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TRAPPIST-1e

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
TRAPPIST-1e[1]
TRAPPIST-1eの想像図
TRAPPIST-1eの想像そうぞう
星座せいざ みずがめ
分類ぶんるい 太陽系たいようけいがい惑星わくせい
岩石がんせき惑星わくせい
軌道きどう種類しゅるい 周回しゅうかい軌道きどう
発見はっけん
発見はっけんねん 2017ねん[1]
発見はっけんしゃ TRAPPIST
発見はっけん方法ほうほう トランジットほう
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
軌道きどうちょう半径はんけい (a) 0.02817+0.00083
−0.00087
au[2]
(421まん4230+12まん4170
−13まん150
km)
はなれしんりつ (e) 0.007 ± 0.003[3]
公転こうてん周期しゅうき (P) 6.099570 ± 0.000091 [3]
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 89.86+0.10
−0.12
°[2]
通過つうか時刻じこく 7574.9829 ± 0.0025 BJD[3]
TRAPPIST-1惑星わくせい
位置いち
もと:J2000.0
あかけい (RA, αあるふぁ)  23h 06m 29.283s[4]
あかぬき (Dec, δでるた) −05° 02′ 28.59″[4]
あか方偏かたへんうつり -0.000188[4]
視線しせん速度そくど (Rv) -56.3 km/s[4]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) あかけい: 922.1 ミリびょう/とし[4]
あかぬき: -471.9 ミリびょう/とし[4]
とししゅう視差しさ (πぱい) 82.58 ± 2.58ミリびょう[4]
誤差ごさ3.1%)
距離きょり 39 ± 1 光年こうねん[ちゅう 1]
(12.1 ± 0.4 パーセク[ちゅう 1]
物理ぶつりてき性質せいしつ
直径ちょっけい 11,710 km
半径はんけい 0.918 ± 0.039 R[2]
表面積ひょうめんせき 4.298×108 km2
体積たいせき 8.380×1011 km3
質量しつりょう 0.24+0.56
−0.24
M[3]
平均へいきん密度みつど 1.71+4.0
−1.71
g/cm3[3]
表面ひょうめん温度おんど 251.3 ± 4.9 K[2]
年齢ねんれい 30 - 80おくねん[5]
カタログでの名称めいしょう
2MASS J23062928-0502285 e[6]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

TRAPPIST-1e地球ちきゅうからみずがめ方向ほうこうに39.4光年こうねんはなれた位置いちにある赤色あかいろ矮星TRAPPIST-1ハビタブルゾーン内側うちがわ付近ふきん公転こうてんしている岩石がんせきしつ太陽系たいようけいがい惑星わくせいである。

発見はっけん

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ベルギーリエージュ大学だいがく天文てんもん物理ぶつり地質ちしつ研究所けんきゅうじょのマイケル・ギロンをはじめとする天文学てんもんがくしゃチームはチリアタカマ砂漠さばくラ・シヤ天文台てんもんだいにあるTRAPPIST望遠鏡ぼうえんきょう (Transiting Planets and Planetesimals Small Telescope)[7]もちいて恒星こうせいTRAPPIST-1を観測かんそくし、周回しゅうかいする惑星わくせいさがした。トランジットほうもちいることにより発見はっけんした。

2016ねん9月19にちから9がつ20日はつかにかけて、スピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうがTRAPPIST-1を観測かんそくしたさい発見はっけんされた[8]発見はっけんには、すでにTRAPPIST-1けいには、TRAPPIST-1bTRAPPIST-1cTRAPPIST-1dの3つの惑星わくせい存在そんざいられていた[7][9]が、このときのTRAPPIST-1dの公転こうてん周期しゅうきなどの軌道きどう要素ようそ確定かくていされていなかった。しかし、つぎ観測かんそくで、dの確定かくていしなかった軌道きどう要素ようそがTRAPPIST-1d、TRAPPIST-1e、TRAPPIST-1fTRAPPIST-1gの4つの惑星わくせいによるものだったこと判明はんめいした[2]

特徴とくちょう

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おおきさの比較ひかく
地球ちきゅう TRAPPIST-1e
地球 Exoplanet

TRAPPIST-1eは地球ちきゅうの0.918ばい半径はんけい地球ちきゅうがた惑星わくせいである[2]質量しつりょうは2がつ発表はっぴょうでは、地球ちきゅうの0.62ばい推測すいそくされていた[2]が、4がつ発表はっぴょうでは0.24ばいとなっている[3]。また、半径はんけい予想よそうされる密度みつどから、重力じゅうりょく地球ちきゅうの0.74ばいになると推定すいていされている[2]しゅほしのTRAPPIST-1からはやく0.02817au(やく421まんkm)しかはなれておらず、これは太陽系たいようけいもっと太陽たいようちか惑星わくせい水星すいせいまでの距離きょり(0.387au[10])のやく13ぶんの1しかない。しかし、しゅほしのTRAPPIST-1が「ちょう低温ていおん矮星」とばれる、恒星こうせいなかでも最小さいしょうきゅう分類ぶんるいぞくされるため、しゅほしからけるねつやエネルギーはそれほどおおきくないであろう。公転こうてん周期しゅうきやく6にちで、e:d=3:2、e:f=2:3という軌道きどう共鳴きょうめい関係かんけいられる[2]

TRAPPIST-1eはTRAPPIST-1のハビタブルゾーンうち位置いちしている可能かのうせいがあるとされ[8]表面ひょうめん温度おんどは251K(-22℃)[2]で、地球ちきゅうよりひくいことになり、みずこおりこおってしまう温度おんどになるが、これは温室おんしつ効果こうかまった考慮こうりょれない場合ばあいである。温室おんしつ効果こうか考慮こうりょしない有効ゆうこう温度おんどでは地球ちきゅうも255K(-18℃)と表面ひょうめん液体えきたいみず存在そんざいできない温度おんどとなるが、実際じっさい平均へいきん温度おんどは288K(15℃)である。ゆえにTRAPPIST-1eも、地球ちきゅうよう温室おんしつ効果こうか、もしくはアルベドのによる大気たいきちゅうくもりょうによっては表面ひょうめん液体えきたいみず存在そんざいする可能かのうせいがある。また自転じてん公転こうてん同期どうき発生はっせいしているとすると、惑星わくせい片面かためんつね恒星こうせいにさらされるため、こおりけてうみ形成けいせいしているかもしれない。この条件じょうけんととのっている場合ばあい生命せいめい誕生たんじょうしている可能かのうせいかんがえられる。しかし、自転じてん公転こうてん同期どうきしていれば、惑星わくせい全体ぜんたいひるがわからよるがわへの強風きょうふうき、地球ちきゅうとは環境かんきょうおおきくことなっている可能かのうせいもある[8]地球ちきゅうにどれだけ組成そせいているかをしめESIは0.86である[11]

画像がぞう

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ とししゅう視差しさびょう)より計算けいさん光年こうねんは1÷とししゅう視差しさびょう)×3.2615638より計算けいさん

出典しゅってん

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  1. ^ a b Planet TRAPPIST-1 e”. The Extrasolar Planet Encycloapedia. 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g h i j Gillon, Michaël; Triaud, Amaury H. M. J.; Demory, Brice-Olivier; Jehin, Emmanuël; Agol, Eric; Deck, Katherine M.; Lederer, Susan M.; de Wit, Julien et al. (2017). “Seven temperate terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf star TRAPPIST-1”. Nature 542 (7642): 456-460. doi:10.1038/nature21360. ISSN 0028-0836. http://www.eso.org/public/archives/releases/sciencepapers/eso1706/eso1706a.pdf. 
  3. ^ a b c d e f Wang, Songu; Wu, Dong-Hong; Barclay, Thomas; Laughlin, Gregory P. (13 April 2017). "Updated Masses for the TRAPPIST-1 Planets". arXiv:1704.04290 [astro-ph.EP]。
  4. ^ a b c d e f g 2MASS J23062928-0502285 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  5. ^ Luger, Rodrigo; Sestovic, Marko; Kruse, Ethan; Grimm, Simon L.; Demory, Brice-Oliver; et al. (12 March 2017). "A terrestrial-sized exoplanet at the snow line of TRAPPIST-1". arXiv:1703.04166 [astro-ph.EP]。
  6. ^ TRAPPIST-1”. Open Exoplanet Catalogue. 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  7. ^ a b Could these newly-discovered planets orbiting an ultracool dwarf host life?”. ガーディアン (2016ねん5がつ2にち). 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  8. ^ a b c ちょう低温ていおんの矮星のまわりに、生命せいめい存在そんざいしうる地球ちきゅうサイズの惑星わくせい3つを発見はっけん”. AstroArts (2016ねん5がつ9にち). 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  9. ^ Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star”. ヨーロッパ南天なんてん天文台てんもんだい (2016ねん5がつ2にち). 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  10. ^ Mercury fact sheet”. NASA. 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  11. ^ Habitable Exoplanets Catalog”. Planetary Habitability Laboratory. プエルトリコ大学だいがくアレシボこう. 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん
  12. ^ This Weird Planetary System Seems Like Something From Science Fiction”. NBC News (2017ねん2がつ22にち). 2017ねん5がつ8にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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