ミカしょ

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ミカしょ』(ミカしょ)は、旧約きゅうやく聖書せいしょ文書ぶんしょのひとつ。ユダヤきょうでは「預言よげんしゃ」に、キリストきょうでは預言よげんしょ分類ぶんるいする。キリストきょうでいうじゅうしょう預言よげんしょの6番目ばんめ位置いちする。著者ちょしゃ伝承でんしょうでは紀元前きげんぜん8世紀せいき預言よげんしゃミカされる。

著者ちょしゃ[編集へんしゅう]

本書ほんしょ著者ちょしゃとされる預言よげんしゃミカは、ミカしょ1しょう1せつによれば、モレシェト出身しゅっしんで、預言よげんしゃイザヤとどう時代じだいじんである[1]。 その活動かつどうは、しゅとして、出身しゅっしんモレシェトの圧政あっせいくるしんでいる人々ひとびとのためになされた[2]。 ミカの活動かつどう旧約きゅうやく聖書せいしょ・エレミヤしょ26しょう17~18せつにも記載きさいされている。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

『ミカしょ』は7しょうからなる。このうち、現代げんだい高等こうとう批評ひひょうてき研究けんきゅうでは、ミカが実際じっさいあらわしたのは、1:1~2:11と3:1~12とわれている[3]

本書ほんしょなかでミカは支配しはい階級かいきゅう抑圧よくあつされているひとたちのくるしみに共感きょうかんし、横暴おうぼうひとたち(そのなかには賄賂わいろをもらって依頼いらいしゃ都合つごう預言よげんをする預言よげんしゃ祭司さいしふくまれる)の不正ふせいきびしく糾弾きゅうだんしている[3]。そしてかれらにかみさばきとほろびがちかづいていることをかた[4]

構成こうせい[編集へんしゅう]

  1. 表題ひょうだい(1:1) 
  2. かみ審判しんぱん(1:2~2:11) 
  3. のこりのものへの約束やくそく(2:12~13) 
  4. 横暴おうぼう為政者いせいしゃしき預言よげんしゃ貪欲どんよく祭司さいしたいするさばき(3:1~12) 
  5. かみ栄光えいこう王国おうこく(4~5しょう) 
  6. おもとイスラエルの論争ろんそう(6:1~7:6) 
  7. おもによる勝利しょうり(7:7~20) 

以上いじょう、いのちのことばしゃしん聖書せいしょ辞典じてん』「ミカしょ」の項目こうもくより

新約しんやく聖書せいしょにおける引用いんよう[編集へんしゅう]

  • 5しょう1せつベツレヘムから将来しょうらいのユダの指導しどうしゃると預言よげんされるが、このふしは、『マタイによる福音ふくいんしょ』2しょう6せつ引用いんようされている。
  • 7しょう6せつにはみん腐敗ふはいした状態じょうたいえがかれているが、このふしは、『マタイによる福音ふくいんしょ』10しょう35~36せつ引用いんようされている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ エドモン・ジャコブちょ旧約きゅうやく聖書せいしょ改訂かいてい新版しんぱん)』白水しろみずしゃ文庫ぶんこクセジュ」No.444
  2. ^ 関根せきね正雄まさおちょ古代こだいイスラエルの思想家しそうか』(講談社こうだんしゃ人類じんるい知的ちてき遺産いさん」1)
  3. ^ a b 木田きだけんじいちちょ古代こだいイスラエルの預言よげんしゃたち』(清水しみず書院しょいんひと思想しそう」No.153)
  4. ^ いのちのことばしゃしん聖書せいしょ辞典じてん』「ミカしょ」の項目こうもく