トビト記き

『トビトとアンナ』レンブラント・ファン・レイン、1626年ねん

『トビト記き』（Book of Tobit）は、捕と囚しゅうの地ちに生いきたトビトの物語ものがたり。『トビト記き』は教派きょうはによって扱あつかいに違ちがいがあり、ユダヤ教きょうでは外典げてんとして扱あつかい、カトリック教会きょうかいと正教会せいきょうかいでは旧約きゅうやく聖書せいしょ続編ぞくへん（または第だい二に正せい典てん）に加くわえている。また、プロテスタントでは聖書せいしょとしてではなく、文学ぶんがくとして扱あつかっている。

物語ものがたり

物語ものがたりは以下いかのようなものである。アッシリア捕と囚しゅうで連つれていかれ、ニネベに暮くらすナフタリ族ぞくのトビトは善行ぜんこうを積つんでおり、ある日ひ、危険きけんを顧かえりみず殺ころされたユダヤ人じんの死体したいを埋葬まいそうした。穢けがれを嫌きらって庭にわで寝ねているとすずめの糞くそが目めにおちて失明しつめいしてしまう。さらにささいなことで妻つまをも疑うたがったことを恥はじ、トビトは死しを願ねがう。同おなじころエクバタナでは、悪魔あくまアスモダイのせいで夫おっとたちが次々つぎつぎに初夜しょやに死しんでしまうことで悩なやむ女性じょせいサラも死しを願ねがっていた。神かみはこれを聞きいて天使てんしラファエルを差さし向むける。その後ご、紆余曲折うよきょくせつを経へて、息子むすこトビアの尽力じんりょくでトビトの目めはみえるようになり、トビアはサラについていた悪魔あくまを追おい出だしてサラと結婚けっこんした。

日本語にほんご訳やく

• 『旧約きゅうやく聖書せいしょ外典げてん（上うえ）』「トビト書とがき」関根せきね正雄まさお訳わけ、講談社こうだんしゃ文芸ぶんげい文庫ぶんこ（1998年ねん）

ギャラリー

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  アントニオ・デル・ポッライオーロ『大だい天使てんしラファエルとトビアス』1465年ねん-1470年ねん頃ごろ サバウダ美術館びじゅつかん所蔵しょぞう
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  アンドレア・デル・ヴェロッキオの工房こうぼう『トビアスと天使てんし』470年ねん–1480年ねん頃ごろ ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵しょぞう
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  チーマ・ダ・コネリアーノ『大だい天使てんしラファエルとトビアス、聖せいニコラウス、聖せいヤコブ』1513年ねん頃ごろ アカデミア美術館びじゅつかん所蔵しょぞう

関連かんれん項目こうもく

• 第だい二に正せい典てん