プライスの襲撃しゅうげき

プライスの襲撃しゅうげきルート（左上ひだりうえの赤あかい矢印やじるし）

プライスの襲撃しゅうげき（プライスのしゅうげき、英えい:Price's Raid、またはプライスのミズーリ遠征えんせい、英えい:Price's Missouri Expedition）は南北戦争なんぼくせんそうのミシシッピ川がわ流域りゅういき戦線せんせんにおいて、1864年ねんに南みなみ軍ぐん騎兵隊きへいたいが行おこなった襲撃しゅうげきである。スターリング・プライス少将しょうしょうがミズーリ州しゅうとカンザス州しゅうで数すう多おおくの戦たたかいを行おこない、最後さいごはアルフレッド・プレソントン少将しょうしょうの北きた軍ぐん騎兵隊きへいたいに敗北はいぼくした。これはミシシッピ川がわの西にしでは最後さいごの主要しゅよう作戦さくせんとなった。

背景はいけい

1864年ねん秋あきのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょう選挙せんきょが近付ちかづくにつれて、南みなみ軍ぐんは絶望ぜつぼう的てきな状況じょうきょうになっていた。エイブラハム・リンカーン大統領だいとうりょうの再選さいせんは南みなみ軍ぐん側がわにとっては最悪さいあくの事態じたいになることが分わかっていたが、国中くになかの戦場せんじょうでの結果けっかはリンカーン有利ゆうりに働はたらいていた。ユリシーズ・グラントは南みなみ軍ぐんのロバート・E・リー軍ぐんをピーターズバーグ包囲ほうい戦せんで閉とじ込こめていた。ジュバル・アーリーはワシントンD.C.郊外こうがいから撤退てったいさせられ、フィリップ・シェリダンがシェナンドー渓谷けいこくに追おっていた。ウィリアム・シャーマンはアトランタを占領せんりょうしていた。

その年としの初夏しょか、南みなみ軍ぐん指導しどう層そうはミシシッピ川がわ流域りゅういき軍ぐん指揮しき官かんエドマンド・カービー・スミス中将ちゅうじょうに、リチャード・テイラー指揮しき下かの軍団ぐんだんをミシシッピ川がわの東ひがしに派遣はけんし、アトランタやモービルの防衛ぼうえいを支援しえんさせるよう命令めいれいした。ミシシッピ川がわを渡わたし船ぶねや歴史れきしの中なかでも最長さいちょうとなったことであろう舟橋ふなばしで渡わたるということは、北きた軍ぐんの砲艦ほうかんが常つねに哨戒しょうかいしていたために不可能ふかのうと考かんがえられ、テイラーは別べつの目的もくてきに当あてられた。

カービー・スミスは、テイラーに提案ていあんされた渡河とかから北きた軍ぐんの注意ちゅういを逸そらせるための準備じゅんびによって一部いちぶ思おもいついた支援しえん計画けいかくがあった。スミスはミズーリ州しゅうを占領せんりょう（彼かれの考かんがえでは再さい占領せんりょう）すれば、北部ほくぶ大衆たいしゅうの考かんがえ方かたをリンカーンに反対はんたいするものに変かえられると考かんがえた。これを成なし遂とげるために、セントルイスの方向ほうこうにスターリング・プライスを大だい騎馬きば隊たい襲撃しゅうげきに送おくった。プライスの作戦さくせんはセントルイスとその豊富ほうふな軍需ぐんじゅ物資ぶっし倉庫そうこを占領せんりょうすることだったが、もしそれらが厚あつく防御ぼうぎょされていると分わかった場合ばあい、そこを省略しょうりゃくして西にしに回まわり、州都しゅうとジェファーソンシティを占領せんりょうするというものだった（このことは明あきらかに心理しんり的てき打撃だげきになるであろうし、1861年ねん以来いらいミズーリ州しゅうの星ほしを南みなみ軍ぐんの旗はたに翻ひるがえさせていることの正当せいとう化かになるものと思おもわれた）。プライスはそれから西にしへの移動いどうを続つづけてカンザス州しゅうを横切よこぎり南みなみのインディアン準じゅん州しゅうに向むかって、「国中くになかのロバ、馬うま、牛うしおよび軍需ぐんじゅ物資ぶっしを攫さらってくる」つもりだった。

プライスは1864年ねん8月がつ28日にちにアーカンソー州しゅうカムデンからその騎兵隊きへいたい「バセップホールズ」と分わかれた。翌日よくじつ、プリンストンで2個こ師団しだんと合流ごうりゅうし、9月13日にちにポカホンタスで3番目ばんめの師団しだんと落おち合あった。その合同ごうどう隊たいは9月19日にちにミズーリ州しゅうに入はいり、ほとんど毎日まいにちとなるミズーリ州民しゅうみん兵隊へいたいとの小競こぜり合あいを始はじめた。

対戦たいせんした勢力せいりょく

プライスはミズーリ軍ぐんと呼よばれた騎兵隊きへいたいを集あつめ、総勢そうぜいは12,000名めいだったが、そのおよそ3分ぶんの1は作戦さくせん当初とうしょ武装ぶそうもしていなかった。3個こ師団しだんで構成こうせいされ、それぞれジェイムズ・F・ファガン少将しょうしょう、ジョン・S・マーマデューク少将しょうしょうおよびジョセフ・O・"ジョー"シェルビー准じゅん将しょうが指揮しきした。

北きた軍ぐんはこの作戦さくせんを民兵みんぺい隊たいとアンドリュー・J・スミス少将しょうしょうの第だい16軍団ぐんだんに、ウィリアム・ローズクランズのミズーリ方面ほうめん軍ぐんから派遣はけんされたアルフレッド・プレソントン少将しょうしょうの騎兵きへい師団しだんが補充ほじゅうされて始はじまった。ローズクランズはスミスの軍団ぐんだんが（プライスの初動しょどうの時ときに、海軍かいぐんの輸送ゆそう船せんに乗のっておりイリノイ州しゅうカイロを出発しゅっぱつしてジョージア州しゅうのシャーマン軍ぐんに加くわわる予定よていだった）この脅威きょういに対応たいおうするためにミズーリ州しゅう任務にんむを割わり当あてられることを要請ようせいした。陸軍りくぐん参謀さんぼう総長そうちょうヘンリー・ハレックは直ただちに要求ようきゅうに応おうじてスミスに上流じょうりゅうに向むかうよう命めいじた。10月半なかばまでに新あたらしく起おこされた境界きょうかい軍ぐんの指揮しき官かんサミュエル・R・カーティス少将しょうしょう（ピーリッジの戦たたかいでプライスの旧きゅう敵てき）の指揮しき下かでカンザス州しゅう境さかいから追加ついか部隊ぶたいが到着とうちゃくした。カーティスはジェイムズ・G・ブラント少将しょうしょう（騎兵きへい師団しだん）、ジョージ・W・ディーツラー少将しょうしょう（カンザス州兵しゅうへい師団しだん）、プレソントンの騎兵隊きへいたいおよびスミス軍団ぐんだんから派遣はけんされたジョセフ・J・ウッズとデイビッド・ムーア各かく大佐たいさの歩兵ほへい師団しだんを指揮しきし、総勢そうぜいは約やく35,000名めいとなった。

戦闘せんとう

ダビドソン砦とりでの戦たたかい（1864年ねん9月がつ27日にち）

詳細しょうさいは「ダビドソン砦とりでの戦たたかい」を参照さんしょう

北きた軍ぐんトマス・ユーイング・ジュニア准じゅん将しょうは援軍えんぐんと共ともに、プライス軍ぐんの前進ぜんしんを妨害ぼうがいするため、セントルイスからミズーリ州しゅうアイアントンに向むかう鉄道てつどうを下くだった。9月27日にちの朝あさ、プライスが攻撃こうげきして北きた軍ぐんを後退こうたいさせピローノブに近ちかいダビッドソン砦とりでを端はしとする防御ぼうぎょ線せんに追おい込こんだ。その日ひの午後ごご遅おそくプライスは何なん度ども砦とりでを急襲きゅうしゅうしたが失敗しっぱいし大おおきな損失そんしつを蒙こうむった。夜よるの間あいだに、北きた軍ぐんは砦とりでを放棄ほうきした。プライスは兵士へいしの生命せいめいという大おおきな代償だいしょうに加くわえて、北きた軍ぐんが勢力せいりょくを集中しゅうちゅうさせ襲撃しゅうげきに対応たいおうするために必要ひつような時間じかんを与あたえてしまった。

同おなじ日びにセントルイスの西にしでウィリアム・"ブラッディ・ビル"・アンダーソン中尉ちゅういが率ひきいる南みなみ軍ぐんのゲリラ隊たいがミズーリ州しゅうセントラリアを襲おそって焼やき討うちし、セントラリアの虐殺ぎゃくさつと呼よばれることになった。アンダーソンは悪名あくめい高たかいウィリアム・C・クアントリル大佐たいさの仲間なかまであり、フランクとジェシーのジェイムズ兄弟きょうだいを伴ともなっていた。これら2つの出来事できごとに対応たいおうして、第だい16軍団ぐんだんはセントルイスに向むかいプレソントン部隊ぶたいで補強ほきょうされ、プライスは西にしのジェファーソンシティ方面ほうめんに進路しんろを変かえた。

グラスゴーの戦たたかい（10月がつ15日にち）

「グラスゴーの戦たたかい (南北戦争なんぼくせんそう)」を参照さんしょう

プライスはグラスゴーに分遣ぶんけん隊たいを送おくりそこにあると言いわれている武器ぶき倉庫そうこの武器ぶきと物資ぶっしを「自由じゆうにする」という決断けつだんをした。この歩兵ほへい、騎兵きへいと砲兵ほうへいの混成こんせい軍ぐんは町まちとヒアフォードヒルの防御ぼうぎょ陣地じんちを包囲ほういした。10月15日にちの夜明よあけ前まえ、南みなみ軍ぐんの大砲たいほうが砲撃ほうげきを始はじめ、グラスゴーに向むかって様々さまざまな径路けいろから前進ぜんしんし、北きた軍ぐんを後退こうたいさせた。北きた軍ぐんは町まちから出でて丘おかに上あがりヒアフォードヒルの防御ぼうぎょ陣地じんちに向むかった。そこで防御ぼうぎょ線せんを布しいたが南みなみ軍ぐんは前進ぜんしんを続つづけた。北きた軍ぐんのチェスター・ハーディング大佐たいさは南みなみ軍ぐんの次つぎの攻撃こうげきに対たいして防御ぼうぎょできないと判断はんだんし、午後ごご1時半じはん頃ごろに降伏ごうぶくした。ハーディングは幾いくつかの北きた軍ぐん倉庫そうこを破壊はかいしていたが、プライス隊たいはライフル銃じゅう、上着うわぎおよび馬うまを発見はっけんした。南みなみ軍ぐんは3日間にちかん町まちに留とまり、その後ご新あたらしい物資ぶっしと武器ぶきを持もって主部しゅぶ隊たいと合流ごうりゅうするためにカンザスシティ方面ほうめんに進すすんだ。この勝利しょうりと物資ぶっしや武器ぶきの確保かくほでプライス軍ぐんの士気しきが上あがった。

第だい二に次じレキシントンの戦たたかい（10月がつ19日にち）

プライスのミズーリ川がわに沿そった行軍こうぐんは緩ゆるりとしたものであり、北きた軍ぐんは集中しゅうちゅうする機会きかいを得えた。ミズーリ方面ほうめん軍ぐんを指揮しきするウィリアム・ローズクランズ少将しょうしょうはプライスとその軍隊ぐんたいを捕つかまえるために挟はさみ撃うちを提案ていあんしたが、カンザス方面ほうめん軍ぐん指揮しき官かんのサミュエル・R・カーティス少将しょうしょうと連絡れんらくが取とれず作戦さくせんが成立せいりつしなかった。カーティスはその部隊ぶたい兵へいの多おおくがカンザス州兵しゅうへいであり、ミズーリ州しゅうに入はいることを拒こばんだので問題もんだいに直面ちょくめんしていたが、ジェイムズ・G・ブラント少将しょうしょう指揮しき下かの2,000名めいの部隊ぶたいがミズーリ州しゅうレキシントンに向むけて進発しんぱつした。10月19日にち、プライス軍ぐんはレキシントンに接近せっきんし、北きた軍ぐんの前哨ぜんしょう隊たいや斥候せっこう隊たいと午後ごご2時じ頃ごろに衝突しょうとつし、これを撃退げきたいして主力しゅりょく部隊ぶたいとの戦闘せんとうになった。北きた軍ぐんは初はじめは抵抗ていこうしたが、最終さいしゅう的てきにプライス軍ぐんが北きた軍ぐんを町まちを抜ぬけて町まちの郊外こうがいまで押おし出だし、夜よるが来くるまでインデペンデンス道路どうろに沿そって追撃ついげきした。カーティスの全ぜん軍ぐんではないので北きた軍ぐんはプライス軍ぐんを止とめられなかったが、南みなみ軍ぐんの緩ゆるりとした行軍こうぐんをさらに遅おくらせることができた。ブラントはプライス軍ぐんの勢力せいりょくと配置はいちについて貴重きちょうな情報じょうほうを掴つかんだ。

リトルブルー川がわの戦たたかい（10月がつ21日にち）

10月がつ20日はつか、ブラント隊たいはミズーリ州しゅうインデペンデンスの8マイル (13 km)東ひがしにあるリトルブルー川がわに到着とうちゃくした。北きた軍ぐんは川かわの西岸せいがんに強力きょうりょくな防御ぼうぎょ陣じんを布しいて再度さいど南みなみ軍ぐんとの交戦こうせんに備そなえた。しかし、カーティスはブラントにインデペンデンスに入はいるよう命令めいれいし、リトルブルー川がわにはトマス・ムーンライト大佐たいさの小しょう部隊ぶたいを残のこした。翌日よくじつ、カーティスはブラントにその志願しがん兵へい全すべてを率ひきいてリトルブルー川がわに戻もどるよう命めいじた。ブラントが川かわに近付ちかづくと、ムーンライトの小しょう部隊ぶたいは命令めいれい通どおり橋きょうを焼やき、敵てきと交戦こうせんし、先日せんじつ占領せんりょうした強力きょうりょくな防御ぼうぎょ陣じんからは撤退てったいし、川かわを渡わたったことが分わかった。ブラントは戦闘せんとうに割わって入はいり、再さい占領せんりょうしたいと考かんがえる防御ぼうぎょ陣じんの向むこうに敵てき軍ぐんを押おし返かえそうとした。北きた軍ぐんは当初とうしょ南みなみ軍ぐんを後退こうたいさせたが、南みなみ軍ぐんの方ほうが勢力せいりょくで優勢ゆうせいであり5時じ間あいだの戦闘せんとうで北きた軍ぐんが損失そんしつを多おおく出だした。北きた軍ぐんはインデペンデンスまで後退こうたいし、暗くらくなった後のちに宿営しゅくえいに入はいった。南みなみ軍ぐんは再度さいどその歩あゆみを鈍にぶくされカーティスの下したに多おおくの援軍えんぐんが到着とうちゃくしていた。

第だい二に次じインデペンデンスの戦たたかい（10月がつ22日にち）

詳細しょうさいは「第だい二に次じインディペンデンスの戦たたかい」を参照さんしょう

プライス軍ぐんは西にしのカンザスシティに向むかった。10月21日にちの夜よるはインデペンデンスで宿営しゅくえいし、翌朝よくあさジョー・シェルビー師団しだんを先導せんどうに、続つづいてマーマデュークの師団しだん、後衛こうえいはファガンの師団しだんという順序じゅんじょで西行さいぎょうを再開さいかいした。シェルビー隊たいはバイラムズフォードに出でたが、他たの2個こ師団しだんはうまく事ことが運はこばなかった。プレソントンの北きた軍ぐん騎兵隊きへいたいがリトルブルー川かわを渉わたるり、ファガン師団しだんの1個いっこ旅団りょだんを叩はたき、インデペンデンスを占領せんりょうした。マーマデューク師団しだんがインデペンデンスの西にし約やく2マイル (3 km)でプレソントン隊たいと遭遇そうぐうして激はげしく攻撃こうげきし、後退こうたいさせて10月23日にちの朝あさまで追おい詰つめておいた。しかしプレソントンの行動こうどうはプライスとその軍隊ぐんたいを脅おどかし、影響えいきょうを与あたえた。南みなみ軍ぐんはビッグブルー川かわを越こえた後のちでその輜重しちょう隊たいをスコット砦とりで道路どうろのリトルサンタフェまで送おくった。

バイラムズフォードの戦たたかい（10月がつ22日にち-23日にち）

プライスのミズーリ軍ぐんが西にしのカンザスシティやレブンワース砦とりでに向むかっていたので、ウェストポート周辺しゅうへんにいたカーティスの境界きょうかい軍ぐんが南みなみ軍ぐんの西行さいぎょうを塞ふさぎ、プレソントンの騎兵きへい師団しだんはプライス軍ぐんの後衛こうえいを圧迫あっぱくしていた。プライス軍ぐんには500両りょう近ちかい荷馬にうま車しゃがあり、ビッグブルー川がわを渉わたるるにはそれら輜重しちょう隊たいを通とおす良よい浅瀬あさせが必要ひつようだった。バイラムズフォードはその辺あたりでは最善さいぜんの浅瀬あさせであり、ウェストポート周辺しゅうへんの戦闘せんとうでは戦略せんりゃく的てき地点ちてんになった。10月22日にち、ブラント師団しだんがビッグブルー川西かわにし岸がんで防御ぼうぎょ的てき陣地じんちを布しいた。午前ごぜん10時じ頃ごろ、シェルビー師団しだんの一部いちぶがブラント隊たいに正面しょうめん攻撃こうげきを掛かけた。この攻撃こうげきはシェルビー隊たいの残のこりが急拵きゅうごしらえの防御ぼうぎょ線せんを布しいたブラント隊たいの側面そくめんを付ついたので作戦さくせん的てきにうまく行いき、北きた軍ぐんをウェストポートまで後退こうたいさせた。その後ごプライスの輜重しちょう隊たいと5,000頭とうの牛うしがバイラムズフォードでビッグブルー川がわを渉わたるり、南みなみのリトル・サンタフェの安全あんぜん地帯ちたいに向むかった。プレソントンの騎兵隊きへいたいがプライス軍ぐんの行路こうろで活動かつどうしており、マーマデューク師団しだんがバイラムズフォードでビッグブルー川がわ西岸せいがんを守まもり、プレソントン隊たいがプライス軍ぐんの後衛こうえいを攻撃こうげきすることを妨さまたげた。プレソントン隊たいは10月23日にち午前ごぜん8時じ頃ごろバイラムズフォードでマーマデューク隊たいを攻撃こうげきした。3時じ間あいだ後ご、マーマデューク隊たいは十分じゅうぶんに戦たたかったとしてウェストポート方向ほうこうに後退こうたいした。プレソントン隊たいは川かわを渉わたるり、ウェストポートでカーティスの境界きょうかい軍ぐんと戦たたかっているプライス軍ぐんには新あらたな脅威きょういになった。プライスは南みなみに後退こうたいする必要ひつようがあった。

ウェストポートの戦たたかい（10月がつ23日にち）

詳細しょうさいは「ウェストポートの戦たたかい」を参照さんしょう

プライスはその前面ぜんめんと後部こうぶでカーティス軍ぐんとプレソントン隊たいに対応たいおうする必要ひつようがあり、一ひとつずつ攻撃こうげきすることにした。プレソントン隊たいはまだ後方こうほうにあったので、プライスはまずウェストポートでカーティス軍ぐんを攻撃こうげきすることを選えらんだ。カーティスは強力きょうりょくな防御ぼうぎょ線せんを構築こうちくし、4時じ間あいだに及およぶ戦闘せんとうの間あいだ、南みなみ軍ぐんは猛然もうぜんとぶつかっていったが効果こうかはなかった。南みなみ軍ぐんは北きた軍ぐんの前線ぜんせんを破やぶれず、南みなみに後退こうたいした。ウェストポートはプライスの襲撃しゅうげきの行方ゆくえを決きめた戦たたかいであり、この時点じてんから南みなみ軍ぐんは後退こうたいを続つづけた。

メルダジーンの戦たたかい（10月がつ25日にち）

詳細しょうさいは「メルダジーンの戦たたかい」を参照さんしょう

プライス軍ぐんが南みなみに後退こうたいし、戦場せんじょうを差配さはいしたプレソントンの隊たいがカンザス州しゅうまで追撃ついげきし、リン郡ぐんトレーディングポストのメルダジーン川岸かわぎしで戦たたかった。午前ごぜん4時じに始はじまった砲撃ほうげき戦せんの後のち、プレソントン隊たいが激はげしく攻撃こうげきした。プレソントン隊たいは数かずでは劣勢れっせいだったが南みなみ軍ぐんの前線ぜんせんを叩はたき、後退こうたいさせた。

マインクリークの戦たたかい（10月がつ25日にち）

詳細しょうさいは「マインクリークの戦たたかい」を参照さんしょう

トレーディングポストの約やく6マイル (10 km)南みなみで、プレソントン師団しだんのフレデリック・ベンティーン大佐たいさとジョン・F・フィリップス大佐たいさの2個こ旅団りょだんがマインクリークを渉わたるっている南みなみ軍ぐんに追おいついた。南みなみ軍ぐんは輜重しちょう車しゃを浅瀬あさせで渡わたすために立たち止どまっており、マインクリークの北岸ほくがんで戦列せんれつを布しいた。北きた軍ぐんはここでも勢力せいりょくで劣おとっていたが、戦闘せんとう中ちゅうにプレソントン隊たいの支援しえん部隊ぶたいが到着とうちゃくしたので騎兵きへい攻撃こうげきを敢行かんこうした。北きた軍ぐんは南みなみ軍ぐんを包囲ほういし、約やく600名めいの兵士へいしとマーマデュークおよびウィリアム・L・キャベル准じゅん将しょうの2人ふたりの将軍しょうぐんを捕虜ほりょにすることになった。プライス軍ぐんは多おおくの兵士へいしを失うしないその運命うんめいが見みえてきた。友邦ゆうほうの領土りょうどに退しりぞくことが唯一ゆいいつの選択肢せんたくしになった。

マーミトン川がわの戦たたかい（10月がつ25日にち）

プライスはカンザス州しゅうのスコット砦とりでに向むけてその荷馬にうま車しゃ運搬うんぱんを続つづけた。10月25日にち午後ごご遅おそく、プライスの輜重しちょう隊たいはマーミトン川がわ浅瀬あさせを渉わたるるために苦労くろうし、マインクリークの時ときと同様どうよう立たち往生おうじょうした。プレソントン騎兵きへい師団しだんの2個こ旅団りょだんを率ひきいるジョン・マクニール准じゅん将しょうが南みなみ軍ぐんを攻撃こうげきし、プライスとその士官しかん達たちはかなりの数かずの非ひ武装ぶそう兵士へいしも含ふくめ部隊ぶたいを再さい結集けっしゅうさせた。マクニールは南みなみ軍ぐんの勢力せいりょくを観察かんさつしたが、その多おおくは武器ぶきを持もっていないことが分わからず、全力ぜんりょく攻撃こうげきを差さし控ひかえた。約やく2時じ間あいだの小競こぜり合あいの後のち、プライス軍ぐんは後退こうたいを続つづけ、マクニールは効果こうか的てきな追撃ついげきが出来できなかった。プライス軍ぐんはこの時ときまでに崩壊ほうかいし、友邦ゆうほうの領土りょうどまでどれだけ多おおくの兵士へいしが到着とうちゃくできるかということが唯一ゆいいつの問題もんだいになった。

第だい二に次じニュートニアの戦たたかい（10月がつ28日にち）

プライス軍ぐんの残存ざんそん部隊ぶたいはその撤退てったいを中断ちゅうだんしてミズーリ州しゅうニュートニアの南みなみ約やく2マイル (3 km)で休息きゅうそくした。その後ご間あいだもなく、ブラントの北きた軍ぐんが南みなみ軍ぐんを急襲きゅうしゅうし、追おい始はじめた。鉄てつの旅団りょだんを含ふくむジョー・シェルビー師団しだんが前面ぜんめんに出でて馬うまを降おりて北きた軍ぐんと交戦こうせんし、他たの南みなみ軍ぐんはインディアン準じゅん州しゅう方向ほうこうに撤退てったいした。その後ごジョン・B・サンボーン准じゅん将しょうが北きた軍ぐんの援軍えんぐんを連つれて現あらわれ、そのことでシェルビーは後退こうたいを決きめた。北きた軍ぐんは南みなみ軍ぐんに後退こうたいを強しいたが、その破壊はかいや捕獲ほかくには失敗しっぱいした。

戦闘せんとうの後のち

プライス軍ぐんは再度さいどアーカンソー州しゅうに入はいり、スミス砦とりでは避さける必要ひつようがあったので回まわり込こんでインディアン準じゅん州しゅうからテキサス州しゅうを回まわり、わずか6,000名めいとなった残存ざんそん兵へいとともに12月2日にちにアーカンソー州しゅうに戻もどった。プライスはカービー・スミスの下したに出頭しゅっとうし、「1,434マイル (2,308 km)行軍こうぐんし、43度どの戦闘せんとうと小競こぜり合あいを行おこない、3,000名めいの北きた軍兵ぐんびょうを捕つかまえて釈放しゃくほうし、18門もんの大砲たいほうを捕獲ほかくし、...ミズーリ州しゅうの1,000万まんドルの価値かちがある資産しさんを破壊はかいした」と報告ほうこくした。自軍じぐんの損失そんしつは1,000名めいと主張しゅちょうしたが3ヶ月かげつ以上いじょうの強行きょうこう軍ぐんの中なかで6,000名めい近ちかくが失うしなわれていた。その任務にんむは失敗しっぱいし、ここで北きた軍ぐんが成功せいこうを積つみ重かさねたことで、リンカーンの再選さいせんに貢献こうけんした。南北戦争なんぼくせんそうのミシシッピ川がわ流域りゅういきでは最後さいごの主要しゅよう攻撃こうげきとなった。

関連かんれん項目こうもく

• ミシシッピ川がわ流域りゅういき戦線せんせん

参考さんこう文献ぶんけん

• Eicher, David J., The Longest Night: A Military History of the Civil War, Simon & Schuster, 2001, ISBN 0-684-84944-5.
• Foote, Shelby, The Civil War, A Narrative: Red River to Appomattox, Random House, 1974, ISBN 0-394-74913-8.
• National Park Service Battle Summaries