チベット独立どくりつ運動うんどう

チベットの旗はた（雪山ゆきやま獅子じし旗はた）

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チベット独立どくりつ運動うんどうの象徴しょうちょうとしてよく用もちいられる。20世紀せいき初頭しょとうにダライ・ラマ13世せいによって導入どうにゅうされ、現在げんざいはインド亡命ぼうめい中ちゅうのチベット政府せいふによって使用しようされている。

チベット独立どくりつ運動うんどう（チベットどくりつうんどう）は、近代きんだい東ひがしアジアにおいて、中国ちゅうごくによって主張しゅちょう・実行じっこうされたチベットの一部いちぶまたは全域ぜんいきの支配しはい・統治とうちに対たいする抵抗ていこう運動うんどう、独立どくりつ運動うんどうである。

概要がいよう

1875年ねんの東ひがしアジアの地図ちず

1890年ねんのアジアの地図ちず Meyers Konversations-Lexikon（ライプツィヒ）発行はっこう

1925年ねんのフィンランドの百科ひゃっか事典じてん Pieni Tietosanakirjaに示しめされた地図ちず

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくは、1951年ねんにチベット政府せいふ「ガンデンポタン」を屈服くっぷくさせ、「十じゅう七ななか条じょう協定きょうてい」を強引ごういんに認みとめさせた。清末きよすえ以来いらい、中国ちゅうごく政権せいけんの統治とうちが及およばなくなっていた中央ちゅうおうチベット（チベットの西蔵とりぞう部分ぶぶん）に再ふたたび支配しはい権けんを確立かくりつし、これを「西蔵にしくら和平わへい解放かいほう」（西蔵にしくらの平和へいわ的てきな解放かいほう）と呼よんだ。1950年代ねんだい初頭しょとうからアムド地方ちほうで、1956年ねんよりカムで開始かいしされ、カム反乱はんらんなどが発生はっせいしている。チベット動乱どうらん勃発ぼっぱつの契機けいきとなった「民主みんしゅ改革かいかく」が1959年ねん以降いこうの直接ちょくせつ統治とうちにともない、中央ちゅうおうチベットでも展開てんかいされた。しかし、1958年ねん-1960年ねんに行おこなわれていたのは、農業のうぎょう改革かいかくに失敗しっぱいし、中国ちゅうごく全土ぜんどで数すう千せん万まん人にんの餓死がし者しゃを出だしたといわれる大だい躍進やくしん政策せいさくであった。

これに対たいし、チベット亡命ぼうめい政府せいふ（ガンデンポタン）側がわは、古来こらいよりチベットは独立どくりつ国こくであったという立場たちばから、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの支配しはい統治とうちを「不当ふとうな占領せんりょう」と主張しゅちょうし、当初とうしょは「独立どくりつの回復かいふく」を、1979年ねんに中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府せいふとの交渉こうしょうが開始かいしされてからは、「中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく主権しゅけん下かの真しんの自治じち」を求もとめるという妥協だきょう案あんを提案ていあんしている。

ダライ・ラマは、臨時りんじ政府せいふがダラムサラに居きょを据すえたのち、直ただちに世界せかい人権じんけん宣言せんげんをベースとした憲法けんぽう草案そうあんの制定せいていを指示しじ、ダライ・ラマを国家こっか元首げんしゅに据すえた立憲りっけん君主くんしゅ制度せいどをうたった憲法けんぽう草案そうあんが1963年ねんに制定せいてい、公布こうふされた。インドとネパールを主おもとする世界せかい各地かくちに分布ぶんぷする亡命ぼうめいチベット人じん社会しゃかいは、憲法けんぽう草案そうあん（のち何なん度どか改訂かいていされている）およびそれに準拠じゅんきょして制定せいていされた亡命ぼうめいチベット人じん憲章けんしょうに依拠いきょして組織そしきされている。主おもな亡命ぼうめいチベット人じんの入植にゅうしょく地ちは、ダラムサラ（約やく12,000人にん）、ムンゴット（14,000人にん）、マイソールなどである。

ダライ・ラマ14世せいは世界せかい平和へいわやチベット宗教しゅうきょう・文化ぶんかの普及ふきゅうに対たいする貢献こうけんが高たかく評価ひょうかされ1989年ねんにノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうした。[1]なお、「ダライ・ラマ14世せい」は、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく国内こくないにおけるインターネットのフィルタリングシステム金きむ盾たてで禁止きんしワードとして登録とうろくされている。中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府せいふは、上述じょうじゅつのノーベル平和へいわ賞しょうの受賞じゅしょうに対たいし無視むしを決きめ込こんでおり、関連かんれん図書としょの持込もちこめ、彼かれの写真しゃしんを所持しょじすることさえも禁止きんしされている。

中国共産党ちゅうごくきょうさんとうは、結党けっとう直後ちょくごは、かつて清朝せいちょうの支配しはい下かにあった諸しょ民族みんぞくの「民族みんぞく自決じけつ権けん」を認みとめ、1931年ねんに江西えにし省しょうで樹立じゅりつした「中華ちゅうかソビエト共和きょうわ国こく」時代じだいには、チベットを含ふくめた諸しょ民族みんぞくに対たいし、「民主みんしゅ的てきな自治じち邦くに」を樹立じゅりつし、「自由じゆうに中華ちゅうか連邦れんぽうに加入かにゅうし、または脱退だったいできる」と規定きていする憲法けんぽうを制定せいていするなど、民族みんぞく自決じけつ権けんや高度こうどな自立じりつ性せいを認みとめていたが、1949年ねんの「中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく」建国けんこく以降いこうは、「チベットは中国ちゅうごくの不可分ふかぶんの一部分いちぶぶん」という主張しゅちょうに転てんじ、今いまにいたっている。

東西とうざい冷戦れいせんに加くわえ、文化ぶんか大だい革命かくめいが行おこなわれていた時期じきは中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくとチベット亡命ぼうめい政府せいふ側がわの間あいだには、没交渉ぼっこうしょうであったが、1970年代ねんだい末まつ以降いこう接触せっしょくが再開さいかいした。チベット側がわは、「完全かんぜんなる独立どくりつ」を取とり下さげ、「中国ちゅうごく主権しゅけん下かの完全かんぜんな自治じち」・「チベット全域ぜんいきを単位たんいとしたチベット人じんの自治じち行政ぎょうせい単位たんいの設定せってい」などの主旨しゅしで妥協だきょうする提案ていあんを何なん度どか行いっている。一方いっぽう、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく側がわはこれを「形かたちを変かえた独立どくりつの主張しゅちょう」だとして拒否きょひした。また、ダライラマ14世せいは、21世紀せいき初頭しょとうからは「チベットの独立どくりつは経済けいざい的てき地理ちり的てきに非ひ現実げんじつ的てきであり、チベットは中国ちゅうごくの一部いちぶである」「チベットの外交がいこうと防衛ぼうえいは中国ちゅうごく政府せいふが担当たんとうし、内政ないせいはチベット人じん自身じしんが担当たんとうすべきである」と述のべている。

ラサ市しでは当局とうきょくの厳きびしい締しめ付づけにもかかわらず、地元じもとチベット系けい住民じゅうみんや僧侶そうりょの抵抗ていこう運動うんどうも時折ときおり発生はっせいしている。チベット動乱どうらんによりダライ・ラマ14世せいがラサを脱出だっしゅつして30周年しゅうねんにあたる1989年ねん3月がつには、大だい規模きぼな抗議こうぎ運動うんどうが暴動ぼうどうにまで発展はってんし、多おおくの死傷ししょう者しゃを出だした。それ以降いこう、外国がいこく人じんのチベット訪問ほうもんには多おおくの制限せいげんが設もうけられた（中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府せいふは、現在げんざいでも外国がいこくメディアのチベットからの自由じゆうな報道ほうどうを禁きんじている）。

弾圧だんあつの状況じょうきょうについて、ダライ・ラマやチベット亡命ぼうめい政府せいふから発表はっぴょうされた一いち例れいを挙あげると、2007年ねん8月がつに四川しせん省しょうのチベット族ぞく居住きょじゅう地区ちくで行おこなわれた祭まつりでは、「ダライ・ラマの帰還きかんを願ねがう」と大声おおごえで叫さけんだ1人ひとりのチベット族ぞく男性だんせいが当局とうきょくに逮捕たいほされたことをきっかけに、数すう百ひゃく人にんの民衆みんしゅうと警官けいかん隊たいが衝突しょうとつ、多数たすうの民衆みんしゅうが殴打おうだされた。その数日すうじつ後ご、軍兵ぐんびょう士しら計けい約やく1万まん人にんが出動しゅつどう、住民じゅうみん4000人にんの村むらを包囲ほういし、不穏ふおん分子ぶんしを次々つぎつぎと逮捕たいほした、またダライ・ラマが米べい議会ぎかいから議会ぎかい名誉めいよ黄金おうごん章しょうを授与じゅよされた当日とうじつの早朝そうちょう、ラサでチベット仏教ぶっきょうの僧侶そうりょ数すう百ひゃく人にんが受章じゅしょうを祝いわう活動かつどうを行おこなっていたところ、4000人にんの武たけ警や軍兵ぐんびょう士しが出動しゅつどうし、多数たすうの僧侶そうりょを殴打おうだし、数すう十じゅう人にんの僧侶そうりょが逮捕たいほされた、とされる。

また、同おなじく49周年しゅうねんとなる2008年ねん3月がつには、3月がつ10日とおかのデプン寺てらの僧侶そうりょによるデモに始はじまる抗議こうぎ運動うんどうが、3月14日にちには大だい規模きぼな暴動ぼうどうに発展はってんし、多おおくの死傷ししょう者しゃを出だしている（2008年ねんのチベット騒乱そうらん）。米国べいこくの短波たんぱ放送ほうそう・自由じゆうアジア放送ほうそうなどによると、僧侶そうりょや尼僧にそうを含ふくむ10人にんあまりのチベット族ぞくがチベットの旗はたをふり、ビラを配くばりながら抗議こうぎ活動かつどうを行おこなったところ、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府せいふの武装ぶそう警察けいさつが殴なぐるなど暴力ぼうりょくで抗議こうぎ活動かつどうを鎮圧ちんあつ。聖職せいしょく者しゃへの突然とつぜんの暴力ぼうりょくに、パニック状態じょうたいになったとされる。また、300人にんの僧侶そうりょが参加さんかしてデプン寺てらからジョカン寺てらまでデモ行進こうしんする計画けいかくがあったが、市し中心ちゅうしん10キロの地点ちてんで武装ぶそう警察けいさつに鎮圧ちんあつされ50人にん以上いじょうが連行れんこうされたという。

この様子ようすは世界せかい各国かっこくで大々的だいだいてきに報道ほうどうされ、暴動ぼうどうに対たいし強硬きょうこう策さくを取とった中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく政府せいふは国際こくさい的てきな批判ひはんを浴あびている。ダライ・ラマ14世せいは、この行為こういを文化ぶんか的てき虐殺ぎゃくさつと呼よび、激はげしく中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくを非難ひなんしている。逆ぎゃくに、この件けんで中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく当局とうきょくは「ダライ・ラマ14世せい側がわによる組織そしき的てきな破壊はかい活動かつどう」としており、その「証拠しょうこもある」としている。しかし、その疑うたがいについてダライ・ラマ14世せい側がわは否定ひていし、「原因げんいん究明きゅうめいのために国際こくさい的てきな第三者だいさんしゃ機関きかんによる調査ちょうさが行おこなわれるべきである。チベット亡命ぼうめい政府せいふはその調査ちょうさに対たいしてすべての情報じょうほうを提供ていきょうする用意よういがある」としている。

ダライ・ラマ14世せい

ダライ・ラマ14世せいは、2008年ねん8月がつ21日にち発行はっこうの仏ふつ紙しル・モンドが掲載けいさいしたインタビュー記事きじで、「（今月こんげつ）18日にちにチベット自治じち区く東部とうぶのカム地区ちくで抗議こうぎ行動こうどうを繰くり広ひろげていたチベット系けい住民じゅうみんに中国ちゅうごく軍ぐんが発砲はっぽうした」と言明げんめいした。インタビューでは、「死者ししゃ数すうは確認かくにんする必要ひつようがある」と前置まえおきしつつ、死者ししゃ数すうが140人にんに達たっした可能かのう性せいがあるとの認識にんしきを示しめした。しかし、そのあとダライ・ラマ側がわはこれを訂正ていせいし、ダライ・ラマの真意しんいは「死者ししゃ数すうが140人にんに達たっした可能かのう性せいについて耳みみにしただけだ。確認かくにんするすべはない。したがってわたしにはわからない」というものだと説明せつめいした。また、同紙どうしによる「今年ことし3月がつの暴動ぼうどう以降いこう、ラサ地区ちくだけで400人にんが殺害さつがいされた」とするダライ・ラマの発言はつげんについても、インドにいるダライ・ラマの側近そっきんは「カム地方ちほうで騒乱そうらんが起おきたことは認識にんしきしているが、死傷ししょう者しゃ数すうやその他たの詳細しょうさいについては知しらない。騒乱そうらんが起おきた正確せいかくな日時にちじも分わからない」としている。

2011年ねん1月がつ17日にち、中国ちゅうごく国営こくえい新華社しんかしゃがチベット自治じち区く主席しゅせきの発表はっぴょうとして報道ほうどうしたところによれば、自治じち区く政府せいふは2006年ねんに始はじまった「新しん地方ちほう」プログラムの下したで5年間ねんかんで約やく30万まん家族かぞく、143万まん人にんのチベット民族みんぞくの農民のうみん・遊牧民ゆうぼくみんを「新しん地方ちほう」と称しょうされる新あたらしい定住ていじゅうセトゥルメントに強制きょうせい移動いどうさせた。新あたらしい定住ていじゅう先さきは僻地へきちであり、自治じち区く主席しゅせきは2013年ねんまでに、さらに18万まん5,500世帯せたいのチベット人じんを強制きょうせい移住いじゅうさせる予定よていだと述のべた。チベットの遊牧民ゆうぼくみんはこれに対たいし、強制きょうせい移住いじゅうさせられた最初さいしょの年としにだけ中共ちゅうきょう政府せいふから支払しはらわれる補償ほしょう金きんが尽つきると、その後ごにはブロック製せいの空あき家やしか残のこらず、ほとんどの家族かぞくは生活せいかつの手段しゅだんがないとを訴うったえた。国際こくさい連合れんごうの食料しょくりょう権利けんり特別とくべつ調査ちょうさ員いんであったオリヴィエ・デ・シュッターは、現地げんち調査ちょうさを行おこない、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくがチベットや内うちモンゴルで行おこなっている強制きょうせい移住いじゅう政策せいさくは、遊牧民ゆうぼくみんを家畜かちくを売うって移住いじゅうするしかない状況じょうきょうに追おいやり、彼かれらの食料しょくりょう権利けんりを侵害しんがいしていると報告ほうこくした。

「中国ちゅうごく的てき夢ゆめ」を掲かかげる習近平ひらた政権せいけんに入はいってからは、以前いぜんにも増まして抑圧よくあつ的てき、強権きょうけん的てきな少数しょうすう民族みんぞく政策せいさくがとられるようになった。習近平たいらは、国家こっか主席しゅせきとなって間あいだもない2014年ねんのウルムチ駅えき爆発ばくはつ事件じけんを機きに、今いまこそ「社会しゃかいの安定あんてい」を実現じつげんしなければならないと主張しゅちょうし、「中華ちゅうか民族みんぞく共同きょうどう体たい意識いしき」を「鋳造ちゅうぞう」しなければならないとして抑圧よくあつを強つよめた。習近平たいらによれば、中国ちゅうごくのあらゆる個人こじんの幸福こうふくと発展はってんは、西側にしがわ諸国しょこくによる圧迫あっぱくの歴史れきしを撃破げきはし、「富強ふきょう」を体現たいげんした「中華ちゅうか民族みんぞくの偉大いだいな復興ふっこう」を通つうじてこそ実現じつげんされるものだという。習によれば、開発途上国かいはつとじょうこくである中国ちゅうごくでは、生存せいぞん権けんを保障ほしょうするためには「社会しゃかいの安定あんてい」こそ何なによりも重要じゅうようなのであり、少数しょうすう民族みんぞくも含ふくむ多種たしゅ多様たような主張しゅちょうは、「安定あんてい」や「発展はってん」を阻害そがいし「中国ちゅうごく式しき」の「人権じんけん」に反はんするものである。こういった安定あんてい最さい優先ゆうせん政策せいさくは、政治せいじ的てき、文化ぶんか的てき、法的ほうてき、ないし精神せいしん的てきな抵抗ていこう勢力せいりょくとなりうる全すべてのものを標的ひょうてきとし、敵てきとみなして「カルト集団しゅうだん」に仕立したててあげる。中国共産党ちゅうごくきょうさんとうは各かく民族みんぞくに宗教しゅうきょう教義きょうぎの改変かいへんや風俗ふうぞく習慣しゅうかんの変更へんこうを強要きょうようしている。2017年ねん5月19日にち早暁そうぎょう、青海あおみ省しょうの海うみ北きたチベット族ぞく自治じち州しゅうで22歳さいのチベット僧侶そうりょが焼身しょうしん自殺じさつした。2009年ねん以来いらい、中国ちゅうごく政府せいふの対たいチベット政策せいさくに抗議こうぎして焼身しょうしん自殺じさつを図はかったチベット人じんは、彼かれで150人にん目めとなった。

劉りゅう暁あきら波はの見解けんかい

「鳥とりの巣す」（北京ぺきん国立こくりつスタジアム）に灯ともされた"Free Tibet"のLEDバナー（2008年ねん8月がつ19日にち）

ノーベル平和へいわ賞しょう受賞じゅしょう者しゃの劉りゅう暁あきら波なみは自著じちょ『統一とういつ就是奴やつ役やく...劉りゅう曉あきら波なみ論ろん臺灣たいわん、香港ほんこん及西藏ぞう』において、大だい一統いっとうと中国ちゅうごく民主みんしゅ化かの両立りょうりつは不可能ふかのうであるため、チベット、台湾たいわん、香港ほんこんは中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくから独立どくりつさせるべきだと主張しゅちょうしている。中国ちゅうごく民主みんしゅ化か活動かつどう家かの中なかで分裂ぶんれつを認みとめる言論げんろんを諸しょ夏なつ主義しゅぎという。

年譜ねんぷ

• 雍正のチベット分割ぶんかつ（1724-32）以降いこう、ガンデンポタンはチベットの北部ほくぶ（アムド地方ちほう）、東部とうぶ（カム地方ちほうの東部とうぶ・南部なんぶ）に対たいする統治とうち権けんを失うしなったが、チベット東部とうぶのうち、四川しせん省しょうに分配ぶんぱいされていたニャロン地方ちほうの領主りょうしゅグンポナムギャルが近隣きんりんの領主りょうしゅに対たいする征服せいふく活動かつどうを展開てんかい。ガンデンポタンによる鎮圧ちんあつ。清朝せいちょう、ニャロン地方ちほうをガンデンポタンの管轄かんかつ下かに。近隣きんりんのチベット人じん諸侯しょこうに対たいするガンデンポタンの影響えいきょう力りょくが増大ぞうだいした。
• 四川しせん総督そうとく趙ちょう爾なんじ豊ゆたかによるチベット侵略しんりゃく（1905-10）。四川しせん盆地ぼんちを進発しんぱつして、カム地方ちほうの諸侯しょこうを順次じゅんじ制圧せいあつ、さらにディチュ河かわを越こえてガンデンポタン領内りょうないに侵入しんにゅう、1910年ねんラサを制圧せいあつ。ダライ・ラマ13世せいはインドに脱出だっしゅつ。
• 1911年ねん、辛からし亥い革命かくめいの勃発ぼっぱつ。ダライラマ13世せいはチベットへ帰還きかん。チベット軍ぐんが反撃はんげきを開始かいしした。
• 1918-19年ねん、チベット軍ぐん、一時いちじ的てきにディチュ河かわを越こえ、タルツェド(康かん定じょう)に迫せまる。
• 1932-33年ねん、チベット軍ぐん、ジェクンド(玉樹たまき)の奪回だっかいを目指めざし進撃しんげきするも、中国ちゅうごくの青海あおみ・四川しせん連合れんごう軍ぐんに敗北はいぼく。
• 1949年ねん、アムド地方ちほうを掌握しょうあくしていた青海あおみ省しょう長ちょうの馬うま歩あゆみ芳かおるが台湾たいわんへ脱出だっしゅつ、カム地方ちほうの東部とうぶを掌握しょうあくしていた劉りゅう文輝ふみてるが共産党きょうさんとうに降伏ごうぶく、アムド地方ちほうとカム地方ちほうの東部とうぶが中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの支配しはい下かに入はいる。
• 1950年ねん、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐんがガンデンポタンの勢力せいりょく圏けんであるカム地方ちほう西部せいぶに侵入しんにゅう、チャムド(昌あきら都と)を占領せんりょうする（「昌あきら都と戦役せんえき」）。
• 1951年ねん、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐん、新しん疆方面めん、ジェクンド方面ほうめん（青海あおみ）、チャムド方面ほうめんの3方面ほうめんから中央ちゅうおうチベットにむけて進軍しんぐん、北京ぺきんでは十じゅう七ななか条じょう協定きょうていの締結ていけつ、ラサ、無血むけつ開城かいじょう。中国ちゅうごくはこれを「チベット平和へいわ解放かいほう(西蔵にしくら和平わへい解放かいほう)」と称しょうする。
• 1955年ねん、アムド・カム地方ちほうで「民主みんしゅ改革かいかく」の開始かいし。
• 1956年ねん、アムド・カム地方ちほうで抗こう中ちゅう蜂起ほうき始はじまる（チベット動乱どうらんの勃発ぼっぱつ）
• 1957年ねん - アムド・カムで敗北はいぼくした各地かくちの抗こう中ちゅうゲリラ、ガンデンポタン管轄かんかつ下かの「西蔵とりぞう」に退避たいひ、抗こう中ちゅうゲリラの統一とういつ組織そしきチュシ・ガンドゥクを結成けっせい。
• 1959年ねん3月がつ、ラサ市民しみんの蜂起ほうき。ダライラマ14世せい、ガンデンポタン、チベットを脱出だっしゅつ。中国ちゅうごく国務こくむ院いんは「西蔵にしくら地方ちほう政府せいふ」(ガンデンポタンを指さす)の廃止はいしを布告ふこく、ガンデンポタンはこれに対抗たいこうして「チベット臨時りんじ政府せいふの樹立じゅりつ」を宣言せんげんの後のち、国境こっきょうを越こえインドに亡命ぼうめい。
• 1965年ねん、中国ちゅうごく、チベットの「西蔵とりぞう」部分ぶぶんを領域りょういきとする「チベット自治じち区く(西蔵にしくら自治じち区く)」を発足ほっそくさせる。
• 1974年ねん、「チュシ・ガンドゥク」武装ぶそう解除かいじょ。

関連かんれん項目こうもく

• チベット問題もんだい
• チベット動乱どうらん
• チベット侵攻しんこう (1950-1951)
• カム反乱はんらん
• 1959年ねんのチベット蜂起ほうき
• 2008年ねんのチベット騒乱そうらん
• 内うちモンゴル独立どくりつ運動うんどう
• チュシ・ガンドゥク
• 中国ちゅうごくの少数しょうすう民族みんぞく