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パット・ハンラハン

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ハンラハン（2009年ねん）

パトリック・M・"パット"・ハンラハン（Patrick M. "Pat" Hanrahan、1954年ねん - ）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのコンピュータグラフィックス研究けんきゅう者しゃである。スタンフォード大学だいがくコンピュータグラフィックス研究所けんきゅうじょのキヤノンUSA計算けいさん機き科学かがく・電気でんき工学こうがく教授きょうじゅである。レンダリングアルゴリズム、Graphics Processing Unit(GPU)、科学かがくのイラストレーションや可視かし化かを中心ちゅうしんに研究けんきゅうを行おこなっている[1]。 2019年ねんのチューリング賞しょうなど、数々かずかずの賞しょうを受賞じゅしょうしている。

若年じゃくねん期きと教育きょういく[編集へんしゅう]

ハンラハンはウィスコンシン州しゅうグリーンベイで育そだった。ウィスコンシン大学だいがくマディソン校こうに通かよい、1977年ねんに原子力げんしりょく工学こうがくの学士がくし号ごうを取得しゅとく[2]した後のちも、同学どうがくに在学ざいがくした。1981年ねん、同どう大学だいがく大学院だいがくいんに計算けいさん機き科学かがくのコースが新設しんせつされると、その講師こうしを務つとめた。彼かれの最初さいしょの学生がくせいの一人ひとりに、美術びじゅつ系けい大学院生だいがくいんせいで現在げんざいは芸術げいじゅつ家かのドナ・コックス（英語えいご版ばん）がいる[3]。1980年代ねんだいには、エドウィン・キャットマルの下したでニューヨーク工科こうか大学だいがくコンピュータグラフィックス研究所けんきゅうじょ（英語えいご版ばん）やデジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)で働はたらいた[4]。その後ご、ウィスコンシン大学だいがくに戻もどり、1985年ねんに生物せいぶつ物理ぶつり学がくのPhDを取得しゅとくした[5][6]。

キャリア[編集へんしゅう]

ピクサー・アニメーション・スタジオに1986年ねんの設立せつりつ当初とうしょから1989年ねんまで在籍ざいせきし、RenderManインターフェース仕様しよう（英語えいご版ばん）やRenderManシェーディング言語げんご（英語えいご版ばん）の設計せっけいに携たずさわった[7][8]。また、『マジック・エッグ』（1984年ねん）、『ティン・トイ』（1988年ねん）、『トイ・ストーリー』（1995年ねん）などのピクサー作品さくひんの製作せいさくに関かかわった[9]。

1989年ねんにプリンストン大学ぷりんすとんだいがくの教授きょうじゅに就任しゅうにんし、1995年ねんにスタンフォード大学だいがくに移うつった。2003年ねんにタブロー・ソフトウェアを共同きょうどう設立せつりつし[10]、現在げんざいでもチーフサイエンティストを務つとめている[11][12]。

2005年ねん2月がつ、スタンフォード大学だいがくは、国土こくど安全あんぜん保障ほしょう省しょうの初はつの地域ちいき可視かし化か・分析ぶんせきセンターに指定していされた。これは、情報じょうほうの可視かし化かとビジュアルアナリティクスの問題もんだいに焦点しょうてんを当あてたものである[13][14]。

2011年ねん、インテル研究所けんきゅうじょ（英語えいご版ばん）は、ハンラハンがインテルのジム・ハーレーと共同きょうどうで率ひきいるビジュアルコンピューティングセンターへの資金しきん提供ていきょうを発表はっぴょうした[15]。

賞しょう[編集へんしゅう]

ハンラハンは、レンダリングとコンピュータグラフィックスの研究けんきゅうでの功績こうせきにより、アカデミー賞しょうを3回かい受賞じゅしょうしている。1993年ねんには、ハンラハンを含ふくむピクサーの創業そうぎょう時じからの従業じゅうぎょう員いんが、RenderManの開発かいはつに対たいしてアカデミー科学かがく技術ぎじゅつ賞しょうを受賞じゅしょうした[9]。2004年ねんには、半はん透明とうめい材料ざいりょうの光ひかりの表面ひょうめん下か散乱さんらんのシミュレーションの研究けんきゅうで、ステファン・R・マルシュナーおよびヘンリク・ヤンセン（英語えいご版ばん）とともにアカデミー技術ぎじゅつ功績こうせき賞しょうを受賞じゅしょうした[16]。2014年ねんには、物理ぶつりベースレンダリング（英語えいご版ばん）の背後はいごにある概念がいねんの形式けいしき化かと参照さんしょう実装じっそうで、マット・ファー（英語えいご版ばん）およびグレッグ・ハンフリーズとともにアカデミー技術ぎじゅつ功績こうせき賞しょうを受賞じゅしょうした[17]。

ハンラハンは、1993年ねんのSIGGRAPHでコンピュータグラフィックス達成たっせい賞しょう、2003年ねんのSIGGRAPHで「レンダリングアルゴリズム、グラフィックスアーキテクチャとシステム、コンピュータグラフィックスのための新あたらしい可視かし化か方法ほうほうにおけるリーダーシップ」に対たいしてスティーヴン・A・クーン賞しょうを受賞じゅしょうした[18]。2018年ねんACM SIGGRAPH Academy Inaugural Classに選出せんしゅつされた[19]。

IEEE VisualizationでIEEE Visualization and Graphics (VGTC)から2006年ねんのCareer Award for Visualization Researchを受賞じゅしょうしている[20][21]。

1999年ねんに全米ぜんべい技術ぎじゅつアカデミーの会員かいいん、2007年ねんにはアメリカ芸術げいじゅつ科学かがくアカデミーのフェロー[22]、2008年ねんにはACMのフェローに選出せんしゅつされた。

コンピュータ生成せいせい画像がぞうに関かんする先駆せんく的てきな取とり組くみに対たいして、エドウィン・キャットマルとともに2019年ねんのチューリング賞しょうを受賞じゅしょうした[4][23]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ “A Conversation with Kurt Akeley and Pat Hanrahan”. ACM Queue 6 (2). (April 28, 2008). http://queue.acm.org/detail.cfm?id=1365496. 
  2. ^ “2012 Distinguished achievement award: Patrick Hanrahan” (英語えいご). College of Engineering - University of Wisconsin-Madison (2012年ねん5月がつ23日にち). 2020年ねん3月がつ18日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “A Survey of SIGGRAPH Women: Today's Role for Women in Digital Media, Visual Effects, Computer Graphics and Animation” (英語えいご). Animation World Network. 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b Metz, Cade (2020年ねん3月がつ18日にち). “Pixar Pioneers Win $1 Million Turing Award”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2020/03/18/technology/pixar-pioneers-win-1-million-turing-award.html 2020年ねん3月がつ18日にち閲覧えつらん。 
  5. ^ Patrick M. Hanrahan (July 26, 1982). “Creating volume models from edge-vertex graphs”. Proceedings of the 9th annual conference on Computer graphics and interactive techniques - SIGGRAPH '82. ACM. 77–84. doi:10.1145/800064.801265. ISBN 978-0897910767 
  6. ^ Drake Martinet (2010年ねん2月がつ26日にち). “Almost Famous: Pat Hanrahan of Tableau”. All Things Digital. 2016年ねん11月23日にち閲覧えつらん。
  7. ^ Saty Raghavachary (July 30, 2006). “A brief introduction to RenderMan”. ACM SIGGRAPH 2006 Courses on - SIGGRAPH '06. ACM. 2. doi:10.1145/1185657.1185817. ISBN 978-1595933645. http://portal.acm.org/citation.cfm?id=1185817 
  8. ^ Pat Hanrahan; Jim Lawson (August 4, 1990). “A language for shading and lighting calculations”. SIGGRAPH 1990: Proceedings of the 17th Annual Conference on Computer Graphics and Interactive Techniques 24 (4): 289–298. doi:10.1145/97880.97911. 
  9. ^ a b パット・ハンラハン - IMDb（英語えいご）
  10. ^ “How Tableau Software makes business data beautiful”. fortune.com (2011年ねん11月5日にち). 2019年ねん12月7日にち閲覧えつらん。
  11. ^ “Leadership”. Tableau Software. 2021年ねん2月がつ2日にち閲覧えつらん。
  12. ^ “Form D: Notice of Sale of Securities”. SEC (2003年ねん2月がつ7日にち). 2021年ねん2月がつ2日にち閲覧えつらん。
  13. ^ “Stanford selected as first regional center for DHS' national visual analytics work”. Press release (2005年ねん2月がつ7日にち). 2006年ねん4月がつ7日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2016年ねん11月23日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “Charlotte Visualization Center celebrates opening with Visionary Symposium”. 2016年ねん11月24日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2008年ねん8月がつ24日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “New Intel Center Driving the Future of Visual Computing”. Press release (Intel). (2011年ねん5月がつ31日にち). https://software.intel.com/en-us/articles/new-intel-center-driving-the-future-of-visual-computing 2016年ねん11月23日にち閲覧えつらん。 
  16. ^ Henrik Wann Jensen, Stephen R. Marschner, Marc Levoy and Pat Hanrahan (2001). “A practical model for subsurface light transport”. Proceedings of the 28th annual conference on Computer graphics and interactive techniques - SIGGRAPH '01. 511–518. doi:10.1145/383259.383319. ISBN 978-1581133745. https://archive.org/details/siggraph2001conf00fium/page/511 
  17. ^ “Technical Achievements To Be Honored With 2014 Academy Awards”. Press release (2014年ねん1月がつ8日にち). 2014年ねん1月がつ11日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2016年ねん11月23日にち閲覧えつらん。
  18. ^ “2003 Steven A. Coons Award: Pat Hanrahan” (英語えいご). ACM SIGGRAPH. 2020年ねん3月がつ18日にち閲覧えつらん。
  19. ^ “ACM SIGGRAPH Academy” (英語えいご). ACM SIGGRAPH. 2020年ねん3月がつ18日にち閲覧えつらん。
  20. ^ “The 2006 Visualization Career Award”. IEEE Computer Society VGTC. 2020年ねん3月がつ21日にち閲覧えつらん。
  21. ^ “IEEE Visualization Conference and IEEE Information Visualization Conference Proceedings 2007 pre-pages”. IEEE Transactions on Visualization and Computer Graphics 13 (6): ii-xxvii. (2007). doi:10.1109/TVCG.2007.70564. ISSN 2160-9306. https://ieeexplore.ieee.org/document/4376128. 
  22. ^ “Dr. Patrick M. Hanrahan”. Member Directory. National Academy of Engineering. 2016年ねん11月23日にち閲覧えつらん。
  23. ^ “2019 ACM A.M. Turing Award Laureates” (英語えいご). awards.acm.org. 2020年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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