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ケネス・アイバーソン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
ケネス・ユージン・アイバーソン
Kenneth E. Iverson, 1989
生誕せいたん (1920-12-17) 1920年ねん12月17日にち
カナダの旗 カナダ アルバータ州しゅうカムローズ
死没しぼつ (2004-10-19) 2004年ねん10月19日にち（83歳さい没ぼつ）
カナダの旗 カナダ オンタリオ州しゅうトロント
市民しみん権けん カナダの旗 カナダ
研究けんきゅう分野ぶんや 計算けいさん機き科学かがく
研究けんきゅう機関きかん ハーバード大学だいがく
IBM
出身しゅっしん校こう クイーンズ大学だいがく
ハーバード大学だいがく
博士はかせ課程かてい
指導しどう教員きょういん		 ワシリー・レオンチェフ
ハワード・エイケン
主おもな業績ぎょうせき プログラミング言語げんご: APL, J
主おもな受賞じゅしょう歴れき IBMフェロー
チューリング賞しょう
プロジェクト:人物じんぶつ伝でん
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ケネス・ユージン・アイバーソン（Kenneth Eugene Iverson、1920年ねん12月17日にち - 2004年ねん10月19日にち）は、カナダの情報じょうほう工学こうがく者もの、計算けいさん機き科学かがく者もの。プログラミング言語げんごAPLを開発かいはつしたことで知しられる。

1983年ねん、ACMの Special Interest Group on APL (SIGAPL) はアイバーソンの栄誉えいよを讃たたえてAPLの発展はってんに寄与きよした人物じんぶつを表彰ひょうしょうする「アイバーソン賞しょう」を創設そうせつした。

生涯しょうがい

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カナダアルバータ州しゅうカムローズで、ノースダコタ州しゅうから移住いじゅうしてきたノルウェー移民いみんの子ことして生うまれた。実家じっかは農家のうかで経済けいざい的てきに貧まずしく、初歩しょほ的てきな教育きょういくを終おえると実家じっかの農業のうぎょうを手伝てつだう日々ひびを送おくった。農業のうぎょうで生計せいけいを立たてる間あいだにも独学どくがくで数学すうがく（微分びぶん積分せきぶん学がくなど）を勉強べんきょうする努力どりょくを続つづけた。転機てんきが訪おとずれたのは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後あとで、戦争せんそう中ちゅうにカナダ空軍くうぐん兵士へいしとして勤務きんむしながら大学だいがく入学にゅうがくの資格しかくを取得しゅとくしたアイバーソンは、1946年ねんにクイーンズ大学だいがくに入学にゅうがく、得意とくいとする数学すうがく・物理ぶつり学がくを専攻せんこうして1950年ねんに卒業そつぎょうした。

卒業そつぎょう後ごはハーバード大学だいがくの大学院だいがくいんに移うつって1951年ねんに修士しゅうし号ごうを取得しゅとく、後のちに投入とうにゅう産出さんしゅつ分析ぶんせきでノーベル経済けいざい学がく賞しょうを授与じゅよされるワシリー・レオンチェフの助手じょしゅになった。レオンチェフが自みずからの経済けいざい分析ぶんせきに情報じょうほう工学こうがく者しゃハワード・エイケンの開発かいはつした Harvard Mark IV を活用かつようする事ことを決きめると、アイバーソンに実際じっさいの作業さぎょうを委ゆだねた。この活動かつどうが高たかく評価ひょうかされ、アイバーソンは1954年ねんに応用おうよう数学すうがくの博士はかせ号ごうを授与じゅよされた。

博士はかせになったアイバーソンはハーバード大学だいがくの助教授じょきょうじゅとして約やく5年間ねんかん雇用こようされ、配列はいれつを数学すうがく的てき記法きほうで操作そうさする方法ほうほうを開発かいはつし学生がくせいたちに教おしえていたが、在職ざいしょく権けんを更新こうしんできなかった。1960年ねん、IBMに雇用こようされ、その数学すうがく的てき記法きほうをベースとして System/360 上うえでAPLを開発かいはつした。1979年ねん、「APLに代表だいひょうされる数学すうがく的てき記法きほうとプログラミング言語げんご理論りろんへの貢献こうけんに対たいして」チューリング賞しょうが授与じゅよされた。翌年よくねん、IBMを離はなれてAPLを使つかった計算けいさんセンター企業きぎょう I. P. Sharp Associates をカナダで創業そうぎょう、APLの改良かいりょうに務つとめた。

1987年ねんには企業きぎょう運営うんえいから引退いんたいし、1989年ねん夏なつにRoger Hui と Arthur Whitney と共ともに簡単かんたんなインタプリタのプロトタイプを開発かいはつ。それが後のちにAPLの派生はせい言語げんごであるJ言語げんごに発展はってんした。1990年代ねんだい以降いこうは Hui と共ともに、J言語げんごの発展はってんとそれを用もちいた数学すうがく教育きょういくに専心せんしんした。

2004年ねん10月がつ19日にち、カナダのオンタリオ州しゅうトロントにて心臓しんぞう発作ほっさで死去しきょ。享年きょうねん83。

業績ぎょうせき

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アイバーソンが学生がくせいに配列はいれつ操作そうさを教おしえるために考案こうあんした数学すうがく的てき記法きほうはアイバーソン記法きほうと呼よばれ、1962年ねんの著書ちょしょ A Programming Language[1] で説明せつめいされている。1960年ねん、IBMに就職しゅうしょくすると、トーマス・J・ワトソン研究所けんきゅうじょで Adin Falkoff と共ともに働はたらくようになり、その記法きほうをベースとしてAPLを開発かいはつした。1970年ねん、アイバーソンはIBMフェローとなった[2]。

1989年ねん、Roger Hui と共ともにAPL風ふうの言語げんごJの開発かいはつを開始かいしし、まず翌年よくねんのAPL90会議かいぎで一般いっぱん公開こうかいした[3]。通常つうじょうの文字もじセットでは記述きじゅつできないというAPLの問題もんだいを解決かいけつすべく普通ふつうの文字もじセットで記述きじゅつ可能かのうにし、関数かんすう型がたプログラミング、変数へんすう配列はいれつ、MIMD型かた並列へいれつ操作そうさといった改良かいりょうを加くわえており、これらの一部いちぶは今日きょうのAPLでも実現じつげんしていない。J言語げんごは既存きそんのAPLを改良かいりょうした言語げんごを意図いとしている。Jインタプリタと言語げんごは今いまも発展はってんし続つづけている。J Software からGPLv3ライセンスで入手にゅうしゅ可能かのうとなっている[4]。

主おもな著書ちょしょ

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  • A Programming Language（1962年ねん）
  • Automatic Data Processing（フレデリック・ブルックスとの共著きょうちょ）（1963年ねん）
  • A Formal Description of SYSTEM/360, (with A. D. Falkoff and E. H. Sussenguth), IBM Systems Journal, vol. 3. no. 3, 1964, pp. 198–262.
  • Elementary Functions: an algorithmic treatment (Science Research Associates, Inc.)（1966年ねん）
  • APL\360:User's Manual (with A. D. Falkoff), IBM, 1968
  • APL in Exposition, IBM Philadelphia Scientific Center Tech. Report No. 320-3010, IBM, 1972.
  • The Design of APL, (with A. D. Falkoff) IBM J. Research and Development, vol. 17, no. 4, 1973, pp. 324–334.
  • Notation as a Tool of Thought, Comm. ACM, vol. 23, no. 8, 1980, pp. 444–465.
  • A Source Book In APL（Adin D. Falkoff との共著きょうちょ）(APL Press)（1981年ねん）
  • Tangible Math (Iverson Software Inc.)（1990年ねん）
  • A Personal View of APL, IBM System Journal, vol. 30, no. 4, 1991, pp. 582–593.
  • The ISI Dictionary of J (Iverson Software Inc.)（1991年ねん）

受賞じゅしょう歴れき

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ John Wiley & Sons, ISBN 0-471-43014-5
  2. ^ Citation in Corporate Technical Recognition Event (CTRE) booklet, 3 June 1997
  3. ^ APL/?, by Kenneth E. Iverson and Roger Hui, APL90 Conference Proceedings, ACM, 1990
  4. ^ J Software Source Code page
  5. ^ “Computer Pioneer Charter Recipients”. IEEE Computer Society. 2011年ねん7月がつ16日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

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著作ちょさく物ぶつへの外部がいぶリンク

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  • A Programming Language, now in HTML
  • Adin D. Falkoff, Kenneth E. Iverson, and Edward H. Sussenguth, Jr.. “A Formal Description of SYSTEM/360”. IBM Systems Journal, Volume 3, Number 3, 1964.. 2012年ねん8月がつ15日にち閲覧えつらん。
  • Adin D. Falkoff and Kenneth E. Iverson. “The Design of APL”. IBM Journal of Research and Development, Volume 17, Number 4, 1973.. 2012年ねん8月がつ15日にち閲覧えつらん。
  • The Evolution of APL, by Adin D. Falkoff and Kenneth E. Iverson. ACM SIGPLAN Notices 13, 1978-08.
  • Notation as a Tool of Thought （1979年ねんのチューリング賞しょう受賞じゅしょう講演こうえん） by Kenneth E. Iverson, Communications of the ACM, Volume 23, Number 8, August 1980.
  • Kenneth E. Iverson. “A Personal View of APL”. IBM Systems Journal, Volume 30, Number 4, 1991.. 2012年ねん8月がつ15日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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