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パーカー・ソーラー・プローブ (Parker Solar Probe)は、太陽 たいよう の外部 がいぶ コロナ の直接 ちょくせつ 観測 かんそく を計画 けいかく している宇宙 うちゅう 探査 たんさ 機 き である[5] 。太陽 たいよう 表面 ひょうめん から8.86太陽 たいよう 半径 はんけい (0.04天文 てんもん 単位 たんい 、590万 まん キロメートル)への到達 とうたつ が計画 けいかく されている[5] 。この計画 けいかく は2009年度 ねんど 財政 ざいせい 予算 よさん 案 あん に新規 しんき 計画 けいかく として追加 ついか ・公表 こうひょう された。2008年 ねん 5月 がつ 1日 にち に、ジョンズ・ホプキンス大学 だいがく 応用 おうよう 物理 ぶつり 研究所 けんきゅうじょ は2015年 ねん の打 う ち上 あ げを目指 めざ して、本 ほん 機 き の設計 せっけい と製造 せいぞう を行 おこな うと発表 はっぴょう した[6] 。その後 ご 、打上 うちあ げ目標 もくひょう は延期 えんき されたものの、2018年 ねん 8月 がつ 12日 にち 午前 ごぜん 3時 じ 31分 ふん (EDT)にケープ・カナベラル よりデルタ IV ヘビー 10号機 ごうき で打 う ち上 あ げられた[7] 。
この計画 けいかく は2017年 ねん までソーラー・プローブ・プラス (Solar Probe Plus)と呼 よ ばれていたが、同年 どうねん 5月 がつ に宇宙 うちゅう 物理 ぶつり 学者 がくしゃ ユージン・ニューマン・パーカー を称 とな えて現在 げんざい の名前 なまえ に改称 かいしょう された[8] 。
ソーラープローブミッションと呼 よ ばれていた初期 しょき の概念 がいねん 設計 せっけい では木星 もくせい を使 つか った減速 げんそく スイングバイ を行 おこな う計画 けいかく だったが、軌道 きどう 変更 へんこう 方法 ほうほう をよりシンプルにすると決 き まり、パーカー・ソーラー・プローブでは金星 きんぼし で複 ふく 数 すう 回 かい の減速 げんそく スイングバイを行 おこな って軌道 きどう の近日 きんじつ 点 てん を太陽 たいよう へ接近 せっきん させてゆき、ほぼ8.5太陽 たいよう 半径 はんけい の軌道 きどう (600万 まん キロメートル)で複 ふく 数 すう 回 かい の接近 せっきん が行 おこな えるように設計 せっけい された[9] 。
本 ほん 機 き は、その探査 たんさ 目的 もくてき から太陽 たいよう にかなり接近 せっきん する必要 ひつよう があり、太陽 たいよう の直近 ちょっきん で熱 ねつ 放射 ほうしゃ と放射線 ほうしゃせん に晒 さら されるという、極 きわ めて過酷 かこく な稼動 かどう 環境 かんきょう での正常 せいじょう 動作 どうさ が求 もと められる。探査 たんさ 軌道 きどう における太陽光 たいようこう の入射 にゅうしゃ 強度 きょうど は、地球 ちきゅう 軌道 きどう と比 くら べて約 やく 520倍 ばい 強 つよ く、防護 ぼうご のため耐 たい 熱 ねつ シールドを備 そな えている。この炭素 たんそ 繊維 せんい 強化 きょうか 炭素 たんそ 複 ふく 合 あい 材料 ざいりょう 製 せい の耐 たい 熱 ねつ シールドは探査 たんさ 機 き の正面 しょうめん に設置 せっち され、約 やく 1400 ℃に耐 た えられる設計 せっけい である[注釈 ちゅうしゃく 1] 。探査 たんさ 機 き のコンピュータや観測 かんそく 機器 きき は、太陽光 たいようこう の直射 ちょくしゃ を受 う けないように、耐 たい 熱 ねつ シールドの影 かげ になる箇所 かしょ に設置 せっち される。電源 でんげん には1対 つい の太陽 たいよう 電池 でんち アレイ が使 つか われる。太陽 たいよう に接近 せっきん したときは、太陽 たいよう 電池 でんち を機体 きたい 側 がわ に畳 たた んで太陽光 たいようこう の入射 にゅうしゃ 角度 かくど を浅 あさ くすることや、太陽 たいよう 電池 でんち の一部 いちぶ を耐 たい 熱 ねつ シールドの影 かげ にいれることで太陽 たいよう 電池 でんち の熱 ねつ を抑 おさ える。また、ポンプで冷却 れいきゃく 用 よう の流体 りゅうたい を流 なが す方法 ほうほう で、適正 てきせい な温度 おんど を維持 いじ できるように設計 せっけい されている[10] [11] 。
地球 ちきゅう と比較 ひかく しておよそ30倍 ばい の引力 いんりょく をもつ太陽 たいよう に接近 せっきん し、落下 らっか しないようにフライバイ するため探査 たんさ 機 き が太陽 たいよう に最 さい 接近 せっきん する際 さい の対 たい 太陽 たいよう 速度 そくど は約 やく 200km/sにも達 たっ する[注釈 ちゅうしゃく 2] 。これが予定 よてい 通 どお りに達成 たっせい されれば、人類 じんるい の作 つく った物体 ぶったい が到達 とうたつ した速度 そくど として最速 さいそく であり、2011年 ねん 時点 じてん で最速 さいそく のヘリオス2号 ごう の約 やく 3倍 ばい に当 あ たる[12] [13] 。
ミッションの科学 かがく 目標 もくひょう は以下 いか の通 とお りである[14] 。
太陽 たいよう コロナを加熱 かねつ し、太陽 たいよう 風 ふう を加速 かそく するためのエネルギーの流 なが れを辿 たど ること。
太陽 たいよう 風 ふう が流 なが れ出 だ す領域 りょういき のプラズマと磁場 じば の構造 こうぞう と力学 りきがく を決 き めること。
高 こう エネルギー粒子 りゅうし を加速 かそく して、周囲 しゅうい に輸送 ゆそう するメカニズムを解 と き明 あ かすこと。
① -㉔ : 近日 きんじつ 点 てん ➊ -➐ : フライバイ] オレンジ色 しょく の曲線 きょくせん が軌道 きどう 速度 そくど (左 ひだり 目盛 めもり ) 青色 あおいろ の曲線 きょくせん が太陽 たいよう からの距離 きょり (右目 みぎめ 盛 ざか り)
年 とし
工程 こうてい
1月 がつ
2月 がつ
3月 がつ
4月 がつ
5月
6月 がつ
7月 がつ
8月 がつ
9月
10月
11月
12月
2018年 ねん
8月 がつ 12日 にち 打 う ち上 あ げ
9月28日 にち 第 だい 1回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 150日 にち )
11月1日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (1回 かい 目 め )
2019年 ねん
3月31日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (2回 かい 目 め )
8月 がつ 28日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (3回 かい 目 め )
12月21日 にち 第 だい 2回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 130日 にち )
2020
1月 がつ 24日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (4回 かい 目 め )
6月2日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (5回 かい 目 め )
9月22日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (6回 かい 目 め )
7月 がつ 6日 にち 第 だい 3回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 112.5日 にち )
2021
1月 がつ 13日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (7回 かい 目 め )
4月 がつ 24日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (8回 かい 目 め )
8月 がつ 5日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (9回 かい 目 め )
11月16日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (10回 かい 目 め )
2月 がつ 16日 にち 第 だい 4回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 102日 にち )
10月11日 にち 第 だい 5回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 96日 にち )
2022
2月 がつ 21日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (11回 かい 目 め )
5月28日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (12回 かい 目 め )
9月1日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (13回 かい 目 め )
12月6日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (14回 かい 目 め )
2023
3月13日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (15回 かい 目 め )
6月17日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (16回 かい 目 め )
9月23日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (17回 かい 目 め )
12月24日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (18回 かい 目 め )
8月 がつ 16日 にち 第 だい 6回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 92日 にち )
2024
3月25日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (19回 かい 目 め )
6月25日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (20回 かい 目 め )
9月25日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (21回 かい 目 め )
12月19日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (22回 かい 目 め ) 太陽 たいよう への第 だい 1回 かい 最 さい 接近 せっきん
11月2日 にち 第 だい 7回 かい 金星 かなぼし スイングバイ (公転 こうてん 周期 しゅうき 88日 にち )
2025
3月18日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (23回 かい 目 め )
6月14日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (24回 かい 目 め )
9月 がつ 10日 とおか 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (25回 かい 目 め )
12月7日 にち 近日 きんじつ 点 てん 到達 とうたつ (26回 かい 目 め )
第 だい 1回 かい 金星 かなぼし スイングバイにより近日 きんじつ 点 てん 高度 こうど を下 さ げ、探査 たんさ 機 き は公転 こうてん 周期 しゅうき 150日 にち (金星 きんぼし の公転 こうてん 周期 しゅうき の2/3)の楕円 だえん 軌道 きどう に入 はい る。第 だい 2回 かい 金星 かなぼし スイングバイで探査 たんさ 機 き の公転 こうてん 周期 しゅうき を130日 にち とし、続 つづ いて、金星 かなぼし が公転 こうてん 軌道 きどう 上 じょう で最大 さいだい 速度 そくど に達 たっ する198日 にち 後 ご の第 だい 3回 かい 金星 かなぼし スイングバイで、探査 たんさ 機 き の公転 こうてん 周期 しゅうき を112.5日 にち (金星 きんぼし の1/2)にする。第 だい 4回 かい 金星 かなぼし スイングバイでは探査 たんさ 機 き の公転 こうてん 周期 しゅうき を102日 にち にし、さらに第 だい 5回 かい ・第 だい 6回 かい 金星 かなぼし フライバイで順次 じゅんじ 、探査 たんさ 機 き の近日 きんじつ 点 てん 高度 こうど を下 さ げて公転 こうてん 周期 しゅうき をそれぞれ96日 にち (金星 きんぼし の3/7)、92日 にち (金星 きんぼし の2/5)とした後 のち 、最後 さいご の第 だい 7回 かい 金星 かなぼし フライバイで近日 きんじつ 点 てん 高度 こうど が9.86太陽 たいよう 半径 はんけい 、公転 こうてん 周期 しゅうき が88日 にち の軌道 きどう に到達 とうたつ する計画 けいかく である[15] 。
ミッションの進捗 しんちょく [ 編集 へんしゅう ]
2018年 ねん 8月 がつ 12日 にち 3:31 EDT (7:31 UTC )に、デルタ IV ヘビー ロケットで打 う ち上 あ げられた。打 う ち上 あ げ後 ご 、最初 さいしょ の1週間 しゅうかん で高 こう 利得 りとく アンテナや磁力 じりょく 計 けい ブーム、電界 でんかい アンテナを展開 てんかい した。9月初 はじ めからミッション機器 きき の動作 どうさ 確認 かくにん を行 おこな い、2018年 ねん 11月6日 にち の近日 きんじつ 点 てん 通過 つうか 前後 ぜんこう に最初 さいしょ の科学 かがく 観測 かんそく を行 おこな った[16] 。
2019年 ねん 4月 がつ に行 おこな われた第 だい 2回 かい の測定 そくてい では太陽 たいよう までの距離 きょり が、太陽 たいよう 半径 はんけい の30倍 ばい 程度 ていど まで接近 せっきん し、史上 しじょう 最 もっと も太陽 たいよう に接近 せっきん した。ミシガン大学 だいがく のキャスパー博士 はかせ らの研究 けんきゅう グループが、2回 かい の近日 きんじつ 点 てん 通過 つうか 後 ご のデータを解析 かいせき した結果 けっか 、プラズマには磁場 じば によってエネルギーが蓄 たくわ えられており、このエネルギーが粒子 りゅうし の運動 うんどう エネルギーに変換 へんかん されるため、粒子 りゅうし が加速 かそく すると判明 はんめい した[17] 。
2019年 ねん 12月4日 にち 、最初 さいしょ の観測 かんそく 結果 けっか に関 かん する4本 ほん の論文 ろんぶん が学術 がくじゅつ 誌 し ネイチャー に発表 はっぴょう された[18] 。その中 なか で、35太陽 たいよう 半径 はんけい (2434万 まん キロメートル)付近 ふきん で観測 かんそく された太陽 たいよう の自転 じてん に沿 そ って回転 かいてん する太陽 たいよう 風 ふう の速度 そくど が、これまでの標準 ひょうじゅん 的 てき なモデルで考 かんが えられていた数 かず (km/s)という値 ね の20倍 ばい にも達 たっ する35 - 50 km/sに及 およ ぶと発表 はっぴょう された[19] 。この観測 かんそく 結果 けっか は、太陽 たいよう の自転 じてん 速度 そくど 低下 ていか に関 かん する従来 じゅうらい の予想 よそう や、コロナ質量 しつりょう 放出 ほうしゅつ の予測 よそく 精度 せいど に影響 えいきょう を与 あた える可能 かのう 性 せい がある[18] 。また、36 - 54太陽 たいよう 半径 はんけい (2505万 まん - 3757万 まん キロメートル)の距離 きょり からの観測 かんそく により、黄道 こうどう 面 めん に近 ちか い低 てい 緯度 いど 領域 りょういき で見 み られる500 (km/s)未満 みまん の低速 ていそく 太陽 たいよう 風 ふう の発生 はっせい 源 げん が、赤道 あかみち 付近 ふきん の小 ちい さなコロナホール であると示唆 しさ する結果 けっか を得 え た[20] 。
^ 訳注 やくちゅう : NASAの原文 げんぶん の表現 ひょうげん では、華氏 かし 2500度 ど (摂氏 せっし 1377度 ど )とある。
^ 200km/sとは、地球 ちきゅう の地表 ちひょう 付近 ふきん での空気 くうき 中 ちゅう の音速 おんそく の約 やく 583倍 ばい 、いわゆる、マッハ583である。
^ Clark, Stephen (2015年 ねん 3月 がつ 18日 にち ). “Delta 4-Heavy selected for launch of solar probe” . Spaceflight Now . http://spaceflightnow.com/2015/03/18/delta-4-heavy-selected-for-launch-of-solar-probe/ 2015年 ねん 3月 がつ 18日 にち 閲覧 えつらん 。
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^ なお、最 さい 接近 せっきん 予定 よてい を太陽 たいよう 中心 ちゅうしん から600万 まん kmとして計算 けいさん した場合 ばあい の太陽 たいよう 脱出 だっしゅつ 速度 そくど は約 やく 210万 まん km/sが必要 ひつよう であるため、この超 ちょう 高速 こうそく でフライバイしても太陽 たいよう から離脱 りだつ することはない。
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^ Kasper, J. C.; Bale, S. D.; Belcher, J. W. et al. (2019). “Alfvénic velocity spikes and rotational flows in the near-Sun solar wind”. Nature . doi :10.1038/s41586-019-1813-z . ISSN 0028-0836 .
^ Bale, S. D.; Badman, S. T.; Bonnell, J. W. et al. (2019). “Highly structured slow solar wind emerging from an equatorial coronal hole”. Nature . doi :10.1038/s41586-019-1818-7 . ISSN 0028-0836 .
運用 うんよう 中 ちゅう 中断 ちゅうだん 運用 うんよう 終了 しゅうりょう 計画 けいかく 段階 だんかい 中止 ちゅうし
フライバイ
1970年代 ねんだい まで 1980から1990年代 ねんだい 2000年代 ねんだい 以降 いこう
オービター 降下 こうか 探査 たんさ ランダー 気球 ききゅう 探査 たんさ 計画 けいかく 段階 だんかい 構想 こうそう 段階 だんかい キャンセル 関連 かんれん 項目 こうもく
太字 ふとじ の下線 かせん は現役 げんえき の宇宙 うちゅう 機 き を示 しめ す