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バクトリア

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バクトリア
はなされるくに バクトリア
消滅しょうめつ時期じき 9世紀せいきまつ
言語げんご系統けいとう
表記ひょうき体系たいけい ギリシア文字もじマニ文字もじ
言語げんごコード
ISO 639-3 xbc
Linguist List xbc
テンプレートを表示ひょうじ
スルフ・コタル出土しゅつどのバクトリア碑文ひぶん(1957ねん発掘はっくつ)。ギリシア文字もじかれている。
カニシカ1せい貨幣かへい ϷΑΟΝΑΝΟϷΑΟ ΚΑΝΗϷΚΙ ΚΟϷΑΝΟおうおう、カニシカ、クシャン)

バクトリア(バクトリアご)は、中央ちゅうおうアジアバクトリア現在げんざいアフガニスタン北部ほくぶ別名べつめいトハリスタン)を中心ちゅうしんとする地域ちいき使用しようされた言語げんごインド・ヨーロッパ語族ごぞくイランぐん分類ぶんるいされる。

歴史れきし

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バクトリアは、クシャーナあさ(1世紀せいき - 3世紀せいき)の時代じだいから8・9世紀せいきごろまで使つかわれた[1]

紀元前きげんぜん4世紀せいきアレクサンドロス大王だいおう以来いらい、バクトリア地方ちほうではギリシアじん支配しはいつづいたが、紀元前きげんぜん2世紀せいき後半こうはんになるとつきなどが侵入しんにゅうした。クシャーナあさでははじめギリシア公用こうようとしていたが、カニシカ1せいのときにバクトリア公用こうようあらためた[1]文字もじとしてはひきつづきギリシア文字もじ使用しようしたため、バクトリアはイランちゅう唯一ゆいいつギリシア文字もじ筆記ひっきされる言語げんごになった。

クシャーナあさ勢力せいりょくひろかったため、バクトリアインド北部ほくぶから中央ちゅうおうアジアトゥルファンいた地域ちいきまで使用しようされた。

エフタル侵入しんにゅうもバクトリア使つかわれつづけたが、7世紀せいきアラブじん侵入しんにゅう絶滅ぜつめつした。

資料しりょう

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バクトリア資料しりょう近年きんねんまで非常ひじょうかぎられていたが、1990年代ねんだい以降いこう大幅おおはば増加ぞうかした[2]

バクトリア資料しりょうにはカニシカ1せい以降いこう貨幣かへい印章いんしょう碑文ひぶん文書ぶんしょおよび落書らくがきなどがある[1]碑文ひぶんは1957ねん発見はっけんされたスルフ・コタルのものが有名ゆうめいであったが、1993ねんラバータク碑文ひぶん発見はっけんされた。文書ぶんしょ中央ちゅうおうアジアでつかったわずかな断片だんぺんしかなかったが、1991ねん以降いこう100てんもの文書ぶんしょられるようになり、そのおおくはナセル・ハリリ英語えいごばんのコレクションにくわえられた[2]

文字もじ

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バクトリアはギリシア文字もじかれるが、ギリシアにない [ʃ]おとあらわすための文字もじ Ϸ追加ついかされているため25文字もじになっている。げんは覩貨邏国(トハリスタン)で25文字もじから構成こうせいされ、ひだりからみぎ文字もじ使つかっているといているが、バクトリア文字もじしているとかんがえられる[3]

碑文ひぶん文字もじ通常つうじょうのギリシア文字もじかれるが、文書ぶんしょ後期こうき貨幣かへいではくさ書体しょたいのギリシア文字もじ使つかわれ、解読かいどく困難こんなんである。

ギリシア文字もじのほかにマニ文字もじでバクトリアいたトゥルファン出土しゅつど文書ぶんしょがひとつられている[1]複数ふくすう文字もじ体系たいけいかれているため、バクトリア音韻おんいんはほかの中期ちゅうきイランにくらべてくわしくわかっている。

言語げんごとのきんえん関係かんけい

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音韻おんいんからみてバクトリアひがしイランぞくし、パシュトーソグドなどときんえん関係かんけいにある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d N. Sims-Williams (1988). “Bactrian Language”. Encyclopaedia Iranica. http://www.iranicaonline.org/articles/bactrian-language 
  2. ^ a b ニコラス・シムズ=ウィリアムズ しる熊本くまもとひろし やく古代こだいアフガニスタンにおけるしん知見ちけん』1997ねんオリジナルの2012ねん9がつ11にち時点じてんにおけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20120911015250/http://www.gengo.l.u-tokyo.ac.jp:80/~hkum/bactri_j.html 
  3. ^ だいから西域せいいき巻一けんいちてつもんいたり覩貨邏国。(中略ちゅうりゃく字源じげんじゅう五言ごごんうたて而相せいよう備物。しょ以横読、ひだりこうみぎぶんややおお、逾広窣利。」

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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