アゼルバイジャン人じん

アゼルバイジャン人じん
Azərbaycanlılar, Azərilər
آذربایجانلیلار ,آذری لر
азербайджанлылар

総そう人口じんこう
約やく2050～3300万まん人にん
居住きょじゅう地域ちいき
イラン	12,000,000 - 20,100,000人にん
アゼルバイジャン	8,150,000人にん
トルコ	800,000人にん
ロシア	622,000人にん
ジョージア	284,761人にん
カザフスタン	80,000人にん
ドイツ	120,000 - 140,000人にん
ウクライナ	46,000人にん
オランダ	17,000人にん
アメリカ	400,000人にん
カナダ	90,000人にん
オーストリア	1,000人にん
オーストラリア	290人にん
デンマーク	116人にん
その他た	30,000人にん
言語げんご
アゼルバイジャン語ご
宗教しゅうきょう
多おおくはイスラム教いすらむきょうシーア派は（十じゅう二にイマーム派は）、少数しょうすうでイスラム教いすらむきょうスンニ派は、ゾロアスター教きょう、バハイ教きょうなど

アゼルバイジャン人じん（アゼルバイジャンじん、Azərbaycanlılar）もしくはアゼリー人じんは、アゼルバイジャン共和きょうわ国こくとイラン北西ほくせい部ぶを中心ちゅうしんとして、その周辺しゅうへん地域ちいきであるジョージアやアルメニア、イラク北部ほくぶ、トルコ、ロシア連邦れんぽう内ないのダゲスタン共和きょうわ国こくなどに居住きょじゅうしているテュルク系けい民族みんぞくである。トルクメン人じんやトルコ人じんと親近しんきん関係かんけいにある民族みんぞくであり、「アゼルバイジャン・トルコ人じん」と呼よばれることもある。

なお、イラン国内こくないの人口じんこうに占しめるアゼルバイジャン人じんの割合わりあいは25％にのぼり、アゼルバイジャン共和きょうわ国内こくないのアゼルバイジャン人じん人口じんこうをはるかに上回うわまわる。人種じんしゅは元来がんらいはモンゴロイドであったが、イランやイラク、アルメニアなどに居住きょじゅうする大半たいはんは歴史れきし的てきな経緯けいいからコーカソイドとの混血こんけつを重かさねて、現在げんざいではトルコ人じん同様どうようにコーカソイドに分類ぶんるいされている。

歴史れきし

11世紀せいき以降いこう中央ちゅうおうアジアから移住いじゅうしてきた外来がいらいのテュルク系けい民族みんぞくと土着どちゃくのペルシャ人じん（イラン人じん）、クルド人じん、アルメニア人じん、カフカス系けい諸しょ民族みんぞくやロシア人じんなどと混血こんけつしたことによって形成けいせいされ、さらに14世紀せいきから15世紀せいきにかけてモンゴル帝国ていこくおよびティムール朝あさ支配しはいの下した、言語げんご的てき・文化ぶんか的てきにテュルク化かの影響えいきょうを多おおく受うけて形成けいせいされた民族みんぞく集団しゅうだんである。

分布ぶんぷ

アゼルバイジャン人じん（水色みずいろ）とアルメニア人じん(黄き緑色みどりいろ)の分布ぶんぷ。アゼルバイジャン人じんは、アゼルバイジャン共和きょうわ国こくに加くわえて、ナゴルノ・カラバフの南みなみにあるイラン北西部ほくせいぶ側がわに居住きょじゅうしていることがわかる

イラン国内こくないのアゼリー人じん

クルド人じんと同様どうように、中東ちゅうとう地域ちいきにおいて複数ふくすうの地域ちいきにまたがり居住きょじゅうしており、特とくにイラン国内こくないでは、アゼルバイジャン人じんがペルシャ人じんに次つぐ多数たすう派は（25％）を形成けいせいしていることから、これまでにこれらの地域ちいきに居住きょじゅうするアゼルバイジャン人じん主導しゅどうの統一とういつ国家こっかを樹立じゅりつする試こころみが幾度いくどとなく行おこなわれてきた。しかしながら、現在げんざいのところイラン国内こくないにおけるアゼルバイジャン人じんの独立どくりつ運動うんどうは沈静ちんせい化かし、アゼルバイジャン人じんの主導しゅどうする国家こっかは唯一ゆいいつアゼルバイジャン共和きょうわ国こくのみとなっている。なお、アゼルバイジャン共和きょうわ国こくでは、ナゴルノ・カラバフの領有りょうゆう権けんをめぐり、隣国りんごくアルメニアと激はげしく対立たいりつしている。

言語げんご

アゼルバイジャン語ごはトルクメン語ごやトルコ語ごに極きわめて近ちかく、テュルク諸語しょごの南西なんせい語ご群ぐん（オグズ語ご群ぐん）に属ぞくする。トルクメン語ごとトルコ語ごとは同どう一いち言語げんごの変種へんしゅと見み做されることも多おおく、互たがいの意思いし疎通そつうは容易よういである。

アゼルバイジャン語ごの表記ひょうき方法ほうほうについては、アゼルバイジャン共和きょうわ国こくでは専もっぱらラテン文字もじ表記ひょうきが使用しようされているが、イラン国内こくないのアゼルバイジャン人じんはアラビア文字もじを使用しようしていることや、アゼルバイジャン共和きょうわ国こくでは長ながらく旧ふるソビエト連邦れんぽうの一いち共和きょうわ国こくとしてロシア語ごの影響えいきょう（主おもに学術がくじゅつ用語ようご等とうからの語彙ごいの借用しゃくよう）を受うけてきた結果けっか、両者りょうしゃの間あいだには若干じゃっかんの差異さいが発生はっせいしている。

宗教しゅうきょう

アゼルバイジャン人じんの多おおくはイスラム教いすらむきょうシーア派は（十じゅう二にイマーム派は）を信仰しんこうするが、これは16世紀せいきに現在げんざいのイランおよびアゼルバイジャンを中心ちゅうしんとした地域ちいきを支配しはいしたサファヴィー朝あさの影響えいきょうによるもので、ペルシア人じんにおいて十じゅう二にイマーム派はが多数たすうであるのと同様どうようの歴史れきし的てき経緯けいいによる。アゼルバイジャン共和きょうわ国こくでは、トルコと同様どうように長ながらく世俗せぞく主義しゅぎが推おし進すすめられた結果けっか、世俗せぞく化かが国民こくみん生活せいかつレベルまで浸透しんとうしており、毎日まいにちの祈いのりやラマダンをはじめとしたイスラム教いすらむきょうの戒律かいりつは比較的ひかくてきゆるやかで、飲酒いんしゅや女性じょせいの服装ふくそうも自由じゆうな傾向けいこうにある。

遺伝子いでんし

アゼルバイジャン人じんのY染色せんしょく体たいは、ある調査ちょうさでは、ハプログループJが31％、ハプログループGが18％、ハプログループR1bが11％などとなっており、言語げんご系統けいとうが異ことなる隣接りんせつする諸しょ民族みんぞくと大差たいさない。

著名ちょめいなアゼルバイジャン人じん

世界せかい的てきに著名ちょめいな作曲さっきょく家かを多おおく輩出はいしゅつしてきた。また、格闘技かくとうぎをはじめとするスポーツも盛さかんである。イランにおいては、政府せいふ要人ようじんにアゼルバイジャン系けいの者ものが少すくなくない。

• ヘイダル・アリエフ（アゼルバイジャン共和きょうわ国こくの第だい3代だい大統領だいとうりょう）
• イルハム・アリエフ（アゼルバイジャン共和きょうわ国こくの第だい4代だい大統領だいとうりょう）
• ムスリム・マゴマエフ（歌手かしゅ）
• ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ（チェロ奏者そうしゃ）
• ウゼイル・ハジベヨフ（作曲さっきょく家か）
• カラ・カラーエフ（作曲さっきょく家か）
• アリエフ・マックモド（格闘かくとう家か）
• アリ・ダエイ（サッカー選手せんしゅ）
• ファラ・パフラヴィー（パフラヴィー朝あさ第だい2代だい皇帝こうていモハンマド・レザー・パフラヴィーの妻つま。なお、初代しょだい皇帝こうていレザー・シャーの妻つまもアゼルバイジャン系けい。）
• アリー・ハーメネイー（イランの第だい2代だい最高さいこう指導しどう者しゃ）
• ミール・ホセイン・ムーサヴィー（イラン元もと首相しゅしょう）

関連かんれん項目こうもく

• ティムール朝あさ
• アゼルバイジャン語ご
• アゼルバイジャン共和きょうわ国こく
• アゼルバイジャン人じんの一覧いちらん