007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

007／ノー・タイム・トゥ・ダイ
No Time to Die
監督かんとく	キャリー・ジョージ・フクナガ
脚本きゃくほん	ニール・パーヴィス ロバート・ウェイド キャリー・ジョージ・フクナガ フィービー・ウォーラー＝ブリッジ
原作げんさく	イアン・フレミング
製作せいさく	バーバラ・ブロッコリ マイケル・G・ウィルソン
出演しゅつえん者しゃ	ダニエル・クレイグ ラミ・マレック レア・セドゥ ラシャーナ・リンチ ベン・ウィショー ナオミ・ハリス ビリー・マグヌッセン アナ・デ・アルマス デヴィッド・デンシック ロリー・キニア ダリ・ベンサーラ ジェフリー・ライト クリストフ・ヴァルツ レイフ・ファインズ
音楽おんがく	ハンス・ジマー
主題歌しゅだいか	「ノー・タイム・トゥ・ダイ｣ ビリー・アイリッシュ
撮影さつえい	リヌス・サンドグレン
編集へんしゅう	トム・クロス エリオット・グレアム
製作せいさく会社かいしゃ	イーオン・プロダクションズ ダンジャック メトロ・ゴールドウィン・メイヤー ユニバーサル・ピクチャーズ
配給はいきゅう	ユニバーサル・ピクチャーズUK ユナイテッド・アーティスツ・リリーシング 東宝とうほう東和とうわ
公開こうかい	2021年ねん9月30日にち 2021年ねん10月1日にち 2021年ねん10月8日にち
上映じょうえい時間じかん	163分ふん
製作せいさく国こく	イギリス アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご	英語えいご
製作せいさく費ひ	$250,000,000 - $301,000,000
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$774,153,007 $127,715,138 $160,891,007 27億おく1200万まん円えん
前作ぜんさく	007 スペクター

『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』（原題げんだい: No Time to Die）は、2021年ねんのイギリスとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの合作がっさくによるスパイアクション映画えいが。イーオン・プロダクションズが製作せいさくする「ジェームズ・ボンド」シリーズの第だい25作さく目めとなる。

第だい94回かいアカデミー賞しょうではビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルがアカデミー歌曲かきょく賞しょうを受賞じゅしょう。『スカイフォール』、『スペクター』に続つづく三さん作さく連続れんぞくの受賞じゅしょうとなった。

主演しゅえんのダニエル・クレイグは、架空かくうのイギリスMI6エージェントのジェームズ・ボンドを演えんじるのは5回かい目めであり、本ほん作品さくひんがクレイグ自身じしん最後さいごのボンド映画えいがとなり「ダニエル・クレイグの007を完結かんけつする」と語かたっている。監督かんとくはキャリー・ジョージ・フクナガ、脚本きゃくほんはニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、フクナガ、フィービー・ウォーラー＝ブリッジが務つとめる。

レア・セドゥ、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、ジェフリー・ライト、クリストフ・ヴァルツ、ロリー・キニア、レイフ・ファインズが前作ぜんさくの役柄やくがらを再演さいえんし、ラミ・マレック、ラシャーナ・リンチ、アナ・デ・アルマス、ダリ・ベンサーラ、ビリー・マグヌッセン、デヴィッド・デンシックが新しんキャラクターとして出演しゅつえんする。

企画きかく開発かいはつは2016年ねんに始はじまった。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、『007 スペクター』（2015年ねん）の公開こうかい後ご、ソニー・ピクチャーズの契約けいやく満了まんりょうに伴ともない、国際こくさい配給はいきゅう権けんを獲得かくとくしたユニバーサル・ピクチャーズが配給はいきゅうするシリーズ初はつの作品さくひん。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー（MGM）の合弁ごうべん会社かいしゃであるユナイテッド・アーティスツ・リリーシングは、全ぜん世界せかいのデジタルおよびテレビ放映ほうえい権けんを含ふくむ北米ほくべいの権利けんりを保有ほゆうしている。また、ユニバーサルは、全ぜん世界せかいでの物理ぶつり的てきな家庭かてい用ようメディアでの発売はつばい権けんを有ゆうしている。ダニー・ボイルは当初とうしょ、監督かんとくと脚本きゃくほんをジョン・ホッジと共同きょうどうで担当たんとうすることになっていた。両者りょうしゃは2018年ねん8月がつに創造そうぞう性せいの違ちがいから離脱りだつし、その1カ月かげつ後ごにボイルの後任こうにんとしてフクナガが発表はっぴょうされた。キャストの大半たいはんは2019年ねん4月がつまでに契約けいやくしていた。プリンシパルフォトグラフィーは2019年ねん4月がつから10月がつまで、ワーキングタイトル『Bond 25』で行おこなわれた。最終さいしゅう的てきなタイトルは2019年ねん8月がつに発表はっぴょうされた。

ボイル監督かんとくの離脱りだつとその後ごの新型しんがたコロナウイルスのパンデミックによる数すう回かいの延期えんきの後のち、最終さいしゅう的てきにイギリスでは2021年ねん9月がつ30日にち、日本にっぽんでは10月1日にち、アメリカでは10月8日にちに公開こうかいされた。

ストーリー

少すこし過去かこの冬ふゆ、ノルウェー。幼少ようしょう期きのマドレーヌ・スワンは自宅じたくにいたところを、「能面のうめんの男おとこ」によって襲撃しゅうげきされる。男おとこはかつて、マドレーヌの父親ちちおやで「スペクター」の一員いちいんでもあるミスター・ホワイトに、自身じしんの家族かぞくを殺害さつがいされたという経緯けいいがあった。マドレーヌと同居どうきょしていた母親ははおやは、無抵抗むていこうのまま彼かれによって殺害さつがいされる。隠かくれていたマドレーヌは戸棚とだなで拳銃けんじゅうを見みつけ、男おとこの不意ふいをついてこれを射殺しゃさつしたかに思おもわれたものの、男おとこの身体しんたいを家いえの外そとに引ひきずり出だしている最中さいちゅうに男おとこは息いきを吹ふき返かえす。結氷けっぴょう湖この上うえを逃にげようとした彼女かのじょは足下あしもとの氷こおりが割われて水中すいちゅうへ転落てんらくするが、男おとこはなぜか彼女かのじょを救すくい上あげる。

スペクターとの戦たたかいの後のち、現役げんえきを退しりぞいたボンド（ダニエル・クレイグ）とマドレーヌ（レア・セドゥ）はイタリア・マテーラにて平穏へいおんな生活せいかつを送おくっていたが、マドレーヌは自みずからの過去かこをすべては明あかせずにいた。それでも凶事きょうじを紙かみに書かいて燃もやすという現地げんちの祭まつりで、ひそかに紙かみに「能面のうめんの男おとこ（l'homme masqué）」と書かいて火ひを点てんける。ボンドは過去かこと決別けつべつするため、かつて愛あいしたヴェスパー・リンドの墓はかを訪おとずれたが、そこにスペクターの紋章もんしょうが描えがかれた1枚まいの紙かみを見みつけると直後ちょくごに墓はかが爆発ばくはつしボンドはダメージを負おってしまう。ホテルに残のこしたマドレーヌの身みを案あんじたボンドは、襲撃しゅうげきしてきたスペクターの傭兵ようへいたちと交戦こうせんしながらもマドレーヌと合流ごうりゅうする。傭兵ようへいの1人ひとりであるプリモ（ダリ・ベンサーラ）の発はっした言葉ことばや、重じゅう犯罪はんざい者しゃ刑務所けいむしょに収監しゅうかん中ちゅうの元もと「スペクター」首領しゅりょう、ブロフェルドからの電話でんわでマドレーヌの裏切うらぎりを疑うたがいながらも、武装ぶそうしたアストンマーティン・DB5で追跡ついせき者しゃたちを振ふり切きる。ボンドは彼女かのじょへの疑うたがいを拭ふいきれず、到着とうちゃくした駅えきでマドレーヌ一いち人にんを列車れっしゃに乗のせて決別けつべつする。

5年ねん後ご、ボンドはジャマイカでひとり穏おだやかな日々ひびを過すごしていた。そんなある日ひ、彼かれのもとを旧友きゅうゆうでもあるCIAエージェントのフィリックス・ライター（ジェフリー・ライト）がアメリカ国務省こくむしょうのローガン・アッシュ（ビリー・マグヌッセン）を伴ともなって訪おとずれ、プリモたちに襲撃しゅうげきされた研究所けんきゅうじょから誘拐ゆうかいされたというロシア出身しゅっしんの細菌さいきん学者がくしゃヴァルド・オブルチェフ（デヴィッド・デンシック）を救すくい出だして欲ほしいと依頼いらいするが、ボンドはそれを断ことわり2人にんと別わかれる。住居じゅうきょに戻もどろうとした矢先やさき、車くるま（ランドローバー・シリーズIII）のトラブルに見舞みまわれて途方とほうに暮くれていたボンドは現地げんちの女性じょせいに声こえを掛かけられ、「ノーミ」（ラシャーナ・リンチ）と名乗なのった彼女かのじょのバイクで帰宅きたくする。自宅じたくにつくと女おんなは現地げんち人じんの偽装ぎそうを解とき、ボンドに「私わたしが今いまの007よ」と明あかし、ボンドが余計よけいなことをしないように牽制けんせいして出でていった。

翌日よくじつ、ボンドはフィリックスの電話でんわを鳴ならす。フィリックスの指示しじでキューバに赴おもむいたボンドはCIAエージェントであるパロマ（アナ・デ・アルマス）と合流ごうりゅう、そこでスペクターの構成こうせい員いん全員ぜんいんが集つどうブロフェルドの誕生たんじょう日びパーティ会場かいじょうに潜入せんにゅうする。そこでプリモの義眼ぎがんを通とおしてブロフェルドと対峙たいじ（たいじ）し、直前ちょくぜんにオブルチェフが開発かいはつしていたナノマシンで命いのちを奪うばわれそうになる。しかし、開発かいはつ中ちゅうにオブルチェフがデータを入いれ替かえていたことで、逆ぎゃくにスペクターの構成こうせい員いんだけが全員ぜんいんナノマシンで命いのちを奪うばわれ、ボンドは命拾いのちびろいする。その後ごはノーミがオブルチェフの身柄みがらを一いち度どは確保かくほするも、パロマとの協力きょうりょくもあってボンドが彼かれを奪還だっかんし、フィリックスが待まつ洋上ようじょうの漁船ぎょせんに連つれてくる。しかし、そこでオブルチェフとアッシュがとある組織そしきの配下はいかであることや、MI6の部長ぶちょうM（レイフ・ファインズ）がオブルチェフに「ヘラクレス計画けいかく」と呼よばれるナノマシンの開発かいはつをゆだねていたことが判明はんめいする。さらに襲撃しゅうげきを受うけてフィリックスが被弾ひだんし、ボンドとともに船内せんないに閉とじ込こめられる事態じたいに陥おちいる。ボンドは脱出だっしゅつに成功せいこうするもののフィリックスが命いのちを落おとし、アッシュとオブルチェフの逃亡とうぼうを許ゆるしてしまう。

ロンドンに戻もどったボンドはアストンマーティン・V8 ヴァンテージ・サルーンをガレージから引ひっ張ぱり出だしてMI6に向むかい、Q（ベン・ウィショー）やマネーペニー（ナオミ・ハリス）の協力きょうりょくのもと情報じょうほうを得える。そしてMとの会話かいわにおいて、ナノマシンの開発かいはつはもともと純粋じゅんすいに国防こくぼうのためであったこと、オブルチェフにやましい点てんがなかったこと、この時点じてんでスペクター唯一ゆいいつの生いき残のこりであるブロフェルド（クリストフ・ヴァルツ）とボンドを接触せっしょくさせることの危険きけん性せいに加くわえ、ブロフェルド自身じしんがマドレーヌ以外いがいの相手あいてとの面会めんかいを断たっている旨むねを聞きかされる。

一方いっぽう、マドレーヌが勤務きんむする病院びょういんに「能面のうめんの男おとこ」ことリューツィファー・サフィン（ラミ・マレック）が、かつて彼女かのじょの銃弾じゅうだんで割わられた能面のうめんを携たずさえて訪おとずれると、ナノマシンでブロフェルドを殺害さつがいするよう依頼いらいする。その後ご、刑務所けいむしょでマドレーヌとボンドが再会さいかいしブロフェルドとの面会めんかいに臨のぞむも、マドレーヌはおびえて面会めんかい室しつから去さってしまい、ボンド1人ひとりでブロフェルドと対峙たいじすることとなる。そこでボンドは、マテーラでの出来事できごとがボンドとマドレーヌを引ひき離はなすためのブロフェルドによる作戦さくせんであること、マドレーヌの秘密ひみつを知しることがボンドの死しにつながることをブロフェルドから聞きかされるが、その後ごボンドが掴（つか）みかかった際さいにヘラクレスに感染かんせんしたことでブロフェルドは命いのちを落おとす。

マドレーヌが自分じぶんを裏切うらぎっていなかったことをブロフェルドから聞きかされたボンドは、ノルウェーに向むかいマドレーヌの自宅じたくを訪おとずれ、自分じぶんが今いまでも彼女かのじょを愛あいしていることを告つげる。そして2人ふたりは再ふたたび抱だき合あいキスをするが、2階かいから小ちいさな女おんなの子こが現あらわれる。マドレーヌは自分じぶんの娘むすめマチルドだと告つげる。マチルドはボンドと同おなじ青あおい目めをしているが、マドレーヌはボンドの娘むすめではないと言いいはる。マドレーヌは幼少ようしょう期きに起おきた事件じけんとサフィンについてボンドに語かたる。MI6と連絡れんらくをとっている中なかでボンドはサフィンの傭兵ようへいたちが自分じぶんたちの元もとへ向むかっていることに気きづく。ボンドはマドレーヌとマチルドを連つれてその場ばを離はなれるも彼かれらに追おいつかれ、森もりの中なかで交戦こうせんの末すえ傭兵ようへいたちやアッシュを倒たおすが、マドレーヌとマチルドがヘリコプターでサフィンにさらわれてしまう。

ボンドが途方とほうに暮くれ歩あるいているところを、Qがつかんだアッシュの足取あしどりを追おっていたノーミが合流ごうりゅうし飛行場ひこうじょうまでたどり着つく。2人ふたりはMI6の面々めんめんの協力きょうりょくを得えながら、日本にっぽんとロシアが領有りょうゆうを主張しゅちょうする島しまにあるサフィンの秘密ひみつ基地きちへ向むかう。島しまの地下ちかには第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後のちに旧きゅうソ連それんが軍事ぐんじ基地きちを築きずいていて、今いまはサフィンが占拠せんきょして毒物どくぶつ兵器へいき工場こうじょうとして利用りようしていた。ノーミは「どうせただの番号ばんごう」だからと、007の番号ばんごうをボンドに献上けんじょうする。地下ちかではQ-DAR通信つうしん機きが通つうじにくく、持参じさんした爆薬ばくやくの量りょうが少すくないといった問題もんだいを抱かかえつつも、ボンドたちは秘密ひみつ基地きちに潜入せんにゅう。オブルチェフを退しりぞけ、何なにとかマドレーヌとマチルドを救出きゅうしゅつしたボンドはノーミに2人ふたりの身柄みがらを託たくして脱出だっしゅつさせ、そして世界せかいを救すくうためには島しまの地下ちか施設しせつすべてを海軍かいぐんのミサイルで破壊はかいしなければならないとMに提言ていげんする。日にち露ろが領土りょうど紛争ふんそう中ちゅうの島しまで一体いったい何なにをやっているのかと日本にっぽん、ロシア、アメリカから詰問きつもんを受うけ、すでに外交がいこう問題もんだいに発展はってんしつつある中なかでMはボンドの提言ていげんに難色なんしょくを示しめすも、最後さいごは付近ふきんに展開てんかいするイギリス海軍かいぐんの45型がた駆逐くちく艦かん「ドラゴン」に攻撃こうげき命令めいれいを下くだす。

ミサイルの攻撃こうげきを活いかすには地上ちじょうに設もうけられたハッチを開ひらかなくてはならない。ひとり最上階さいじょうかいのコントロールルームへ向むかったボンドは傭兵ようへいたちを次々つぎつぎと退しりぞけ、最後さいごに対峙たいじしたプリモもQの特殊とくしゅ兵器へいきで義眼ぎがんを爆発ばくはつさせ倒たおす。コントロールルームにたどり着つき旧きゅうミサイルサイトのハッチをすべて開放かいほうしたボンドは島しまを離はなれようとするが、途中とちゅうマチルドが落おとしたぬいぐるみを見付みつけると相好そうごうを崩くずし、そっと拾ひろい上あげ大事だいじそうに腰こしに携たずさえる。しかし、外そとへ出でたボンドの目めの前まえでさっき開あけたはずのハッチが次々つぎつぎに閉とじていく。呆然ぼうぜん（ぼうぜん）とするボンドを突然とつぜん何者なにものかが銃撃じゅうげきし、倒たおれ込こむボンドの前まえにサフィンが現あらわれる。負傷ふしょうしながらも必死ひっしでサフィンと闘たたかうボンドだが、そのさなかに、サフィンががオブルチェフに作つくらせた「触ふれた他者たしゃはすぐに感染かんせんし広ひろまるがDNA選択せんたく的てきにマドレーヌとマチルドだけが死しぬ」ナノマシンに感染かんせんさせられてしまう。サフィンを倒たおしたボンドはミサイルが間近まぢかに迫せまる中なかで何なにかを悟さとり、最後さいごにマドレーヌとの会話かいわを望のぞむ。もう戻もどれないと告つげるボンドに、マドレーヌは泣なきながらマチルドの目めはブルー（ボンドと同おなじ）よと言いう。それを聞きいたボンドは「わかってる（I know）」と優やさしく微笑ほほえむ。そしてそこへイギリス海軍かいぐんが放はなったミサイルが降ふり注そそいだ。

後日ごじつ、MI6ではM、Q、ノーミ、マネーペニー、タナーが集つどいボンドに献杯けんぱいを行おこなう。一方いっぽう、マテーラではマドレーヌがボンドの形見かたみであるヴァンテージ・サルーンを駆かりながら、助手じょしゅ席せきのマチルドにボンドのことを語かたる。

キャスト

ボンドを演えんじるダニエル・クレイグ

ジェームズ・ボンド

演えんじ - ダニエル・クレイグ、日本語にほんご吹替 - 藤ふじ真秀まほ

主人公しゅじんこうで元もとMI6エージェント。前作ぜんさく『007 スペクター』で現役げんえきを退しりぞきジャマイカに住すむが、旧友きゅうゆうのフィリックス・ライターのある依頼いらいにより現役げんえき復帰ふっきし、再ふたたび国際こくさい犯罪はんざい組織そしき「スペクター」と対決たいけつする。

マドレーヌ・スワン

演えんじ - レア・セドゥ、日本語にほんご吹替 - 園えん崎さき未み恵めぐみ

前作ぜんさくのボンドガール。『007 スペクター』で彼かれのミッションを支援しえんした医師いしであり、ミスター・ホワイトの娘むすめ。家族かぞくを殺ころされた復讐ふくしゅう（ふくしゅう）のため自宅じたくに現あらわれたサフィンに、母親ははおやを殺ころされた過去かこを秘ひめている。

リューツィファー・サフィン

演えんじ - ラミ・マレック、日本語にほんご吹替 - 中井なかい和哉かずや

本ほん作品さくひんの悪役あくやく。「スペクター」配下はいかのミスター・ホワイトに家族かぞくを殺害さつがいされた過去かこを持もつ。そのため「スペクター」一味いちみをナノマシンで殲滅せんめつ（せんめつ）し、さらに世界せかいをもナノマシンで攻撃こうげきしようとするテロリストのリーダー。

ノーミ

演えんじ - ラシャーナ・リンチ、日本語にほんご吹替 - 斎賀さいがみつき

ボンドの引退いんたい後ごしばらくして現役げんえきに就つき、007番号ばんごうが割わり当あてられた新あたらしい00エージェント。ジャマイカでボンドと初はじめて顔かおを合あわせる。

ギャレス・マロリー / M

演えんじ - レイフ・ファインズ、日本語にほんご吹替 - 原はら康かん義よし

MI6部長ぶちょう。

Q

演えんじ - ベン・ウィショー、日本語にほんご吹替 - 川本かわもと克彦かつひこ

MI6の兵器へいき開発かいはつ課長かちょう。作中さくちゅうでは同性どうせいと交際こうさいしていることを匂におわせるセリフがあり、性的せいてき少数しょうすう者しゃ（クィア）の設定せっていだと推測すいそくされている。

イヴ・マネーペニー

演えんじ - ナオミ・ハリス、日本語にほんご吹替 - 杉本すぎもとゆう

Mの秘書ひしょでありボンドの仲間なかま。

ビル・タナー

演えんじ - ロリー・キニア、日本語にほんご吹替 - 白熊しろくま寛ひろし嗣

Mの補佐ほさを務つとめるMI6の幕僚ばくりょう主任しゅにん。

フィリックス・ライター

演えんじ - ジェフリー・ライト、日本語にほんご吹替 - 石田いしだ圭けい祐ゆう

ボンドの旧友きゅうゆうでありCIA局員きょくいん。誘拐ゆうかいされた科学かがく者しゃヴァルド・オブルチェフの救出きゅうしゅつを依頼いらいする。

ローガン・アッシュ

演えんじ - ビリー・マグヌッセン、日本語にほんご吹替 - 浪なみ川がわ大輔だいすけ

ボンドがオブルチェフを見みつけるのを支援しえんするために、「政治せいじ的てき」に割わり当あてられた国務省こくむしょうの役人やくにん。実じつはサフィンの一味いちみ。

エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド

演えんじ - クリストフ・ヴァルツ、日本語にほんご吹替 - 山路やまじ和弘かずひろ

かつて巨大きょだい組織そしき「スペクター」を束たばねていた元もと首領しゅりょう。ボンドの義兄ぎけいで因縁いんねんの相手あいてでもある。彼かれの身柄みがらは現在げんざいMI6の管理かんり下かに置おかれ、重じゅう犯罪はんざい者しゃ刑務所けいむしょに収容しゅうようされているが、密ひそかにスペクター組織そしきとの接触せっしょくを保たもっている。本名ほんみょうはフランツ・オーベルハウザー。

ヴァルド・オブルチェフ

演えんじ - デヴィッド・デンシック、日本語にほんご吹替 - 多た田野でんや曜平

サフィンに誘拐ゆうかいされたロシア出身しゅっしんの細菌さいきん学者がくしゃ。しかしサフィンの一味いちみとなる。

パロマ

演えんじ - アナ・デ・アルマス、日本語にほんご吹替 - 水樹みずき奈々なな

ボンドをキューバで支援しえんする新人しんじんCIAエージェント。初はつの実戦じっせんのため少々しょうしょうテンションが高たかく酒さけを煽あおっている。ボンドにも心配しんぱいされていたが、実戦じっせんでは見事みごとな格闘かくとうと射撃しゃげきを披露ひろうしてボンドを援護えんごした。

プリモ

演えんじ - ダリ・ベンサラ、日本語にほんご吹替 - 安元やすもと洋ひろし貴たか

ボンドがイタリア・マテーラのヴェスパーの墓はかを訪おとずれた際さい、最初さいしょに遭遇そうぐうした「スペクター」の傭兵ようへい。左目ひだりめが義眼ぎがんのため“サイクロプス”とも呼よばれている。

マチルド

演えんじ - リサ＝ドラ・ソネット、日本語にほんご吹替 - 原語げんご流用りゅうよう

マドレーヌの5歳さいになる娘むすめ。ボンドがマドレーヌの自宅じたくを訪おとずれた際さいに顔かおを出だしてボンドを驚おどろかせた。自分じぶんと同おなじ青あおい瞳ひとみだったため、自分じぶんの娘むすめかと思おもったボンドに「あなたの娘むすめじゃない」と言いわれた。だが、ボンドがマドレーヌと別わかれた直後ちょくごに産うまれた彼女かのじょとボンドの娘むすめである。

サフィンに人質ひとじちにされるが、噛かみついてサフィンから逃にげ出だしてマドレーヌとボンドに救すくわれた。

スタッフ

• 日本語にほんご字幕じまく
  • 翻訳ほんやく - 戸田とだ奈津子なつこ
  • 監修かんしゅう - 酒井さかい俊之としゆき
• 日本語にほんご吹替版ばん
  • 翻訳ほんやく - 松崎まつざき広幸ひろゆき
  • 監修かんしゅう - 酒井さかい俊之としゆき
  • 演出えんしゅつ - 鍛治かじ谷たに功いさお
  • 日本語にほんご版ばん制作せいさく - 株式会社かぶしきがいしゃニュージャパンフィルム

音楽おんがく

主題歌しゅだいか

2020年ねん1月がつ15日にちにビリー・アイリッシュがシリーズ史上しじょう最年少さいねんしょうで主題歌しゅだいかを提供ていきょうすることが007と本人ほんにんのインスタグラムで発表はっぴょうされた。

• ビリー・アイリッシュ - “No Time To Die”

挿入歌そうにゅうか

• ルイ・アームストロング -「愛あいはすべてを越こえて（We have all the time in the world）」

『女王じょおう陛下へいかの007』の挿入歌そうにゅうか。イギリスでは、この「愛あいはすべてを越こえて」が1994年ねん、『ミュージック・ウィーク』誌しで、最高さいこう位い3位いを獲得かくとくしている。

公開こうかい

当初とうしょは2020年ねん2月がつ14日にちに全ぜん世界せかい公開こうかいとアナウンスされていた。その後ご、イギリスでは同年どうねん4月がつ3日にち、アメリカでは4月がつ8日にち、日本にっぽんでは4月がつ10日とおかに公開こうかい予定よていとされていたが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいを受うけ、全ぜん世界せかいで11月まで延期えんきされることが決きまり、さらに後日ごじつ新あらたな公開こうかい予定よてい日びがイギリスは11月12日にち、日本にっぽんは11月20日にち、アメリカは11月25日にちに決きまっていた。しかし、同年どうねん10月がつには翌よく2021年ねん4月がつまで再度さいど延期えんきされることが発表はっぴょうされ、更さらに2021年ねん1月がつには10月がつまで3度目どめの延期えんきが発表はっぴょうされた。

評価ひょうか

興行こうぎょう成績せいせき

日本にっぽんでは、2021年ねん10月がつ1日にちから3日にちにかけての初日しょにち3日間にちかんで動員どういん42万まん人にん、興行こうぎょう収入しゅうにゅう6億おく円えんを突破とっぱし、興行こうぎょう通信つうしん社しゃの調査ちょうさによる全国ぜんこく映画えいが動員どういんランキングで初はつ登場とうじょう第だい1位いとなった。また、イギリスの他た全ぜん世界せかいで順次じゅんじ公開こうかいされ、初日しょにち3日間にちかんで興行こうぎょう収入しゅうにゅう1億おく1910万まんドルを記録きろく。新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょう拡大かくだい以降いこう、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく以外いがいでアメリカ国外こくがいでの興行こうぎょう収入しゅうにゅうが初はじめて1億おくドルを超こえる快挙かいきょとなった。さらに2021年ねん10月がつ8日にちに北米ほくべいでも公開こうかいされ、2021年ねん10月がつ8日にちから3日間にちかんにかけての初日しょにち3日間にちかんで興行こうぎょう収入しゅうにゅうが5522万まん5007ドルを記録きろくし、初はつ登場とうじょう1位いを獲得かくとくした。

批評ひひょう家かのレビュー

Rotten Tomatoesによれば、批評ひひょう家かの一致いっちした見解けんかいは「『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』はダニエル・クレイグのシリーズ在職ざいしょく期間きかんを満足まんぞくのいくスタイルで締しめくくっている。」であり、321件けんの評論ひょうろんのうち高こう評価ひょうかは84%にあたる269件けんで、平均へいきん点てんは10点てん満点まんてん中ちゅう7.4点てんとなっている。また、一般いっぱん観客かんきゃくによる支持しじ率りつは88%で「『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』はシリーズのファンが期待きたいするアクションと興奮こうふんの全すべてをもってダニエル・クレイグのボンドに別わかれを告つげている。」と評価ひょうかされている。 Metacriticによれば、66件けんの評論ひょうろんのうち、高こう評価ひょうかは42件けん、賛否さんぴ混在こんざいは22件けん、低てい評価ひょうかは2件けんで、平均へいきん点てんは100点てん満点まんてん中ちゅう68点てんとなっている。

Blu-ray/DVD

NBCユニバーサルよりBlu-ray DiscとDVDが発売はつばい。

• Blu-ray
  • 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ ブルーレイ+DVD (ボーナスブルーレイ付づけ)　品番ひんばん：GNXF-2718　発売はつばい日び：2022年ねん3月2日にち
  • 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 4K Ultra HD+ブルーレイ (ボーナスブルーレイ付づけ)　品番ひんばん：GNXF-2719　発売はつばい日び：2022年ねん3月がつ2日にち
  • 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ　品番ひんばん：GNXF-2770　発売はつばい日び：2022年ねん10月7日にち
• DVD
  • 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ　品番ひんばん：GNBF-5708　発売はつばい日び：2022年ねん10月がつ7日にち

ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントよりBlu-ray Discが発売はつばい。NBCユニバーサルが販売はんばい。

• Blu-ray
  • 007/ノー・タイム・トゥ・ダイ　品番ひんばん：1000835186　発売はつばい日び：2024年ねん3月6日にち

2022年ねん1月がつ17日にちの発売はつばい日び決定けってい時点じてんで、歴代れきだいの007シリーズ24作品さくひんと独立どくりつプロ製作せいさくの『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の映像えいぞうソフトは、発売はつばい元もとがワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント（以下いかWBHE）、販売元はんばいもとがNBCユニバーサルからリリースされているが、本ほん作品さくひんはユニバーサル映画えいがが2018年ねんから2022年ねんまでMGM映画えいが作品さくひんの北米ほくべい地域ちいき以外いがいの海外かいがい配給はいきゅう及および全ぜん世界せかいにおける映像えいぞうソフト発売はつばいの権利けんりを保有ほゆうしていた関係かんけい上じょう、当初とうしょの発売はつばい・販売元はんばいもとはNBCユニバーサルとなっていた。その後ご、前述ぜんじゅつの権利けんりがワーナー・ブラザースに移行いこうしたことにより、2024年ねん3月がつに再さい発売はつばいされた廉価れんか版ばんの発売はつばい元もとはWBHEに変更へんこうとなった。

また、2022年ねん2月がつ10日とおかからはソフト発売はつばいに先立さきだち、各種かくしゅVODサービスで先行せんこうデジタル配信はいしんされ、同年どうねん5月がつ10日とおかからは、製作せいさくのMGMスタジオを同年どうねん3月17日にち付づけで買収ばいしゅうしたAmazonの日本にっぽん法人ほうじん（Amazon.co.jp）が運営うんえいする定額ていがく制動せいどう画が配信はいしんサービス・Amazon Prime Videoで独占どくせん配信はいしん公開こうかいを開始かいしした。

外部がいぶリンク

• No Time To Die｜Movie - MGM Studios（英語えいご）
• The Official James Bond 007 Website｜No Time To Die JP - 日本にっぽん公式こうしきサイト（日本語にほんご）
• 【ワーナー公式こうしき】映画えいが（ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信はいしん）｜007／ノー・タイム・トゥ・ダイ - ワーナー ブラザース ジャパン（日本語にほんご）
• 007／ノー・タイム・トゥ・ダイ（字幕じまく版ばん）｜Prime Video - Amazon.co.jp（日本語にほんご）
• 007／ノー・タイム・トゥ・ダイ（吹替版ばん）｜Prime Video - 同上どうじょう（日本語にほんご）
• 映画えいが『007／ノー・タイム・トゥ・ダイ』公式こうしき (@007movie_JP) - X（旧きゅうTwitter）
• 007／ノー・タイム・トゥ・ダイ - allcinema
• 007／ノー・タイム・トゥ・ダイ - KINENOTE
• 007／ノー・タイム・トゥ・ダイ - 映画えいが.com
• 007／ノー・タイム・トゥ・ダイ - MOVIE WALKER PRESS
• No Time to Die - オールムービー（英語えいご）
• No Time to Die - IMDb（英語えいご）
• No Time to Die - Rotten Tomatoes（英語えいご）