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パティシエ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
パティッシエ
基本きほん情報じょうほう
名称めいしょうpâtissier (フランス語ふらんすご
職種しょくしゅ専門せんもんしょく/料理人りょうりにん
職域しょくいき食品しょくひん産業さんぎょう

パティシエふつ: pâtissier女性じょせい単数たんすうがたpâtissière)とは菓子かし製造せいぞうじん洋菓子ようがしデザートつく職人しょくにんである[注釈ちゅうしゃく 1]女性じょせいがたパティシエールpâtissière。“e”が追加ついかされて“r”も発音はつおんされるとなる)となる。「パティシ」は誤記ごき

つくられた菓子かし総称そうしょうしてパティスリーぶこともある。

概要がいよう

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パティシエとばれる菓子かし職人しょくにんつく菓子かしデザートなどは、あじのおいしさだけでなく、にも配慮はいりょされており、芸術げいじゅつ作品さくひんおもわせるものもある。

欧州おうしゅうとくドイツ)では女性じょせい人気にんきのある職業しょくぎょうであり、パティシエの半数はんすう女性じょせいめられている。しかし、フランスでは女性じょせいがこの職業しょくぎょうたずさわることはすくない。なお、フランスでは国家こっか資格しかく免許めんきょではなく、バリスタやソムリエ同様どうよう知識ちしき技能ぎのうがそう名乗なのるに相応ふさわしいとみとめられる)であり、フランスにおけるパティシエは、日本にっぽんにおける医師いし匹敵ひってきする社会しゃかいてき地位ちい[よう説明せつめい][よう出典しゅってん]。  

パティシエの仕事しごとは、長時間ちょうじかん仕事しごとこまかい作業さぎょうから力仕事ちからしごとまでこなさなければならない[1]どもが将来しょうらいなりたい職業しょくぎょうとして女児じょじ人気にんきであるが、このようなめんがあるため男性だんせいほうおおくなっている。一方いっぽうショコラティエはパティシエと比較ひかくして、体力たいりょくてき負担ふたんすくないため女性じょせいおおくなっている[1]

2004ねん統計とうけいによると、日本にっぽんのパティシエの人数にんずう年々ねんねん減少げんしょう傾向けいこうにあり、とく男性だんせい減少げんしょうしているという。それにわるように女性じょせい進出しんしゅつ目立めだつようになり、最近さいきんではオーナーからスタッフまで全員ぜんいん女性じょせいという菓子かしてんめずらしくなくなってきている。

歴史れきし

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アブラハム・ボス「菓子かし職人しょくにん

中世ちゅうせいのフランスで、聖体せいたい拝領はいりょうようパン菓子かしつく職人しょくにんであるオブロワイエが、うつわパイ生地きじなどににくさかなめて料理りょうりパテ料理りょうりつく仕事しごとにも従事じゅうじするようになり、パスティ挽肉ひきにくなどのもの料理りょうり)をつくもの(パスティシエ)に分化ぶんかし、やがてパティシエになったとわれている。

1440ねんのパリ奉行ぶぎょうによる身分みぶん規定きていなかにパティッシエという職業しょくぎょう記録きろくされている。当時とうじ各々おのおの職業しょくぎょう区分くぶん業務ぎょうむ内容ないようたいする制約せいやくつよく、パンには砂糖さとう使つかった菓子かしくことは禁止きんしされており、菓子かしづくりはパティシエの特権とっけんとされていた。パティッシエになるには徒弟とていとして5ねん修行しゅぎょうのち試験しけん合格ごうかくすれば職人しょくにんくらいになり、さらに3ねんはたらいたのち組合くみあいに「親方おやかた昇級しょうきゅう作品さくひん」を提出ていしゅつ合格ごうかくする必要ひつようがあった。店主てんしゅ息子むすこ希望きぼうすれば徒弟とてい期間きかん免除めんじょされた。こうした組合くみあい制度せいどルイ16せい時代じだいまでつづいた。フランス革命かくめいのち社会しゃかい制度せいどおおきく変動へんどうするとともにおおくのパティシエは菓子かしづく専業せんぎょうとなったが、今日きょうのパティシエの認可にんか制度せいどにも親方おやかたによる実地じっち教育きょういくといった徒弟とてい制度せいど名残なごりがある[2]

日本にっぽんでこのかたり使用しようされはじめたのは2000ねん前後ぜんごおもわれる。おもに「スイーツ」とばれる洋菓子ようがしやデザートをつく職人しょくにん名称めいしょうとなっていて、和菓子わがし職人しょくにんをパティシエとぶことはない。

資格しかく制度せいど

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フランス

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フランス語ふらんすごけんでは以下いか国家こっか資格しかくとなっている[3]

日本にっぽん

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日本にっぽんでは職業しょくぎょう訓練くんれん指導しどういん (パン・菓子かし)菓子かし製造せいぞう技能ぎのう製菓せいか衛生えいせい資格しかく存在そんざいする。

著名ちょめいなパティシエ

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国家こっか最優秀さいゆうしゅう職人しょくにんあきら(MOF)受賞じゅしょうしゃ参照さんしょう

パティシエが登場とうじょうする作品さくひん

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 形容詞けいようしとしてもちいた場合ばあい菓子かしかんする」という意味いみとなり、カスタードクリームふつめいcrème pâtissière(クレーム・パティシエール)は、修飾しゅうしょくされるcrèmeが女性じょせい名詞めいしであるためせいすう一致いっちにより女性じょせいがたもちいてpâtissièreとつづられる。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 由美子ゆみこ, 杉浦すぎうら (2021ねん2がつ13にち). “おんなあこがれる職業しょくぎょう」1はケーキさん…それでも有名ゆうめいパティシエが男性だんせいばかりなのはなぜ?”. 文春ぶんしゅんオンライン. 2024ねん10がつ16にち閲覧えつらん
  2. ^ トゥーサン=サマ 2008, pp. 44–61.
  3. ^ National directory of professional certifications - フランス国家こっか職業しょくぎょう資格しかく認定にんてい委員いいんかいデータベース

参考さんこう文献ぶんけん

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  • マグロンヌ・トゥーサン=サマ ちょ吉田よしだ春美はるみ やく『お菓子かし歴史れきし河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2005ねんISBN 4309224377 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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