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いすゞ・キュービック

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
いすゞ・キュービック


P-LV314K+川崎かわさき 南部なんぶバス

キュービックはかつていすゞ自動車ずじどうしゃ製造せいぞう販売はんばいしていた大型おおがた路線ろせんバスである。大型おおがたしゃのキュービックLVと、9m大型おおがたしゃキュービックLTからなる。1984ねん昭和しょうわ59ねん3がつ昭和しょうわ58ねん排出はいしゅつガス規制きせい対応たいおうし、CJM/CQMけいをフルモデルチェンジして発売はつばいされた。幾度いくどかの改良かいりょうて、2000ねん平成へいせい12ねん5月エルガへフルモデルチェンジするかたち生産せいさん終了しゅうりょうした。

標準ひょうじゅん車体しゃたい

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いすゞバスそう指定していメーカーのかわじゅう車体しゃたい工業こうぎょうアイ・ケイ・コーチ)が開発かいはつしたキュービックボディは特徴とくちょうてき外観がいかんゆうする。デザイン開発かいはつ三菱自動車みつびしじどうしゃ出身しゅっしんのインダストリアルデザイナー、株式会社かぶしきがいしゃコボの山村やまむら真一しんいち担当たんとうした[1]

前面ぜんめん特徴とくちょうてき1まいまどで、左右さゆうには独特どくとく三角さんかく固定こていまど運転うんてんせきからの視野しや拡大かくだい実現じつげんしている。ワイパーオーバーラップしき標準ひょうじゅんであるが、降雪こうせつ地域ちいきしゅとして国鉄こくてつバス札幌さっぽろ交通こうつうきょくでは平行へいこう連動れんどうしき導入どうにゅうしている。車体しゃたいはスケルトン構造こうぞう採用さいようしているが、そとばん接合せつごうリベット使用しようしている箇所かしょおおい。当時とうじのカタログには「リベットレス可能かのうとするスケルトン構造こうぞう剛性ごうせいすぐれたモノコック構造こうぞう長所ちょうしょかした骨組ほねぐ構造こうぞう採用さいよう」との記述きじゅつがある。

日本にっぽんしゃばなれした前面ぜんめんのスタイルは、1971ねん発表はっぴょう機能きのうとデザインの調和ちょうわたか評価ひょうかけた、フランスベルリエPR100げんルノートラックPR100 (仏語ふつごばん))の影響えいきょうけた(あるいは参考さんこうにした)[注釈ちゅうしゃく 1]といわれる。

1984ねん登場とうじょうはLVのみで、LTはすこおくれて1985ねん昭和しょうわ60ねん)からそうされた。このため、LTの最初さいしょ製造せいぞうされたものでかわじゅう車体しゃたい工業こうぎょうせい車体しゃたいそうした場合ばあいは、K-EDM430とおなモノコックボディーがそうされた。

P-だい:1984 -

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P-LV314Qの運転うんてんせき

いすゞCLM/CJMからわり、キュービックP-LVシリーズが登場とうじょうした。標準ひょうじゅんかわじゅうボディでは、外装がいそうにモノコック時代じだい製法せいほうのこしながら、ボディの角形かくがたまど大型おおがた、リベットの大幅おおはば削減さくげん機器ききるい点検てんけんぶた蝶番ちょうつがい裏側うらがわかくすなど細部さいぶ設計せっけい工夫くふうし、非常ひじょう洗練せんれんされたスタイルを実現じつげんした。

のメーカーではられないほどがわまど天地てんち方向ほうこう拡大かくだいされ、車内しゃないがい見通みとおしが非常ひじょうくなった。屋根やね非常ひじょうたかくなり、従来じゅうらい天井てんじょうけられていた降車こうしゃボタン天井てんじょうにぎぼう支柱しちゅうくようになった。

側面そくめんのリベットは通常つうじょうはモールでかくされるが、広告こうこくわくける場合ばあいこれが邪魔じゃまになり、事業じぎょうしゃによってはリベットむきしの仕様しようとなった。

このころはオプション機器ききるい選択せんたく自由じゆうがあり、事業じぎょうしゃとししきによりバラエティにんだ仕様しよう車両しゃりょうられた。冷房れいぼう装置そうちは、標準ひょうじゅんではヂーゼル機器きき分散ぶんさんがた冷房れいぼう初期しょきのみ)か集中しゅうちゅうがた冷房れいぼうであったが、日本電装にほんでんそうせい採用さいようする事業じぎょうしゃや、一部いちぶにはサブエンジンしき冷房れいぼう採用さいようしたれいもある。

初期しょきにはベンチレーター搭載とうさいした車両しゃりょうおおかったが、この時期じき他社たしゃボディ同様どうよう中期ちゅうき以降いこう急速きゅうそく姿すがたしていった。エンジンや冷房れいぼうようルーバー、またフロントミラー支柱しちゅう形状けいじょう後期こうきからかくばった形状けいじょう変更へんこうされている。そのボディメーカーが川崎重工かわさきじゅうこうからIKコーチとなった。

標準ひょうじゅんゆかていゆか都市としがたていゆか用意よういされ、おも前者ぜんしゃ2しゅ採用さいようされた。これまでのいすゞ-かわじゅうボディでは、ていゆかがたではボディ全体ぜんたいげるため車内しゃないだか一定いっていであったが、キュービックP-だい、U-だいではボディたかさはゆかたかさに関係かんけいなく一定いっていであり、ていゆかタイプのほう車内しゃない天井てんじょうたかくなるという特徴とくちょうがある。なお、事業じぎょうしゃによってはてい天井てんじょうタイプを特注とくちゅうするれいもあった。

U-だい:1990 -

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いすゞ・キュービック

宮城みやぎ交通こうつう U-LV324K+IKコーチ(ちゅうとびら4まい折戸おりど
U-LV324Kの運転席 U-LV324Kの車内
U-LV324Kの運転うんてんせき
U-LV324Kの車内しゃない

1990ねん平成へいせい2ねん)、平成へいせい元年がんねん排出はいしゅつガス規制きせい (U-) 適合てきごうさいにマイナーチェンジがおこなわれた。特徴とくちょうてき前面ぜんめん以外いがい車体しゃたいのリベットレス屋根やね一部いちぶリベットがのこった)、まどわく支持しじ方法ほうほうなどを大幅おおはば見直みなおし、どう時期じき他社たしゃせいボディと同等どうとう構造こうぞうになった。特徴とくちょうてきだった大型おおがた側面そくめんまど下辺かへん若干じゃっかんげられ寸法すんぽうちいさくなったほか、こうめん凹凸おうとついフラットなデザインになった。

冷房れいぼうゼクセルきゅうヂーゼル機器きき)の集中しゅうちゅうがたをビルトイン(前方ぜんぽう屋根裏やねうら搭載とうさい)したものが標準ひょうじゅん採用さいようされ、のタイプはられなくなった。ルーバー形状けいじょうは、初期しょき従来じゅうらいどお四隅よすみにRのついた金網かなあみタイプであったが、中期ちゅうきはRの完全かんぜん四角形しかっけいとなり、そのメーカーでもられるようなパンチあな方式ほうしきのものになっている。

KC-だい:1995 -

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1995ねん平成へいせい7ねん)、平成へいせい6ねん排出はいしゅつガス規制きせい (KC-) 適合てきごうさいにもマイナーチェンジが実施じっしされた。さらなるていゆかくわぜんこうげた(標準ひょうじゅんてきなツーステップていゆかしゃ場合ばあい)ことにより天井てんじょうひくくなり、側面そくめんまど上辺うわべげられさらにちいさくなった。よってキュービック車体しゃたいりであった「だかのっぽのバス」「ったままでも車内しゃないからの景色けしきえる」という特徴とくちょううすくなっている。ワンステップノンステップKC-LV832けい)の登場とうじょう見越みこして車体しゃたい側面そくめん構造こうぞう自体じたい見直みなおされた。

また、ステアリングおよびメーターパネルをふく運転うんてんせきまわりのデザインが変更へんこうされ、このモデルから衝撃しょうげき吸収きゅうしゅうしきステアリングが採用さいようされた。従来じゅうらいはオプションあつかいであったかくがたテールランプやフロントバンパー両端りょうたんのコーナリングランプも標準ひょうじゅん装備そうびとなっている。

エンジンは8PE1-Sと8PE1-Nで、最高さいこう出力しゅつりょくは285PS/2300rpmと240PS/2300rpmである。そう排気はいきりょう15201cc。

モデル末期まっきにはワンステップしゃもラインナップされた。そして前面ぜんめん窓側まどがわめん三角さんかく固定こていまどはいし、ジャーニーKちか曲面きょくめんガラス2まいまどもちいたモデルもオプションでくわわり、東武とうぶバス静岡鉄道しずおかてつどうしずてつジャストライン)、仙台せんだい交通こうつうきょく伊丹いたみ交通こうつうきょく宇部うべ交通こうつうきょくなどに導入どうにゅうされた。最初さいしょ東武とうぶバスが導入どうにゅうしたので「東武とうぶめん(または東武とうぶがお)」ともばれている。

型式けいしき以下いかのとおり。

  WB4.8m WB5.3m WE5.8m
リーフツーステップ・リーフワンステップ KC-LV380L KC-LV380N KC-LV380Q
エアサスツーステップ・エアサスワンステップ KC-LV280L KC-LV280N KC-LV280Q

標準ひょうじゅん仕様しよう:フロント3めんまど&オーバーラップしきワイパー

オプション仕様しよう:フロント曲面きょくめんガラス2まいまど&パラレルしきワイパー(東武とうぶめん

シャーシ型式けいしき

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コンベンショナルなシャーシレイアウトのLV2/3けいは、当初とうしょツーステップのみでていゆかしゃはタイヤ小径しょうけいとう対応たいおうであったが、さらなるていゆかへはていゆか専用せんようシャーシをもちいたLV8けい1992ねん平成へいせい4ねん)、Vがた8気筒きとう8PD1みぎせて搭載とうさいしたフルワンステップちょうていゆかしゃ)U-LV870Lとして追加ついかされ、本格ほんかくてきていゆかはじまる。

バスていゆかシャーシとは、前後ぜんご車軸しゃじくどもトレッドあいだたかさをひくめたセンタードロップアクスルと、こうじくパワートレーンについてはハブリダクションやトランスファとうのギヤボックスをもちい、エンジンをすみいやるレイアウトを採用さいようしたものをいう。

1998ねん平成へいせい10ねん)には、直列ちょくれつ6気筒きとう6HE1かたエンジンをこうめんせてよこ搭載とうさいした(のち登場とうじょうするエルガtype-Bも同一どういつフルノンステップバスのLV832けい登場とうじょうする。

こうコストのていゆか専用せんようシャーシにたいし、後半こうはんぶんをコンベンショナルなパワートレーンにもどした、ていコスト普及ふきゅうばんぜんちゅうワンステップバスはKC-だいから標準ひょうじゅん展開てんかいされたが、ワンステップバスの構造こうぞうをベースとするぜんちゅうノンステップバスはエルガtype-Aをたなければならなかった。

P-LV/U-LVけいのエンジンは水平すいへいしき直列ちょくれつ6気筒きとうで、こう出力しゅつりょくエンジン6RB2がたはCQM/CQAけいのエンジンをそのまま搭載とうさいした。KC-LVけいのエンジンははいガス規制きせい対応たいおうのため、路線ろせんバスではめずらしいVかたち8気筒きとう8PE1かた採用さいようし、こう出力しゅつりょくエンジンはチューニングで対応たいおうする。

1.LV

  • エンジン
    • P-LVけい
      • 6QA2がた(220ps):P-LV214/P-LV314けい
      • 6RB2がた(275ps):P-LV218/P-LV318けい
    • U-LVけい
      • 6QB2がた(230ps):U-LV224/U-LV324けい
      • 6RB2がた(275ps):U-LV218/U-LV318けい
      • 8PD1がた(240ps):U-LV870L(ワンステップ)
    • KC-LVけい
      • 8PE1-Sがた(285ps):KC-LV280/380/880けい
      • 8PE1-Nがた(240ps):KC-LV280/380/880けい
      • 8PF1がた(240ps):NE-LV288けい(CNG)
      • 6HE1-TCNがた(230ps):LV832けい(ノンステップ)
  • ホイールベース
    • P-LV/U-LVけい(U-LV870Lをのぞく)
      • Kしゃく:4.65m
      • Lしゃく:5.0m
      • Mしゃく:5.2m
      • Nしゃく:5.5m
      • Qしゃく:6.0m(U-LVでは、自家用じかようのみの設定せってい路線ろせん改造かいぞうあつかい)
        • 5種類しゅるい他社たしゃ大型おおがたしゃくらおおめの設定せってい
        • Kしゃくにはショートフロントオーバーハングしゃがあり、車体しゃたいちょうは6種類しゅるいになる。
    • U-LV870L
      • Lしゃく:4.8m
    • KC-LVけい
      • Lしゃく:4.8m
      • Nしゃく:5.3m
      • Qしゃく:5.8m
        • KC-LVけいからホイルベースは3種類しゅるいになる。
  • サスペンション
型式けいしき先頭せんとう数字すうじが2ならエアサス、3の場合ばあいリーフサスいたバネ)。ちょうていゆかは8。

2.LT

  • エンジン
    • P-LTけい
      • 6BG1
    • U-LTけい
      • 6HE1
    • KC-LTけい
      • 6HH1
    • KK(KL)-LTけい
      • 6HH1
  • ホイルベース
    • 4.3m
  • サスペンション
    • 型式けいしき先頭せんとう数字すうじが2ならエアサス、3の場合ばあいはリーフサス(いたバネ)。

フルワンステップバス(LV870L/LV880L)

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リフト車 東京都交通局 U-LV870L リフト車 東京都交通局 KC-LV880L (形式消滅)
リフトしゃ 東京とうきょう交通こうつうきょく U-LV870L
リフトしゃ 東京とうきょう交通こうつうきょく KC-LV880L (形式けいしき消滅しょうめつ)

1991ねん平成へいせい3ねん)に東京とうきょう交通こうつうきょく都営とえいバスけのワンステップちょうていゆかしゃ試作しさくしゃとして登場とうじょうする。後部こうぶまでワンステップていゆかで、グライドスライドドアの3とびら採用さいようした。構造こうぞうてきにはのKC-LVけいもちいられるV8・8Pエンジンはじめて右寄みぎよ搭載とうさいし、車軸しゃじく位置いちげることにより後方こうほういたるまでていゆか実現じつげんしている。なお排気はいきかん左右さゆう2ほんしなので後方こうほうからの識別しきべつ容易よういである。

1992ねん平成へいせい4ねん)には正式せいしき型式けいしき取得しゅとくしてU-LV870Lとなる。ドア配置はいちまえちゅうとびらになり、ちゅうドアにはくるまいすようのリフトがけられた。東京とうきょう交通こうつうきょくでは「リフトづけちょうていゆかバス」としょうする。

しかし特注とくちゅう高価こうか車両しゃりょうのため、同局どうきょく以外いがい導入どうにゅうれいは、路線ろせんようでは大阪おおさか交通こうつうきょくの2りょうとどまっている。こちらは前後ぜんごとびらだが、どちらも一般いっぱんてき折戸おりど採用さいようしている(2008ねん平成へいせい20ねん現在げんざい関東かんとう鉄道てつどう関東自動車かんとうじどうしゃ移籍いせき。)。

1995ねん平成へいせい7ねん)には、平成へいせい6ねん排出はいしゅつガス規制きせい適合てきごうKC-LV880Lとなったが、下記かきぜんちゅう仕様しようワンステップバスが普及ふきゅうしたため、わずか5だい生産せいさんのみでどう年度ねんど製造せいぞう中止ちゅうしされた。

当時とうじ東京とうきょう都知事とちじであった石原いしはら慎太郎しんたろう方針ほうしんにより、都営とえいバスでは2005年度ねんど以降いこう除籍じょせきしゃ譲渡じょうと中止ちゅうしし「環境かんきょう規制きせい抜本ばっぽんてき改革かいかく」を理由りゆうに15じょう抹消まっしょうおこなったため、国内こくないでのさい運用うんようはほぼ絶望ぜつぼうてきとなった。2008年度ねんどからKC-だいしゃについては条件じょうけんきで譲渡じょうと再開さいかいしたが、だい出力しゅつりょく機関きかん搭載とうさい路線ろせんバス車両しゃりょうとしてはオーバースペックであったことや、しゃとは車体しゃたい構造こうぞうことなることから高額こうがく維持いじがかかるなどの理由りゆうで、解体かいたい業者ぎょうしゃ以外いがいあらわれなかったため、2012ねんまでに全車ぜんしゃ廃車はいしゃ解体かいたいされ、形式けいしき消滅しょうめつとなっている。

ぜんちゅうワンステップバス(LV2/3けい

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川崎市交通局⇒北海道中央バス ワンステップバス KC-LV380L (いすゞバス車体) 仙台市営バス ワンステップバス KC-LV280N (富士重工製車体)
川崎かわさき交通こうつうきょく北海道中央ほっかいどうちゅうおうバス
ワンステップバス KC-LV380L
(いすゞバス車体しゃたい
仙台せんだい市営しえいバス
ワンステップバス KC-LV280N
富士重工ふじじゅうこうせい車体しゃたい

1988ねん昭和しょうわ63ねん)に京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつげん京浜急行けいひんきゅうこうバス)が日野自動車ひのじどうしゃ共同きょうどう開発かいはつした京急けいきゅうがたワンステップバスが起源きげんである。

安価あんかなワンステップバスを目指めざし、従来じゅうらいのツーステップバス(都市としがたていゆかしゃ)をベースとし、ぜんちゅうとびらあいだゆかげてワンステップ構造こうぞうとした。ちゅうドアよりも後部こうぶは1だんげ、こう車軸しゃじくなどは通常つうじょうのツーステップバスとおなじものをもちいる。新規しんき開発かいはつ部分ぶぶん前輪ぜんりんアクスルのみとなり、安価あんかにワンステップバスが製造せいぞうできた。

いすゞキュービックのぜんちゅうワンステップバスは1993ねんに、富士重工ふじじゅうこうせい車体しゃたい1994ねん登場とうじょうした。当初とうしょはすべて改造かいぞうあつかいで、京浜急行けいひんきゅうこうバス、川崎かわさき交通こうつうきょく東武鉄道とうぶてつどう現在げんざい東武とうぶバスセントラル)、秋田あきた交通こうつうきょく関西かんさいけんのごく一部いちぶ事業じぎょうしゃのみに導入どうにゅうされたが、1997ねん平成へいせい9ねん)には正式せいしきにカタログに掲載けいさいされ一般いっぱん発売はつばいされた[注釈ちゅうしゃく 2]同時どうじ西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょうせい車体しゃたいそうしたぜんちゅうワンステップバスも追加ついかされた。

フルノンステップバス(KC-LV832けい

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いすゞ・キュービック ノンステップ

KC-LV832L 国際こくさい興業こうぎょうバス

キュービックのノンステップバスは、1997ねん平成へいせい9ねん)のモーターショーで発表はっぴょうし、よく1998ねんにLV832けいとして発売はつばいされた。当初とうしょ大臣だいじん認定にんていしゃで、はいガス規制きせい記号きごう (KC-) が付与ふよされなかったが、1998ねん10がつはいガス規制きせい適合てきごうし、KC-LV832となった。1999ねんCNGしゃ設定せってい

エンジンは中型ちゅうがたしゃよう6HE1-TCNかた (230PS) にきゅうけたものを最後さいご垂直すいちょくよこきで搭載とうさいしている。トランスミッションはドイツ・ZFせいAT「ECOMAT」を、アクスルはハンガリー・ラーバせい採用さいようした。LV832けいでは、バンパーマフラーまれているのも特徴とくちょうであった。

この構造こうぞうはモデルチェンジエルガ(ノンステップバス・type-B)にほぼ継承けいしょうされたが、エンジンスペースにかぎりがあり、そのはいガス基準きじゅんたすエンジンが搭載とうさいできないことや、山岳さんがく路線ろせん高速こうそく道路どうろ走行そうこう必要ひつようとなるだい出力しゅつりょくエンジンを搭載とうさいできないこと、追突ついとつにエンジンが客室きゃくしつない侵入しんにゅうするおそれがあり、安全あんぜんせい問題もんだいがあることなどを理由りゆうとして、2005ねん平成へいせい17ねん)で製造せいぞうった。

このかた車両しゃりょうではじめて「東武とうぶめん」とばれる前面ぜんめん誕生たんじょうした。東武とうぶバス以外いがいではばんひがしバスしずてつジャストライン伊丹いたみ交通こうつうきょくなどでも導入どうにゅうされた。

ごく少数しょうすうだが、西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょうせい車体しゃたいそうしたれいがあり、大阪おおさか交通こうつうきょく京都きょうと交通こうつうきょく納入のうにゅうされた。

バス事業じぎょうしゃにとってはデザインの新規しんきせい斬新ざんしんさよりも、メーカーあいだ世代せだいあいだによる運転うんてんせきまわりの差異さい極力きょくりょくくしたいという意思いしおおきく、BU後継こうけいのCシリーズとキュービックの後継こうけい車種しゃしゅであるエルガシリーズは、いずれも曲面きょくめん1まいガラスにもどっている。

このようなれい海外かいがいにもられ、アメリカの路線ろせんバスやロンドンバスなどでながらく独特どくとく傾斜けいしゃまど標準ひょうじゅんとなっていた。

型式けいしき以下いかのとおり。

WB4.8m WB5.3m
KC-LV832L KC-LV832N

てい公害こうがい車両しゃりょう

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CNGしゃ

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CNGしゃ2014ねん5がつ現在げんざい新車しんしゃ導入どうにゅうされたぜん車両しゃりょうが、製造せいぞう搭載とうさいされたガスボンベの使用しよう期限きげんむかえ、もしくは車両しゃりょう老朽ろうきゅうにより除籍じょせきされ、ハイブリッドしゃまたは通常つうじょうのディーゼルしゃなどに代替だいたいされている。ガスボンベの検査けんさ交換こうかん作業さぎょう多額たがく費用ひようがかかり、ディーゼルしゃてい公害こうがいしゃなどと比較ひかくして、燃料ねんりょう以外いがい維持いじ高額こうがくであるため、事業じぎょうしゃへの移籍いせきによるさい利用りようむずかしく、ほとんどの車両しゃりょう解体かいたいされている。

CNGツーステップバス

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いすゞ・キュービック CNGツーステップ

NE-LV288N 名古屋なごや交通こうつうきょく 3とびらしゃ

1994ねん平成へいせい6ねん)にCNGしゃのプロトタイプがKC-LV280*あらためとして登場とうじょうした。1995ねん平成へいせい7ねん)に型式けいしき取得しゅとくしてNE-LV288/388けいとなった。8PF1エンジン (240PS) を採用さいようし、床下ゆかしたはがねせいガスボンベを搭載とうさいするため、左側ひだりがわホイールベース部分ぶぶん充填じゅうてんこう(ベースしゃ給油きゅうゆこう付近ふきん後部こうぶにグリルが増設ぞうせつされ、屋根やねには安全弁あんぜんべん装着そうちゃくしている。また永久えいきゅう磁石じしゃくしきリターダ装備そうびする。1998ねん以降いこうはガスボンベがノンステップバス同様どうようのアルミライナーせいとなった。東京とうきょう交通こうつうきょく名古屋なごや交通こうつうきょく京都きょうと交通こうつうきょく大阪おおさか交通こうつうきょくなどが導入どうにゅうした。

型式けいしき以下いかのとおり。

  WB4.8m WB5.3m
エアサスしゃ NE-LV288L NE-LV288N
リーフサスしゃ NE-LV388L NE-LV388N

CNGフルノンステップバス

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1999ねん平成へいせい11ねん)にはこうあつガス保安ほあんほう改定かいていにより、CNGしゃのガスボンベに軽量けいりょう素材そざい使用しよう可能かのうとなったため、日産にっさんディーゼルとほぼ同時どうじにCNGノンステップバスも試作しさくてき製造せいぞう開始かいし。6HA1エンジン (190PS) を採用さいようし、屋根やねに150リットルのアルミライナーせいガスボンベを5搭載とうさいし、路線ろせんバスのバリアフリーてい公害こうがい両立りょうりつした。東京とうきょう交通こうつうきょく横浜よこはま交通こうつうきょく (9-1531) 、川崎かわさき交通こうつうきょく (S-1002) 、名古屋なごや交通こうつうきょく (NS-7) 、大阪おおさか交通こうつうきょくなどで導入どうにゅうされた。型式けいしきはKC-LV832Lあらためである。Nしゃく製造せいぞうされていない。試作しさくてき要素ようそたか故障こしょう多発たはつしていたため、名古屋なごや交通こうつうきょくでは研修けんしゅうしゃ改造かいぞうされあまり使用しようされていなかった。このCNGノンステップバスは、こうあつガス保安ほあんほうもとづくガスタンクの耐用たいよう年数ねんすう関係かんけいから、販売はんばいされたすべての車両しゃりょうすで廃車はいしゃされている。

WB4.8mのみが製造せいぞうされ、型式けいしきはKC-LV832Lあらためとなった。

CHASSE(シャッセ:蓄圧ちくあつしきハイブリッドしゃ

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蓄圧ちくあつしきハイブリッドしゃ"CHASSE"(東京とうきょう交通こうつうきょく

地上ちじょう設備せつび不要ふようてい公害こうがいしゃとして1996ねん平成へいせい8ねん)に登場とうじょうした蓄圧ちくあつしきハイブリッドツーステップバス。CHASSEの由来ゆらいClean Hybrid Assist System for Saving Energy の頭字かしらじからている[3]基本きほんてき構造こうぞう三菱みつびしふそう・エアロスターMBECS同様どうようのパラレル蓄圧ちくあつしきハイブリッドである。8PD1エンジン(240PS)を採用さいようし、機械きかいしきATNAVi」を搭載とうさいしていた[3]

しかしハイブリッド機構きこうが1700kgとおもく、効果こうか減速げんそく発進はっしんかぎられることから重量じゅうりょうぞうわり満足まんぞくできるものではなく、くわえて構造こうぞうじょうていゆか不可能ふかのうだったことから合計ごうけい16だいしか製造せいぞうされず、1998ねん平成へいせい10ねん)で製造せいぞうられた。半数はんすう以上いじょうの14だい購入こうにゅうした東京とうきょう交通こうつうきょくでは、2006ねん平成へいせい18ねん)3がつまでにハイブリッド機構きこう停止ていし撤去てっきょして使用しようしていた。このさいに「てい公害こうがいバス」の行灯あんどん部分ぶぶんぶたをしたり、側面そくめん後方こうほうの「CHASSE」表記ひょうき消去しょうきょした。東京とうきょう交通こうつうきょく以外いがい導入どうにゅうれいは、横浜よこはま交通こうつうきょく横浜よこはま市営しえいバス[注釈ちゅうしゃく 3]川崎かわさき交通こうつうきょく川崎かわさきバス)[注釈ちゅうしゃく 4]かく1だいである。

Nしゃくしゃ製造せいぞうされていないが、設定せっていはあった。

型式けいしき以下いかのとおり。

WB4.8m WB5.3m
KC-LV280Lあらため KC-LV280Nあらため

教習きょうしゅうしゃ

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道路どうろ交通こうつうほう改正かいせいまえ大型おおがたしゅ自動車じどうしゃ免許めんきょ試験しけんしゃに「大型おおがたはば中型ちゅうがた車両しゃりょう」としてLTけい採用さいようされた。道路どうろ交通こうつうほう改正かいせいにより中型ちゅうがた自動車じどうしゃ免許めんきょ新設しんせつされてからは、中型ちゅうがたしゅ自動車じどうしゃ免許めんきょ試験しけん車両しゃりょうとしてもちいられている。

指定してい以外いがい車体しゃたいそうメーカー

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いすゞ・キュービック 西にしこうそうしゃ(B-I 58MC)

U-LV224K 関東自動車かんとうじどうしゃ
いすゞ・キュービック 富士重工ふじじゅうこうそうしゃ(7E)

U-LV324K 館山たてやま日東にっとうバス

なおいすゞLV(路線ろせんけい個性こせいてきデザインの標準ひょうじゅんボディをきらった事業じぎょうしゃおおかったため、指定していメーカー以外いがい車体しゃたいそうれいおおい。富士重工業ふじじゅうこうぎょうせい車体しゃたいそうれい関東かんとう東海とうかい地方ちほう中心ちゅうしんおおられる。この場合ばあい1988ねん昭和しょうわ63ねん)(LTとLVの一部いちぶ1990ねん平成へいせい2ねん))までは15がた(5Eまたは5B)、そのは17がた(7Eまたは7B)をそうする。

また西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょうせい車体しゃたいそうれいも、近畿きんき九州きゅうしゅう中心ちゅうしん西日本にしにほんられる。こちらは1996ねん平成へいせい8ねん)まで58MC、それ以降いこうが96MCとなる。ただしLVのみでLTへのそうれいはない。

1985ねん - 1988ねん製作せいさくしゃかぎ北村きたむら製作所せいさくしょによるスケルトンボディーそうれい存在そんざいするが、これは新潟交通にいがたこうつうがP-LV314Qにそうした100だい頸城自動車くびきじどうしゃがP-LT312Jにそうした1だい日本赤十字社にほんせきじゅうじしゃ新潟にいがたけん支部しぶ献血けんけつしゃ型式けいしき台数だいすう不明ふめい)など、納入のうにゅうれいはごくわずかである。北村きたむら製作所せいさくしょ山形やまがた交通こうつう頸城自動車くびきじどうしゃにはモノコックボディーをそうしたLTを納入のうにゅうしている。

いすゞバス製造せいぞうがいすゞ自動車ずじどうしゃの100%出資しゅっしになった1996ねん平成へいせい8ねん以降いこう富士重工ふじじゅうこうせい車体しゃたいそうれい激減げきげんした。このため、1998ねん平成へいせい10ねん以降いこう同社どうしゃそう車両しゃりょうすべ改造かいぞう型式けいしきあつかいとなった。

富士重工ふじじゅうこう

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西日本にしにほん車体しゃたい工業こうぎょう

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北村きたむら製作所せいさくしょ

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 自動車じどうしゃ雑誌ざっしカーグラフィック1984ねん7がつごう掲載けいさいされたコラム[2]では、キュービックの前面ぜんめんデザインはPR100の悪質あくしつなコピーであると批判ひはんされている。
  2. ^ このさい、いすゞバス車体しゃたい車両しゃりょうまど天地てんち方向ほうこうおおきくったため、導入どうにゅう当初とうしょの「ったままでも車外しゃがいがよくえる」というコンセプトが復活ふっかつしている。
  3. ^ 港北こうほく営業えいぎょうしょ在籍ざいせきし、2008ねん平成へいせい20ねん3がつ廃車はいしゃ
  4. ^ 塩浜しおはま営業えいぎょうしょ在籍ざいせきし、2006ねん6がつ廃車はいしゃ

出典しゅってん

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  1. ^ Information of COBODESIGN”. 株式会社かぶしきがいしゃ コボ (2024ねん2がつ7にち). 2024ねん2がつ7にち閲覧えつらん
  2. ^ 時評じひょう/警笛けいてきいまなお、日本人にっぽんじんはコピイストなのか」『CAR GRAPHIC』だい23かんだい7ごう二玄社にげんしゃ、1984ねん7がつ1にち、41ぺーじ 
  3. ^ a b 高橋たかはし久幸ひさゆき田中たなか浩二こうじしま高志たかし蓄圧ちくあつしきハイブリッドバス"CHASSE"の開発かいはつ」『いすゞわざほうだい95ごう、いすゞ自動車ずじどうしゃ、1996ねん4がつ15にち、67ぺーじdoi:10.11501/3232157ISSN 0287-5446 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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