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中軌道 (medium earth orbit; MEO)は、低軌道(約2,000km以下)と対地同期軌道(平均高度約36,000km)の中間に位置する人工衛星の軌道の総称である[1][2]。ICO(intermediate circular orbit)というい方もあるが、これは後述の企業名でもある。
公転周期1/2恒星日(11時間58分)の準同期軌道は中軌道に含まれる。
地上から見て常に動き、地平線下に沈むので、多数を衛星コンステレーションとして利用することが多い。
- GPS衛星 高度20200km(準同期軌道)の31機を使用する。
中軌道では、地表との距離が長くなるため、リモートセンシングには不利であるが、全地球でのカバレージを確保するための衛星個数が低軌道より削減できるため、中軌道衛星コンステレーションを使った衛星電話および通信システムが提案されている。
- モルニヤ衛星 高度500~40000km(準同期軌道)の20機余を使用。
- ICO社 高度10,390kmの衛星を10機使用したシステムを計画していた会社であるが1999年に経営破綻し再建中。
参考:低軌道衛星のコンステレーションの例。これら各社の衛星数はICO社のものより多い。
- イリジウム社 高度780kmの衛星を66機使用
- テレデシック社 高度1,300~1,400kmの衛星を288機使用
- グローバルスター社 高度1,400kmの衛星を48機使用