民みん数すう記き

『民みん数すう記き』（みんすうき、（ヘブライ語ご: במדבר‎、英語えいご: numbers）とは、旧約きゅうやく聖書せいしょ中なかの一いち書しょで、伝統でんとう的てきに四よん番目ばんめに置おかれてきた。モーセ五ご書しょのうちの一いち書しょ。イスラエルの民みんの人口じんこう調査ちょうさに関かんする記述きじゅつがあることから、七なな十じゅう人にん訳やく聖書せいしょでは『アリスモイ』（数かず）（arithmoi）と呼よばれ、そこから民みん数すう記きという名称めいしょうが生うまれた。ヘブライ語ごでは冒頭ぼうとうの語かたりから『ベミドバル』（bemidbar）と呼よばれるが、これは「荒野あらのにて」という意味いみである。

物語ものがたりは出でエジプトの出来事できごとから二に年ねん二にヶ月かげつ後ごに始はじまり、ヨルダン川よるだんがわにたどりつくのが40年ねん目めであるとしている。

内容ないよう

大おおきく分わけて以下いかの三みっつに分わけられる。

1. シナイ山さんにおける人口じんこう調査ちょうさと出発しゅっぱつに至いたるまでの記述きじゅつ、ナジル人じんなど種々しゅじゅの規定きてい（1章しょう〜10章しょう10節せつ）
2. シナイ山さんからモアブにいたる道中どうちゅうの記述きじゅつ、カナンへの斥候せっこうの報告ほうこくにうろたえる民みんの姿すがた（10章しょう11節せつ〜21章しょう20節せつ）
3. カナンの民みんとの戦たたかい、ヨルダン川よるだんがわにたどりつくまで（21章しょう21節せつ〜36章しょう）

• 1章しょう シナイの荒野あらのにおける人口じんこう調査ちょうさ、レビ人じんの務つとめ
• 2章しょう 幕屋まくやと宿営しゅくえい地ちに関かんする神かみの指示しじ
• 3章しょう レビ人じんの祭司さいしとしての職務しょくむ
• 4章しょう〜6章しょう レビ人じんの氏族しぞくの調査ちょうさ、汚よごれやナジル人じんに関かんする規定きてい
• 7章しょう〜9章しょう 祭壇さいだんの奉献ほうけんと聖きよし所しょの祝しゅく別べつ
• 10章しょう〜12章しょう イスラエルの民みんの荒あれ野のの旅たびと不満ふまん、モーセを蔑ないがしろにしたアロンとミリアムへの罰ばっ
• 13章しょう〜14章しょう カナンを偵察ていさつした斥候せっこうの報告ほうこくと民みんの嘆なげき
• 15章しょう〜17章しょう コラの反逆はんぎゃく、アロンの杖つえ
• 18章しょう〜19章しょう アロンの子孫しそんとレビ人じんの祭司さいしとしての役割やくわり
• 20章しょう〜21章しょう メリバの出来事できごと、ミリアムとアロンの死し、カナン人じんアラドの王おうの死し、青銅せいどうの蛇へびによる罰ばっ、アモリの王おうシホンとオグとの戦たたかい
• 22章しょう〜24章しょう バラクとバラムの物語ものがたり、バラムとろば
• 25章しょう〜27章しょう カナン入いりを前まえにした人口じんこう調査ちょうさ。後継こうけい者しゃヨシュアの任命にんめい
• 28章しょう〜29章しょう 献けんじげ物ぶつに関かんする規定きてい
• 30章しょう〜32章しょう ミディアンへの勝利しょうり、逃のがれの街まちの規定きてい
• 33章しょう〜36章しょう エジプトを出でてからの旅程りょてい、イスラエルの嗣業の土地とち、レビ人じんの町まち、相続そうぞく人じんが女性じょせいである場合ばあいの規定きてい

近代きんだい聖書せいしょ批評ひひょう学がく

新しん資料しりょう仮説かせつでは、『民みん数すう記き』はヤーウィスト資料しりょう（J資料しりょう）、エロイスト資料しりょう（E資料しりょう）および祭司さいし資料しりょう（P資料しりょう）が組くみ合あわされて成立せいりつしたものとみなされている。

関連かんれん項目こうもく

• モーセ五ご書しょ