マダバ地図ちず）が有名ゆうめい。

歴史れきし

マダバ周辺しゅうへんには新しん石器せっき時代じだい以来いらい人じんが住すみ続つづけた。マダバの街まちは青銅器せいどうき時代じだい中期ちゅうきに遡さかのぼり、かつてはモアブの境さかいにある町まちで、旧約きゅうやく聖書せいしょの民みん数すう記き21章しょう30節せつおよびヨシュア記き13章しょう9節せつでは「メデバ」の名なで登場とうじょうする。

ナバテア王国おうこくの支配しはい下かにあったマダバは106年ねんにロろーマ帝国まていこくに支配しはいされアラビア属ぞく州しゅうに編入へんにゅうされ、7世紀せいきまで東ひがしロろーマ帝国まていこくにより統治とうちされた。その後ごはイスラム帝国ていこくおよびウマイヤ朝あさの統治とうちするパレスチナの一部いちぶとなった。

マダバのキリスト教徒きりすときょうと共同きょうどう体たいや司教しきょうに関かんする最古さいこの言及げんきゅうは、451年ねんのカルケドン公こう会議かいぎの記録きろくの中なかにみられる。この地方ちほうの主しゅ都とボストラの大司教だいしきょうのコンスタンティンは、「メダベニ」（Medabeni）司教しきょうガイアノに代かわり署名しょめいを行おこなっているが、このメダベニが現在げんざいのマダバにあたる。

746年ねんの大だい地震じしんで破壊はかいされその後ごは再建さいけんされず廃墟はいきょとなったが、1880年ねんに2人ふたりのイタリア人じん司祭しさいに率ひきいられた90家族かぞくのアラブ人じんキリスト教徒きりすときょうとがカラクからこの地ちに移うつり住すみ、以後いご、現代げんだいのマダバの街まちが古代こだいの町まちの跡あとに築きずかれていった。また廃墟はいきょの中なかからモザイクなどが発見はっけんされ、乏とぼしい文献ぶんけん資料しりょうを補おぎなう考古学こうこがく的てき発見はっけんが続つづいた。1897年ねんの時点じてんで10カ所かしょの教会きょうかいの跡あとがあったが、現在げんざいでは拡大かくだいした市街地しがいちの中なかに取とり込こまれてしまっている。

遺物いぶつの発見はっけん

マダバの考古学こうこがく公園こうえんのヒッポリュトス・ホール

正教会せいきょうかいの聖せいゲオルギウス聖堂せいどう（地図ちずの教会きょうかい）から見みつかったモザイク地図ちずの一部いちぶ。聖きよし都とエルサレムの部分ぶぶん

モザイクは最初さいしょ、偶然ぐうぜんに発見はっけんされた。19世紀せいき末まつ、新あらたにマダバに移住いじゅうした人々ひとびとが家いえを作つくろうとして古代こだいの廃墟はいきょから切石きりいしを運はこび出だしていた際さいに、床ゆかを飾かざっていたモザイクが出現しゅつげんした。マダバの新しん住民じゅうみん達たちは、司祭しさいらからモザイクの重要じゅうよう性せいを教おしえられ、以後いご見みつかったモザイクは全すべて丁寧ていねいに保存ほぞんされた。

1896年ねん、モザイクでできた古代こだいエジプト・パレスチナの地図ちず、いわゆる「マダバ地図ちず」が発見はっけんされ、1年ねん後ごにその成果せいかが出版しゅっぱんされた。この発見はっけんは古代こだい世界せかいの地理ちりに関かんする貴重きちょうな資料しりょうとして各国かっこくの学者がくしゃの関心かんしんを集あつめ、モザイクの保存ほぞんと発見はっけんに情熱じょうねつを注そそいだジュゼッペ・マンフレディ（Giuseppe Manfredi）の熱意ねついを受うけ継ついだ住民じゅうみんにも誇ほこりを与あたえた。マダバはヨルダンにおける「モザイクの都と」となっており、モザイクは観光かんこうの目玉めだまにもなっている。

市しの北側きたがわは古代こだいのモザイクが集中しゅうちゅうする地域ちいきである。東ひがしロろーマ帝国まていこくおよびウマイヤ朝あさの時期じき、現在げんざいの市街地しがいちの北きた半分はんぶんにはローマ街道かいどうにつながる列れつ柱ばしら道路どうろが直交ちょっこうし、「地図ちずの教会きょうかい」、ヒッポリュトスの邸宅ていたく、聖母せいぼマリアの教会きょうかい、預言よげん者しゃエリヤの教会きょうかいと地下ちか聖堂せいどう、聖せい殉教者じゅんきょうしゃ教会きょうかい（アル＝ハディル Al-Khadir）、「焼やけた宮殿きゅうでん」などが建たっていた。

マダバのモザイク地図ちずは6世紀せいきのパレスチナ・エジプト地方ちほうの様々さまざまな地名ちめいを記載きさいした地図ちずで、正教会せいきょうかいの聖きよしゲオルギウスのバシリカの床ゆかを飾かざっていた。2百ひゃく万まん個この石いしのかけらでできたモザイクは、パレスチナの丘おかや谷たに、町まちや村むらを表あらわしている。また東ひがしローマ時代じだいのエルサレムを表現ひょうげんした現存げんそんする最古さいこの地図ちずでもある。街まちの横よこに「聖せいなる街まち」と書かかれ、6世紀せいき当時とうじのエルサレムのランドマーク、例たとえば列れつ柱ばしらが並ならび店てんが連つらなる南北なんぼくの大通おおどおり（カルド・マクシムス）や、聖せい墳墓ふんぼ教会きょうかいなどがはっきりと描えがかれている。この地図ちずは、70年ねんのエルサレム攻囲こうい戦せんで一旦いったん破壊はかいされた後のち、135年ねんに終おわったバル・コクバの乱らん後のちに再建さいけんされたエルサレムの姿すがたについての研究けんきゅうを進すすめる重要じゅうような資料しりょうとなった。

その他たのモザイクの名品めいひんは聖母せいぼ教会きょうかい、使徒しと教会きょうかい、考古学こうこがく博物館はくぶつかんなどにあり、花はなや植物しょくぶつ、鳥とりや魚さかな、動物どうぶつやその他た珍めずらしい獣ししの豊ゆたかな描写びょうしゃ、神話しんわの風景ふうけい、狩かり・釣つり・農耕のうこうなどの日常にちじょうの営いとなみなどが描えがき出だされている。さらに5世紀せいきから7世紀せいきにかけてのモザイクがマダバの町中まちなかから発見はっけんされ保存ほぞんされている。

宗教しゅうきょう

市民しみんの半分はんぶん以上いじょうはムスリムだが、ヨルダンに住すむキリスト教徒きりすときょうとの多おおくがマダバに住すみ、市民しみんの35%から40%はキリスト教徒きりすときょうとである。市内しないには多おおくの教会きょうかいがある。

開発かいはつ

マダバは新設しんせつ大学だいがくの予定よてい地ちに選えらばれ、旧きゅう市街しがいから遠とおくない場所ばしょに新あたらしい住宅じゅうたく群ぐんの建設けんせつが進すすんでいる。またクウェートの会社かいしゃがマダバに新あたらしく作つくられるオフィスビルに出資しゅっししている。

ギャラリー

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  モザイクがある聖せいゲオルギウス教会きょうかいの内部ないぶ
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  モザイクを見みる人々ひとびと
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  正教会せいきょうかいの聖せいゲオルギウス聖堂せいどう（地図ちずの教会きょうかい）
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  正教会せいきょうかいの聖堂せいどう内ないのモザイク地図ちず

外部がいぶリンク

• The Madaba Mosaic Map