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ウラナミシジミ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウラナミシジミ
ウラナミシジミ、側面そくめん
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 節足動物せっそくどうぶつもん Arthropoda
つな : 昆虫こんちゅうつな Insecta
: チョウ鱗翅りんしLepidoptera
: シジミチョウ Lycaenidae
: ヒメシジミ Polyommatinae
ぞく : ウラナミシジミぞく Lampides
たね : ウラナミシジミ L. boeticus
学名がくめい
Lampides boeticus
(Linnaeus1767)
シノニム
  • Papilio boeticus Linnaeus, 1767
  • Papilio damoetes Fabricius, 1775
  • Lycaena leguminis Scott, 1890 (unavailable syn)
  • Papilio coluteae Fuessly, 1775
  • Papilio archias Cramer, [1777]
  • Papilio pisorum Fourcroy, 1785
  • Papilio boetica Fabricius, 1793
  • Lampides armeniensis Gerhard, 1882
  • Polyommatus bagus Distant, 1886
  • Lampides grisescens Tutt, [1907]
  • Lampides caerulea Tutt, [1907]
  • Lampides caeruleafasciata Tutt, [1907]
  • Lampides clara Tutt, [1907]
  • Lampides clarafasciata Tutt, [1907]
  • Lampides coerulea Tutt, [1907]
  • Lampides ab. fasciata Tutt, [1907]
  • Lampides fusca Tutt, [1907]
  • Lampides ab. fuscafasciata Tutt, [1907]
  • Lampides typicamarginata Tutt, [1907]
  • Lampides ab. major Tutt, [1907]
  • Lampides minor Tutt, [1907]
  • Lampides typicafasciata Tutt, [1907]
  • Lampides ab. albovittata Oberthür, 1910
  • Lampides ab. ecaudata Oberthür, 1910
  • Polyommatus yanagawensis Hori, 1923
  • Lampides obsoleta Evans, [1925]
  • Lampides fusca de Sagarra, 1926
  • Lycaena ab. minor Pionneau, 1928
  • Lampides infuscata Querci, 1932
  • Lampides ab. kawachensis Hirose, 1933
  • Lampides anamariae Gómez Bustillo, 1973
  • Lampides boeticus f. michaeli Kroon, 1980
和名わみょう
ウラナミシジミ
英名えいめい
Long-tailed Blue

ウラナミシジミうらしょうはいちょうLampides boeticus)は、シジミチョウヒメシジミ分類ぶんるいされるチョウ一種いっしゅアフリカユーラシア大陸たいりくオーストラリアまでひろ分布ぶんぷするシジミチョウで、日本にっぽんではあき各地かくちられる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

成虫せいちゅう前翅ぜんしちょうは15-20ミリメートルほど。うらにはうす褐色かっしょくしろのしま模様もようがあり、和名わみょうはここに由来ゆらいする。翅のひょう光沢こうたくのある青色あおいろ黒褐色こっかっしょく縁取へりとりがあるが、オスが青色あおいろ部分ぶぶんひろいのにたいし、メスは青色あおいろすくなく、黒褐色こっかっしょくだい部分ぶぶんめる。また、後翅こうし後端こうたんにはくろ斑点はんてんが2つあり、2つの斑点はんてんあいだにはほそじょう突起とっきている。このくろ斑点はんてんじょう突起とっき複眼ふくがん触角しょっかくていて、頭部とうぶ模様もようをもつことで身体しんたい方向ほうこう頭部とうぶ位置いちについててきをあざむいているとかんがえられている。

生態せいたい[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは北海道ほっかいどう南部なんぶ以南いなんひろられ、日本にっぽん以外いがいでもアフリカ、ヨーロッパアジア、オーストラリアまでひろ分布ぶんぷする。もともと熱帯ねったい亜熱帯あねったい分布ぶんぷするが、移動いどうせいたかいチョウで、はるからあきにかけて温帯おんたいいき分布ぶんぷひろげ、ふゆにはさむさのため死滅しめつするというサイクルをかえしている。日本にっぽんでも西日本にしにほん温暖おんだん地域ちいきでは1ねんちゅうられるが、東日本ひがしにっぽんではなつからあきにかけてがおおく、ふゆからはるにはあまりられない。

日当ひあたりの草原そうげん生息せいそくする。幼虫ようちゅうエンドウアズキクズなど、野菜やさい山野やまのくさわずマメ植物しょくぶつ幅広はばひろべる。そのため手入ていれがおこなわれないマメはたけや、クズのしげった荒地あれちなどではウラナミシジミがおお場合ばあいがある。成虫せいちゅう姿すがたヤマトシジミなどにるが、ややおおきくてぶのがはやいので見分みわけがつく。

幼虫ようちゅうふとくてみじかイモムシじょうで、マメ植物しょくぶつはなわか果実かじつなどをべながら成長せいちょうする。

ギャラリー[編集へんしゅう]

類似るいじしゅ[編集へんしゅう]

和名わみょうに「ウラナミシジミ」とつくチョウはほかにもいる。これらの成虫せいちゅうはウラナミシジミと姿すがたていてもぞくことなり、しょくそうなどにもちがいがある。

ウスアオオナガウラナミシジミ Catochrysops panormus exiguus
ムラサキオナガウラナミシジミ C. strabo
シロウラナミシジミ Jamides alecto
前翅ぜんしちょうは20mmほどでウラナミシジミよりだいぶおおきい。オスの翅の表側おもてがわ空色そらいろで、くろほそ縁取へりとりがある。メスの翅の表側おもてがわしらみがつよ縁取へりとりがひろい。幼虫ようちゅうハナシュクシャなどショウガやカンナなどのつぼみしょくそうとする。東南とうなんアジアのねつ帯域たいいき分布ぶんぷし、日本にっぽんでは1970年代ねんだいからおお八重山諸島やえやましょとう記録きろくされはじめ、2020ねんからは奄美あまみ大島おおしまでも記録きろくされている[2]。ただし奄美あまみ大島おおしまではふゆにはしょくそうのショウガなどのつぼみがなくなるため、定着ていちゃくはできていないとかんがえられている。
ルリウラナミシジミ J. bochus Stoll, 1782
前翅ぜんしちょうは15mmほど。のとおり翅の表側おもてがわあおみがつよく、くろ縁取へりとりがある。また、翅の裏側うらがわのしま模様もようは翅のつけけている。オスは縁取へりとりがせま青色あおいろ部分ぶぶんにつやがあるが、メスは縁取へりとりがひろ青色あおいろ部分ぶぶんにつやがない。たまごあわつつまれる。幼虫ようちゅうクロヨナなどのマメ植物しょくぶつしょくそうとする。インドからオーストラリアまでのねつ帯域たいいき分布ぶんぷし、日本にっぽんでは石垣島いしがきじま西表島いりおもてじまには定着ていちゃくしているが、迷チョウとして西日本にしにほん各地かくちでしばしば記録きろくされている。
ヒメウラナミシジミ Prosotas nora C.Felder, 1860
前翅ぜんしちょうは15mm前後ぜんこう。翅のうらはウラナミシジミよりも褐色かっしょくい。翅のひょうはオスがあお紫色むらさきいろで、メスが黒褐色こっかっしょくをしている。ふつうはじょう突起とっきがないが、じょう突起とっきがある「有尾ありおがた」もいる。幼虫ようちゅうモダマなどのマメ植物しょくぶつしょくそうとする。インドからオーストラリアに分布ぶんぷし、日本にっぽんでは八重山諸島やえやましょとう分布ぶんぷする。
アマミウラナミシジミ Nacaduba kurava Moore, 1858
前翅ぜんしちょうは15mmほど。オスの翅の表側おもてがわ一様いちようくら紫色むらさきいろをしている。メスの翅は褐色かっしょくで、翅の中央ちゅうおうあお部分ぶぶんがあるが、オスよりもあかるい青色あおいろをしている。幼虫ようちゅうヤブコウジモクタチバナなどをしょくそうとする。九州きゅうしゅう南部なんぶから南西諸島なんせいしょとう東南とうなんアジアにかけて分布ぶんぷする。
マルバネウラナミシジミ Petrelaea tombugensis Rober, 1886
オガサワラウラナミシジミという別名べつめいもある。翅の裏側うらがわうすあお褐色かっしょく白線はくせん多数たすうある。翅の表側おもてがわはオスが一様いちようあかるい水色みずいろだが、メスは褐色かっしょくで、翅の中央ちゅうおうからつけにかけて水色みずいろ部分ぶぶんがある。幼虫ようちゅうシクンシモモタマナしょくそうとし、はなわか果実かじつべる。和名わみょうのとおり日本にっぽんでは小笠原諸島おがさわらしょとうだけに分布ぶんぷするが、東南とうなんアジアにも分布ぶんぷしている。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ Edge, D.A. & Westrip, J.R.S. (2021). “Lampides boeticus”. IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T174427A161341394. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T174427A161341394.en. https://www.iucnredlist.org/species/174427/161341394 2023ねん9がつ25にち閲覧えつらん. 
  2. ^ 金井かないけんいち 2022 2021ねん奄美あまみ大島おおしまでシロウラナミシジミが発生はっせい SATSUMA (169) 64
  • 福田ふくだ晴夫はるおほか 『昆虫こんちゅう図鑑ずかん 採集さいしゅう標本ひょうほんつくかた - 野山のやま宝石ほうせきたち』 南方みなかたしんしゃ、2005ねんISBN 4-86124-057-3
  • 猪又いのまた敏男としおへん解説かいせつ松本まつもとかつしん写真しゃしんちょうやま溪谷社けいこくしゃ新装しんそうばんやまけいフィールドブックス〉、2006ねんISBN 4-635-06062-4