(Translated by https://www.hiragana.jp/)
マルス2号 - Wikipedia コンテンツにスキップ

マルス2ごう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
マルス2ごう(オービター)
マルス2ごうのオービター
所属しょぞく ソビエト連邦れんぽう
任務にんむ オービターとランダー
軌道きどう投入とうにゅう 1971ねん11月27にち
周回しゅうかいすう 362
打上うちあ日時にちじ 1971ねん5月19にち16:22:44(UTC
打上うちあ プロトン-KおよブロックD
任務にんむ期間きかん 1972ねん8がつ22にち
COSPAR ID 1971-045A
質量しつりょう 2,265 kg
軌道きどう要素ようそ
はなれしんりつ 0.71178
軌道きどう傾斜けいしゃかく 48.9°
とおてん高度こうど 24,940 km
きんてん高度こうど 1,380 km
軌道きどう周期しゅうき 17.96あいだ
テンプレートを表示ひょうじ

マルス2ごうロシア: Марс-2, Mars 2)は、1970年代ねんだいソビエト連邦れんぽうによっておこなわれたマルス計画けいかく打上うちあげられた無人むじん探査たんさである。マルス2・3ごうミッションは、それぞれオービターランダーより構成こうせいされるおな構造こうぞうの2探査たんさによっておこなわれ、プロトン-KロケットブロックD上段じょうだんステージで打上うちあげられた。マルス2ごうランダーは、火星かせい表面ひょうめん到達とうたつした最初さいしょ人工じんこうぶつとなった。

しょもと

[編集へんしゅう]
  • 打上うちあ日時にちじ:1971ねん5がつ19にち 16:22:44 UTC
  • 打上うちあ質量しつりょう燃料ねんりょうふくむ)
    • 合計ごうけい:4,650 kg
    • オービター:3,440 kg
    • ランダー:1,210 kg
  • 起動きどうじょういぬい質量しつりょう:2,265 kg
  • おおきさ:たかさ4.1 mはば2 m(太陽たいよう電池でんち展開てんかいには5.9 m)

オービター

[編集へんしゅう]

オービターは降下こうかモジュールを分離ぶんりしたのちにエンジンを噴射ふんしゃし、高度こうど1,380 x 24,940 km、軌道きどう周期しゅうき18あいだ軌道きどう傾斜けいしゃかく48.9°の火星かせい周回しゅうかい軌道きどうはいった。通常つうじょう科学かがく機器きききんてん通過つうかする30分間ふんかんのみ起動きどうされた。

オービターの主要しゅよう目的もくてきは、火星かせい地表ちひょうくも撮影さつえい温度おんど測定そくてい地形ちけい地表ちひょう組成そせい物理ぶつりてき特徴とくちょう研究けんきゅう大気たいき組成そせい測定そくてい太陽たいようふう惑星わくせいあいだ磁場じば火星かせい磁場じばのモニター、またランダーから地球ちきゅうへの伝送でんそう中継ちゅうけいである。

オービターが火星かせい到達とうたつしたさい偶然ぐうぜんにも火星かせいでは非常ひじょうおおきい砂嵐すなあらし発生はっせいしており、ミッションに悪影響あくえいきょうあたえた。1971ねん11月14にち、マルス2ごう・3ごう火星かせい到着とうちゃくする2週間しゅうかんまえ、アメリカのマリナー9ごう火星かせい軌道きどうはいった。このさい火星かせい大気たいきは「惑星わくせい規模きぼちりのローブ、これまで観測かんそくされたなかもっとおおきいあらし」であつおおわれており、惑星わくせい科学かがくしゃたちおどろかせた。地表ちひょう完全かんぜんかくされていた。マルス2・3ごうのコンピュータをさいプログラムすることは出来できなかったため、オービターは火星かせい到着とうちゃくするとぐにランダーを砂嵐すなあらしなかおくしてしまった。またオービターは意図いとした地表ちひょうのマッピングではなく、特徴とくちょうのないちりくもだけをうつした画像がぞう撮影さつえいするのにデータリソースのおおくをくこととなった[1]

マルス2ごうは、1971ねん12月 - よく1972ねん3がつにかけて大量たいりょうのデータをおくかえしてた。伝送でんそうは8がつまでつづいた。1972ねん8がつ22にちには、火星かせいを362しゅうし、マルス2ごうとマルス3ごうがミッションをえたことが発表はっぴょうされた。撮影さつえいした画像がぞうはマルス3ごうわせて60まいおよび、られた画像がぞうやデータにより、たかさ22 kmものやま上層じょうそう大気たいきちゅう水素すいそ酸素さんそ原子げんし表面ひょうめん温度おんどが-110 - +13 であること、表面ひょうめん気圧きあつが5.5 - 6 mbであること、大気たいきちゅう水蒸気すいじょうき密度みつど地球ちきゅうやく5000ぶんの1であること、電離でんりけんそこ高度こうど80 - 110 kmよりはじまること、砂嵐すなあらしによりげられたすな高度こうど7 kmにたっすることをあきらかにした。この画像がぞうとデータにより、火星かせい表面ひょうめんさん次元じげん地図ちずつくることが可能かのうとなり、火星かせい重力じゅうりょく磁場じばかんする情報じょうほうられた。

ランダー

[編集へんしゅう]
マルス2ごう(ランダー)
モスクワ宇宙うちゅう飛行ひこう記念きねん博物館はくぶつかん展示てんじされるマルス2ごうのランダーの模型もけい
所属しょぞく ソビエト連邦れんぽう
任務にんむ ランダー
COSPAR ID 1971-045F
質量しつりょう 358 kg
テンプレートを表示ひょうじ
マルス2ごうのランダーの断面だんめん

マルス2ごうランダーは、搭載とうさいされたコンピュータの不調ふちょうともない、1971ねん11月27にち不適切ふてきせつ火星かせい大気圏たいきけん突入とつにゅうした。着陸ちゃくりくシステムは正常せいじょうはたらかず、南緯なんい45°西経せいけい313°に衝突しょうとつした[2]推測すいそくされるが、正確せいかく位置いちかっていない。

ランダーシステム

[編集へんしゅう]

マルス2ごう降下こうかモジュールは、推進すいしんシステムとは反対はんたいがわのバス/オービターに設置せっちされた。直径ちょっけい1.2 mの球形きゅうけい着陸ちゃくりくカプセルと直径ちょっけい2.9 mの円錐えんすいがたそらりょくブレーキシールド、パラシュートぎゃく推進すいしんロケットから構成こうせいされている。

降下こうかモジュール全体ぜんたいは、燃料ねんりょうふくめて1,210 kgの質量しつりょうで、球形きゅうけい着陸ちゃくりくカプセル質量しつりょうはそのうち358 kgである。姿勢しせい制御せいぎょはガスマイクロエンジンと加圧かあつ窒素ちっそ容器ようきから構成こうせいされる自動じどう制御せいぎょシステムでおこなわれた。ピッチングヨーイング制御せいぎょには、円錐えんすい外側そとがわ設置せっちされた4つの火薬かやくエンジンをもちいた。

メインと補助ほじょパラシュート、着陸ちゃくりく開始かいしするためのエンジン、レーダー高度こうどけいがランダーのさいいただき設置せっちされている。降下こうかモジュールの衝撃しょうげき吸収きゅうしゅうするためには発泡はっぽうたいもちいられた。着陸ちゃくりくカプセルには、着陸ちゃくりくひらく4まい三角形さんかっけいべんいており、探査たんさ復元ふくげんして機器きき露出ろしゅつさせるはずであった。

ランダーには、360°を撮影さつえい出来できる2だいのテレビカメラ、大気たいき組成そせい分析ぶんせきする質量しつりょう分析ぶんせき装置そうち気温きおん気圧きあつふうセンサー、生命せいめい痕跡こんせきとなる有機物ゆうきぶつ探索たんさくするためのシャベルをふくんだ土壌どじょう物理ぶつりてき化学かがくてき性質せいしつ測定そくていする装置そうち搭載とうさいされていた。また、ソビエト連邦れんぽうくにあきらはたんでいた。

球体きゅうたい上部じょうぶよりた4ほんのアンテナは、搭載とうさいされた無線むせんでオービターとの通信つうしんおこなった。装置そうちは、分離ぶんりまえにオービターで充電じゅうでんされたバッテリーで稼働かどうした。温度おんど制御せいぎょ断熱だんねつざいとラジエーターによって維持いじされた。火星かせい環境かんきょうへの汚染おせんふせぐため、着陸ちゃくりくカプセルは打上うちあまえ殺菌さっきんされた。

Prop-Mローバー

[編集へんしゅう]

マルス3ごうランダーは、4.5 kgのちいさなマーズ・ローバー搭載とうさいしていた。マーズ・ローバーは、15 mのケーブルでランダーとつながれた範囲はんいをスキーで移動いどうするものである。地球ちきゅうから遠隔えんかく操作そうさするにはとおぎるため、自動的じどうてき障害しょうがいけるために2つのちいさな金属きんぞくぼうもちいられた。ローバーには、硬度こうどけい放射ほうしゃ密度みつどけい積載せきさいされた。

Prop-Mローバーのおもなフレームは、中央ちゅうおうちいさな部位ぶいそなえた四角しかくはこである。フレームは、両側りょうがわからびる2ほん幅広はばひろのスキーばんによってささえられ、地面じめんからすこいている。はこ前面ぜんめんには、障害しょうがいぶつ検知けんちようぼう設置せっちされた。

ローバーは着陸ちゃくりくにアームで地面じめんろされるように設計せっけいされており、テレビカメラの視野しやないを1.5 mごと測定そくていのためにまりながらうごまわ予定よていであった。火星かせいすなのこされる運動うんどう軌跡きせきは、火星かせい土壌どじょう性質せいしつるために記録きろくされた。

ランダーが着陸ちゃくりく失敗しっぱいしたため、このローバーが展開てんかいすることはなかった。

突入とつにゅう降下こうか衝突しょうとつ着陸ちゃくりく

[編集へんしゅう]

マルス2ごう降下こうかモジュールは、1971ねん11月27にち火星かせいへの到着とうちゃくの4.5あいだまえ放出ほうしゅつされた。降下こうかモジュールは、やく6 km/sの速度そくど火星かせい大気圏たいきけん突入とつにゅうおそらく突入とつにゅう角度かくどするどぎたために故障こしょうした。降下こうか計画けいかくどおりにはかず、パラシュートはひらかなかった。降下こうかモジュールは火星かせい表面ひょうめん衝突しょうとつした最初さいしょ人工じんこうぶつとなった[1]

着陸ちゃくりく場所ばしょ

[編集へんしゅう]
Map of Marsen:Acheron Fossaeアキダリア平原アルバ・パテラアマゾニス平原en:Aonia Planitiaen:Arabia Terraアルカディア平原en:Argentea Planumen:Argyre Planitiaen:Chryse Planitiaen:Claritas Fossae火星の人面岩en:Daedalia Planumエリシウム山エリシウム平原ゲールクレーターen:Hadriaca Pateraen:Hellas Montesヘラス平原en:Hesperia PlanumHolden crateren:Icaria Planumen:Isidis PlanitiaジェゼロクレーターLomonosov crateren:Lucus Planumen:Lycus SulciLyot crateren:Lunae PlanumMalea PlanumMaraldi crateren:Mareotis FossaeMareotis Tempeen:Margaritifer TerraMie craterMilankovič crateren:Nepenthes Mensaeen:Nereidum Montesen:Nilosyrtis Mensaeen:Noachis Terraen:Olympica Fossaeオリンポス山アウストラレ高原en:Promethei Terraen:Protonilus Mensaeen:SirenumSisyphi Planumen:Solis Planumen:Syria Planumen:Tantalus Fossaeen:Tempe Terraen:Terra Cimmeriaen:Terra Sabaeaen:Terra Sirenumタルシス三山en:Tractus Catenaen:Tyrrhen Terraユリシーズ・トーラスen:Uranius Pateraユートピア平原マリネリス峡谷en:Vastitas Borealisen:Xanthe Terra
The image above contains clickable links火星かせい世界せかいてき地形ちけいのインタラクティブな画像がぞう地図ちず画像がぞううえにマウスをくと、60をえる著名ちょめい地理ちりてき特徴とくちょう名前なまえ表示ひょうじされ、クリックするとリンクする。ベースマップのいろは、NASAのマーズグローバルサーベイヤーのマーズオービターレーザー高度こうどけいからのデータにもとづいて、相対そうたいてき標高ひょうこうしめす。白色はくしょく茶色ちゃいろもっと標高ひょうこうたかい。(+12 to +8 km); ピンクとあかつづく。(+8 to +3 km)。黄色おうしょく0 kmみどりあお標高ひょうこうひくい(down to −8 km)。じく緯度いど経度けいど
(   アクティブローバー  活性かっせい  アクティブランダー  活性かっせい  将来しょうらい )
Beagle 2
Bradbury Landing
Deep Space 2
Columbia Memorial Station
InSight Landing
Mars 2
Mars 3
Mars 6
Mars Polar Lander
Challenger Memorial Station
Mars 2020
Green Valley
Schiaparelli EDM
Carl Sagan Memorial Station
Columbia Memorial Station
Thomas Mutch Memorial Station
Gerald Soffen Memorial Station

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b Pyle, Rod (2012). Destination Mars. Prometheus Books. pp. 73-78. ISBN 978-1-61614-589-7 
  2. ^ Missions to Mars”. The Planetary Society. 2012ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]