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ケプラー1708b

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケプラー1708b
Kepler-1708b
星座せいざ はくちょう
分類ぶんるい 太陽系たいようけいがい惑星わくせい[1]
木星もくせいがた惑星わくせい[1]
発見はっけん
発見はっけん 2022ねん1がつ12にち[1]
発見はっけんしゃ ケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう[1]
発見はっけん方法ほうほう トランジットほう[1]
位置いち
あかけい (RA, αあるふぁ)  19h 47m 18s[2]
あかぬき (Dec, δでるた) +43° 37′ 29″[2]
距離きょり 1667+102
−91
pc[2]
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
軌道きどう種類しゅるい 楕円だえん軌道きどう
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 1.64±0.10 au[1]
はなれしんりつ (e) <0.40[1]
公転こうてん周期しゅうき (P) 737.1131+0.00146
−0.0077
[1]
ケプラー1708惑星わくせい
衛星えいせいかず 1?[1]
物理ぶつりてき性質せいしつ
半径はんけい 9.96+0.60
−0.59
R[1]
質量しつりょう <4.6 MJ[1]
カタログでの名称めいしょう
UCAC4 669-077544 b[3]
KIC 7906827 b[3]
TIC 272716898 b[3]
2MASS J19471778+4337295 b[3]
WISE J194717.78+433729.2 b[3]
Gaia DR2 2078801971283008128 b[3]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

ケプラー1708b以前いぜんKIC 7906827.01としてられていた)とは、地球ちきゅうからはくちょう方向ほうこうやく5,600光年こうねんはなれた場所ばしょ存在そんざいする太陽たいようのような恒星こうせいケプラー1708周囲しゅうい公転こうてんしている木星もくせいサイズの太陽系たいようけいがい惑星わくせいである[4]トランジットほう使用しようしてNASAケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうミッションによって2011ねん最初さいしょ検出けんしゅつされたが、2019ねんまで惑星わくせい候補こうほとして識別しきべつされていなかった[5][6]2022ねんにケプラー1708bの存在そんざい確認かくにんされ、さらにケプラー1708bの周囲しゅうい公転こうてんしている海王星かいおうせいサイズの太陽系たいようけいがい衛星えいせい候補こうほが、ケプラーのトランジット観測かんそくデータを使用しようした分析ぶんせき天文学てんもんがくしゃのDavid Kippingとその同僚どうりょうによって発見はっけんされた[4][7]

特徴とくちょう

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おおきさの比較ひかく
木星もくせい ケプラー1708b
木星 Exoplanet

ケプラー1708bは、木星もくせいよりわずかにちいさいサイズの巨大きょだいガス惑星わくせいで、木星もくせい半径はんけいの0.89ばいである[8][7]質量しつりょうはまだ測定そくていされていないが、惑星わくせいのトランジットタイミングの正確せいかく分析ぶんせきによると4.6木星もくせい質量しつりょうまんの2シグマが上限じょうげんである。この質量しつりょう上限じょうげんは、最大さいだい視線しせん速度そくど振幅しんぷくが98m/s未満みまんであることを予測よそくしている。ただし、現在げんざいもっと精度せいどたか分光ぶんこう範囲はんいないでもおもぼしであるケプラー1708がくら恒星こうせいであるため観測かんそく困難こんなんである[4][9]

ケプラー1708bは、しゅほしからやく1.64天文てんもん単位たんいはなれた位置いち公転こうてんしており、太陽系たいようけい火星かせい軌道きどう公転こうてん周期しゅうきは737.11にち(2.02ねん)である[10]軌道きどうはケプラー1708けいハビタブルゾーンうちにあり、0.561+0.074
−0.068
日射にっしゃりょうけている。平衡へいこう温度おんどは200–300 K (−73–27 °C; −100–80 °F)と比較的ひかくてきひく[4][11]軌道きどうはなれしんりつ測定そくていされておらず、2シグマの上限じょうげん<0.40があたえられている[4]

しゅほし

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ケプラー1708bは、地球ちきゅうからはくちょう方向ほうこうに1,712 ± 75 pc (5,580 ± 240 ly)はなれた太陽たいようのような恒星こうせいであるケプラー1708の周囲しゅうい公転こうてんしている[4]かけの等級とうきゅうは16であるため、肉眼にくがんでは観測かんそく不可能ふかのうである[3]もとJ2000にもとづく恒星こうせい天球てんきゅう座標ざひょうは 19h 47m 17.79sと43° 37′ 29.4″である[3]欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかんガイア衛星えいせいは、0.5730±0.0340ミリびょう(mas)のとししゅう視差しさと、あかけい−0.770±0.057 mas/yrあかぬき−5.005±0.059 mas/yr固有こゆう運動うんどう測定そくていした[3]。ケプラー1708はUCAC4 669-077544、KIC 7906827、TIC 272716898、2MASS J19471778+4337295、WISE J194717.78+433729.2、Gaia DR2 2078801971283008128とう様々さまざまほしひょうほか名称めいしょうでもられている[3]

ケプラー1708は太陽たいようよりわずかにサイズや質量しつりょうおおきく、質量しつりょう1.088±0.072 M半径はんけい1.117±0.064 Rである。また、太陽たいようよりも高温こうおんあかるく、有効ゆうこう温度おんど6157+231
−202
 K
放射ほうしゃ光度こうど1.521 Lである[注釈ちゅうしゃく 1]。これらの特性とくせいもとづくと、ケプラー1708は[Fe/H] = 0.0±0.2 dexの太陽たいようのような金属きんぞくりょうと31.6±22.6おくねん年齢ねんれいFかたぬし系列けいれつぼしである可能かのうせいがある [注釈ちゅうしゃく 2][8][4]

太陽系たいようけいがい衛星えいせい可能かのうせい

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Celestiaでレンダリングされたケプラー1708bと衛星えいせい候補こうほのケプラー1708b I

2022ねん、David Kippingらは、ケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう測光そっこうデータを使用しようして、温度おんどひくめで公転こうてん周期しゅうきなが巨大きょだいガス惑星わくせい周囲しゅうい公転こうてんする太陽系たいようけいがい衛星えいせいがないか調査ちょうさした。分析ぶんせきされた70太陽系たいようけいがい惑星わくせいのうち、ケプラー1708bのみが、惑星わくせいのトランジットにともなうかすかなトランジットとしてあらわれる、ケプラー1708bの周囲しゅうい公転こうてんする太陽系たいようけいがい衛星えいせい兆候ちょうこうしめした。ケプラー1708b Iばれるこの可能かのうせいのある太陽系たいようけいがい衛星えいせいは、地球ちきゅう半径はんけいの2.6ばい海王星かいおうせいよりもちいさいサイズである。木星もくせいエウロパあいだ距離きょり、または地球ちきゅうつきあいだ距離きょりの2ばい匹敵ひってきする、最大さいだい12惑星わくせい半径はんけい距離きょりからしゅほしであるケプラー1708bと同一どういつ平面へいめんじょう公転こうてんしている可能かのうせいがある[4][12]。ケプラー1708b Iの非常ひじょうおおきなサイズは、Kippingらによって2017ねん報告ほうこくされたべつ海王星かいおうせいサイズの太陽系たいようけいがい衛星えいせい候補こうほであるケプラー1625b I彷彿ほうふつとさせる[4]

太陽系たいようけいがい衛星えいせい存在そんざい確認かくにんまたは反証はんしょうするには、フォローアップ観測かんそく必要ひつようである。ケプラー1708bによる2かいのトランジットとその可能かのうせいのある太陽系たいようけいがい衛星えいせいのみが観測かんそくされており、TTVはまだ特定とくていできていない。Kippingらの分析ぶんせきでは、しゅほし光度こうど曲線きょくせんふくまれる可能かのうせいのある衛星えいせい以外いがい起因きいんするげんこう除外じょがいされており、太陽系たいようけいがい衛星えいせい候補こうほあやま検出けんしゅつりつは1%と評価ひょうかされた。これは、おもにケプラー1708けいで2番目ばんめにトランジットをこす惑星わくせい可能かのうせいがまだ除外じょがいされていないためである[4]

脚注きゃくちゅう 

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ Kipping et al.(2022)の逆数ぎゃくすうから計算けいさんされた光度こうど
  2. ^ Kipping et al.(2022)の逆数ぎゃくすうから計算けいさんされた年齢ねんれい[4]

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k An Exomoon Survey of 70 Cool Giant Exoplanets and the New Candidate Kepler-1708 b-i”. arXiv. 2022ねん1がつ15にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c Planet Kepler-1708 b”. 太陽系たいようけいがい惑星わくせいエンサイクロペディア. 2022ねん1がつ15にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e f g h i j UCAC4 669-077544 -- Star”. SIMBAD. ストラスブール天文てんもんデータセンター. 16 January 2022閲覧えつらん
  4. ^ a b c d e f g h i j k Kipping, David; Bryson, Steve; Burke, Chris; Christiansen, Jessie; Hardegree-Ullman, Kevin; Quarles, Billy; Hansen, Brad; Szulágyi, Judit et al. (January 2022). “An exomoon survey of 70 cool giant exoplanets and the new candidate Kepler-1708 b-i”. Nature Astronomy. arXiv:2201.04643. Bibcode2022arXiv220104643K. doi:10.1038/s41550-021-01539-1. https://www.nature.com/articles/s41550-021-01539-1.pdf. 
  5. ^ Herman, Miranda K.; Zhu, Wei; Wu, Yanqin (June 2019). “Revisiting the Long-period Transiting Planets from Kepler”. The Astronomical Journal 157 (6): 15. arXiv:1901.01974. Bibcode2019AJ....157..248H. doi:10.3847/1538-3881/ab1f70. 248. https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/ab1f70/pdf. 
  6. ^ Kawahara, Hajime; Masuda, Kento (June 2019). “Transiting Planets Near the Snow Line from Kepler. I. Catalog”. The Astronomical Journal 157 (6): 27. arXiv:1904.04980. Bibcode2019AJ....157..218K. doi:10.3847/1538-3881/ab18ab. 218. https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/ab18ab/pdf. 
  7. ^ a b Kepler-1708 Overview”. NASA Exoplanet Archive. Infrared Processing and Analysis Center. 16 January 2022閲覧えつらん
  8. ^ a b Kepler-1708 b”. NASA Exoplanet Exploration. NASA. 16 January 2022閲覧えつらん
  9. ^ Timmermann, Anina; Heller, René; Reiners, Ansgar; Zechmeister, Mathias (March 2020). “Radial velocity constraints on the long-period transiting planet Kepler-1625 b with CARMENES”. Astronomy & Astrophysics 635: 2. arXiv:2001.10867. Bibcode2020A&A...635A..59T. doi:10.1051/0004-6361/201937325. A59. https://www.aanda.org/articles/aa/pdf/2020/03/aa37325-19.pdf. 
  10. ^ Skuse, Ben (14 January 2022). “Needle in the Haystack: New Exomoon Candidate Found”. Sky & Telescope. https://skyandtelescope.org/astronomy-news/needle-in-the-haystack-new-exomoon-candidate-found/ 16 January 2022閲覧えつらん 
  11. ^ Habitable Zone Gallery”. The Habitable Zone Gallery. 16 January 2022閲覧えつらん
  12. ^ O'Callaghan, Jonathan (13 January 2022). “Astronomers Have Found Another Possible ‘Exomoon’ beyond Our Solar System”. Scientific American. https://www.scientificamerican.com/article/astronomers-have-found-another-possible-exomoon-beyond-our-solar-system/ 16 January 2022閲覧えつらん 

関連かんれん項目こうもく 

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外部がいぶリンク

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