メチレン基もと

メチレン基もと（メチレンき、methylene group）とは、有機ゆうき化学かがくにおける2価かの基もとの一種いっしゅ。メタンから水素すいそが2個こ取とり除のぞかれた構造こうぞうにあたる。

構造こうぞう

構造こうぞうは -CH₂- または =CH₂ の形かたちで表あらわされる。前者ぜんしゃは結合けつごうしている原子げんしが2個こ、後者こうしゃは1個いっこの場合ばあいである。後者こうしゃの場合ばあいは特とくにメチリデン基もと (methylidene group) と呼よばれることもある。

塩化えんかメチレン (CH₂Cl₂) はメチレン基もとの2価かの結合けつごう手しゅが2個この塩素えんそとつながった化合かごう物ぶつである。

メチレン基もとを導入どうにゅうする反応はんのうをメチレン化か反応はんのうと呼よぶ。

ケトンやアルデヒドに対たいしてテッベ試薬しやくを作用さようさせるとカルボニル酸素さんそがメチレン基もとで置おき換かわったアルケンを得えることができる。

アルケンに対たいしてカルベン種しゅ CH: を作用さようさせるとメチレン化かした生成せいせい物ぶつとしてシクロプロパン誘導体ゆうどうたいが得えられる。

同様どうようの変換へんかんはジヨードメタンと亜鉛あえんを用もちいるシモンズ・スミス反応はんのうによっても行おこなえる。このときは "IZnCH₂I" という有機ゆうき亜鉛あえん中間なかま体たいが活性かっせい種しゅとなる。

ヨウ化かトリメチルスルホニウム ((CH₃)₃S⁺I⁻) に塩基えんきを作用さようさせて硫黄いおうイリド ((CH₃)₂S⁺CH₂⁻) を発生はっせいさせ、そこへカルボニル化合かごう物ぶつを作用さようさせると C=O 二に重じゅう結合けつごうがメチレン架橋かきょうされたエポキシドが得えられる。この反応はんのうはコーリー・チャイコフスキー反応はんのうと呼よばれる。イミンをアジリジンに変かえることもできる。

Michael, B. S.; March, J. March's Advanced Organic Chemistry 6th ed., WILEY-Interscience, Hoboken, 2007.