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オオウナギ

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オオウナギ
オオウナギ
オオウナギ Anguilla marmorata
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : じょうひれつな Actinopterygii
: ウナギ Anguilliformes
: ウナギ Anguillidae
ぞく : ウナギぞく Anguilla
たね : オオウナギ A. marmorata
学名がくめい
Anguilla marmorata
Quoy & Gaimard, 1824[1][2]
和名わみょう
オオウナギ[2]
英名えいめい
Giant long-finned eel[1]
Giant mottled eel[1]
Marbled eel[1]

オオウナギだいうなぎえい: Giant mottled eel学名がくめい: Anguilla marmorata)は、ウナギウナギぞくするさかなである。和名わみょうのとおりにニホンウナギよりも大型おおがたである。ニホンウナギの大型おおがた個体こたいを「だいうなぎ(おおうなぎ)」とぶこともあるが、オオウナギとニホンウナギとは同属どうぞく別種べっしゅである。ニホンウナギよりも熱帯ねったいせいつよい。遺伝子いでんし解析かいせきから6つ程度ていど繁殖はんしょく集団しゅうだん存在そんざいしているとの報告ほうこくがある[3]。また、繁殖はんしょく集団しゅうだんごとにそれぞれの産卵さんらん場所ばしょがあるとかんがえられている[3]

特徴とくちょう

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最大さいだい全長ぜんちょう2m・体重たいじゅう20kgにたっする。背中せなかがわ褐色かっしょく黒褐色こっかっしょくのまだら模様もようがあり、はらがわ黄白こうはくしょくをしている。わか個体こたいはウナギと同様どうよう細長ほそなが体型たいけいをしているが、大型おおがた個体こたいどう直径ちょっけいが20cmぐらいと大人おとなうで以上いじょうふとさ、丸太まるたのようにふとくなる。わか個体こたいは、からだひょうにまだら模様もようがあるてんでウナギと区別くべつできる。ただし、個体こたいによっては模様もよううすくウナギとの区別くべつむずかしい場合ばあいもある。

また、おなじくからだひょうにまだら模様もようがあるタウナギとも別種べっしゅべつべつぞく)である。タウナギにはむねびれがなく、からだひょうのまだら模様もようもまばらであるてんから、オオウナギと区別くべつすることができる。

太平洋たいへいようインド洋いんどよう熱帯ねったい亜熱帯あねったいいきひろ分布ぶんぷ[3]、ウナギウナギぞくぜん19しゅ亜種あしゅのうちでもっとひろ分布ぶんぷしている。日本にっぽんでは利根川とねがわ以西いせい長崎ながさきけん以南いなん暖流だんりゅうめんした地域ちいき生息せいそく点在てんざいする。南西諸島なんせいしょとうではオオウナギはニホンウナギよりもおお普通ふつうしゅであり、かつ、1mをえる個体こたい普通ふつうで、奄美あまみ大島おおしま沖縄おきなわ本島ほんとうでは1.5mをえる個体こたい捕獲ほかくされている。

かわながれがゆる場所ばしょみずうみいけマングローブなどに生息せいそくしている。にちちゅういわ植物しょくぶつ隙間すきまかくれてやすみ、よるになるとおよ獲物えものさがす。あめには、とくわか個体こたいみずじょうて、えさじょうもとめて上流じょうりゅうとうほかみずじょう移動いどうすることがある。水中すいちゅうだけでもなく、短時間たんじかんならば表面ひょうめんれていれば皮膚ひふ呼吸こきゅうができるため、ろくがり水辺みずべきしどろうえりく)で捕食ほしょく行動こうどうをすることもある。

しょくせい肉食にくしょくせいである。おも甲殻こうかくるいしょうさかな昆虫こんちゅうカエルネズミ小型こがた鳥類ちょうるいまでまるみにする。とくカニエビザリガニなどの甲殻こうかくるいこのむといわれており、地方ちほうめいにはカニクイというものもある。

繁殖はんしょくさいかわくだり、外洋がいよういき深海しんかい産卵さんらんする。このてんでウナギと同様どうようである。たまごからかえったオオウナギの稚魚ちぎょレプトケファルス形態けいたい半年はんとしほど外洋がいようただよいながら成長せいちょうつづけ、全長ぜんちょう5cmほどのシラスウナギとなって各地かくち海岸かいがんあらわれ、かわ遡上そじょうする。寿命じゅみょうは40ねんという記録きろくがある。

鹿児島かごしまけん南部なんぶ南西諸島なんせいしょとう台湾たいわん中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく広東かんとんしょう香港ほんこんベトナムなどでは食用しょくよう強壮きょうそうざいにもされる。中国ちゅうごく香港ほんこんではニホンウナギよりも栄養えいよう強壮きょうそう効果こうかたかいとしんじられている[4]が、根拠こんきょ不明ふめい。また、ウナギよりかた淡泊たんぱくであるために不味ふみとされており、やわらかくするために煮込にこにされることおおい。

別名べつめい

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ゴマウナギ(高知こうちけん)、カニクイ、カニクイウナギ、アカウナギ(九州きゅうしゅう)など。 中国ちゅうごくでははなうなぎ鱺、台湾たいわんではすずきうなぎがらすみみうなぎ香港ほんこんでははなにしき鳝等とばれる。

天然記念物てんねんきねんぶつ

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熱帯ねったいせいたねであるため、日本にっぽん九州きゅうしゅう以北いほくではにする機会きかいすくない。1999ねん公表こうひょうされた環境省かんきょうしょうレッドリストには記載きさいされていないが、オオウナギの生息せいそく各地かくち天然記念物てんねんきねんぶつ指定していされている。

これら以外いがいにも、かくけん市町村しちょうそんレベルでオオウナギが天然記念物てんねんきねんぶつ指定していされている場合ばあいがあるため捕獲ほかくには注意ちゅういようする。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • やま溪谷社けいこくしゃやまけいカラー名鑑めいかん 改訂かいていばん 日本にっぽん淡水魚たんすいぎょかわ浩哉ひろや水野みずの信彦のぶひこ細谷ほそやかずうみへん ISBN 4-635-09021-3
  • 山海さんかいどう フィールド総合そうごう図鑑ずかんかわ生物せいぶつ財団ざいだん法人ほうじんリバーフロント整備せいびセンターへん ISBN 4-381-02140-1

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e Pike, C., Crook, V., Jacoby, D. & Gollock, M. 2020. Anguilla marmorata (amended version of 2019 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T166189A176493885. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-3.RLTS.T166189A176493885.en. Downloaded on 03 June 2021.
  2. ^ a b 本村もとむら浩之ひろゆき日本にっぽんさん魚類ぎょるいぜん種目しゅもくろく これまでに記録きろくされた日本にっぽんさん魚類ぎょるいぜんたね現在げんざい標準ひょうじゅん和名わみょう学名がくめい』、鹿児島大学かごしまだいがく総合そうごう研究けんきゅう博物館はくぶつかん、2020ねん、17ぺーじ
  3. ^ a b c 石川いしかわさとしオオウナギの集団しゅうだん構造こうぞうかんする分子ぶんし遺伝いでんがくてき研究けんきゅう東京大学とうきょうだいがく 博士はかせ論文ろんぶんかぶとだい13518ごう、1998ねんNAID 500000178901 
  4. ^ ちょうあや香港ほんこん海鮮かいせん大全たいぜん、p92、1994ねん香港ほんこん飲食いんしょく天地てんち出版しゅっぱんしゃ
  5. ^ 話題わだい:8代目だいめ「うな太郎たろう」がだい往生おうじょう/長崎ながさき井戸いどに20年余ねんよ - 毎日まいにちjp(毎日新聞まいにちしんぶん)、2011ねん2がつ25にち[リンク]

関連かんれん項目こうもく

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