エゼキエル書しょ

『エゼキエル書しょ』（エゼキエルしょ ヘブライ語ご: ספר יחזקאל‎）は、旧約きゅうやく聖書せいしょの書物しょもつの一ひとつ。『イザヤ書しょ』、『エレミヤ書しょ』とともに、旧約きゅうやく聖書せいしょ中なかの三さん大だい預言よげん書しょを構成こうせいする。48章しょうからなる。

エゼキエル書しょ.

著者ちょしゃは預言よげん者しゃエゼキエルに帰かえせられている。彼かれは預言よげん者しゃエレミヤよりやや年下とししたであり、エレミヤがほぼエルサレムで預言よげん活動かつどうを行おこなったのに対たいし、バビロンの地ちにおいて捕と囚しゅう民みんの精神せいしん的てき指導しどう者しゃとして預言よげん活動かつどうを行おこなったと考かんがえられる。他たの預言よげん書しょと比較ひかくして、はるかに整然せいぜんと構成こうせいされているように見みえるが、この構成こうせいが預言よげん者しゃ自身じしんによるのか、それとも後代こうだいの編集へんしゅう者しゃによるのかが問題もんだいとされている。ギリシア語ご訳わけはヘブライ語ごテクストよりやや短みじかいので、ある程度ていどの編集へんしゅう過程かていを経へていることはほぼ確実かくじつである。

→「旧約きゅうやく聖書せいしょ § 成立せいりつ過程かてい」も参照さんしょう

エゼキエルの出自しゅつじ・年代ねんだい

おそらくエルサレムのザドク系けい祭司さいしの家系かけい出身しゅっしんである。これは彼かれがエリート階層かいそうに属ぞくしたことを意味いみしている。バビロニアは基本きほん的てきに、征服せいふくした諸国しょこくの指導しどう的てき地位ちいにある人々ひとびとを捕と囚しゅうとして他ほかの地方ちほうに移住いじゅうさせたが、エゼキエルは紀元前きげんぜん597年ねんの第だい1回かいバビロン捕と囚しゅうにおいてヨヤキン（エホヤキン）王おうとともに捕と囚しゅうとされたと考かんがえられる。

エゼキエル書しょの内容ないよう

• エゼキエルは、紀元前きげんぜん597年ねんにイスラエルの民みんらと共ともにバビロンに捕と囚しゅうされたが、その後ご、捕と囚しゅうされた者ものたちに悔くい改あらためと希望きぼうをもたらすために、召命を受うけた。
• エゼキエルが召めされた頃ころは、ユダヤの王国おうこくはまだ完全かんぜんに絶たえておらず、王おうと多おおくの民みんが自分じぶんの土地とちに住すんでいた。しかし、多おおくのイスラエル人じんは預言よげん者しゃの指導しどうを拒否きょひし、預言よげん者しゃに敬意けいいを払はらうこともなかった。数すう年ねんのうちに、神殿しんでんも城壁じょうへきも破壊はかいされ、エルサレムの町まちは焼やかれ、多おおくの民みんがバビロンに捕と囚しゅうされ、残のこった者ものはエジプトに避難ひなんするなどして世界中せかいじゅうに離散りさんした。その結果けっか、約束やくそくの地ちからイスラエル人じんは追おわれ、ユダヤの王国おうこくは滅亡めつぼうした。このことは神かみがイスラエルを守まもることができなかったから起おこったのではなく、イスラエルを救すくうことができたのにもかかわらず、神かみ自身じしんがイスラエルの中なかの邪悪じゃあくに対たいし、その当然とうぜんの結果けっかがもたらされることを選えらんだから起おこったのだという内容ないようが記載きさいされている。
• エゼキエル書しょには神かみの怒いかりと共ともに、悔くい改あらためて神かみに立たち帰かえる者ものには回復かいふくが与あたえられるという希望きぼうも書かかれている。

関連かんれん項目こうもく

• エゼキエル
• 古代こだい宇宙うちゅう飛行ひこう士し説せつ