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アトランタのたたか

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アトランタのたたか
Battle of Atlanta
南北戦争なんぼくせんそうなか

アトランタのたたか
by Kurz and Allison (1888).
とき1864ねん7がつ22にち
場所ばしょジョージアしゅうフルトンぐん
結果けっか きたぐん勝利しょうり
衝突しょうとつした勢力せいりょく
アメリカ合衆国の旗きたぐん みなみぐん
指揮しきかん
ウィリアム・シャーマン
ジェイムズ・マクファーソン
ジョン・ベル・フッド
戦力せんりょく
ミシシッピ地区ちくぐん テネシーぐん
被害ひがいしゃすう
3,641[1] 8,499[1]

アトランタのたたか(アトランタのたたかい、えい:Battle of Atlanta)は、南北戦争なんぼくせんそうアトランタ方面ほうめん作戦さくせん一部いちぶとして1864ねん7がつ22にちに、ジョージアしゅうフルトンぐんアトランタ南東なんとうおこなわれた戦闘せんとうである。この方面ほうめん作戦さくせん最後さいごしめすような戦闘せんとうめいではあるが、実際じっさいには作戦さくせん中間ちゅうかんこり、アトランタの陥落かんらくまではまだ6週間しゅうかんようした。

背景はいけい

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アトランタ方面ほうめん作戦さくせんでは、ウィリアム・シャーマン少将しょうしょう西部せいぶ戦線せんせんきたぐん指揮しきした。この戦闘せんとうきたぐん主力しゅりょくジェイムズ・マクファーソン少将しょうしょう指揮しきするテネシーぐんだった。マクファーソンは行動こうどう素早すばや攻撃こうげきてきだったので、シャーマン、そしてユリシーズ・グラント中将ちゅうじょうのお指揮しきかんだった。テネシーぐんには3軍団ぐんだんがあり、だい15軍団ぐんだんジョン・A・ローガン少将しょうしょうだい16軍団ぐんだんグレンビル・M・ドッジ少将しょうしょうおよびだい17軍団ぐんだんフランク・P・ブレア・ジュニア少将しょうしょう指揮しきした。

この戦闘せんとうつながる数ヶ月すうかげつあいだみなみぐんジョセフ・ジョンストン将軍しょうぐん優勢ゆうせいなシャーマンぐんたいして後退こうたいかえしてきた。テネシーしゅうチャタヌーガからジョージアしゅうマリエッタまでの鉄道てつどうにずっと沿っておな行動こうどうなんかえされた。ジョンストンぐん防御ぼうぎょてき配置はいちると、シャーマンぐんみなみぐん防御ぼうぎょじん側面そくめんまわり、そこでジョンストンぐん再度さいど後退こうたいした。レサカのたたかのジョンストンぐん撤退てったいつづいて、りょうぐん再度さいどケネソーさんたたかでぶつかったが、みなみぐん指導しどうそうはジョンストンがてる機会きかいがほとんどかったにもかかわらず、きたぐんたたかうことを躊躇ためらうジョンストンに不満ふまんだった。かくして、1864ねん7がつ17にちピーチツリークリークのたたか準備じゅんびをしていたジョンストンは指揮しきかん解任かいにんされ、ジョン・ベル・フッド中将ちゅうじょうえられた。フッドはピーチツリークリークでシャーマンぐんおそかったが、おおきな損失そんしつして失敗しっぱいした。

フッドはそのはるかに無勢ぶぜい軍隊ぐんたいで2つの問題もんだい直面ちょくめんしていた。1つめはアメリカ連合れんごうこく大変たいへん重要じゅうよう鉄道てつどう拠点きょてんであり産業さんぎょう中心ちゅうしんでもあるアトランタまも必要ひつようがあることだった。2つめはその軍隊ぐんたい巨大きょだいなシャーマンぐん比較ひかくしてちいさいことだった。フッドは市内しないむことにして、きたぐんまえきたさせようとかんがえた。マクファーソンぐんはディケーターからアトランタの東側ひがしがわ接近せっきんしていた。

戦闘せんとう

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そのあいだ、フッドはウィリアム・J・ハーディ中将ちゅうじょう軍団ぐんだんきたぐん左側ひだりがわめんまわりこませ、ジョセフ・ホィーラー少将しょうしょう騎兵隊きへいたいはシャーマンぐん補給ほきゅうせんちかくにすすませて、ベンジャミン・チーザム少将しょうしょう軍団ぐんだんきたぐん正面しょうめん攻撃こうげきさせた。これはストーンウォール・ジャクソン用兵ようへい想起そうきさせるうごきであり、うまく可能かのうせいがあった。マクファーソンは正確せいかくにその左側ひだりがわめんたいする脅威きょうい想定そうていして、予備よびたいであるだい16軍団ぐんだんおくりそこを強化きょうかさせた。ハーディ軍団ぐんだんがこの軍団ぐんだん遭遇そうぐうして戦闘せんとうはじまった。みなみぐんはじめの攻撃こうげき撃退げきたいされたが、きたぐん左側ひだりがわめん後退こうたいはじめた。このころ、マクファーソンは戦闘せんとう監視かんしするためにうま前線ぜんせんき、みなみぐん歩兵ほへいじゅうたれて戦死せんしした。

ポッターハウスのまえぼうしがらみ逆茂木さかもぎ、アトランタ、1864ねん

みなみぐん主力しゅりょく前線ぜんせんはこのときL字形じけいをしており、ハーディ軍団ぐんだんがL底辺ていへんよこぼうきたぐん正面しょうめん攻撃こうげきするチーザム軍団ぐんだんたてぼうだった。これはうまくけばきたぐんかこかたちになって戦闘せんとう勝利しょうりできる大変たいへんうまい戦術せんじゅつだった。ハーディの攻撃こうげききたぐんさい編成へんせいして前線ぜんせん保持ほじしたために往生おうじょうした。一方いっぽう、チーザム軍団ぐんだんきたぐん前線ぜんせん突破とっぱしたが、シャーマンがその作戦さくせん本部ほんぶちかくにあった20もん大砲たいほう集中しゅうちゅうさせてみなみぐん砲撃ほうげきさせ、ローガンのだい15軍団ぐんだん編成へんせいなおしてみなみぐん撃退げきたいした。

戦闘せんとうのち

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きたぐん損失そんしつは3,641めいであり、みなみぐんは8,500めいだった[1]。これはすで勢力せいりょくちていたみなみぐんにとってとおくなるような損失そんしつだったが、アトランタ保持ほじつづけた。シャーマンはアトランタたいして包囲ほういせんき、市内しない砲撃ほうげきするととも西にしみなみメイコンから補給ほきゅうせん遮断しゃだんする襲撃しゅうげきたいおくった。最終さいしゅうてき8がつ31にち、シャーマンぐんがジョーンズバラでメイコンからの鉄道てつどう占領せんりょうし、みなみぐんをラブジョイえき方向ほうこうんだ。ジョーンズバラのきたぐん夜中よなかアトランタからばく発音はつおんくことになったが、これはフッドが翌日よくじつアトランタからへい退しりぞくために、補給ほきゅうきたぐんちないよう破壊はかいしていたからだった(この火事かじのシーンが1939ねん映画えいがふうともりぬ』にえがかれた)。9月2にちアトランタ市長しちょうジェイムズ・カルフーンの委員いいんかいきたぐんかた市民しみんであるウィリアム・マーカム、ジョナサン・ノアクロスおよびエドワード・ローソンがきたぐんヘンリー・W・スローカム少将しょうしょう参謀さんぼうである大尉たいいって、降伏ごうぶくもうれた[2]。シャーマンはワシントンに電報でんぽうち、「アトランタは我々われわれのものであり、完全かんぜん勝利しょうりだ」とつたえ、9月7にちには市内しない作戦さくせん本部ほんぶつくり、そこに2ヶ月かげつあいだ滞在たいざいした。市民しみん全員ぜんいんにも退去たいきょめいじた。それから軍隊ぐんたい地上ちじょうにあるすべての建物たてものき、シャーマンのうみへの進軍しんぐんばれることになる東方とうほうへの進軍しんぐんはじめた。

アトランタの陥落かんらくはその政治せいじてき影響えいきょうとく注目ちゅうもくされた。1864ねんアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょう選挙せんきょではもときたぐん将軍しょうぐんジョージ・マクレラン平和へいわ綱領こうりょうにしてリンカーン大統領だいとうりょう挑戦ちょうせんしていた。民主党みんしゅとう綱領こうりょう一部いちぶはアメリカ連合れんごうこくとの休戦きゅうせん要求ようきゅうしていた。この休戦きゅうせん実現じつげんしておれば、戦争せんそう再開さいかいされる可能かのうせい非常ひじょうちいさかったであろう。しかし、アトランタの占領せんりょうと、フッドぐん退散たいさんのときに主要しゅよう軍事ぐんじ施設しせつやしたことは北部ほくぶ新聞しんぶんおおきく報道ほうどうされ、いちじるしく北部ほくぶ士気しきたかめた。リンカーンはかなりのけて再選さいせんされた。

アトランタの戦場せんじょうあと現在げんざい市内しない居住きょじゅう商業しょうぎょうになっており、戦闘せんとう歴史れきしつたえる表示ひょうじがわずかにのこされているだけである。2004ねん戦闘せんとうから140周年しゅうねん記念きねんして、インマン公園こうえん近傍きんぼうに2つの標識ひょうしきてられた。L字形じけい戦線せんせんはおおまかに現在げんざいのリトルファイブ・ポイントとしゅうあいだ高速こうそく道路どうろ20号線ごうせんあいだのモアランド・アベニューが南北なんぼくせんであり、しゅうあいだ高速こうそく道路どうろ20号線ごうせん東西とうざいせんでハーディ軍団ぐんだん攻撃こうげきしたところである。アトランタ・サイクロラマには戦闘せんとう絵画かいが博物館はくぶつかんはいっている。

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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