トコジラミ

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トコジラミ
分類ぶんるい
界さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
門もん : 節足動物せっそくどうぶつ門もん Arthropoda
綱つな : 昆虫こんちゅう綱つな Insecta
目め : 半はん翅目 Hemiptera
亜あ目め : 異い翅亜目め Heteroptera
科か : トコジラミ科か Cimicidae
属ぞく : トコジラミ属ぞく Cimex
種たね : トコジラミ C. lectularius
学名がくめい
Cimex lectularius
L., 1758
英名えいめい
bedbug, true bed bug, wall louse, common bedbugなど[1][2]

トコジラミ（床ゆか虱しらみ、学名がくめい：Cimex lectularius）とは、半はん翅目トコジラミ科かに属ぞくする吸血きゅうけつ性せいの昆虫こんちゅうの1種しゅ。広義こうぎにはトコジラミ科かそのものを指さす[3]。南京虫なんきんむし（なんきんむし）や床ゆか虫ちゅう（とこむし）という別名べつめいでも知しられる[4]。

名称めいしょう[編集へんしゅう]

「南京虫なんきんむし」の「南京なんきん」とは、江戸えど時代じだいには海外かいがいから伝つたわってきた小ちいさいもの、珍めずらしいものに付つけられる名なだった（他たの用例ようれいとして南京錠なんきんじょう、南京豆なんきんまめなどが挙あげられる）[5]。この昆虫こんちゅうは海外かいがいからの荷物にもつに付着ふちゃくして伝つたわってきたと考かんがえられている（→#日本にっぽん）。明治めいじ期きは兵舎へいしゃで発生はっせいしたことから鎮台ちんだい虫むしと呼よばれたほか、寝床ねどこで吸血きゅうけつ被害ひがいを受うけることから寝台しんだい虫ちゅうや床ゆか虱しらみとも呼よばれるようになった[6]。トコジラミという和名わみょうに関かんしては、単たんに英名えいめい bed bug を訳やくしたものとも[7]、中国ちゅうごく・南京なんきんとの関係かんけいがないことから南京虫なんきんむしの名称めいしょうが不適切ふてきせつとして、代かわってそう呼よばれるようになったものとも言いわれる[8]。

中国ちゅうごく語ごでは床ゆか蝨しらみのほか[9]、臭におい腺せんから出だされる刺激しげき臭しゅうにちなんで「臭におい虫ちゅう」と呼よばれ[10]、本ほん種たねを「温帯おんたい臭しゅう虫むし」「温帯おんたい床ゆか蝨しらみ」、ネッタイトコジラミを「熱帯ねったい臭しゅう虫むし」「熱帯ねったい床ゆか蝨しらみ」と称しょうして区別くべつする[11][9]。ネッタイトコジラミとの混こん称しょうと思おもわれるが、地方ちほう名めいに、「あーぬん」（沖縄おきなわ県けん石垣島いしがきじま）、「あやぬん」（沖縄おきなわ県けん小浜島こはまじま）、「ひーらー」、「っちゅくぇびーら（人ひと食ぐいひら）」（首くび里さと方言ほうげん）、「あかめ」（東京とうきょう都と八丈島はちじょうじま）などがある[12]。英語えいごではトコジラミ、ネッタイトコジラミともに「bedbug」の名称めいしょうが使つかわれるが、トコジラミを特とくに指さす場合ばあいは「common bedbug」と言いう[13]。学名がくめいはラテン語らてんごで、Cimexは虫むし (bug)、lecturariusはベッド (bed)や長椅子ながいす (couch)という意味いみである[14][15]。

分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

特とくに温暖おんだんな地域ちいきに多おおいが、世界せかい各地かくちに分布ぶんぷする種たねである[16][17]。飛翔ひしょう能力のうりょくがなく、自力じりきでは長距離ちょうきょりを移動いどうすることはできないが、人間にんげんの荷物にもつまたは輸送ゆそうされる家具かぐに取とり付つくことで、その分布ぶんぷを拡大かくだいする[18]。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

「シラミ」と命名めいめいされているが、シラミ目めではなくカメムシ目めトコジラミ科かの昆虫こんちゅうで、捕食ほしょく性せいのカメムシであるマキバサシガメ科かやハナカメムシ科かに近きん縁えんである[19]。トコジラミ科かの昆虫こんちゅうは全すべて吸血きゅうけつ性せいであるが、そのほとんどは主おもに鳥類ちょうるいやコウモリ類るいを宿主しゅくしゅとする[20][10]。一方いっぽうで本ほん種たねやネッタイトコジラミ（学名がくめい：Cimex hemipterus。別名べつめい：タイワントコジラミ、ネッタイナンキンムシ）のようなヒトを宿主しゅくしゅとする種類しゅるいも知しられる[3]。

形態けいたい[編集へんしゅう]

卵たまごは長径ちょうけい1.2 mm程度ていどの長円ちょうえん形がたで乳白色にゅうはくしょく[21]、幼虫ようちゅうは1齢よわい時点じてんで体長たいちょう1 mmから1.3 mm程度ていど、透明とうめいまたは淡あわ黄色きいろ[22][21]。体からだ色しょくは脱皮だっぴを重かさねるにつれて褐色かっしょく味あじが強つよくなる[23]。成虫せいちゅうはゴキブリの幼虫ようちゅうや摂食せっしょく前まえのダニを思おもわせる見みた目めをしており[16]、卵たまご形がたもしくは円盤えんばん状じょうで扁平へんぺい[3][1]、体長たいちょうは5 mmから8 mm程度ていど[1]。体からだ色しょくは吸血きゅうけつ前まえは茶褐色ちゃかっしょく[21]もしくは赤褐色せきかっしょくを呈ていし、吸血きゅうけつ後ごは腹部ふくぶの色いろが濃化のうかして見みえ[3]、腹部ふくぶの体からだ節ぶしも伸のびることで体長たいちょうは最大さいだい1.5倍ばい、体重たいじゅうも4倍ばい程度ていどに増ふえる[22]。卵たまご、幼虫ようちゅう、成虫せいちゅうと段階だんかいを踏ふんで成長せいちょうする不完全ふかんぜん変態へんたいの昆虫こんちゅうで、幼虫ようちゅうと成虫せいちゅうはほぼ同おなじ形がたをしている[21][24]。

頭部とうぶには側がわ縁えんに突出とっしゅつした複眼ふくがん、腹はら面めんに接せっしてストロー状じょうに発達はったつした口器こうきがある[1]。翅は前翅ぜんしに相当そうとうする半はん翅鞘があるが機能きのうせず[3]、飛翔ひしょう能力のうりょくはない[25][21]。腹部ふくぶは雌めす成虫せいちゅうは丸まるみを帯おび、雄お成虫せいちゅうは雌めすよりも先さきが尖とがった形状けいじょうをしている[15]。脚あしは素早すばやく移動いどうできるほど発達はったつしているほか[10]、後こう脚あし基部きぶに臭においを発はっする臭におい腺せんがあり、防御ぼうぎょのためにここから刺激しげき臭しゅうを出だすことがある[24]。刺激しげき臭しゅうは油あぶらっぽいとされ[26][27]、カメムシほど強つよくはないにせよ独特どくとくである[8]。

ネッタイトコジラミとは形態けいたい的てきによく似にているが、胸部きょうぶで区別くべつすることができる[28]。ネッタイトコジラミは前ぜん胸むね背せ板ばんの側がわ縁えん部ぶがそれほど張はり出だしておらず、辺あたり縁えん部ぶには直角ちょっかく方向ほうこうに毛けが生はえているのに対たいし、本ほん種しゅはネッタイトコジラミよりも側がわ縁えん部ぶが張はり出だしており、毛けの生はえる方向ほうこうも斜ななめ後うしろ向むきである[29]。腹部ふくぶの形態けいたいにも差異さいを認みとめることができ、本ほん種しゅは円形えんけいなのに対たいしてネッタイトコジラミは後こう縁えん部ぶが凹へこんでいる[29]。

雄お成虫せいちゅうは腹部ふくぶ末まつ端はしに生殖せいしょく器きを伴ともなう把握はあく器きを具そなえるのに対たいし[30]、雌めす成虫せいちゅうには腹部ふくぶ第だい5節せつの右側みぎがわに特徴とくちょう的てきな切きれ込こみ (ectospermalege)があり、雄ゆうは交尾こうびの際さいにこの切きれ込こみに把握はあく器きを挿入そうにゅうし雌めすに精子せいしを提供ていきょうする（→#ギャラリー）[31]。

生活せいかつ環たまき[編集へんしゅう]

摂氏せっし25度どの条件下じょうけんかで孵化ふかした幼虫ようちゅうは吸血きゅうけつから3日にち程度ていどで2齢よわい幼虫ようちゅうとなり、以降いこう5齢よわい幼虫ようちゅうまで脱皮だっぴと吸血きゅうけつを繰くり返かえし、成虫せいちゅうに羽化うかするまでに少すくなくとも5回かい吸血きゅうけつする[22]。孵化ふかから羽化うかまでの期間きかんは35日にちから45日にち程度ていどであることが多おおく、羽化うか後ご1日にちから2日にちで交尾こうびを、2日にちから3日にちで吸血きゅうけつをするようになる[22]。雌めす成虫せいちゅうは吸血きゅうけつ後ご5日にち程度ていどで潜伏せんぷく場所ばしょに数個すうこ産卵さんらんし、以降いこう吸血きゅうけつと産卵さんらんのサイクルを生涯しょうがいに20回かいから30回かいほど繰くり返かえす[22]。累計るいけい産卵さんらん数すうは100個こから200個こで[22]、500個こに上のぼることもあるというが[3][32]、これほどの多産たさんは普通ふつうではない[33]。

卵たまご期間きかんや幼虫ようちゅう期間きかん、成虫せいちゅうの寿命じゅみょうなど、生活せいかつ環たまきは温度おんど条件じょうけんに左右さゆうされるところが大おおきい。永廣ながひろ (2014)によると、平均へいきん産卵さんらん数すうは15度どの条件下じょうけんかで8.8個こ、30度どで14.4個こと、温度おんど条件じょうけんによる差さは大おおきくないが、吸血きゅうけつから産卵さんらんまでの期間きかんは15度どで平均へいきん11.8日にち、30度どで平均へいきん3.3日にち、卵たまご期間きかんは15度どで平均へいきん37.4日にち、30度どで平均へいきん5日にちと倍ばい以上いじょうの差さが見みられる[34]。また、卵たまごは37度ど以上いじょうまたは7度ど以下いかの条件下じょうけんかでは孵化ふかしない[35]。成虫せいちゅうの寿命じゅみょうは22度ど前後ぜんこうにおいては4か月げつ程度ていどだが、10度どにおいては1年ねん以上いじょうに及およぶ[36]。

生態せいたい[編集へんしゅう]

トコジラミは雄お雌めすともに吸血きゅうけつし、幼虫ようちゅう・成虫せいちゅうにかかわらず、その全ぜん生存せいぞん期間きかんを通つうじて栄養分えいようぶんを血液けつえきに頼たよる[25]。夜間やかん、特とくに深夜しんやに行動こうどうし、呼気こき中ちゅうの二酸化炭素にさんかたんそや体温たいおんを頼たよりに吸血きゅうけつ源げんを探さがして吸血きゅうけつするが[21][33]、無む吸血きゅうけつ状態じょうたいが2週間しゅうかん以上いじょう続つづくと昼間ひるまでも活発かっぱつに吸血きゅうけつする[37]。また、暗くら所ところであれば昼間ひるまでも活動かつどうし[23]、光ひかりを嫌きらうため夜間やかんでも照明しょうめいがある場合ばあいは基本きほん的てきに隙間すきまに隠かくれている[8]。潜伏せんぷく時じは数すう十じゅう匹ひき程度ていどの集団しゅうだんでいることが多おおく、100匹ひきを超こえる規模きぼになることもある[22]。

吸血きゅうけつ時じは口器こうきを皮膚ひふに突つき刺さし、この1回かいで吸血きゅうけつ行動こうどうを済すませることが多おおいが、満腹まんぷくになるまで何なん回かいか刺さし変かえることもある[38]。吸血きゅうけつ時間じかんは幼虫ようちゅうで5分ふん程度ていど[37]、成虫せいちゅうで平均へいきん15分ふん程度ていど[38]。ヒトに限かぎらずイヌやネコ、ネズミや鳥類ちょうるいも吸血きゅうけつ源げんとする[21]。飢餓きが耐たい性せいは強つよく、摂氏せっし10度ど下かの絶食ぜっしょくで平均へいきん485日間にちかん生存せいぞんしたほか、半数はんすうが300日にちの絶食ぜっしょくに耐たえ、交尾こうび後ご正常せいじょうに産卵さんらんした雌めすもいたという記録きろくがある[39]。天敵てんてきとしてはクモのほか、アリやダニなどが挙あげられる[40][注釈ちゅうしゃく 1]。

ボルバキアという共生きょうせい細菌さいきんがいないと、正常せいじょうな成長せいちょうや繁殖はんしょくが困難こんなんであることが、研究けんきゅうで明あきらかにされた[42][43]。近親きんしん交配こうはいが不利ふりにならず日常にちじょう的てきに行いっており、一いち匹ひきの妊娠にんしんしたメスがいれば、その子供こども達たち同士どうしで交尾こうびし、大だい規模きぼに繁殖はんしょくをすることができる[44]。その交尾こうびは外傷がいしょう性せい受精じゅせい（英語えいご版ばん）と呼よばれる特殊とくしゅな様式ようしきで、雄ゆうは把握はあく器きで雌めすの腹部ふくぶを刺さし、把握はあく器きに付つく生殖せいしょく器きを挿入そうにゅうして体腔たいこう内ないに精子せいしを放出ほうしゅつする[45]。放出ほうしゅつされた精子せいしは交尾こうび後ご数すう時じ間あいだにわたりmesospermalegeと呼よばれる器官きかんに貯蔵ちょぞうされたのち、同おなじく精子せいしの貯蔵ちょぞう器官きかんであるSeminal conceptaclesを経由けいゆして卵巣らんそうに至いたる[46]。

トコジラミ刺とげ症しょう[編集へんしゅう]

トコジラミに刺とげ咬された痕あと

トコジラミは刺とげ咬する際さい、血液けつえきが凝固ぎょうこしないように唾液だえきを宿主しゅくしゅの体内たいないに注入ちゅうにゅうするが[47]、唾液だえきに含ふくまれる物質ぶっしつが引ひき起おこすアレルギー反応はんのうでトコジラミ刺とげ症しょうと呼よばれる痒かゆみを伴ともなう皮膚ひふ炎えん（虫むし刺とげ症しょう）が生しょうじることがある[38]。症状しょうじょうの程度ていどは以前いぜんの刺とげ咬経験けいけんの有無うむや個々人ここじんの免疫めんえき反応はんのうによるところが大おおきく、強つよい痒かゆみや腫脹しゅちょうがしばらく続つづく人ひともいれば無む症状しょうじょうの人ひともいる[16]。

初はじめて刺とげ咬された場合ばあいは症状しょうじょうは表あらわれないが[注釈ちゅうしゃく 2]、2回かい目め以降いこうは吸血きゅうけつ後ご1日にちから2日にちで痒かゆみを伴ともなう皮かわ疹や紅べに斑まだらが表あらわれ、この症状しょうじょうは吸血きゅうけつが繰くり返かえされるにつれて次第しだいに吸血きゅうけつ直後ちょくごに表あらわれるようになり、最終さいしゅう的てきに吸血きゅうけつされても皮かわ疹が生しょうじることがなくなる[38]。

トコジラミ刺とげ症しょうの臨床りんしょう像ぞうはネコノミやイエダニによる虫むし刺とげ症しょうに似にるが、これらは被覆ひふく部ぶによく見みられるのに対たいし、トコジラミ刺とげ症しょうは露出ろしゅつ部ぶに多おおく、したがって皮かわ疹分布ぶんぷは診断しんだんの判断はんだん材料ざいりょうとなる[38]。加くわえて大おおきさも腫脹しゅちょうの程度ていども他たの虫むし刺とげ症しょうと比くらべて大おおきいことが多おおい[48]。

腫はれやかゆみ以外いがいにも発熱はつねつや水みずぶくれなどの症状しょうじょうが出でることがあり[8][48]、不眠ふみんといった精神せいしん的てきな不調ふちょうの原因げんいんにもなりうる[49]。抗体こうたい発現はつげん後ごに吸血きゅうけつされた場合ばあいはまれながら全身ぜんしん性せい蕁麻疹じんましんなどの重症じゅうしょうに繋つながることがあり[50]、貧血ひんけつやアナフィラキシー反応はんのうの報告ほうこく例れいもある[51]。俗ぞくに、刺さされると肌はだに2つの赤あかい痕跡こんせき（刺さし口こう）が残のこると言いわれるが、1つのことも複数ふくすうのこともある[22][21][8]。必要ひつように応おうじてコルチコステロイドや抗こうヒスタミン薬やくの塗布とふ・投与とうよなどの対症療法たいしょうりょうほうが講こうじられ[48]、刺とげ咬の痕跡こんせきやかゆみは個人こじん差さあるが1週間しゅうかんから2週間しゅうかん程度ていどで消きえる[23][52]。

同おなじカメムシ目めの昆虫こんちゅうにはシャーガス病びょうを媒介ばいかいするオオサシガメ類るいが存在そんざいする。しかし、ペストや発疹ほっしんチフスを媒介ばいかいすると言いわれる一方いっぽうで[24]、2023年ねん時点じてんでトコジラミが媒介ばいかいする伝染でんせん病びょうは確認かくにんされていない[18]。トコジラミの体からだからB型がた肝炎かんえんウイルスなど幾いくつかの人間にんげんの病原びょうげん体たいを検出けんしゅつした例れいがあるが[53]、吸血きゅうけつ行動こうどうにより感染かんせん症しょうが媒介ばいかいされるとするエビデンスは認みとめられていない[28][注釈ちゅうしゃく 3]。

防除ぼうじょ方法ほうほう[編集へんしゅう]

予防よぼう・早期そうき発見はっけん[編集へんしゅう]

長期間ちょうきかん放置ほうちされた見開みひらき雑誌ざっしの綴ていじ部分ぶぶんにも潜ひそんでいる場合ばあいがある。
  • 旅行りょこう先さき、宿泊しゅくはく先さきでは荷物にもつは床ゆかに直接ちょくせつ置おかず、袋ふくろに入いれたり[18]、平滑へいかつ面めんを苦手にがてとすることから平滑へいかつな脚あしの付ついた台だいの上うわや浴室よくしつ内ないに置おくなどして[21][56]、ベッド周辺しゅうへんや隙間すきまなどにトコジラミや血ち糞くそ由来ゆらいのシミがないか確認かくにんする[56]。予防よぼう策さくとしては他ほかにも、防虫ぼうちゅう剤ざいを荷物にもつや旅行りょこうカバンの中なかに入いれたり[57][56]、肌はだの露出ろしゅつ部ぶに塗布とふしたり[56]、就寝しゅうしん時じに照明しょうめいをつけたままにしておくなどがある[8]。また移動いどう先さきからトコジラミを持もち帰かえらないよう帰宅きたく後ごの荷物にもつ点検てんけんも重要じゅうようである[8]。
  • 完璧かんぺきな予防よぼう策さくはないが、隙間すきまを塞ふさぐなどして潜伏せんぷくしうる場所ばしょを減へらすことは有用ゆうようである[58]。住居じゅうきょでは、カーペットや絨毯じゅうたんの裏うら、畳たたみの隙間すきまやコンセントの隙間すきま、壁かべの隙間すきま、ベッドの裏うら、家具かぐなどの引ひき出だしの裏うらや継つぎ目め、カーテンの折おり目め、衣類いるいの縫ぬい目め、本ほんの中なかなどに隠かくれていることが多おおいので重点的じゅうてんてきに点検てんけんする[8][59]。生息せいそく調査ちょうさの手てがかりになるものとして、吸血きゅうけつ後ご排泄はいせつされる血ち糞くそに由来ゆらいする茶褐色ちゃかっしょくのシミ[38]、臭におい腺せんから出でる刺激しげき臭しゅうなどがあり[50]、嗅覚きゅうかくに優すぐれる犬いぬを訓練くんれんし臭においを頼たよりに発見はっけんする試こころみもある[18][60]。探知たんち犬けんは個体こたい差さがあることや管理かんり費用ひようがかかることといった問題もんだい点てんが指摘してきされているものの、訓練くんれん次第しだいで良好りょうこうな結果けっかが出でたとする試験しけん結果けっかがあり、定期ていき的てきに探知たんち犬けんの認定にんてい試験しけんを行おこなう団体だんたいもある[61]。

駆除くじょ[編集へんしゅう]

潜伏せんぷく場所ばしょを的確てきかくに把握はあくしなければならないこと、卵たまごや幼虫ようちゅうの発見はっけんが難むずかしいこと、殺虫さっちゅう剤ざいの効きかない卵たまごの孵化ふかを待まつ必要ひつようがあることなどから駆除くじょの難易なんい度どが高たかい[62]。駆除くじょ方法ほうほうとしては以下いかのものがあり、総合そうごう的てき有害ゆうがい生物せいぶつ管理かんりの観点かんてんから事前じぜん調査ちょうさに基もとづく防除ぼうじょ方法ほうほうの組くみ合あわせが重要じゅうよう視しされる[63]。

殺虫さっちゅう剤ざい・薬剤やくざい
殺虫さっちゅう剤ざいで駆除くじょする場合ばあい、潜伏せんぷく場所ばしょへ散布さんぷし、予測よそくされる行動こうどう範囲はんい内ないにも散布さんぷしておくことが一般いっぱん的てきである[21]。
2022年ねん以降いこうは従来じゅうらいのピレスロイド系けい殺虫さっちゅう剤ざいに薬剤やくざい抵抗ていこう性せいをもった耐たい性せい種しゅが韓国かんこくなどで大だい発生はっせいし[64]、それらが旅行りょこう客きゃくの荷物にもつや通販つうはんのダンボール箱ばこを介かいして日本にっぽん国内こくないに持もち込こまれる事例じれいが相次あいついで報道ほうどうされ、トコジラミによる被害ひがい相談そうだん件数けんすうも過去かこ最多さいたを更新こうしんしている[65][18][66][67]。これらの薬剤やくざい耐たい性せいトコジラミに対たいしては、有機ゆうきリン系けい（フェニトロチオンなど）やカーバメイト系けい（プロポクスルなど）、オキサジアゾール系けい（メトキサジアゾンなど）が有効ゆうこうであることが明あきらかになっている[68][69]。市販しはん殺虫さっちゅう剤ざいの製造元せいぞうもとではオキサジアゾール系けいを配合はいごうすることで対応たいおうしている[70]。一方いっぽうで、カーバメイト系けいや有機ゆうきリン系けい、ネオニコチノイド系けいに対たいする抵抗ていこう性せいの報告ほうこく例れいがある[71]。
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくなどではフッ化かスルフリルを用もちいて家具かぐや建物たてもの全体ぜんたいを燻蒸くんじょうするという防除ぼうじょ方法ほうほうがある[72]。手間てまやコストを要ようすることから建物たてもの全体ぜんたいの燻蒸くんじょうはそう多おおくないが[73]、私物しぶつの防除ぼうじょ策さくとしては有効ゆうこうである[74]。
寝具しんぐの加熱かねつ乾燥かんそう処理しょり車しゃ
加熱かねつ処理しょり
加熱かねつ処理しょりの方法ほうほうとしては熱風ねっぷうや高温こうおんスチームを当あてる、直射ちょくしゃ日光にっこうにさらすなどがある[75][72]。専用せんよう加熱かねつ装置そうちで建物たてものや部屋へや全体ぜんたいを加熱かねつするやり方かたもあり、その場合ばあいは44℃から45℃以上いじょうの高温こうおんを長時間ちょうじかん維持いじし、隙間すきまなどの潜伏せんぷく場所ばしょにも熱ねつが行いき渡わたるような調整ちょうせいが重要じゅうようとされる[72]。スチー厶アイロン等とうを使用しようする場合ばあい、潜伏せんぷく場所ばしょとなる寝具しんぐやマットレス周囲しゅういに90-100℃の高温こうおんスチームを1か所しょにつき3-5秒びょうずつ、念入ねんいりに当あてる[76]。宿泊しゅくはく施設しせつでは、寝具しんぐを業務ぎょうむ用ようの加熱かねつ乾燥かんそう車しゃなどを使用しようして高温こうおん熱風ねっぷう駆除くじょを導入どうにゅうしている所ところもある[77]。枕まくらや掛かけ布団ぶとんなど寝具しんぐに殺虫さっちゅう剤ざいなどの化学かがく薬剤やくざいを使用しようせずに済すむため人体じんたいや環境かんきょうへの負担ふたんがないこと、また薬剤やくざい抵抗ていこう性せいのトコジラミや、薬剤やくざいが効きかない虫むし卵たまごに対たいしても非常ひじょうに有効ゆうこうで、ランニングコストも安やすいことなどから、メリットの多おおい駆除くじょ法ほうとして宿泊しゅくはく業界ぎょうかいでは第だい一いち選択せんたくの駆除くじょ法ほうとなっている[78]。
掃除そうじ機きによる吸引きゅういん
針金はりがねなどで潜伏せんぷく中ちゅうのトコジラミを掻かき出だしながら、細ほそいノズルで吸すい取とる[75]。卵たまご、幼虫ようちゅう、成虫せいちゅうともに接着せっちゃく力りょくが高たかいため、擦すり付つけるようにして除去じょきょする[72]。
冷却れいきゃく処理しょり
冷却れいきゃく処理しょりの方法ほうほうとしては冷凍庫れいとうこの使用しようや粉末ふんまつ状じょうドライアイスの噴入などがある[63][79]。
洗濯せんたく
衣類いるいに付着ふちゃくした個体こたいを駆除くじょする方法ほうほうで、60℃の湯ゆで90分ぶんの洗浄せんじょう、40℃以上いじょうで30分ふん以上いじょうの回転かいてん乾燥かんそう、パークロロエチレンによるドライクリーニングなどで死滅しめつしたとする報告ほうこくがある[80]。
寝具しんぐの包つつみ込こみ
トコジラミの出入でいりが防止ぼうしできるよう縫製ほうせいされたカバーで寝具しんぐを隙間すきまなく包つつむ方法ほうほう[81]。寝具しんぐの廃棄はいきを抑おさえられること、白しろいカバーであればトコジラミが発見はっけんしやすくなるといった利点りてんがある[82]。
廃棄はいき
トコジラミで汚染おせんされた物品ぶっぴんをビニール袋ぶくろに密閉みっぺいして廃棄はいきする[82]。

歴史れきし[編集へんしゅう]

トコジラミ科かのDNAを分析ぶんせきした研究けんきゅうでは、本ほん種たねとネッタイトコジラミは約やく4700万まん年ねん前まえ、トコジラミ科かは約やく1億おく1500万まん年ねん前まえに出現しゅつげんしたとする結果けっかが出でている[83]。2017年ねんに米国べいこく昆虫こんちゅう学会がっかい「Journal of Medical Entomology」に掲載けいさいされた研究けんきゅう論文ろんぶんによると、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくオレゴン州しゅう南部なんぶのペイズリー洞窟どうくつで見みつかった5100年ねんから1万まん1000年ねん前まえの化石かせきが世界せかい最古さいこのトコジラミ（厳密げんみつには近きん縁えん種しゅ）の化石かせきとされている[84]。また、エジプトからは、トコジラミが少すくなくとも3500年ねん前まえから人間にんげんの寄生虫きせいちゅうとして知しられていたことを示唆しさする化石かせきが発見はっけんされている[85]。数かず千せん年ねん前まえにヨーロッパ、アジア、アフリカでヒトがコウモリと同おなじ洞穴どうけつに住すむようになり、トコジラミやネッタイトコジラミもヒトを宿主しゅくしゅにするようになったとされている[84]。

初期しょきの言及げんきゅう例れいとしては紀元前きげんぜん400年ねんごろ、古代こだいギリシャの哲学てつがく者しゃデモクリトスがトコジラミの予防よぼう策さくを伝つたえたものがある[86]。その後ごはアリストテレスの『動物どうぶつ誌し』内ないで言及げんきゅうされ[7]、西暦せいれき77年ねん頃ごろにローマで初はじめて出版しゅっぱんされたプリニウスの『博物はくぶつ誌し』では、ヘビの咬傷こうしょうや耳みみの感染かんせん症しょうなどの病気びょうきの治療ちりょうに薬効やっこうがあるとしてトコジラミに言及げんきゅうしている[87][注釈ちゅうしゃく 4]。他たの地域ちいき、中国ちゅうごくでは600年ねんごろ、イングランドでは1583年ねんごろ[86]、北きたアメリカでは1600年代ねんだいに最初さいしょ期きの記録きろくがある[16]。

20世紀せいきになってからは暖房だんぼうの普及ふきゅうといった生活せいかつ環境かんきょうの変化へんかの影響えいきょうで、北米ほくべいやヨーロッパなどの世界せかい各地かくちで屋内おくないで時期じきを問とわず発生はっせいするようになった[88]。1940年代ねんだい以降いこうはDDTをはじめとする殺虫さっちゅう剤ざいの普及ふきゅうや生活せいかつ環境かんきょうの改善かいぜんとともに被害ひがい報告ほうこくは珍めずらしくなったが、1990年代ねんだい半なかば以降いこう被害ひがい報告ほうこくが再ふたたび増ふえ始はじめており社会しゃかい問題もんだい化かしている[89]。再燃さいねんの原因げんいんについては、カーバメイト系けいやピレスロイド系けい、有機ゆうきリン系けいの殺虫さっちゅう剤ざいに対たいする発達はったつした薬剤やくざい抵抗ていこう性せいが報告ほうこくされるなど[90][91][71]、防除ぼうじょ上じょうの要因よういんが考かんがえられている[89]。また、人々ひとびとのトコジラミに対たいする知識ちしき低下ていかや防除ぼうじょに有効ゆうこうだった殺虫さっちゅう剤ざいの屋内おくない使用しように対たいする法ほう規制きせい[92]、人間にんげんの往来おうらいの急増きゅうぞうや家具かぐ類るいの流通りゅうつう量りょう増加ぞうかも一因いちいんとして指摘してきされている[28]。

オーストラリアやアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでも、21世紀せいきに入はいって再ふたたびトコジラミによる被害ひがいが拡大かくだいし、社会しゃかい的てき影響えいきょうを与あたえた[93]。例たとえばアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくサンフランシスコでは2006年ねんにトコジラミの大量たいりょう発生はっせいが2年ねん前まえと比くらべて倍ばい以上いじょうの300件けん近ちかくが衛生局えいせいきょくに報告ほうこくされた[94]。トコジラミによる被害ひがい額がくは世界せかいで年間ねんかん数すう十じゅう億おくドルと推定すいていされている[95]。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

江戸えど時代じだいには既すでに日本にっぽんに侵入しんにゅうしていたことが窺うかがわれる[18]。一般いっぱん的てきには文久ぶんきゅう年間ねんかん（1861年ねんから1864年ねん）にオランダから購入こうにゅうした古いにしえ船せんで発見はっけんされたのが日本にっぽんにおける初はつ見みとされるものの、13世紀せいき成立せいりつの古今ここん著聞ちょぶん集しゅうや18世紀せいき後半こうはんの菅江すがえ真澄ますみ『かたゐ袋ぶくろ』にトコジラミを想起そうきさせる記述きじゅつがある[96][7]。1595年ねん刊行かんこうの『羅ら葡日対訳たいやく辞書じしょ[注釈ちゅうしゃく 5]』にも「トコムシ：cimex」としてトコジラミが掲載けいさいされているほか[98]、1603年ねんに刊行かんこうされた『日にち葡辞書しょ』にも同様どうようにトコムシとして掲載けいさいされている[99]。

博物学はくぶつがく者しゃの田中たなか芳男よしおは『南京蟲なんきんむし又また床ゆか蝨しらみ』（1897年ねん）にてトコジラミを文久ぶんきゅう年間ねんかんにオランダから購入こうにゅうした古いにしえ船せんから侵入しんにゅうしたものと記しるすとともに[100]、神戸こうべでの流行りゅうこうについて報告ほうこくしている[7]。磯野いその直秀なおひでは日本にっぽんにおけるトコジラミについて、室町むろまち時代じだいには侵入しんにゅうしていたと考かんがえられるが、それほど拡散かくさんしなかったのか江戸えど期きの文献ぶんけんでは言及げんきゅうに乏とぼしく、開国かいこく後ごの再さい侵入しんにゅうで本格ほんかく的てきに分布ぶんぷを拡大かくだいしたようだとする[101]。

明確めいかくな記録きろくは明治めいじ初期しょきから知しられ、1877年ねんの西南せいなん戦争せんそう時ときに小倉おぐらの兵舎へいしゃで発見はっけんされたのを皮切かわきりに、軍隊ぐんたいの移動いどうに伴ともない分布ぶんぷを広ひろげ、鎮台ちんだい虫むしとも呼よばれていた[7]。明治めいじ10年代ねんだい以降いこうは南京虫なんきんむしとしてしばしば新聞しんぶんでも取とり上あげられるようになり、このころ刊行かんこうされた『生物せいぶつ学がく語彙ごい』（1884年ねん）では初はじめてトコジラミという和名わみょうが見みえる[101]。一方いっぽう、明治めいじ初期しょきに書かかれたバジル・ホール・チェンバレンの『日本にっぽん事物じぶつ誌し』のように南京虫なんきんむしを皆無かいむとする文献ぶんけんもある[7]。

明治めいじ期き以降いこうは都市とし部ぶの家屋かおくや宿屋やどやへと分布ぶんぷを拡大かくだいしていき、1960年代ねんだいまでトコジラミによる被害ひがいが見みられた[102]。殺虫さっちゅう剤ざいのない時期じきは捕獲ほかく器きや蒸気じょうき消毒しょうどく器きで、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごはDDTやBHCで駆除くじょが行おこなわれていた[102]。DDTの普及ふきゅうのほか、1965年ねん頃ころより使用しようされだした有機ゆうきリン系けいの殺虫さっちゅう剤ざいの普及ふきゅうや生活せいかつ環境かんきょうの改善かいぜんにより、1970年ねん頃ころには殆ほとんど目めにすることはなくなった[103]。しかし、21世紀せいき（2005年ねんころ[25]）に入はいって宿泊しゅくはく施設しせつ、次ついで住宅じゅうたくから被害ひがいが報告ほうこくされるようになった[79][22]。東京とうきょう都との場合ばあい、1990年代ねんだい後半こうはんと2000年代ねんだいを比較ひかくすると年間ねんかんの相談そうだん件数けんすうが2.4倍ばいに増ふえており、平尾ひらお (2010)は全国ぜんこく的てきなデータはないとしつつ増加ぞうか傾向けいこうは他たでも見みられると指摘してきしている[104]。要因よういんとしては殺虫さっちゅう剤ざいに対たいする抵抗ていこう性せい発達はったつの他ほかにも、海外かいがいからの旅行りょこう者しゃや帰国きこく者しゃによって持もち込こまれた可能かのう性せいが考かんがえられている[22]。2010年代ねんだい以降いこうも海外かいがいからの観光かんこう客きゃくや海外かいがいへの渡航とこう者しゃの増大ぞうだいにより、トコジラミが国内こくないへ持もち込こまれる機会きかいが多おおくなった[105][18]。

兵庫ひょうご県けん神戸こうべ市しにある寺院じいんの住職じゅうしょくが、鳥取とっとり県けんの三朝みささ温泉おんせんにある旅館りょかんに宿泊しゅくはくした際さい、ダニに刺さされ、かゆみで葬式そうしきなどの仕事しごとができなかったとして、旅館りょかんを相手あいてに休業きゅうぎょう損害そんがいなど計けい157万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめた民事みんじ訴訟そしょうの判決はんけつが2004年ねん6月29日にちに神戸こうべ地方裁判所ちほうさいばんしょであった。裁判さいばん長ちょうはシラミ（保健所ほけんじょの鑑定かんていにより正ただしくはトコジラミと判明はんめいした）がいたことを認みとめ、旅館りょかんに慰謝いしゃ料りょう10万まん円えんの支払しはらいを命めいじた。訴うったえによると住職じゅうしょくは三朝みささ町内ちょうないの旅館りょかんに宿泊しゅくはくした際さい、全身ぜんしんにかゆみを感かんじ、その治療ちりょうに約やく2か月げつかかり、1か月げつ以上いじょう休業きゅうぎょうしたという[106]。

ギャラリー[編集へんしゅう]

  • トコジラミの交尾
    トコジラミの交尾こうび
  • 家具の裏など、掃除していると抜け殻が見つかる場合もある。
    家具かぐの裏うらなど、掃除そうじしていると抜ぬけ殻がらが見みつかる場合ばあいもある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ トコジラミの生物せいぶつ的てき防除ぼうじょ法ほうとして天敵てんてきとされるゴキブリが有効ゆうこうだとする話はなしがあるが、キンチョー（大だい日本にっぽん除虫菊じょちゅうぎく）はゴキブリがカメムシ類るいを餌えさにすることはないとして否定ひていしている[41]。
  2. ^ 初はじめて刺とげ咬を受うけたときであっても、集団しゅうだんで吸血きゅうけつされた場合ばあいは1週間しゅうかんから2週間しゅうかんで皮かわ疹が遅おそ発はっすることがある[38]。
  3. ^ 実験じっけん室しつの環境かんきょう下かではシャーガス病びょうを引ひき起おこす原虫げんちゅうTrypanosoma cruziを保有ほゆうしたトコジラミがネズミにシャーガス病びょうを伝染でんせんさせる能力のうりょくを有ゆうすることが確たしかめられている[54]。また、塹壕ざんごう熱ねつ（英語えいご版ばん）などを引ひき起おこす細菌さいきんBartonella quintanaの媒介ばいかい者しゃとなりうることを示唆しさする研究けんきゅう結果けっかもある[55]。
  4. ^ プリニウス自身じしんは「その名なを口くちにするさえおぞましい生いき物もの」とこき下おろしており、前記ぜんきの言及げんきゅうは伝聞でんぶんによるものとしている[7]。
  5. ^ アウグスチノ会かい士しアンブロジオ・カレピノ（英語えいご版ばん）のラテン語らてんご辞書じしょをもとにした日本語にほんご・ラテン語らてんご・ポルトガル語ごの対訳たいやく辞書じしょ[97]。

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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