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ネネツ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ネネツ
ненэцяʼ вада
はなされるくに ロシアの旗 ロシア
地域ちいき ネネツ自治じち管区かんく, ヤマロ・ネネツ自治じち管区かんく, タイミル自治じち管区かんく, コミ共和きょうわこく, ムルマンスクしゅう[よう出典しゅってん]
民族みんぞく ネネツじん
話者わしゃすう 31,300
言語げんご系統けいとう
ウラル語族ごぞく
方言ほうげん
森林しんりんネネツ
ツンドラ・ネネツ
表記ひょうき体系たいけい キリル文字もじ
公的こうてき地位ちい
公用こうよう ネネツ自治じち管区かんく
ヤマロ・ネネツ自治じち管区かんく
統制とうせい機関きかん 統制とうせいなし
言語げんごコード
ISO 639-3 yrk
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ネネツ(ネネツご、ユラクともばれた)は、ロシア北部ほくぶネネツじんはな言語げんごである。「森林しんりんネネツ」と「ツンドラネネツ」にけられる。この2つはよく、おな言語げんご方言ほうげんとしてあつかわれるが、それらはまったちが言語げんごで、相互そうご理解りかい可能かのうせい大変たいへんひくい。そのふたつのうち話者わしゃ人口じんこうおおいのはツンドラネネツで、やく3まんにんから4まんにん[1][2]カニン半島はんとうからエニセイがわあたりに分布ぶんぷしている[3]森林しんりんネネツ話者わしゃ人口じんこうは1000にんから1500にんほどで、アガンがわプルがわリャミンがわナディムがわ周辺しゅうへん分布ぶんぷしている[1][2]

ネネツは、ウラル語族ごぞく分類ぶんるいされ、いくつかのヨーロッパ国家こっか言語げんご(すなわち、フィンランドエストニアハンガリーなど)やのロシアの少数しょうすう言語げんごとお親戚しんせき関係かんけいにある。2しゅのネネツはともにロシアおおいに影響えいきょうけており、またロシアほどではないが、コミハンティからの影響えいきょうられる。ツンドラ・ネネツは、先住民せんじゅうみん言語げんご少数しょうすう言語げんごであるにもかかわらず、しっかりと記録きろくがされており、1930年代ねんだいにさかのぼる文学ぶんがく伝統でんとうっている。一方いっぽう森林しんりんネネツはじめてかれたのは1990年代ねんだいで、しかもとても小規模しょうきぼである[2]

ちなみに、英語えいごの「parka」は、ネネツからており、パーカ元々もともとかれらの伝統でんとうの、動物どうぶつ毛皮けがわとうからつくったながフードきの上着うわぎだった[4][5]

ネネツ共通きょうつう特徴とくちょう[編集へんしゅう]

ネネツ特徴とくちょうは、ほとんどすべての子音しいんにおいて組織そしきてき口蓋こうがいこることである。これは原始げんしサモエード諸語しょごの、ことなる母音ぼいん特性とくせいあいだにあるいちじるしい差異さいからこる[6]

  • *Cä, *Ca → *Cʲa, *Ca
  • *Ce, *Cë → *Cʲe, *Ce
  • *Ci, *Cï → *Cʲi, *Ci
  • *Cö, *Co → *Cʲo, *Co
  • *Cü, *Cu → *Cʲu, *Cu

軟口蓋なんこうがいおんの *k と *ŋ はさらに、口蓋こうがいしたときに *sʲ と *nʲ にわる。

ツンドラ地域ちいきはなされるほかのサモエード諸語しょごエネツガナサン、そして消滅しょうめつ言語げんごユラツ)でもおなじような変化へんか発生はっせいする。

ツンドラネネツ森林しんりんネネツちが[編集へんしゅう]

ツンドラネネツは、森林しんりんネネツよりも初期しょきのネネツかたちのこっている。また、その音韻おんいん体系たいけいひがしハンティ方言ほうげん影響えいきょうけているが、以下いかのような、変化へんかられている[7][6]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b Ethnologue
  2. ^ a b c Tapani Salminen, Farrell Ackerman (2006). “Nenets”. In Keith Brown. Encyclopedia of Languages & Linguistics. 8 (2 ed.). オックスフォード, イングランド: エルゼビア. pp. 577–579 
  3. ^ Peter Staroverov (2006). Vowel deletion and stress in Tundra Nenets. モスクワ, ロシア. p. 1 
  4. ^ "parka" in Merriam-Webster Online Dictionary
  5. ^ Alex Games (2007). Balderdash & Piffle: One Sandwich Short of a Dog's Dinner. ロンドン: BBC. ISBN 978-1-84607-235-2 [信頼しんらいせいよう検証けんしょう]
  6. ^ a b Sammallahti, Pekka (1988), “Historical phonology of the Uralic languages, with special reference to Samoyed, Ugric, and Permic”, in Denis Sinor, The Uralic Languages: Description, History and Foreign Influences, Leiden: Brill, pp. 478–554 
  7. ^ Salminen, Tapani (2007), “Notes on Forest Nenets phonology”, Mémoires de la Société Finno-Ougrienne (ヘルシンキ, フィンランド: Suomalais-Ugrilainen Seura) 253, http://www.sgr.fi/sust/sust253/sust253_salminen.pdf 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]