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ケプラー452b

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケプラー452b
Kepler-452b
ケプラー452bの想像そうぞう
星座せいざ はくちょう[1]
分類ぶんるい 太陽系たいようけいがい惑星わくせい
発見はっけん
発見はっけん 2015ねん7がつ23にち(公表こうひょう)[1]
発見はっけんしゃ Jon M. Jenkinsら[2]
発見はっけん方法ほうほう トランジットほう[2]
現況げんきょう 公表こうひょう
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
もと:BJD 2454833[2]
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 1.046+0.019
−0.015
au[2]
公転こうてん周期しゅうき (P) 384.843+0.007
−0.012
[2]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 89.806+0.134
−0.049
°[2]
通過つうか時刻じこく BJD 2455147.985+0.015
−0.019
[2]
ケプラー452惑星わくせい
位置いち
あかけい (RA, αあるふぁ)  19h 44m 00.89s
あかぬき (Dec, δでるた) +44° 16′ 39.2″
距離きょり 1400光年こうねん
(430 pc)
物理ぶつりてき性質せいしつ
半径はんけい 1.63+0.23
−0.20
R[2]
質量しつりょう ~3.3 M[3]
平衡へいこう温度おんど 265+15
−13
K[2]
カタログでの名称めいしょう
KIC 8311864 b, KOI-7016.01, KOI-7016 b, 2MASS J19440088+4416392 b, WISE J194400.89+441639.2 b[4]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

ケプラー452b (英語えいご:Kepler-452b) とは地球ちきゅうからはくちょう方向ほうこうやく1400光年こうねんはなれた位置いちにあるGかたぬし系列けいれつぼしケプラー452公転こうてんしている太陽系たいようけいがい惑星わくせいである[1]ケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによる観測かんそくのもと、Jon M. Jenkinsらのチームにより発見はっけんされ、2015ねん7がつ23にちNASAより公表こうひょうされた[1][2]。しかし、2018ねん公表こうひょうされたMullallyらの論文ろんぶんでは完全かんぜんには存在そんざい確定かくていしていないことを指摘してきしており、候補こうほまるとかんがえるせつもある[5]質量しつりょう最大さいだいでも3.3 Mスーパーアース[3]太陽たいよう恒星こうせいハビタブルゾーン公転こうてんしているとかんがえられている[1]。もしニュー・ホライズンズが59,000km/hでこの惑星わくせいけい到達とうたつしたとしてもやく2580まんねんほどかかる[6]

特徴とくちょう

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物理ぶつりてき特徴とくちょう

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ケプラー452bと地球ちきゅうおおきさの比較ひかくひだり:ケプラー452b、みぎ:地球ちきゅう

Planetary Habitability Laboratoryの推定すいていによると質量しつりょうは3.3 M以下いかかんがえられている[3]岩石がんせき惑星わくせいであった場合ばあい質量しつりょう密度みつどおおきさから活火山かっかざんともなスーパーアースである可能かのうせいたかい。

半径はんけい地球ちきゅうの1.6ばい程度ていど推測すいそくされ、 [1]恒星こうせいケプラー452のハビタブルゾーンないにある[7][8]。また、太陽たいようしゅ系列けいれつぼしハビタブルゾーン地球ちきゅうちか公転こうてん周期しゅうき(385にち前後ぜんこう)で周回しゅうかいしている惑星わくせいである[2]ことから、発表はっぴょうにおいても "Earth 2.0" や "地球ちきゅうのいとこ (an older, bigger cousin to Earth)" という表現ひょうげんもちいられる[1]など、地球ちきゅう惑星わくせいであることが期待きたいされている。

平衡へいこう温度おんどは261 K(-12℃)で大気たいき考慮こうりょした表面ひょうめん温度おんどは297 K(20℃)と推定すいていされている[3]

恒星こうせい

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しゅほしケプラー452Gかたぬし系列けいれつぼし恒星こうせいで、太陽たいよう質量しつりょうどう程度ていどである。わずかに太陽たいようよりも質量しつりょうが3.7%ほどおおきく、半径はんけいも11%ほどおおきい[2]表面ひょうめん温度おんどは5757 K[2]太陽たいようが5778 Kである[9]ことから太陽たいよう恒星こうせいであることがいえる。ケプラー452bからしゅほし地球ちきゅうから太陽たいようとほとんどおなじだろうとかんがえられている[よう出典しゅってん]

この恒星こうせいかけの等級とうきゅうは13.426であるため肉眼にくがんではえない。恒星こうせい自体じたい太陽たいようの1.2ばいほどの光度こうどである。[よう出典しゅってん]

軌道きどう

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ケプラー452bは公転こうてん周期しゅうきが385にちで、しゅほしから1.04 auのところを公転こうてんしている。軌道きどう円軌道えんきどう惑星わくせい恒星こうせい自転じてん公転こうてん同期どうきこっている可能かのうせいひくいとかんがえられる[3]

居住きょじゅう可能かのうせい

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ケプラー452bが岩石がんせき惑星わくせいかどうかはかっていない[10]半径はんけいちいさいため岩石がんせき惑星わくせいである可能かのうせいがある[2]恒星こうせい温度おんど質量しつりょう太陽たいようとほぼおなじで光度こうどは1.2ばいほどであるが太陽たいようよりも19おくねんいて、進化しんかしているためけるエネルギーは地球ちきゅう太陽たいようからけるエネルギーより10%おおきい[1]。そのため、もしケプラー452bが地球ちきゅうがた惑星わくせいで、地球ちきゅうおな質量しつりょうであれば、暴走ぼうそう温室おんしつ効果こうか影響えいきょう表面ひょうめんみずうしなわれてしまっているとかんがえられる[11][12]。しかし、ケプラー452bは地球ちきゅうやく1.6ばい半径はんけいがあるため、もし密度みつど地球ちきゅうおな程度ていどであればその質量しつりょうやく5ばいとなり、みずうしなわれるまで5おくねんほどの余裕よゆうがあるとかんがえられる[11][12]

発見はっけんさい調査ちょうさ

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2009ねんトランジットによる恒星こうせい周期しゅうきてき光度こうど変化へんかとらえるためにNASAはケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう光度こうどけい使用しようして5まんにもわたる恒星こうせい観測かんそくおこなった。これらの恒星こうせいはKepler Input Catalog(英語えいごばん)ふくまれており、ケプラー452bもこの対象たいしょうふくまれていた。そのさい調査ちょうさ惑星わくせい可能かのうせいがある恒星こうせい光度こうど曲線きょくせんのデータがケプラーの分析ぶんせきチームにおくられ、2009ねん5がつ13にちから2012ねん5がつ17にちまでに観測かんそくおこなわれた。ケプラー452bは恒星こうせいのケプラー452が385にち周期しゅうき光度こうど変化へんかするため最終さいしゅうてき太陽系たいようけいがい惑星わくせいであることが結論けつろんづけられた。この発見はっけんは2015ねん7がつ23にちにNASAにより公表こうひょうされた[2]

観測かんそくおこなったケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうはある一定いってい区画くかくしか観測かんそくおこなっていない(はくちょうことなど)ので宇宙うちゅう全体ぜんたい観測かんそくあらたな惑星わくせい発見はっけんするためにTESSCHEOPS観測かんそくジェイムズ・ウェッブ宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによるさい調査ちょうさおこなわれる予定よていである。ケプラー452bは1400光年こうねんはなれているので現在げんざい技術ぎじゅつ次世代じせだい技術ぎじゅつでは質量しつりょう大気たいき詳細しょうさいるのはむずかしいが、将来しょうらい巨大きょだい地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょうによる大気たいき質量しつりょう特定とくてい期待きたいされている。

SETIによる調査ちょうさ

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地球ちきゅうがい知的ちてき生命せいめいたい痕跡こんせきさがSETI研究けんきゅうしゃ望遠鏡ぼうえんきょう使つかって、はじめて太陽たいよう恒星こうせいのハビタブルゾーンない公転こうてんしていて、地球ちきゅうちかいサイズであるケプラー452bの調査ちょうさをすでに開始かいししている[13]。SETIの研究けんきゅうしゃらはカスケード山脈さんみゃくアレン・テレスコープ・アレイ(ATA)を使つかってケプラー452bから発信はっしんされた電波でんぱはないかを調しらべた[13]。2015ねん7がつ時点じてんで、ATAは20おくえる周波数しゅうはすう電波でんぱ使つかって観測かんそくおこなったが結果けっかられていない。これから90おく以上いじょう周波数しゅうはすう電波でんぱ使用しようして、地球ちきゅうがい知的ちてき生命せいめいたいおくった信号しんごういか、観測かんそくしていく予定よていである[13]

地球ちきゅうとの類似るいじせい

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ケプラー452bの発見はっけんまえから、ハビタブルゾーンない軌道きどう太陽系たいようけいがい惑星わくせいはいくつか発見はっけんされてきた。とくケプラー62efケプラー186fケプラー438bなどは発見はっけんされるたびに「これまででもっと地球ちきゅう太陽系たいようけいがい惑星わくせい」とわれてきたが、ケプラーチームは「ケプラー452bこそが地球ちきゅうもっと太陽系たいようけいがい惑星わくせいである」としている[1]ケプラー186ケプラー438赤色あかいろ矮星ケプラー62Kかたぬし系列けいれつぼしであるが、ケプラー452は太陽たいよう非常ひじょうたGかたぬし系列けいれつぼしであるてんおおきくことなるてんである。

ケプラー452bと惑星わくせい比較ひかく

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ケプラー452bと、地球ちきゅうているとされている太陽系たいようけいがい惑星わくせい比較ひかくひょう以下いかしめ[ちゅう 1]

ギャラリー

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ モバイルばん場合ばあい表示ひょうじされないためデスクトップばん推奨すいしょう

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i NASA’s Kepler Mission Discovers Bigger, Older Cousin to Earth”. NASA (2015ねん7がつ24にち). 2020ねん7がつ17にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Jenkins, Jon M. et al. (2015). “Discovery and Validation of Kepler-452b: A 1.6 R ⨁ Super Earth Exoplanet in the Habitable Zone of a G2 Star”. The Astronomical Journal 150 (2): id.56 19.pp. arXiv:1507.06723. Bibcode2015AJ....150...56J. doi:10.1088/0004-6256/150/2/56. 
  3. ^ a b c d e HEC: Graphical Catalog Results”. Planetary Habitability Laboratory (2019ねん12月5にち). 2020ねん5がつ3にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん
  4. ^ NASA Exoplanet Archive - Confirmed Planet Overview - Kepler-452b”. NASA Exoplanet Archive. NASA Exoplanet Science Institute. 2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん
  5. ^ Mullally, Fergal et al. (2018). “Kepler’s Earth-like Planets Should Not Be Confirmed without Independent Detection: The Case of Kepler-452b”. The Astronomical Journal 155 (5): id.210 6 pp.. arXiv:1803.11307. Bibcode2018AJ....155..210M. 
  6. ^ NASA telescope discovers Earth-like planet in star's 'habitable zone”. BNO News (2015ねん7がつ23にち). 2016ねん3がつ4にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん
  7. ^ Feltman, Rachel (2015ねん7がつ23にち). “Scientists discover 12 new potential Earth-like planets”. The Washington Post. オリジナルの2020ねん7がつ18にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200718001218/https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2015/07/23/scientists-discover-12-new-potential-earth-like-planets/ 2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん 
  8. ^ Witze, Alexandra (2015ねん7がつ23にち). “NASA spies Earth-sized exoplanet orbiting Sun-like star”. Nature. オリジナルの2020ねん7がつ18にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200718001518/https://www.nature.com/news/nasa-spies-earth-sized-exoplanet-orbiting-sun-like-star-1.18048 2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん 
  9. ^ Williams, Matt (2015ねん9がつ27にち). “The Sun”. universetoday.com. 2020ねん7がつ19にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん
  10. ^ Rincon, Paul (2015ねん7がつ23にち). “'Earth 2.0' found in Nasa Kepler telescope haul”. BBC News. オリジナルの2020ねん7がつ19にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200719093632/https://www.bbc.com/news/science-environment-33641648 2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん 
  11. ^ a b Kepler-452b: Earth's Bigger, Older Cousin -- Briefing Materials”. NASA (2015ねん7がつ24にち). 2020ねん7がつ18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん
  12. ^ a b Lugmayr, Luigi (2015ねん7がつ23にち). “Kepler-452b details unveiled”. I4U News. オリジナルの2019ねん10がつ9にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191009124433/https://www.i4u.com/2015/07/93538/kepler-452b-details-unveiled 2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん 
  13. ^ a b c Nola Taylor Redd (2015ねん7がつ31にち). “SETI Targets Kepler-452b, Earth's 'Cousin,' in Search for Alien Life”. Space.com. 2020ねん7がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん7がつ23にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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