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ハバククしょ

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ハバククから転送てんそう

ハバククしょ』(ヘブライ: ספר חבקוק‎、英語えいご: Book of Habakkuk)は、旧約きゅうやく聖書せいしょヘブライ聖書せいしょちゅういちしょであり、ユダヤきょうでは「預言よげんしゃ」に分類ぶんるいされ、キリスト教きりすときょうでは預言よげんしょじゅうしょう預言よげんしょ)に分類ぶんるいする。じゅうしょう預言よげんしょの8番目ばんめ預言よげんしょ。3しょうからなる。正教会せいきょうかいでは『アワクムしょ』とぶ。

預言よげんしゃハバクク

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著者ちょしゃについての伝記でんきてき情報じょうほう不明ふめい。『ハバククしょ』には「預言よげんしゃ」とのみしるされている[1]文体ぶんたい内容ないようから、エルサレム神殿しんでん所属しょぞくする預言よげんしゃであった可能かのうせい推測すいそくされている。『ハバククしょ』3しょう楽器がっき伴奏ばんそうともな典礼てんれいじょう祈祷きとうとしてかれており、ここからハバククも竪琴たてごととうそうしながら祈祷きとうおこな神殿しんでんきの預言よげんしゃであることが示唆しさされるとする。ハバククは旧約きゅうやく外典げてんの『ダニエルしょ補遺ほい』「ベルとりゅう」の登場とうじょう人物じんぶつでもある[2]。ここではハバククはユダヤの預言よげんしゃとされ、バビロンのライオンの洞窟どうくつにいるダニエルにちょう自然しぜんてき手段しゅだんつかわされ、食事しょくじとどける。

歴史れきしてき文脈ぶんみゃく

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カルデア、すなわちバビロニア脅威きょういとしてえがかれている[3] ことから、ユダ王国おうこく末期まっきかれたと推測すいそくする見解けんかいがある。エホヤキムおう治下ちか紀元前きげんぜん609ねんから紀元前きげんぜん598ねんが、ひとつの可能かのうせいとして想定そうていされうる。エルサレムがバビロニアに攻略こうりゃくされるのは紀元前きげんぜん598ねんである。バビロニアの残酷ざんこくさは直接的ちょくせつてき生々なまなましさをもってえがかれている[4]

主題しゅだい

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『ハバククしょ』はユダヤが直面ちょくめんする民族みんぞくてき困難こんなん増大ぞうだいする時代じだいにあって、疑念ぎねんされてきたかみへの絶対ぜったいてき信頼しんらい能力のうりょく妥当だとうせいという問題もんだいあつかっている。この時代じだい中東ちゅうとうにおいては、かみ絶対ぜったいてき権能けんのうは、それを崇拝すうはいする国家こっか国力こくりょく直接ちょくせつむすけられていた。ユダヤ民族みんぞく衰退すいたいはこれをうたがわしめるものであったが、ハバククは「みん悪行あくぎょうたいするかみいかり」「民族みんぞくによるいかりの執行しっこう」という観点かんてんつことによって、民族みんぞくてき困難こんなんかみへの信頼しんらい両立りょうりつさせる。同時どうじにここには、そのようなほか諸国しょこくにも威力いりょくおよぼすかみ絶対ぜったいせい将来しょうらい救済きゅうさい、「いかりのうちにもあわれみをわすれぬかみ[5] という観念かんねんがみられる。かみ終極しゅうきょくにおいてその支配しはいけんをあまねくおよぼし、そのみんすくかれらにてきするものをほろぼす[6]。ハバククは、現在げんざいまたちか将来しょうらいユダにのぞかみいかりと、とお待望たいぼうされるかみとの和解わかい救済きゅうさいを、その預言よげんのなかで提示ていじしている。

3しょう冒頭ぼうとうてくる「シグヨノテ(英訳えいやく:Shigionoth)」というフレーズは、しん改訳かいやく聖書せいしょでは「かなしみのうた」とやくされるとちゅうがある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 1:1
  2. ^ ベルとりゅう 33-39
  3. ^ 1:6-11
  4. ^ 1:12-17
  5. ^ 3:2
  6. ^ 3:12-14

関連かんれん項目こうもく

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