シェアード・ワールド

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シェアード・ユニバース共有きょうゆう宇宙うちゅうえい: shared universe)またはシェアード・ワールド共有きょうゆう世界せかいえい: shared world)とは、複数ふくすう作家さっか(またはアーティスト)が独立どくりつして作品さくひん提供ていきょうし、その作品さくひん単独たんどくでも成立せいりつするが、プロジェクト全体ぜんたいのストーリー、キャラクター、または世界せかい設定せってい共有きょうゆうしつつ発展はってんさせるという、一連いちれん創作そうさくぶつからなる架空かくう世界せかいのことである。SFなどのジャンルでよくられる。複数ふくすうのアーティストがおな作品さくひん共同きょうどう共同きょうどう執筆しっぴつや、いち出会であいをのぞいて作品さくひんやキャラクターが独立どくりつしているクロスオーバーとはことなるものである。

シェアード・ユニバースという言葉ことばは、コミックの出版しゅっぱんしゃが、ある作品さくひんのキャラクターやイベント、前提ぜんてい条件じょうけんが、メディア・フランチャイズのなか作品さくひん登場とうじょうするような、全体ぜんたいてき環境かんきょう反映はんえいさせるためにも使つかわれる。様々さまざまなメディア(小説しょうせつ映画えいがなど)にまたがって出版しゅっぱんされ、それぞれが設定せってい成長せいちょう歴史れきし、ステータスに貢献こうけんしている特定とくてい種類しゅるいのシェアード・ユニバースは、「想像そうぞうじょうエンターテインメント環境かんきょう」とばれている。

また、この言葉ことばはよりひろい、文学ぶんがく以外いがい意味いみで、学際がくさいてきあるいは社会しゃかいてき共通きょうつうせいつたえるためにも使つかわれており、しばしば「言説げんせつ共有きょうゆうされた宇宙うちゅう」という文脈ぶんみゃく使つかわれている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ファンタジーサイエンス・フィクションにおいてしばしばられる形態けいたい。シェアード・ワールドをもちいてかれた小説しょうせつは、とくシェアード・ワールド・ノベルズともばれる。

設定せっていやキャラクターはおなじでもかく作品さくひんあいだ歴史れきしながれがことなっていくパラレルワールド並行へいこう世界せかいものとはちがい、シェアード・ワールドにおけるかく作品さくひん原則げんそくとして完全かんぜんおな世界せかいじょう出来事できごととされ、歴史れきしながれもまた相互そうご尊重そんちょうされる。つまり、かく作品さくひんでの出来事できごと事件じけんは1まい歴史れきし年表ねんぴょう矛盾むじゅんなくむことができる、ということである。ただし、著者ちょしゃすう作品さくひんすう増加ぞうか結果けっか矛盾むじゅんんでしまう(整合せいごうしきれなくなる)ケースもられる。著作ちょさくけんうえ問題もんだいは、かく作品さくひん著者ちょしゃあいだにおける同意どういや、もとになる作品さくひん著作ちょさくけんしゃ許諾きょだくといったかたち解決かいけつされるのが一般いっぱんてきである。

また、世界せかい複数ふくすう人間にんげん構築こうちくしていくという方法ほうほう共通きょうつうするテーブルトークRPGとの関連かんれんせいつよく、下記かき一覧いちらんのシェアード・ワールドのおおくが、小説しょうせつとテーブルトークRPGの両方りょうほう展開てんかいしている。

インターネットじょうのシェアード・ワールド[編集へんしゅう]

インターネット発達はったつにより、Webうえ共有きょうゆうされたオンライン小説しょうせつのシェアード・ワールドもつくられ、それを管理かんりするウェブサイトがいくつか存在そんざいする。

これらインターネットじょうのシェアード・ワールドにおいて、だれでも創作そうさく発表はっぴょう参加さんかできるものはオープンシェアワールド、そのなかとくに「フリー」なものはフリーシェアワールドばれている。ただし、これらの用語ようごや「フリー」の範囲はんいについては、定義ていぎづけが曖昧あいまい場合ばあいや「コンピュータソフトウェアにおけるフリーウェアシェアウェア」との混同こんどうられる用例ようれい見受みうけられる。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

コミックの歴史れきしであるドン・マークシュタインが1970ねんにCAPA-alphaに掲載けいさいした記事きじはじめて定義ていぎした言葉ことばである[1]

マークシュタインの基準きじゅん[編集へんしゅう]

  1. キャラクターAとBが出会であっていれば、かれらはおな宇宙うちゅうにいることになり、キャラクターBとCが出会であっていれば、推移すいいてきにAとCはおな宇宙うちゅうにいることになる。
  2. キャラクターは実在じつざい人物じんぶつでつなぐことはできない。そうでなければ、スーパーマンジョン・F・ケネディ出会であい、(実在じつざいの)ケネディはニール・アームストロング出会であい、アームストロングはファンタスティック・フォー出会であっているので、スーパーマンとファンタスティック・フォーはおな宇宙うちゅうにいると主張しゅちょうすることができる。
  3. キャラクターは、「出版しゅっぱんしゃ由来ゆらいしない」キャラクターによってつなぐことはできない。そうでなければ、スーパーマンとファンタスティック・フォーは、どちらもヘラクレス出会であっているので、おな宇宙うちゅうにいると主張しゅちょうすることができる。
  4. 実在じつざい人物じんぶつを(出版しゅっぱんしゃ独自どくじの)特定とくていのフィクションをくわえて表現ひょうげんしたもの(たとえば、DCコミックスの「ジェリー・ルイスの冒険ぼうけん」に登場とうじょうするジェリー・ルイスは、魔法まほうちから家政かせいがいるというてんで、実在じつざいのジェリー・ルイスとはことなっている)をつなぐことができる。これは、マーベル・コミックばんのヘラクレスやDCコミックスはんのロビン・フッドなど、パブリックドメインのフィクションキャラクターの特定とくていのバージョンにもてはまる。
  5. キャラクターは、物語ものがたりなかでコマのなか一緒いっしょ登場とうじょうした場合ばあいのみ、出会であったとみなされる。コミックの表紙ひょうし一緒いっしょ登場とうじょうした場合ばあいは、出会であったとはみなさない。

ほとんどのテレビ番組ばんぐみおおくのコミックブックのタイトルなど、いくつかのメディアにおけるフィクションは、視聴しちょうしゃ読者どくしゃ複数ふくすう作者さくしゃ貢献こうけん必要ひつようとすると理解りかいしており、それだけでは共有きょうゆうされた世界せかいつくげることはできず、共同きょうどう制作せいさく芸術げいじゅつ形態けいたいかんがえられている。『シラノ・ド・ベルジュラック』のダルタニャンのような偶発ぐうはつてき登場とうじょうは、文学ぶんがくてきカメオ出演しゅつえんとみなされる。ことなるソースのキャラクターあいだのより実質じっしつてき相互そうご作用さようは、しばしばクロスオーバーとして販売はんばいされる。クロスオーバーは共通きょうつう世界せかいなかおこなわれるが、すべてのクロスオーバーがそれぞれの設定せっていのバックストーリーを統合とうごうすることを意図いとしているわけではなく、マーケティングやパロディ、あるいは「もしも」のシナリオを探求たんきゅうするために使用しようされ、いちかいかぎりのものであることがおお[2][3]

シェアード・ユニバースに参加さんかしている作家さっかは、とくにシェアード・ユニバースが非常ひじょうおおきくなると、一貫いっかんせいたもち、以前いぜん作品さくひん詳細しょうさい矛盾むじゅんしないようにすることがむずかしくなり、しばしば相互そうご矛盾むじゅん発生はっせいする。設定せってい管理かんりしている作者さくしゃ会社かいしゃが「公式こうしき」とみなしているバージョンは「カノン」とばれている。すべてのシェアード・ユニバースに、正統せいとうせい決定けっていする能力のうりょく関心かんしん支配しはいしゃがいるわけではなく、すべてのファンがこれらの決定けってい同意どういするわけでもない。ファノンはその設定せっていファンダムなかである程度ていどのコンセンサスをることができる[4]

作家さっかなかには、設定せってい詳細しょうさい信憑しんぴょうせいたせるために、複数ふくすう人物じんぶつ長期間ちょうきかんわたって作業さぎょうおこなった結果けっかしょうじる矛盾むじゅんあやまりを修正しゅうせいする手段しゅだん採用さいようしているものもいる。そのような手段しゅだんひとつがレトコンニング、「retroactive continuity(遡及そきゅうてき連続れんぞくせい)」のりゃくで、過去かこかれた矛盾むじゅんした内容ないようによってしょうじた連続れんぞくせいのエラーを解決かいけつするものである[5]

また、ストーリーやシリーズがシェアード・ユニバースに統合とうごうされると、「あるヒーローのファンがのヒーローのタイトルをうことを要求ようきゅうされる」とかんじて、読者どくしゃ反対はんたいすることもある。

印刷物いんさつぶつ由来ゆらいするもの[編集へんしゅう]

小説しょうせつ由来ゆらいするもの[編集へんしゅう]

既存きそん作品さくひんをシェアード・ユニバースに拡大かくだいすることは、映画えいがやテレビでライセンスされた設定せっていかぎったことではない。たとえば、ラリー・ニーヴンは、軍事ぐんじ経験けいけんがないために人類じんるいクジンじんとのあいだ戦争せんそう適切てきせつ描写びょうしゃできないとかんがえ、当初とうしょ自分じぶんノウンスペース設定せってい作家さっか公開こうかいしていた。この設定せっていをどの程度ていど作家さっか開放かいほうしているかについては、エルフ・スタンバーグがノウンスペースを舞台ぶたいにしたエロティックな短編たんぺん小説しょうせつ創作そうさくしたさいに、「もっとノウンスペースの物語ものがたりしければ、自分じぶんかなければならないだろう」[6]というニーヴンの作家さっかメモが話題わだいになったことがある。ニーヴンはそれ以来いらいかれ設定せってい依然いぜんとして「制限せいげんされた状況じょうきょうで、許可きょかて」[7]のみ使用しようされることを明確めいかくにしており、ニーヴンは「人間にんげん・クジンじん戦争せんそう」シリーズの複数ふくすう作家さっか許可きょかあたえている。対照たいしょうてきに、作家さっかのエリック・フリントは、ファン・フィクション作家さっかとのコラボレーションを直接ちょくせつ編集へんしゅう出版しゅっぱんし、1632シリーズを展開てんかいしている[8]

また、作者さくしゃ死後しご同様どうよう方法ほうほう設定せってい拡張かくちょうされることもあるが、この死後しご拡張かくちょうは、シェアード・ユニバースの定義ていぎ厳密げんみつにはたさない場合ばあいもある。そのようなれいとしては、オーガスト・ダーレスH・P・ラヴクラフト著作ちょさくからクトゥルフ神話しんわ発展はってんさせたものがあり、その結果けっか、ラヴクラフト自身じしん作品さくひんとは「完全かんぜんことなる」とかんがえられている[9]死後しご展開てんかいとしては、ルース・プラムリー・トンプソンによるL・フランク・ボームの『オズ』物語ものがたり続編ぞくへんや、グレッグ・ベアグレゴリー・ベンフォードデイヴィッド・ブリンによるアイザック・アシモフの『ファウンデーション』の世界せかいのさらなる展開てんかいなどがげられる[10]

このたね出版しゅっぱんぶつおおくは、短編たんぺん小説しょうせつのアンソロジーシリーズのかたちをとっており、時折ときおり独立どくりつした小説しょうせつ出版しゅっぱんされている。たとえば、ロバート・アスプリンの『Thieves' World』[11]C・J・チェリイの『Merovingen Nights』[12]、ジャネット・モリスの『Heroes in Hell』[13]などがある。

コミックに由来ゆらいするもの/コミックをベースにしたもの[編集へんしゅう]

初期しょきれいキャプテン・マーベルとバレットマンがちからわせてキャプテン・ナチとたたかい、それによってフォーセットしゃの「ユニバース」のなか共有きょうゆうされる連続れんぞくせい確立かくりつされた。

コミックの世界せかいでは、シェアード・ユニバースという言葉ことば使つかわれている。これは、コミックブック出版しゅっぱんしゃつく全体ぜんたいてき環境かんきょう反映はんえいしたもので、ある製品せいひんラインのキャラクター、イベント、前提ぜんてい条件じょうけんが、メディア・フランチャイズほか製品せいひんラインに登場とうじょうするというものである。

1961ねんマーベル・コミック作家さっかけん編集へんしゅうしゃであるスタン・リーは、アーティストのジャック・カービーとスティーヴ・ディトコと協力きょうりょくして、どう出版しゅっぱんしゃのコミックスキャラクターのだい部分ぶぶんマーベル・ユニバース統合とうごうした[14]。マーベルでは、よりおおきな「マルチバース」のなかで、それぞれがてられたすうおおくのべつ現実げんじつ舞台ぶたい物語ものがたり展開てんかいしている[15]。また、DCコミックスとマーベルは、それぞれのキャラクターが出会であい、交流こうりゅうするシリーズを定期ていきてき共同きょうどう出版しゅっぱんしている。これらの会社かいしゃあいだのクロスオーバーは、通常つうじょうDCユニバースとマーベル・ユニバースが共存きょうぞんしていることを示唆しさしないように、制限せいげんきのイベントとしてかれている。例外れいがいとして、1996ねんに「アマルガム・コミックス」というメタフィクションレーベルから発売はつばいされた24ほんのコミックは、両社りょうしゃのキャラクターが混成こんせいされた共通きょうつう宇宙うちゅうえがいている。マーベルはこの作品さくひんを「アース-692」とび、設定せっていじょうおおきなマルチバースの一部いちぶとしている[16]

DCとマーベル・コミックにおけるシェアード・ユニバースのこころみは、業界ぎょうかい競合きょうごう他社たしゃとは一線いっせんかくしているが、企業きぎょう同様どうようのモデルをこころみている。ヴァリアント・コミックスとクロスジェンは、それぞれ「ユニティ」と「シギルバース」とばれる、出版しゅっぱんしゃ全体ぜんたいでひとつのシェアード・ユニバースを舞台ぶたいにした作品さくひんおも制作せいさくしている[17][18]

映画えいが・テレビのなかのユニバース[編集へんしゅう]

映画えいが(またはテレビ)におけるユニバースは、ほとんどの場合ばあいおな連続れんぞくせいなかにある複数ふくすうのフランチャイズ(映画えいがまたはテレビ)を包括ほうかつしたフランチャイズで構成こうせいされている。それぞれのフランチャイズは、ことなるキャラクター(またはキャラクターグループ)に焦点しょうてんてた独立どくりつしたストーリーをかたり、独自どくじのキャスト、監督かんとく脚本きゃくほん起用きようしているが、同時どうじ作品さくひん共通きょうつうする一貫いっかんした矛盾むじゅんしない連続れんぞくせい一部いちぶでもある。映画えいがでメジャーなフィクション・ユニバースはシネマティック・ユニバース(cinematic universes)とばれ、テレビでメジャーなフィクション・ユニバースはテレビジョン・ユニバース(television universes)とばれている。映画えいがやテレビのユニバースのなかには、ビデオゲームや、小説しょうせつやコミックなどの印刷物いんさつぶつ一緒いっしょになっているものもあり、おな連続れんぞくせいなか追加ついか正規せいきのストーリーをかたっている。

映画えいがなかのユニバース[編集へんしゅう]

ユニバーサル・モンスター・シリーズは、1940年代ねんだい共通きょうつう世界せかい確立かくりつした。

映画えいがにおける初期しょきのユニバースは、『じんドラキュラ』、『フランケンシュタイン』、『透明とうめい人間にんげん』、『おおかみおとこ』などのユニバーサル・モンスター・シリーズで、1931ねんから1951ねんまでつづき、キャストやキャラクターがかえ登場とうじょうした。

映画えいが登場とうじょうするユニバースのなかには、イアン・フレミングのスパイ小説しょうせつ原作げんさくとしたジェームズ・ボンド映画えいがシリーズのように、小説しょうせつ映画えいがからはじまったものもある。これらの映画えいが小説しょうせつ要素ようそれているが、直接ちょくせつ映画えいがではなく、さらにほん発売はつばいおな順番じゅんばん映画えいがされていない。シリーズのだい1さくは『007 ドクター・ノオ』(1962ねん)で、これまでに23ほん続編ぞくへん制作せいさくされ、最新さいしんさくは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021ねん)である。50ねん以上いじょうにわたるシリーズのため、ジェームズ・ボンドは6にん俳優はいゆうによってえんじられ、その頻繁ひんぱん登場とうじょうするキャラクターもすべてわっている。さらに、フレミングの小説しょうせつがすべて映画えいがされたのち、シリーズはオリジナル脚本きゃくほん移行いこうした。しかし、脚本きゃくほん監督かんとく、キャストがわっても、すべての作品さくひんは1つの一貫いっかんしたフィクションの連続れんぞくせいなか設定せっていされている。シェアード・ワールドの側面そくめんは、映画えいがあいだでも保持ほじされている[19]

映画えいがさる惑星わくせい」シリーズも、同名どうめい小説しょうせつおおくの創造そうぞうてき自由じゆう映画えいがしたものが起源きげんである。オリジナルの『さる惑星わくせい』(1968ねん)は、現代げんだい宇宙うちゅう飛行ひこうジョージ・テイラーが、さる支配しはいするなぞ惑星わくせい着陸ちゃくりくするところからはじまり、終盤しゅうばん未来みらい地球ちきゅうであることがあきらかになった。続編ぞくへんの『ぞくさる惑星わくせい』では、テイラーを救出きゅうしゅつするために派遣はけんされた宇宙うちゅう飛行ひこうのブレントに焦点しょうてんてられた。だい3さくしんさる惑星わくせい』ではタイムトラベルが導入どうにゅうされ、前作ぜんさくでは脇役わきやくとして登場とうじょうしたさるのジラとコーネリアスがテイラーの宇宙船うちゅうせん過去かこ移動いどうすることに重点じゅうてんかれた。4さくと5さくの『さる惑星わくせい征服せいふく』と『最後さいごさる惑星わくせい』では、ジラとコーネリアスの息子むすこシーザーが人間にんげんたいする反乱はんらんこし、オリジナル作品さくひんえがかれた未来みらいへとかう姿すがたえがかれている。また、テレビシリーズやアニメーションシリーズも物語ものがたり一部いちぶとされている。タイムトラベルがこるまえのオリジナルの時間じかんじくにおける「さる惑星わくせい」の起源きげんは、前日ぜんじつたん・リブート映画えいがシリーズで説明せつめいされ、さるのシーザーがふたた主人公しゅじんこうとなり、幼少ようしょうから老齢ろうれいさるになるまでの人生じんせいと、さる人間にんげん対立たいりつがどのようにはじまったのかに焦点しょうてんてたストーリーとなっている。

映画えいがスター・ウォーズ」シリーズは、ジョージ・ルーカス製作せいさくし、かれみずか出資しゅっしした製作せいさく会社かいしゃルーカスフィルム制作せいさくしたものである。ルーク・スカイウォーカーハン・ソロレイアひめ主人公しゅじんこうにした映画えいがスター・ウォーズ』(1977ねん)を皮切かわきりに、続編ぞくへんの『帝国ていこく逆襲ぎゃくしゅう』(1980ねん)、『ジェダイの帰還きかん』(1983ねん)の2作品さくひんわせてオリジナルさんさくばれている。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999ねん)、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃こうげき』(2002ねん)、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐ふくしゅう』(2005ねん)からなる前日ぜんじつたんさんさくでは、ルーク・スカイウォーカーの父親ちちおやであるアナキン・スカイウォーカー焦点しょうてんて、あたらしいキャストがオリジナルさんさくのキャラクターのわかいバージョンをえんじ、俳優はいゆうはオリジナルさんさく役柄やくがらもどっている。

テレビでは、アニメーションによって伝承でんしょう拡大かくだいされ、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』というタイトルのアニメーション映画えいが(2008ねん)は、同名どうめいのアニメーションシリーズ(2008ねん―2014ねん、2020ねん)のパイロットばんとして機能きのうした。ルーカスはさきげた作品さくひんふか創造そうぞうてきかかわっていましたが、2014ねんに『スター・ウォーズ』フランチャイズへの創造そうぞうてき関与かんよをやめました。ルーカスフィルムは、2014ねん4がつ以降いこう、そのようなすんでじゅつ作品さくひんのみを、それ以降いこう発表はっぴょうされたすべてのフィクション作品さくひんとともに、正史せいしとみなすことを発表はっぴょうした。アニメシリーズ『スター・ウォーズ 反乱はんらんしゃたち』(2014ねん―2018ねん)は、その発表はっぴょうされた最初さいしょ作品さくひんである。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒かくせい』(2015ねん)、『スター・ウォーズ/最後さいごのジェダイ』(2017ねん)、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明よあ』(2019ねん)で形成けいせいされた続編ぞくへんさんさくでは、新人しんじんとともにおおくの復帰ふっきキャストが登場とうじょうした。映画えいがのメイン・サーガは、オリジナル、前日ぜんじつたん続編ぞくへんの3さく構成こうせいされている。また、アンソロジー映画えいがばれるスピンオフ映画えいがシリーズは、メインシリーズのプロットポイントやキャラクターのストーリーを展開てんかいしている。

さらに「スター・ウォーズ」シリーズは、ビデオゲーム、コミック、小説しょうせつ短編たんぺん小説しょうせつ、アニメーションシリーズ、RPGアドベンチャーへと拡大かくだいし、フランチャイズにもとづいたオリジナルストーリーをかたっており、ことなるメディアフォーマットにかかわらず、映画えいがのすべてのメディアフォーマットとおな連続れんぞくせい共有きょうゆうする、想像そうぞうじょうのエンターテイメント環境かんきょうとして分類ぶんるいされている[20]。ルーカスフィルムの初期しょきのチームは、キャロル・ワカルスカ(のタイトルマン)、ルーシー・ウィルソン、アラン・カウシュ、スー・ロストーニ、そしてのちにはリーランド・チーとパブロ・イダルゴのもとで、一貫いっかんしたストーリーテリングを調整ちょうせいし、すべての映画えいが作品さくひん映画えいが作品さくひんあいだにプロットホールがしょうじないようにして、一貫いっかんせい相乗そうじょう効果こうか確保かくほした。現在げんざいでは、2014ねん4がつ以前いぜん制作せいさくされた、または制作せいさく終了しゅうりょうしたこれらのエクスパンデッド・ユニバース作品さくひん(テレビ映画えいが、アニメシリーズ、ビデオゲーム、コミック、小説しょうせつ)の再版さいはんのブランドとして、「スター・ウォーズ・レジェンド」が使用しようされている。ルーカスは、復刻ふっこくばん「Splinter of the Mind's Eye」の序文じょぶんで、これらのエクスパンデッド・ユニバース作品さくひん賞賛しょうさんし、キャラクターや場所ばしょなど、いくつかの要素ようそ自分じぶん作品さくひんなかんでいた。また、ルーカス以降いこうのストーリーテラーも、レジェンドの要素ようそをストーリーにれている。

コミックほんをベースにした映画えいがとしては、マーベル・コミックのキャラクターをベースにした2つの映画えいがユニバースがあり、どちらもことなる連続れんぞくせいなか設定せっていされている。2000ねん誕生たんじょうした映画えいがX-MEN」シリーズは、おな連続れんぞくせいなか設定せっていされたスーパーヒーロー映画えいがフランチャイズとしては、もっとながつづいている。マーベル・シネマティック・ユニバースは、もっとおおくの映画えいが公開こうかいされているほか、複数ふくすうのテレビ番組ばんぐみやタイアップコミックが共存きょうぞんし、おな連続れんぞくせい共有きょうゆうしており、MCUは架空かくうのエンターテイメント環境かんきょうとなっている。DCエクステンデッド・ユニバースは、DCコミックスのキャラクターをベースにしたさまざまな映画えいがシリーズを包含ほうがんする映画えいがフランチャイズで、すべての映画えいがおなじコンティニュイティを共有きょうゆうしている。

脚本きゃくほん/監督かんとくケヴィン・スミスは、自身じしん映画えいがやコミック、テレビシリーズなどで使用しようされている架空かくう宇宙うちゅう「ビュー・アスキューニバース」を創造そうぞうした[21]。スミスえんじるジェイとサイレント・ボブというキャラクターは、ビュー・アスキューニバースのほぼすべてのメディアに登場とうじょうし、あるストーリーのキャラクターがのストーリーにさい登場とうじょうしたり、言及げんきゅうされたりすることもおおい。ビュー・アスキューニバースのキャラクター、設定せってい、モチーフがかえ登場とうじょうするのは、スミスのデビューさくである1994ねんの『クラークス』が最初さいしょである。

もっと成功せいこうした小説しょうせつから映画えいがされた作品さくひんは、『ホビット』(2012ねん―2014ねん)と『ロード・オブ・ザ・リング』(2001ねん―2003ねん)の3さくで、いずれもピーター・ジャクソン監督かんとくが、J・R・R・トールキン小説しょうせつとくに『指輪ゆびわ物語ものがたり』)を忠実ちゅうじつ映画えいがしたものである。シリーズの最初さいしょ作品さくひんは、1937ねん出版しゅっぱんされた小説しょうせつホビット」である。ホビットのビルボ・バギンズとそのおいフロド・バギンズ魔法使まほうつかいのガンダルフ中心ちゅうしんに、ドワーフエルフなどの種族しゅぞく登場とうじょうする[22]映画えいが映画えいがあいだ舞台ぶたいにしたビデオゲームも制作せいさくされている[23]

テレビのなかのユニバース[編集へんしゅう]

映画えいが存在そんざいしない、テレビ番組ばんぐみをベースにした宇宙うちゅうのことをす。テレビシリーズは、おな世界せかい舞台ぶたいにしたスピンオフシリーズにつながることがあり、おおくの場合ばあい、オリジナル作品さくひんの1つのキャラクターに焦点しょうてんてる。アメリカのシットコムチアーズ 』は、『そりゃないぜ!? フレイジャー』と「トーテリス」という、そのキャラクターをベースにした2つのスピンオフシリーズをした。

テレビ番組ばんぐみあいだ宇宙うちゅう共有きょうゆうしている顕著けんちょれいとして、「トミー・ウェストフォール宇宙うちゅう仮説かせつ」がある。これは、あるシリーズのキャラクターをえんじる俳優はいゆうが、そのキャラクターのまま2つのシリーズにゲスト出演しゅつえんした場合ばあい、その2つのシリーズはおな宇宙うちゅうおこなわれているにちがいないという仮説かせつもとづいている。この理論りろん名前なまえは、『セント・エルスウィート』の最終さいしゅうかい登場とうじょうする人物じんぶつ由来ゆらいしています。この最終さいしゅうかい出来事できごと一般いっぱんてき解釈かいしゃくは、『セント・エルスウィート』のぜん宇宙うちゅう関連かんれんするすべてのシリーズをふくむ)は、ウェストフォールの想像そうぞうりょくなかにのみ存在そんざいするというもの。

ドクター・フー』のスピンオフ・メディアは「フーニヴァース」とばれ、ビッグ・フィニッシュやBBCが制作せいさくするオーディオ・プレイ、ニュー・アドベンチャーズの宇宙うちゅう小説しょうせつ、あるいは「ドクター・フー・マガジン」などに掲載けいさいされたコミックをベースにした宇宙うちゅうなどにかれており、比較的ひかくてき一貫いっかんせいがない。

代表だいひょうてきなシェアード・ワールド[編集へんしゅう]

ファンタジー[編集へんしゅう]

SF[編集へんしゅう]

ホラー[編集へんしゅう]

スーパーヒーローぶつ[編集へんしゅう]

その[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]