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久山ひさやま秀子ひでこ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
久山ひさやま 秀子ひでこひさやま ひでこ
誕生たんじょう 片山かたやま じょう
1896ねん12月11にち
東京とうきょう
死没しぼつ (1976-12-05) 1976ねん12月5にち(79さいぼつ
鹿児島かごしまけん
職業しょくぎょう 小説しょうせつ
言語げんご 日本語にほんご
国籍こくせき 日本の旗 日本にっぽん
最終さいしゅう学歴がくれき 東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく
活動かつどう期間きかん 1925ねん - 1938ねん
1955ねん - 1958ねん
ジャンル 探偵たんてい小説しょうせつ捕物とりものちょう
代表だいひょうさく はやぶさしゅうシリーズ
デビューさく 『浮れてゐる「はやぶさ」』(1925ねん
ウィキポータル 文学ぶんがく
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(ひさやま ひでこ、1896ねん12月11にち - 1976ねん12月5にち)は、日本にっぽん探偵たんてい小説しょうせつ

覆面ふくめん作家さっかであり、女性じょせい名義めいぎ作品さくひん発表はっぴょうしていたが、実際じっさい男性だんせいである。本名ほんみょう(かたやま のぼる)、のち改名かいめい(よしむら のぼる)。べつ名義めいぎ久山ひさやま千代子ちよこ富田とみた達観たっかん片山かたやましげる

代表だいひょうさくは、おんなスリ(はやぶさ おひで)こと久山ひさやま秀子ひでこ主人公しゅじんこうとする、「はやぶさしゅう」シリーズ。

経歴けいれき

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教師きょうしとしての経歴けいれき

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1896ねん明治めいじ29ねん)12月11にちせい本籍ほんせき東京とうきょう目黒めぐろ中目黒なかめぐろとされているが、出生しゅっしょうおなじかどうかは不明ふめい出生しゅっしょうめい(かたやま のぼる)で、のちに芳村よしむら婿養子むこようしとなり、(よしむら のぼる)と改名かいめいした[1]本人ほんにん述懐じゅっかいによれば、下町したまちまれの旗本はたもと直参じきさん跡取あとと息子むすこだったが、長唄ながうた師匠ししょういえ婿養子むこようしはいったという[2][注釈ちゅうしゃく 1]

1922ねん大正たいしょう11ねん)、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく文学部ぶんがくぶ国文こくぶん卒業そつぎょう1925ねん大正たいしょう14ねん)4がつから1928ねん昭和しょうわ3ねん)3がつまで立正大学りっしょうだいがく講師こうし[1]

1928ねん昭和しょうわ3ねん)4がつから1945ねん昭和しょうわ20ねん)8がつ15にちまで、海軍かいぐん教授きょうじゅとして国語こくごおしえる。海軍かいぐん飛行ひこう練習れんしゅうせい予科練よかれん1930ねんだい1期生きせい入隊にゅうたい)の教官きょうかんとして横須賀よこすか海軍かいぐん航空こうくうたい赴任ふにんし、その土浦つちうら海軍かいぐん航空こうくうたい1940ねんひらきたい)に移籍いせき[3]当時とうじ中佐ちゅうさ待遇たいぐう文官ぶんかん[4]土浦つちうら海軍かいぐん航空こうくうたいでの同僚どうりょうに、歌人かじん清水しみず房雄ふさおがいる。清水しみずによれば、芳村よしむら久山ひさやま)は「小柄こがらで、でっぷりして、いつもマドロスパイプをくわえてにこにこしている」が、文官ぶんかん教官きょうかん武官ぶかん教官きょうかんあいだ対立たいりつしょうじたときは、文官ぶんかんがわ代表だいひょうとして絶対ぜったいゆずらなかったという[5]1943ねん昭和しょうわ18ねんはるから鹿児島かごしま海軍かいぐん航空こうくうたい(1943ねん4がつひらけたい)に赴任ふにん[3]

終戦しゅうせんにより失職しっしょくしたのち、1948ねん昭和しょうわ23ねん)に天理教てんりきょうこう修養しゅうよう卒業そつぎょう天理教てんりきょう教師きょうし普通ふつう検定けんてい合格ごうかくけん訓導くんどう教師きょうし)となる。1952ねん昭和しょうわ27ねん)4がつから1957ねん昭和しょうわ32ねん)3がつまでラ・サール高等こうとう学校がっこう講師こうし。その天理教てんりきょう南国なんごくぶん教会きょうかい会長かいちょうつとめる[6]

1976ねん昭和しょうわ51ねん)12月5にち死去しきょ[6]

久山ひさやま秀子ひでこ」としての作家さっか活動かつどう

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しん青年せいねん』(博文ひろぶみかん)の探偵たんてい小説しょうせつ公募こうぼに「久山ひさやま秀子ひでこ名義めいぎ応募おうぼした『浮れてゐる「はやぶさ」』が、同誌どうし1925ねん4がつごう掲載けいさいされ、作家さっかデビュー[1]どうさくおんなスリはやぶさしゅうをデビューさせる。なお、久山ひさやま秀子ひでこ名義めいぎ作品さくひん小説しょうせつではなく、はやぶさしゅうこと本名ほんみょう久山ひさやま秀子ひでこ自叙伝じじょでん、という設定せっていになっており、そのほとんどがはやぶさしゅう一人称いちにんしょうかれている[7]以後いご、『しん青年せいねん』を中心ちゅうしん作家さっか活動かつどうつづける。実際じっさい男性だんせいであったものの、日本にっぽんはつの「女性じょせいめい名乗なのった探偵たんてい作家さっか」である[8][注釈ちゅうしゃく 2]

久山ひさやまはメディアじょうでは徹底てっていして男性だんせいであることをかくし、女性じょせい作家さっか久山ひさやま秀子ひでこ」をえんつづけていた。久山ひさやま秀子ひでこ名義めいぎ発表はっぴょうされた文章ぶんしょうは、小説しょうせつのみならず、エッセイやアンケート回答かいとういたるまで、そのほとんどがはやぶさしゅうかたくちかれていた[9]。なお、おしゅういもうと久山ひさやま千代子ちよこ」の名義めいぎや、おしゅう身元みもと引受ひきうけじんである私立しりつ探偵たんてい富田とみた達観たっかん」の名義めいぎかれた作品さくひん存在そんざいする。

1928ねん昭和しょうわ3ねん発行はっこうの『現代げんだい大衆たいしゅう文学ぶんがく全集ぜんしゅう 35 新進しんしん作家さっかしゅう』(平凡社へいぼんしゃ)に収録しゅうろくされた久山ひさやまの「著者ちょしゃ自伝じでん」には、「明治めいじさんじゅうはちねんがついちにち東京とうきょう下谷しもたにる。未婚みこん。」という、「久山ひさやま秀子ひでこ」としての架空かくう経歴けいれきしるされていた[10]。また、1929ねん昭和しょうわ4ねん発行はっこうの『日本にっぽん探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう 16 浜尾はまお四郎しろう久山ひさやま秀子ひでこしゅう』(改造かいぞうしゃ)では、著者ちょしゃ近影きんえいとして和装わそうわか女性じょせい写真しゃしん掲載けいさいされている[11][12][9]

一方いっぽうで、江戸川えどがわ乱歩らんぽ星野ほしのりゅういとぐち筆名ひつめい春日野かすがのみどり当時とうじ大阪毎日新聞おおさかまいにちしんぶん社会しゃかいふく部長ぶちょう)らが1925ねん4がつ結成けっせいした探偵たんてい作家さっからの親睦しんぼく団体だんたい探偵たんてい趣味しゅみかい」に参加さんかし、どうかい機関きかんの『探偵たんてい趣味しゅみ』(1925ねん9がつ - 1928ねん9がつ)にも作品さくひん発表はっぴょうしている[13]。また、大森おおもりギャング事件じけん(1932ねん10がつ6にち)にさいしては、その2にちに『報知ほうち新聞しんぶん』が開催かいさいした探偵たんてい作家さっか座談ざだんかいに、海野うみの十三じゅうざ江戸川えどがわ乱歩らんぽ大下宇陀児おおしたうだる甲賀こうが三郎さぶろう水谷みずたにじゅん横溝よこみぞ正史せいしらとともに参加さんかしている[14]。したがって、探偵たんてい作家さっか仲間なかまあいだでは、その正体しょうたいられていたようである。

しん青年せいねん1938ねん昭和しょうわ13ねん)3がつごう発表はっぴょうした200ほどのみじかいエッセイ『簡易かんい貯金ちょきんじゅつ』が、はやぶさしゅうかたくちかれた最後さいご作品さくひんとなった[15]同誌どうし8がつごうに「片山かたやましげる名義めいぎで『創作そうさく実話じつわ ある成功せいこうしゃ告白こくはく』を執筆しっぴつしたのを最後さいごに、作家さっか活動かつどう中断ちゅうだんする。

終戦しゅうせんをはさみ、1955ねん昭和しょうわ30ねん)、『探偵たんてい倶楽部くらぶ』(共栄社きょうえいしゃ)2がつごうに『ゆきうさぎ〈うめゆかり兵衛ひょうえ捕物とりものばなし〉』を発表はっぴょうし、17ねんぶりに久山ひさやま秀子ひでこ名義めいぎでの作家さっか活動かつどう復帰ふっきする。『ゆきうさぎ』掲載けいさいにあたっては探偵たんてい小説しょうせつ大下宇陀児おおしたうだる推薦すいせんぶんせ、そのなかで、「久山ひさやま秀子ひでこ」が「東大とうだい国文学こくぶんがくのまんまるかおをした男性だんせいで」「海軍兵学校かいぐんへいがっこうママ〕の教官きょうかんだった」ことをかした[16]。しかし、1958ねん昭和しょうわ33ねん)までに『うめゆかり兵衛ひょうえ捕物とりものばなし』7へん断続だんぞくてき発表はっぴょうしたのち、ふたたひつっている。

著作ちょさくしゅう刊行かんこう遺稿いこう発見はっけん

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覆面ふくめん作家さっかとして「女性じょせい探偵たんてい小説しょうせつ久山ひさやま秀子ひでこ」をえんじた期間きかんながく、男性だんせいであることがかされてからも経歴けいれき不明ふめいのままだったため、ながあいだ本名ほんみょうなま没年ぼつねんすらもはっきりしない状態じょうたいにあった。

中島なかじま河太郎かわたろうは、生年月日せいねんがっぴ平凡社へいぼんしゃ現代げんだい大衆たいしゅう文学ぶんがく全集ぜんしゅう』にしたがって1905ねん明治めいじ38ねん)5がつ1にちとしたうえで、本名ほんみょう当初とうしょ片山かたやまじょう」、のちに「芳村よしむらます」に訂正ていせい本職ほんしょくは「横須賀よこすか海軍かいぐん経理けいり学校がっこうつとめた国語こくご教官きょうかん」であったとしていた。細川ほそかわ涼一りょういちは、久山ひさやま勤務きんむさきかんする中島なかじま記述きじゅつ海軍兵学校かいぐんへいがっこう江田島えたじま)→海軍かいぐん機関きかん学校がっこう舞鶴まいづる)→海軍かいぐん経理けいり学校がっこう築地つきじ)と変化へんかしていることを指摘してきしたうえで、さん学校がっこう所在地しょざいちはいずれも横須賀よこすかではないことを指摘してきしている[17]

生前せいぜん刊行かんこうされた著書ちょしょは『日本にっぽん探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう 16 浜尾はまお四郎しろう久山ひさやま秀子ひでこしゅう』(改造かいぞうしゃ、1929ねん)のみで、これも浜尾はまお四郎しろうとのごうしゅうであった[12]。そのながらく著作ちょさくがまとめられることはなかったが、2004ねん平成へいせい16ねん)、はつたんしるかつ著作ちょさくしゅうとなる『久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』I・IIが、横井よこいつかさ監修かんしゅうのもと、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょより刊行かんこうされた。

同書どうしょが『読売新聞よみうりしんぶん』2004ねん11月17にちづけ夕刊ゆうかん紹介しょうかい[18] されると、当時とうじ、「読売よみうり歌壇かだん」の撰者せんじゃであった清水しみず房雄ふさおが、同紙どうしたいして、久山ひさやま芳村よしむら)が土浦つちうら海軍かいぐん航空こうくうたいでの同僚どうりょうだったことをもうた。さらに、そのエピソードが同紙どうし2005ねん1がつ11にちづけ夕刊ゆうかん紹介しょうかい[4]されると、それをんだラ・サール高校こうこうもと生徒せいとから読売新聞社よみうりしんぶんしゃ文化ぶんか連絡れんらくがあり、天理教てんりきょう南国なんごくぶん教会きょうかい久山ひさやま遺稿いこう大量たいりょうのこされていることが判明はんめいした。そのなかには久山ひさやま履歴りれきしょふくまれており、それまで不明ふめいだった経歴けいれきおおくがあきらかとなった[19]2006ねん平成へいせい18ねん)、遺稿いこうしん発見はっけんされた作品さくひんからなる『久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』III・IVが刊行かんこうされた。

作品さくひん

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はやぶさしゅうシリーズ

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浅草あさくさろく根城ねじろとするおんなスリはやぶさしゅう主人公しゅじんこうとする、ユーモアしょくつよいシリーズ。ジョンストン・マッカレーの『地下鉄ちかてつサム』シリーズの影響えいきょう指摘してきされている[20]。デビューさく『浮れてゐる「はやぶさ」』(『しん青年せいねん』1925ねん4がつごう)から、シリーズ最終さいしゅうさくとなった『はやぶさ銃後じゅうごまき』(『しん青年せいねん』1937ねん12がつごう)まで、『しん青年せいねん』『探偵たんてい趣味しゅみ』などに20すうへん発表はっぴょうされている[注釈ちゅうしゃく 3]

シリーズだい2さく『チンピラ探偵たんてい』(『しん青年せいねん』1926ねん3がつごう)は、松竹しょうちくキネマ蒲田かまた撮影さつえいしょ映画えいがされ、1926ねん8がつ8にち公開こうかいされている。監督かんとく大久保おおくぼただしもと脚本きゃくほん村上むらかみ徳三郎とくさぶろうで、主役しゅやくはやぶさ栗島くりしますみえんじた[21]

うめゆかり兵衛ひょうえ捕物とりものばなし

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深川ふかがわ材木ざいもく問屋とんや主人しゅじんゆかり兵衛ひょうえ主人公しゅじんこうとする捕物とりものちょう仲町なかまち芸者げいしゃ梅吉うめきち贔屓ひいきにしており、料亭りょうてい梅本うめもとはなれにびたっていることから「うめよし兵衛ひょうえ」というとおがつけられた、という設定せってい。『探偵たんてい倶楽部くらぶ』1955ねん2がつごうから1958ねん7がつごうにかけて、ぜん7へん発表はっぴょうされた。このほかに大量たいりょう発表はっぴょう作品さくひんがあり、これらは論叢ろんそうしゃ久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』III・IVに収録しゅうろくされている。

かげじゅう』と久山ひさやま秀子ひでこ

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江戸川えどがわ乱歩らんぽの『かげじゅう』(『しん青年せいねん』1928ねん8がつ増刊ぞうかんごう - 10がつごう)には、主人公しゅじんこう探偵たんてい小説しょうせつ寒川さむかわが、つぎのようにかたるくだりがある。

 ぼくあるにんぶつおもさないではいられなかった。ほかでもない、女流じょりゅう探偵たんてい小説しょうせつ平山ひらやま日出子ひでこだ。世間せけんではあれをおんなだとおもっている。作家さっか記者きしゃ仲間なかまでも、おんなだとしんじているひとおおい。日出子ひでこのうちへは毎日まいにちのように愛読あいどくしゃ青年せいねんからのラブ・レターがむそうだ。ところがほんとうはかれおとこなんだよ。しかも、れっきとした政府せいふのお役人やくにんなんだよ。 — 江戸川えどがわ乱歩らんぽ、『かげじゅう

平山ひらやま日出子ひでこ」はこの箇所かしょにしか登場とうじょうしないが、この、性別せいべつをいつわって作品さくひん発表はっぴょうしている作家さっか存在そんざいが、犯人はんにん正体しょうたいかんする重要じゅうようなヒントとなっている。

のちに久山ひさやまは、『しん青年せいねん』1931ねん2がつ増刊ぞうかんごう発表はっぴょうしたエッセイ『丹那にな盆地ぼんち断層だんそう』のなかで、乱歩らんぽたいして冗談じょうだんまじりの抗議こうぎをしている[22][23]

りゃく)あたしがだいおとこであるなンてことを幻想げんそうするものがあるからこまっちゃう。しかしあれは江戸川えどがわ乱歩らんぽくない。「平山ひらやま日出子ひでこはれっきとした政府せいふのお役人やくにんである」なアンて与太よたばすもンだから、つい実在じつざいのあたしとコンガラカッちゃったんだわ。それよかね、乱歩らんぽこそ、ほんとうは江川えがわらんすけっていうの。スラリとした、細面ほそおもての、チャプリンひげやした、トッテモいいおとこよ。 — 久山ひさやま秀子ひでこ、『丹那にな盆地ぼんち断層だんそう

著作ちょさくしゅう

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  • 久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん
    • 久山ひさやま秀子ひでこ久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 I、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 9〉、2004ねん9がつ20日はつかISBN 978-4-8460-0423-1 
    • 久山ひさやま秀子ひでこ久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 II、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 10〉、2004ねん10がつ30にちISBN 978-4-8460-0425-5 
    • 久山ひさやま秀子ひでこ久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 III、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 16〉、2006ねん4がつ30にちISBN 978-4-8460-0704-1 
    • 久山ひさやま秀子ひでこ久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 IV、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 17〉、2006ねん7がつ10日とおかISBN 978-4-8460-0705-8 

探偵たんてい小説しょうせつせん」という名称めいしょうであるが、現在げんざいまでに確認かくにんされている久山ひさやま秀子ひでこ小説しょうせつ、エッセイ、アンケート回答かいとうなどを網羅もうらてき収録しゅうろくした、事実じじつじょう全集ぜんしゅうである。III・IVは遺稿いこう中心ちゅうしん

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 結婚けっこん改姓かいせい時期じき不明ふめいだが、作家さっかデビュー当時とうじ片山かたやませいだった形跡けいせきがある(横井よこい 2006a, p. 455)。
  2. ^ 日本にっぽんはつ女性じょせい探偵たんてい作家さっかは、『秘密ひみつ探偵たんてい雑誌ざっし』1923ねん8がつごうに「中野なかの圭介けいすけ名義めいぎ創作そうさく探偵たんてい小説しょうせつ皮剥かわはぎ獄門ごくもん」を発表はっぴょうした松本まつもと恵子けいこである。久山ひさやま反対はんたいに、女性じょせいでありながら男性だんせい名義めいぎ作品さくひん発表はっぴょうしたため、久山ひさやまとの対比たいひでしばしば言及げんきゅうされる(細川ほそかわ 2004, p. 34)(横井よこい 2004a, p. 324)。また、日本にっぽんはつの「女性じょせいめい名乗なのった女性じょせい探偵たんてい作家さっか」は、『映画えいが探偵たんてい』1925ねん12がつごうに「おかいえ」を発表はっぴょうした小流こながしさとしあま一条いちじょう栄子えいこ)である。
  3. ^ エッセイとも創作そうさくともつかぬ作品さくひんや、外伝がいでんてき作品さくひんなどがあるため、正確せいかく作品さくひんすうさだがたい。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c 横井よこい 2006a, p. 455.
  2. ^ 土浦つちうら海軍かいぐん航空こうくうたい教官きょうかん時代じだい後輩こうはいである清水しみず房雄ふさおが、芳村よしむら久山ひさやま本人ほんにんからいたはなしとして回想かいそうしている(清水しみず 2006, p. 128)(横井よこい 2006a, p. 455)。
  3. ^ a b 横井よこい 2006a, p. 456.
  4. ^ a b 西田にしだ朋子ともこ (2005ねん1がつ11にち). “覆面ふくめん作家さっか素顔すがおなぞおおく”. 夕刊ゆうかん読売新聞よみうりしんぶん: p. 4 
  5. ^ 清水しみず 2006, pp. 127–129.
  6. ^ a b 横井よこい 2006a, p. 457.
  7. ^ 細川ほそかわ 2004, pp. 18–19.
  8. ^ 細川ほそかわ 2004, p. 17.
  9. ^ a b 横井よこい 2004b, p. 322.
  10. ^ 横井よこい 2004a, p. 324.
  11. ^ 細川ほそかわ 2004, p. 19.
  12. ^ a b 横井よこい 2004a, p. 325.
  13. ^ ミステリー文学ぶんがく資料しりょうかん 2000.
  14. ^ 江戸川えどがわ乱歩らんぽ江戸川えどがわ乱歩らんぽ全集ぜんしゅう だい28かん 探偵たんてい小説しょうせつよんじゅうねんうえ)』光文社こうぶんしゃ光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ〉、2006ねん1がつ20日はつか、501ぺーじISBN 4-334-74009-X 
  15. ^ 横井よこい 2004b, p. 330.
  16. ^ 横井よこい 2004b, p. 327.
  17. ^ 細川ほそかわ 2004, pp. 20–21, 35–36.
  18. ^ 西田にしだ朋子ともこ (2004ねん11月17にち). “うずもれた作家さっか発掘はっくつ 戦前せんぜん探偵たんてい小説しょうせつしゅう刊行かんこう相次あいつぐ”. 夕刊ゆうかん読売新聞よみうりしんぶん: p. 6 
  19. ^ 横井よこい 2006a, pp. 454–455.
  20. ^ 横井よこい 2004a, pp. 325–326.
  21. ^ 横井よこい 2004a, pp. 327.
  22. ^ 久山ひさやま 2004b, p. 289, 「丹那にな盆地ぼんち断層だんそう」.
  23. ^ 横井よこい 2004b, p. 320.

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 清水しみず房雄ふさおうずもれた文学ぶんがくしゃ――小説しょうせつ歌人かじん②」『短歌たんか研究けんきゅうだい63かんだい5ごう短歌たんか研究けんきゅうしゃ、126-133ぺーじ、2006ねん5がつ1にちISSN 1342-5633 
  • 細川ほそかわ涼一りょういち久山ひさやま秀子ひでこ一条いちじょう栄子えいこおぼき――日本にっぽん最初さいしょの「女性じょせい探偵たんてい作家さっか」『京都きょうと橘女子大学たちばなじょしだいがく研究けんきゅう紀要きようだい30ごう京都きょうと橘女子大学たちばなじょしだいがく研究けんきゅう紀要きよう編集へんしゅう委員いいんかい、17-38ぺーじ、2004ねん1がつ31にちISSN 0916-1791 
  • ミステリー文学ぶんがく資料しりょうかん へんまぼろし探偵たんてい雑誌ざっし (2) 「探偵たんてい趣味しゅみ傑作けっさくせん光文社こうぶんしゃ光文社こうぶんしゃ文庫ぶんこ〉、2000ねん4がつ20日はつかISBN 4-334-72994-0 
  • 横井よこいつかさ解題かいだい」『久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 I、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 9〉、2004ねん9がつ20日はつか、323-334ぺーじISBN 978-4-8460-0423-1 
  • 横井よこいつかさ解題かいだい」『久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 II、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 10〉、2004ねん10がつ30にち、319-332ぺーじISBN 978-4-8460-0425-5 
  • 横井よこいつかさ解題かいだい」『久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 III、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 16〉、2006ねん4がつ30にち、453-470ぺーじISBN 978-4-8460-0704-1 
  • 横井よこいつかさ解題かいだい」『久山ひさやま秀子ひでこ探偵たんてい小説しょうせつせん』 IV、ろんそうしゃろんそうミステリ叢書そうしょ 17〉、2006ねん7がつ10日とおか、481-494ぺーじISBN 978-4-8460-0705-8