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エリヤ

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エリヤヘブライ: אליהו‎, ギリシア: Ηλίας, 英語えいご: Elijahエリアイリアイリヤとも表記ひょうきされる)は、旧約きゅうやく聖書せいしょ登場とうじょうする預言よげんしゃ。「エリヤ」とはヘブライで「יהוה(ヤハウェ)はかみなり」の[1]

れつおう』にえ、バアル崇拝すうはいへの熱心ねっしん反対はんたいしゃ、יהוה(ヤハウェ信仰しんこう守護しゅごしゃとしてえがかれる。新約しんやく聖書せいしょヨハネによる福音ふくいんしょ』では、旧約きゅうやく聖書せいしょ代表だいひょうする預言よげんしゃとして言及げんきゅうされる[2]イスラームきょうにおいてはイルヤース (إلياس) としてクルアーン記述きじゅつされる預言よげんしゃ

旧約きゅうやく聖書せいしょのエリヤ

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「エリヤ」Elijah), 1638,ホセ・デ・リベーラさく

はじめギレアデのテシベ(ティシュベ)にみ、アハブイスラエル王国おうこくおうであったとき、預言よげん活動かつどう開始かいしした[3]。エリヤがサマリヤ地方ちほうってヨルダン東岸とうがんのケリテがわのほとりにさんねんすんだあいだ王国おうこくにはあめがなく、飢饉ききんはげしかった[4]。エリヤはイスラエルにもどると、アハブにもとめて「バアルの預言よげんしゃ450にん、アシラの預言よげんしゃ4ひゃくにんイゼベル食卓しょくたく食事しょくじするものたち」[5]との競争きょうそうおこなった。バアルの預言よげんしゃたちとエリヤはカルメルさん祭壇さいだんきずいて、それぞれのかみいのったところ、バアルからはなんこたえもく、エリヤのかみヤハウェ)のみがてんかららせるという奇跡きせきをなした。直後ちょくごにエリヤはバアルの預言よげんしゃとらえるよう指示しじし、バアルの預言よげんしゃたちはとらえられて処刑しょけいされた[6]

そのときおもくだって燔祭と、たきぎと、いしと、ちりとをきつくし、またみぞのみずをなめつくした。みんみなて、ひれしてった、「あるじかみである。あるじかみである」。エリヤはかれらにった、「バアルの預言よげんしゃとらえよ。そのひとりもがしてはならない」。そこでかれらをとらえたので、エリヤはかれらをキションがわれくだって、そこでかれらをころした。 — れつおうおさむじょう18しょう38せつから40せつ口語こうごやく

そののちあめったが、これをいたイゼベルはいかり、エリヤはイゼベルのいかりをけて、ユダのベエルシバ(ベエルシェバ)へのがれたのち、ホレブさんかくした[7]。ホレブさんヤーウェ言葉ことばけたのち、エリヤはホレブをった。その言葉ことばとは、ダマスコスのハザエルをシリアおうに、エヒウをイスラエルのおうに、エリシャ自分じぶん後継こうけいしゃとなる預言よげんしゃとしてそれぞれにあぶらそそいのちであった[8]。ホレブさんりたエリヤはエリシャとい、これを後継こうけいしゃとした。

アハブがエズレルのひとナボテのぶどうはたけ不当ふとうほっし、イゼベルが無実むじつつみせてナボテを殺害さつがいしたとき、エリヤはアハブにい、アハブが不当ふとうにナボテのはたけったことをめるかみ言葉ことばつたえて、アハブとそのいえほろびると預言よげんした[9]。アハブはいたため、わざわいがアハブの直接ちょくせつおよばず、そのだいくだるとの預言よげんがエリヤにくだった[10]。のちにエリヤはつむじかぜっててんげられ、エリシャはエリヤがうま戦車せんしゃっててんのぼるのを[11]二人ふたりはのち二度にどわなかった。

シリヤのハザエルはエリシャとってその預言よげんいたのちおうベネハダデを殺害さつがいして王位おういうば[12]、エヒウはエリシャにあぶらそそがれたのち叛乱はんらんしてアハブのヨラムより王位おういうばってイスラエルのおうとなった[13]

ユダヤきょうではモーセ以後いご最大さいだい預言よげんしゃとみなされた。

新約しんやく聖書せいしょのエリヤ

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イエス・キリストの変容へんようさい、エリヤはモーセとならんでイエスのはたにあったものとしてかれていることにも[14]、その位置いちづけのおおきさがうかがわれる。エリヤの聖書せいしょ記載きさいされていないことから、1世紀せいき当時とうじ、エリヤが再来さいらいするとの伝承でんしょうがあったことが、新約しんやく聖書せいしょなどからられる。洗礼せんれいしゃヨハネイエス・キリストも、一部いちぶからはエリヤの再来さいらいとみなされたようである[15]。これはメシア預言よげんふくあわして、きたるべき救世主きゅうせいしゅ再来さいらいげるものとされた。福音ふくいんしょ洗礼せんれいしゃヨハネをこれに比定ひていしてかれている。

十字架じゅうじかじょうのキリストの最後さいごの7つの言葉ことばのうちだいよん言葉ことばが、見物人けんぶつにんにはエリヤをんでいると誤解ごかいされた言葉ことばとしてのこる。

そしてさんごろに、イエスは大声おおごえさけんで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」とわれた。それは「わがかみ、わがかみ、どうしてわたしをお見捨みすてになったのですか」という意味いみである。すると、そこにっていたある人々ひとびとが、これをいてった、「あれはエリヤんでいるのだ」。するとすぐ、かれらのうちのひとりがはしって、海綿かいめんり、それにいぶどうしゅふくませてあしぼうにつけ、イエスにませようとした。ほかの人々ひとびとった、「まてて、エリヤかれすくいにるかどうか、ていよう」。 — マタイによる福音ふくいんしょだい27しょうだい46せつ-だい54せつ
そしてさんに、イエスは大声おおごえで、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」とさけばれた。それは「わがかみ、わがかみ、どうしてわたしをお見捨みすてになったのですか」という意味いみである。すると、そばにっていたある人々ひとびとが、これをいてった、「そら、エリヤんでいる」。ひとりのひとはしってき、海綿かいめんいぶどうしゅふくませてあしぼうにつけ、イエスにませようとしてった、「まてて、エリヤかれをおろしにるかどうか、ていよう」。 — マルコによる福音ふくいんしょだい15しょうだい34せつ-だい39せつ

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ELIJAH (a Hebrew name ... - Online Information article about ELIJAH (a Hebrew name ...
  2. ^ ヨハネ1:21ほか
  3. ^ れつじょう17:1-2
  4. ^ れつじょう18:1-2
  5. ^ れつじょう18:19
  6. ^ れつじょう(口語こうごやく)18:20-40
  7. ^ れつじょう18:45,19:1-8
  8. ^ れつじょう19:15-16
  9. ^ れつじょう21:1-24
  10. ^ れつじょう21:27-29
  11. ^ れつ2:11
  12. ^ れつ8:7-15
  13. ^ れつ9:1-29
  14. ^ マタイ17:3ほか
  15. ^ マタイ16:14,17:10

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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