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ウズベクじん

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ウズベク
O‘zbeklar
Ўзбеклар
ウズベクの人々ひとびと
そう人口じんこう
やく2700まん - 3300まんにん
居住きょじゅう地域ちいき
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン2730まんにん
アフガニスタンの旗 アフガニスタン290まんにん
タジキスタンの旗 タジキスタン110まんにん
キルギスの旗 キルギス74まんにん
カザフスタンの旗 カザフスタン37まん1000にん
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン26まんにん
ロシアの旗 ロシア12まん6000にん
中華人民共和国の旗 中国ちゅうごく14,800にん
ウクライナの旗 ウクライナ13,000にん
言語げんご
ウズベクロシア
宗教しゅうきょう
イスラム教いすらむきょうスンナ
関連かんれんする民族みんぞく
ウイグルタジクじん

ウズベクじんウズベク: O‘zbek/Ўзбек, ロシア: Узбек, 英語えいご: Uzbek)は、西にしトルキスタン南部なんぶホラズム地方ちほうからフェルガナ地方ちほうにかけてにひろがって居住きょじゅうし、中央ちゅうおうアジア最多さいた人口じんこうかかえるテュルクけい民族みんぞくで、容貌ようぼうてきにはモンゴロイドコーカソイドじっている。

民族みんぞく国家こっかとして、中央ちゅうおうアジアでもっとも人口じんこう集中しゅうちゅうしたマー・ワラー・アンナフル地方ちほう大半たいはん領土りょうどとするウズベキスタン共和きょうわこくつほか、中国ちゅうごく新疆しんきょうウイグル自治じちアフガニスタン北部ほくぶマザーリシャリーフ周辺しゅうへんにもそれぞれすうじゅうまんにんむ。

名称めいしょう

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自称じしょうO‘zbekで、まれにオズベクとも表記ひょうきされる。ウズベク(オズベク)は、テュルクで「自分じぶん」を意味いみするオズ(öz)と「君主くんしゅ」を意味いみするベグ(beg)が語源ごげんで、「自身じしんおも」を意味いみするという。この民族みんぞくめい使つかわれたのは ジョチ・ウルスの最盛さいせいきずき、支配しはい遊牧民ゆうぼくみんたちをイスラム教いすらむきょう改宗かいしゅうさせたウズベク・ハン由来ゆらいするとのせつ有力ゆうりょくであり、15世紀せいきころ中央ちゅうおうアジアの南部なんぶにいたチャガタイ・トルコじんティムールあさ人々ひとびと)がきた東部とうぶ遊牧民ゆうぼくみんたちを「ウズベクたち」(ウズベクぞく)とんだことがられる。これを後述こうじゅつする現代げんだいのウズベク民族みんぞく区別くべつする必要ひつようがあるときはとくに遊牧ゆうぼくウズベクぶ。

歴史れきし

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ウズベクをひきいたシャイバーニーあさ16世紀せいきはじめに南下なんか、ティムールあさほろぼしてマー・ワラー・アンナフル周辺しゅうへん定住ていじゅうして以来いらい、ウズベクとは西にしトルキスタン南部なんぶテュルクけい遊牧民ゆうぼくみんのことをした。一方いっぽうで、遊牧民ゆうぼくみんから定住ていじゅうするウズベクもえ、もともとのテュルクペルシアけい言葉ことばとのバイリンガルになってそれまでの定住ていじゅうみん(チャガタイ・トルコじんタジクじん)とのちがいがみられないもの都市としではめずらしくなくなった。このように定住ていじゅうしたウズベクがになった国家こっかはマー・ワラー・アンナフルのブハラ・ハンこく、ホラズムのヒヴァ・ハンこく、フェルガナのコーカンド・ハンこくの3こくがあり、総称そうしょうしてウズベク3ハンこくばれる。これら3こく19世紀せいき後半こうはんロシア帝国ていこくによって併合へいごうもしくは保護ほごこくされ、ロシアはこの地方ちほうムスリムてい住民じゅうみん言語げんご関係かんけいなくサルトんだ。また、男系だんけいチンギス・ハーン子孫しそんチンギスすべ原理げんり)で女系じょけい預言よげんしゃムハンマド子孫しそんサイイド)というてん共通きょうつうする(ただし、コーカンド・ハンこくのみチンギス・ハーンのかないミング部族ぶぞく出身しゅっしんとされる[1])。

20世紀せいきはいるとマー・ワラー・アンナフルのサルトのあいだから民族みんぞく運動うんどうこり、かれらのうちのテュルクけい一派いっぱ西にしトルキスタン南部なんぶのテュルクけい定住ていじゅうみん遊牧民ゆうぼくみん包括ほうかつした民族みんぞく名称めいしょうとしてウズベクの提唱ていしょうした。ウズベクじん概念がいねんソビエト連邦れんぽうのもとで公式こうしき採用さいようされ、ソ連それん政策せいさくてき民族みんぞく境界きょうかい確定かくてい作業さぎょうにより、現代げんだいウズベク民族みんぞく形成けいせいされた。しかし、現代げんだいウズベク民族みんぞくとされた人々ひとびとなかには、サマルカンドのウズベクじんのように、ウズベク(と名付なづけられたテュルク一種いっしゅ)よりもむしろタジク(と名付なづけられたペルシア一種いっしゅ)を母語ぼごとする人々ひとびとおおふくまれているとわれている。このため、ぜん世界せかいすべての地域ちいきの「民族みんぞく」は一定いってい発展はってん段階だんかいはらじゅうでたどり現在げんざいいたっているという、マルクス・レーニン主義しゅぎ公式こうしきもとづいたソ連それんによる民族みんぞく区分くぶん恣意しいせいがしばしば指摘してきされる。

ウズベク民族みんぞくはこのような経緯けいい成立せいりつしたため、ティムールあさほろぼしたウズベクのかんした民族みんぞくティムール自民じみんぞく最大さいだい英雄えいゆうとして賞賛しょうさんするという矛盾むじゅんしょうじている[2]

中国ちゅうごく自治じち地方ちほう

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民族みんぞくきょう

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遺伝子いでんし

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ウズベクキスタンはかつてイランけい民族みんぞくであり、のちテュルクけい民族みんぞくモンゴルけい民族みんぞくとなった。ウズベクじん遺伝子いでんしもこの歴史れきし反映はんえいしている。ある遺伝子いでんし分析ぶんせきでは、ウズベクじんイランけい民族みんぞくモンゴルけい民族みんぞく中間ちゅうかん位置いちしている[3]べつ研究けんきゅうでは、ウズベクじん遺伝子いでんし組成そせいはイランけい民族みんぞくとはことなり、中央ちゅうおうアジアのほかのテュルクけい民族みんぞくちか[4]Y染色せんしょくたいは、ある調査ちょうさ[5]ではアフガニスタンのウズベクじんハプログループC2が41%(7/17)みられるが、べつのウズベクじん全体ぜんたい分析ぶんせき[6]では、ハプログループC2は11.5%で、ハプログループR1aが25.1%で最多さいたとなっている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 小松こまつ久男ひさおへん中央ちゅうおうユーラシア山川やまかわ出版しゅっぱんしゃ、2000ねん、p. 310。
  2. ^ 宇山うやま智彦ともひこ編著へんちょ中央ちゅうおうアジアをるための60しょうだい2はん(エリア・スタディーズ26, 明石書店あかししょてん, 2010ねん2がつ)、98-99ぺーじ
  3. ^ Tatjana Zerjal (2002). “A Genetic Landscape Reshaped by Recent Events: Y-Chromosomal Insights into Central Asia”. The American Journal of Human Genetics 71 (3): 466–482. doi:10.1086/342096. PMC 419996. PMID 12145751. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC419996/. 
  4. ^ Heyer, Evelyne; Balaresque, Patricia; Jobling, Mark A.; Quintana-Murci, Lluis; Chaix, Raphaelle; Segurel, Laure; Aldashev, Almaz; Hegay, Tanya (2009-09-01). “Genetic diversity and the emergence of ethnic groups in Central Asia”. BMC Genetics 10 (1): 49. doi:10.1186/1471-2156-10-49. ISSN 1471-2156. PMC 2745423. PMID 19723301. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2745423/. 
  5. ^ Marc Haber, Daniel E. Platt, Maziar Ashrafian Bonab, Sonia. Afghanistan's Ethnic Groups Share a Y-Chromosomal Heritage Structured by Historical Events http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0034288
  6. ^ Wells, Spencer et al. 2001, The Eurasian Heartland: A continental perspective on Y-chromosome diversity

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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