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京急700形電車 (初代) - Wikipedia コンテンツにスキップ

京急けいきゅう700かたち電車でんしゃ (初代しょだい)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
京急けいきゅう600かたち電車でんしゃ(2だい
快速かいそく特急とっきゅう 600かたち616
1985ねん 品川しながわえきにて撮影さつえい
同車どうしゃは2020ねん現在げんざい譲渡じょうとさき高松たかまつ琴平ことひら電気でんき鉄道てつどう現役げんえきである
基本きほん情報じょうほう
製造せいぞうしょ 東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう
川崎かわさき車輛しゃりょう
主要しゅようしょもと
編成へんせい 2・4・6りょう編成へんせい
軌間きかん 1435(標準軌ひょうじゅんき) mm
電気でんき方式ほうしき 直流ちょくりゅう1,500V
架空かくう電車でんしゃせん方式ほうしき
最高さいこう運転うんてん速度そくど 105 km/h
設計せっけい最高さいこう速度そくど 120 km/h
起動きどう加速度かそくど (通常つうじょう)2.3km/h/s
(こう加速かそく)2.7 km/h/s
減速げんそく常用じょうよう 3.0 km/h/s
車両しゃりょう定員ていいん 120にん
座席ざせき定員ていいん 68(先頭せんとうしゃ64)にん
自重じちょう 36.0t
全長ぜんちょう 18,000 mm
全幅ぜんぷく 2,718 mm
ぜんこう 4,050mm
車種しゃしゅにより4,005mm - 4,050 mm
しゅ電動でんどう ちょくまき電動でんどう
しゅ電動でんどう出力しゅつりょく 75kW×4
駆動くどう方式ほうしき 東洋電機製造とうようでんきせいぞうせい: 中空ちゅうくうじく平行へいこうカルダン駆動くどう方式ほうしき
三菱電機みつびしでんきせい: WN駆動くどう方式ほうしき
歯車はぐるま 東洋電機製造とうようでんきせいぞうせい: 77:14(5.5)
三菱電機みつびしでんきせい: 88:19(4.63)
ていかく速度そくど 59 km/h
制御せいぎょ装置そうち 電動でんどうカムじくしきちょく並列へいれつ複式ふくしき抵抗ていこう制御せいぎょ
制動せいどう装置そうち 発電はつでんブレーキ併用へいよう電磁でんじ直通ちょくつうブレーキ
保安ほあん装置そうち 1ごうがたATS
備考びこう 冷房れいぼう改造かいぞうのデータ
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京急けいきゅう700かたち電車でんしゃ(けいきゅう700がたでんしゃ)、およ730かたち電車でんしゃ1956ねん昭和しょうわ31ねん)に登場とうじょうした京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつ特急とっきゅうがた車両しゃりょうで、同社どうしゃはつ高性能こうせいのう電車でんしゃでもある。りょうかたち1966ねん昭和しょうわ41ねん)に600かたち (2だい)に編入へんにゅうされ、1986ねん昭和しょうわ61ねん)までに全車ぜんしゃ廃車はいしゃされた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

戦後せんごはつの2とびらセミクロスシートくるまとして製造せいぞうされたデハ500かたち同様どうよう、2とびらセミクロスシートしゃとされ、京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつはつカルダン駆動くどうによる高性能こうせいのう電車でんしゃとして設計せっけいされた。

ぜん電動でんどうしゃ方式ほうしきであり、当時とうじ各社かくしゃ採用さいようされはじめていたぜん金属きんぞくせいじゅんちょうから構造こうぞう車体しゃたい採用さいようして軽量けいりょう実現じつげん、デハ500かたちより5.5tほど軽量けいりょうされた。

車体しゃたい台車だいしゃ東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう川崎かわさき車輌しゃりょう電装でんそうひん東洋電機製造とうようでんきせいぞう三菱電機みつびしでんきがそれぞれ担当たんとうし、東洋とうようせい電装でんそうひん搭載とうさいするデハ700かたち・デハ750かたちかく11りょう三菱電機みつびしでんきせい電装でんそうひん搭載とうさいするデハ730かたち・デハ780かたちかく9りょう合計ごうけい40りょう1958ねん昭和しょうわ33ねん)まで製造せいぞうされた。

デハ700・730かたち浦賀うらがり、デハ750・780かたち品川しながわりに連結れんけつされ、それぞれ700-750・730-780で搭載とうさい機器きき集約しゅうやく分散ぶんさんするMM'方式ほうしきにより2りょう1ユニットを構成こうせいする。電装でんそうひんメーカーはことなるがユニット単位たんい相互そうごの併結が可能かのうなようにかく機器きき仕様しようさだめられており、実際じっさいにも混用こんようされた。

デハ600がたへのあらためばん半数はんすうなかあいだしゃ冷房れいぼう改造かいぞう快速かいそく特急とっきゅうなど優等ゆうとう列車れっしゃ中心ちゅうしん使用しようされたが、2000かたち登場とうじょうにより1984ねん昭和しょうわ59ねん)から1986ねん昭和しょうわ61ねん)にかけて全車ぜんしゃ廃車はいしゃされ、6りょう高松たかまつ琴平ことひら電気でんき鉄道てつどう譲渡ゆずりわたされた。

特記とっきのないかぎり、以下いか文中ぶんちゅうでは各種かくしゅ文献ぶんけんならい、京急けいきゅう本線ほんせんじょう南側みなみがわを「浦賀うらがり」または「浦賀うらがかた」、北側きたがわを「品川しながわり」または「品川しながわかた」、東側ひがしがわを「うみがわ」、西側にしがわを「山側やまがわ」とぶ。編成へんせい番号ばんごう浦賀うらがかた先頭せんとうしゃ車両しゃりょう番号ばんごう代表だいひょうする。「1000かたち」は1959ねん昭和しょうわ34ねん登場とうじょう1000がた初代しょだいをさす。

車体しゃたい[編集へんしゅう]

車体しゃたいちょう17,500 mm、車体しゃたいはば2,700 mmのぜん金属きんぞくせいじゅんちょうから構造こうぞう車体しゃたいそなえる。

構造こうぞうめんではデハ420かたちまでの車両しゃりょうまど上下じょうげ露出ろしゅつしていたウィンドウヘッダーおよびウィンドウシルばれる補強ほきょうたいそとばん内側うちがわかくされたこと、鋼板こうはんプレス構造こうぞうであったきゃくようとびら平坦へいたん構造こうぞう変更へんこうされたこと、さらにあめとい位置いち屋根やね上部じょうぶ移設いせつされてそとばんまくいた屋根やねかた部分ぶぶんまでげられた、いわゆる屋根やね構造こうぞうとされたことで、全体ぜんたいてき平滑へいかつ外観がいかん実現じつげんしている。

まど配置はいちはデハ500がたのd1 (1) D5D (1) 1(d:乗務じょうむいんとびら、D:きゃくようとびら、(1):戸袋とぶくろまど)を基本きほんとするが、戸袋とぶくろまどとびらあいだくように変更へんこうしてd1D (1) 5 (1) D1とし、とびらあいだの5まい通常つうじょうまど部分ぶぶんすべかいわせ配置はいち固定こていクロスシートとすることでクロスシートのかずを10くみ40せきとした。これは、きゃくようとびら隣接りんせつする左右さゆうりょうはしまどかく1まいぶん乗降じょうこう円滑えんかつにするためにロングシートとせざるをず、クロスシートが6くみ24せきとなっていたデハ500かたち比較ひかくしておおきな改善かいぜんであった。

なお、ほん形式けいしきくるまはしおよび戸袋とぶくろまどをロングシートとしているのは、乗降じょうこう円滑えんかつにする目的もくてきともに、しゅ電動でんどうおよびその駆動くどう装置そうち点検てんけんぶたゆかめんしんさら前後ぜんこう設置せっちする必要ひつようから、それに干渉かんしょうするクロスシートの設置せっち困難こんなんであったため[ちゅう 1]である。

保存ほぞんしゃデハ601の車内しゃない
手前てまえロングシートゆかめん点検てんけんぶたもうけられていることに注意ちゅうい

がわまど戸袋とぶくろまどたかさ1,000 mm、はば900 mmのHゴム支持しじによる固定こていまど、それ以外いがいたかさ1,000 mm、はば1,200 mmの2だん上昇じょうしょうまど[ちゅう 2]で、これらの寸法すんぽうはデハ500がたから継承けいしょうしたものである。車両しゃりょう限界げんかいちいさいため、転落てんらく防止ぼうしとう観点かんてんから下段げだん中央ちゅうおう横切よこぎ位置いち保護ほごぼう設置せっちされている。

前面ぜんめんはデハ500がた湘南しょうなんがたスタイルによる2まいまど構成こうせい継承けいしょうするが、まど寸法すんぽうが1,000 mm×1,000 mmであったのを1,100 mm×900 mmとしてまど下辺かへんがわまどよりややげ、センターピラー部分ぶぶんほそくすることで鈍重どんじゅう印象いんしょうとなるのをふせぎ、またがわまどおおきさを強調きょうちょうしている。このデザインは京浜急行けいひんきゅうこうにおける湘南しょうなんがたスタイルの完成かんせいがたとなり、以後いご同一どういつ寸法すんぽうのままでデハ800がた (初代しょだい)1968ねんのデハ500かたち更新こうしんしゃなどに継承けいしょうされている。

ぜんあきらとう当時とうじ標準ひょうじゅんしたがい、ぜん頭部とうぶ中央ちゅうおう白熱はくねつとうを1とう設置せっちしており、標識ひょうしきとう左右さゆう腰部ようぶ角形かくがたのものをかく1とう設置せっちする。

連結れんけつめん貫通かんつうはばはデハ500がた仕様しよう継承けいしょうして1,000 mmの広幅ひろはばとされている。

屋根やねにはモニタールーフをせ、ここに三菱電機みつびしでんきせい16インチみちファンデリア各車かくしゃ6ずつ搭載とうさいする。

車内しゃないカラースキームは、当初とうしょ東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうせい淡紅あわべにしょくメラミン樹脂じゅし化粧けしょうばんにエンジしょく腰掛こしかモケットという暖色だんしょくけい川崎かわさき車輌しゃりょうせいあわ緑色みどりいろのメラミン樹脂じゅし化粧けしょうばん青色あおいろ腰掛こしかけモケットという寒色かんしょくけいで、対照たいしょうてきわせであったが、これは1958ねん昭和しょうわ33ねんせいしゃ後者こうしゃ統一とういつされ、1956ねん昭和しょうわ31ねん)・1957ねん昭和しょうわ32ねんせいしゃについてものち寒色かんしょくけい統一とういつされた。

照明しょうめいには蛍光けいこうとう連続れんぞくカバーきでけてある。

車体しゃたい外部がいぶ塗装とそうデハ600がた初代しょだい)・クハ650かたちはつ採用さいようされたダークヴァーミリオンを基本きほんとし、側面そくめんまどしろたいはいするというデザインを踏襲とうしゅうするが、100 mmであったしろたいはばを150 mmに拡幅かくふくしたうえ前面ぜんめんにもおびまわして視認しにんせい向上こうじょうはかっており、この構成こうせい以降いこう700がた(2だいまでそのまま踏襲とうしゅうされた。

主要しゅよう機器きき[編集へんしゅう]

上述じょうじゅつとおり、デハ700かたち・デハ750がた東洋電機製造とうようでんきせいぞう)とデハ730かたち・デハ780がた三菱電機みつびしでんき)では搭載とうさい機器ききのメーカーがことなっており、走行そうこう性能せいのう制御せいぎょシーケンスなどは統一とういつされていたものの、たがいにまった異質いしつなシステムを構築こうちくしている。

しゅ電動でんどう駆動くどう装置そうち[編集へんしゅう]

両社りょうしゃ相違そういもっと顕著けんちょあらわれている部分ぶぶんであり、相互そうご部品ぶひん互換ごかんせい皆無かいむである。

なお、しゅ電動でんどう優等ゆうとう列車れっしゃ主体しゅたい運用うんようされることから高速こうそく性能せいのう重視じゅうししてさいよわかい磁率は50%に設定せっていされており、いずれも補償ほしょうまきせんたない直流ちょくりゅうちょくまき整流せいりゅうしき電動でんどうとして設計せっけいされている。また、すうはそれぞれの電動でんどうていかく回転かいてんすう吸収きゅうしゅうするため、東洋電機製造とうようでんきせいぞうせい電動でんどう搭載とうさいしゃで77:14(5.5)、三菱電機みつびしでんきせい電動でんどう搭載とうさいしゃで88:19(4.63)として、ていかく速度そくどを59km/h(車輪しゃりんみち860mm)にそろえている。

制御せいぎょ[編集へんしゅう]

東洋電機製造とうようでんきせいぞうせいはACDF-H875-560A(ES-560A)、三菱電機みつびしでんきせいはABF-108-15MDHA(CB-10C)で、いずれも当時とうじとしては一般いっぱんてき多段ただん電動でんどうカムじくしき自動じどう加速かそく制御せいぎょである。これらはそれぞれデハ700・730かたち抵抗ていこうとも搭載とうさいされた。制御せいぎょ段数だんすうはいずれも直列ちょくれつ8だん並列へいれつ6だんよわかい磁3だんである。

なお、これらは編成へんせいちゅうことなるメーカーせい機器きき搭載とうさいするユニットが混在こんざいする場合ばあいでもすすむだんタイミングが同期どうきするように制御せいぎょシーケンスなどを規格きかくして設計せっけいされており、実際じっさいにも相互そうごの併結・混用こんようとく区別くべつ実施じっしされている。

台車だいしゃ[編集へんしゅう]

台車だいしゃ車体しゃたいメーカー両社りょうしゃによる競作きょうさくとなっており、こちらもまったことなったコンセプトにもとづく2系統けいとう設計せっけい共存きょうぞんする。基本きほんてきには東洋電機製造とうようでんきせいぞう+東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう(デハ700かたち・デハ750かたち)と三菱電機みつびしでんき+川崎かわさき車輌しゃりょう(デハ730かたち・デハ780かたち)で車体しゃたいメーカー2しゃ機器ききメーカー2しゃがそれぞれペアをみ、しゅ電動でんどう支持しじもそれぞれの形状けいじょうとくした設計せっけいとなっている。ただし、例外れいがいてきにデハ707 - デハ757の2りょう1編成へんせいのみは東洋電機製造とうようでんきせいぞう+川崎かわさき車輌しゃりょうのコンビでの製造せいぞうとなったため、台車だいしゃがわしゅ電動でんどう支持しじやギアボックスの周辺しゅうへん寸法すんぽう形状けいじょうWNドライブ対応たいおうから中空ちゅうくうじく平行へいこうカルダン駆動くどう対応たいおう設計せっけい変更へんこうして対処たいしょしている。

  • 東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう
  • 川崎かわさき車輛しゃりょう
    • まくらばねがコイル+オイルダンパー、じくばこ支持しじちょううでがたじくはりしきOK-18・18A・18B[ちゅう 6][2]供給きょうきゅう山陽さんよう電鉄でんてつ2000けい2002 - 2009採用さいようされたOK-15など設計せっけい時期じき先行せんこうするOKがた台車だいしゃかく形式けいしき基本きほん構造こうぞう踏襲とうしゅうしつつ、うえまくらはりがわわく左右さゆうしてがわ位置いち可能かのうかぎそとすことで車体しゃたいローリング周期しゅうきながくし心地ごこち改善かいぜんはかるなど、様々さまざま特徴とくちょうそなえた台車だいしゃである。

基礎きそブレーキは両社りょうしゃ台車だいしゃともに踏面りょういだしきであり、台車だいしゃごとにブレーキシリンダーが4装着そうちゃくされている。

ブレーキ[編集へんしゅう]

ブレーキは従来じゅうらい自動じどう空気くうきブレーキえて、応答おうとうせいすぐれたHSC-D発電はつでん制動せいどう併用へいよう電磁でんじ直通ちょくつうブレーキ搭載とうさいする。

HSC-Dブレーキでは直通ちょくつうかん(SAP)、ブレーキかん(BP)、もと空気くうきためかん(MRP)の3系統けいとう空気くうき配管はいかん各車かくしゃあいだとお必要ひつようがあるが、新造しんぞうほん形式けいしき採用さいようしていた三菱電機みつびしでんきK-2A密着みっちゃく連結れんけつ自動じどう空気くうきブレーキに必要ひつようなBPとMRPの2系統けいとう空気くうき配管はいかんしかコネクタが内蔵ないぞうされていなかった。このため、K-2Aを採用さいようしている期間きかん新造しんぞうされた2形式けいしきのHSC-D搭載とうさいしゃ、つまりほん形式けいしきとデハ800がた初代しょだい)の2形式けいしきかぎっては、密着みっちゃく連結れんけつとはべつにSAPを通常つうじょうのブレーキホースでとお処置しょちおこなっており、ぞうかいゆい作業さぎょうさいには密着みっちゃく連結れんけつかいゆい操作そうさとはべつに、このブレーキホースの接続せつぞく分離ぶんり作業さぎょうおこな必要ひつようがあった。

このように自動じどう空気くうきブレーキ搭載とうさいしゃあつかいがことなっていたことから、都営地下鉄とえいちかてつ実施じっしともな連結れんけつ交換こうかんにもこのSAPはBPおよびMRPとは連結れんけつはさんで反対はんたいがわ設置せっちされ、その採用さいようされた柴田しばたしき密着みっちゃく連結れんけつでようやく3かん一括いっかつでの内蔵ないぞう実現じつげんしている。

空気くうきブレーキのせい営業えいぎょう運転うんてん終了しゅうりょうまで鋳鉄ちゅうてつせいであり、合成ごうせいせいへの交換こうかんおこなわれなかった。

補助ほじょ電源でんげん装置そうち[編集へんしゅう]

車内しゃないのサービス機器きき制御せいぎょ動作どうさ電源でんげんとして、デハ750かたちおよびデハ780かたち以下いかの2機種きしゅいずれかを搭載とうさいする。[ちゅう 7][3]

  • 東洋とうようせい TDK-315 (DC7.0kW)
  • 三菱みつびしせい MG-54D-S (AC3.0kVA DC3.5kW)


空気くうき圧縮あっしゅく[編集へんしゅう]

ブレーキよう空気圧くうきあつ供給きょうきゅうげんとして、デハ750かたちおよびデハ780かたち以下いか機種きしゅ搭載とうさいする。

  • A-2がた レシプロしき

しゅうでん装置そうち[編集へんしゅう]

竣工しゅんこうにはデハ700かたち・デハ730がた浦賀うらがり(運転うんてんだいり)にかく1ずつ通常つうじょうひしわくがたパンタグラフを搭載とうさいしていた。

製造せいぞうのバリエーション[編集へんしゅう]

1956ねん製造せいぞうしゃ[編集へんしゅう]

登場とうじょう姿すがた
最近さいきんじゅうねん』1958ねん発行はっこうより

製造せいぞうしょの「東急とうきゅう」は東急とうきゅう車輛しゃりょうせい、「川崎かわさき」は川崎かわさき車輌しゃりょうせいひだり浦賀うらがかたしめす。以下いかかく製造せいぞうおなじ。

Mu Ms 製造せいぞうしょ 電装でんそうひん
701 751 東急とうきゅう 東洋とうよう
731 781 川崎かわさき 三菱みつびし

ほん形式けいしき最初さいしょ製造せいぞうされたグループ。

1957ねん製造せいぞうしゃ[編集へんしゅう]

Mu Ms 製造せいぞうしょ 電装でんそうひん
702 752 東急とうきゅう 東洋とうよう
703 753 東急とうきゅう 東洋とうよう
704 754 東急とうきゅう 東洋とうよう
705 755 東急とうきゅう 東洋とうよう
706 756 東急とうきゅう 東洋とうよう
707 757 川崎かわさき 東洋とうよう
732 782 川崎かわさき 三菱みつびし
733 783 川崎かわさき 三菱みつびし
734 784 川崎かわさき 三菱みつびし
735 785 川崎かわさき 三菱みつびし

前年ぜんねん製造せいぞうしゃつづいて20りょう製造せいぞうされた。東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうぶん台車だいしゃがTS-310Aに変更へんこうされた。すでしるしたとおり、川崎かわさき車輌しゃりょう-東洋電機とうようでんきわせとなった707-757には中空ちゅうくうじく平行へいこうカルダン駆動くどうようとしてしゅ電動でんどう支持しじ袈形じょうことなるOK-18A台車だいしゃ装着そうちゃくされている。

1958ねん製造せいぞうしゃ[編集へんしゅう]

Mu Ms 製造せいぞうしょ 電装でんそうひん
708 758 東急とうきゅう 東洋とうよう
709 759 東急とうきゅう 東洋とうよう
710 760 東急とうきゅう 東洋とうよう
711 761 東急とうきゅう 東洋とうよう
736 786 川崎かわさき 三菱みつびし
737 787 川崎かわさき 三菱みつびし
738 788 川崎かわさき 三菱みつびし
739 789 川崎かわさき 三菱みつびし

ほん形式けいしき最終さいしゅう製造せいぞうグループである。前年ぜんねん製造せいぞうしゃ比較ひかくして、東急とうきゅう車輛しゃりょうせい車両しゃりょう台車だいしゃがTS-310に、川崎かわさき車輌しゃりょうせい車両しゃりょう台車だいしゃがOK-18Bに、それぞれ変更へんこうされたことが最大さいだい相違そういてんとなる。制御せいぎょにはB-55でんそら制御せいぎょ[ちゅう 8]搭載とうさいされたため、東洋とうようせいはES-560Bに、三菱みつびしせいはCB-10C2に変更へんこうされた[ちゅう 9]。また、車内しゃないのカラースキームが車体しゃたいメーカーにかかわらず寒色かんしょくけい統一とういつされている。

あらためばん改造かいぞう[編集へんしゅう]

廃車はいしゃまでのあいだ各種かくしゅ改造かいぞうおこなわれた。

連結れんけつ交換こうかん[編集へんしゅう]

1965ねん昭和しょうわ40ねん)から1966ねん昭和しょうわ41ねん)にかけて、デハ700かたち・デハ730がた奇数きすうばんしゃおよびデハ750かたち・デハ780がた偶数ぐうすうばんしゃ先頭せんとう連結れんけつ三菱電機みつびしでんきK-2A電気でんき連結れんけつ内蔵ないぞう密着みっちゃく連結れんけつから都営とえい地下鉄ちかてつ1号線ごうせん規格きかく準拠じゅんきょ日本製鋼所にほんせいこうしょNCB-6密着みっちゃく自動じどう連結れんけつ交換こうかんする工事こうじおこなわれた[ちゅう 10]連結れんけつたか変更へんこうともなったため、車体しゃたいきが追加ついかされた[ちゅう 11]。ジャンパせん配置はいち変更へんこうされ、品川しながわかた先頭せんとうしゃ開放かいほうジャンパせん受をけるため浦賀うらがかた先頭せんとうしゃふくめて標識ひょうしきとう位置いち変更へんこうされている。連結れんけつ交換こうかんはK-2A密着みっちゃく連結れんけつ搭載とうさいした車両しゃりょう先頭せんとうかたちで2りょう+2りょうの4りょう編成へんせい組成そせいされ、連結れんけつ交換こうかん完了かんりょうした1966ねん3がつ21にちづけでNCB-6密着みっちゃく自動じどう連結れんけつ搭載とうさいした車両しゃりょう先頭せんとうかたち編成へんせいあらためられた。

あらためばん[編集へんしゅう]

デハ700かたち・デハ730かたち・デハ750かたち・デハ780かたちと4形式けいしきかれていたが、1966ねん4がつ19にちづけ形式けいしき整理せいり実施じっしされてすべてデハ600かたち統一とういつされ、以下いかとおあらためばん実施じっしされた。

  • デハ701・デハ751 → デハ601・デハ602
  • デハ702・デハ752 → デハ603・デハ604
  • デハ703・デハ753 → デハ605・デハ606
  • デハ704・デハ754 → デハ607・デハ608
  • デハ705・デハ755 → デハ609・デハ610
  • デハ706・デハ756 → デハ611・デハ612


  • デハ707・デハ757 → デハ621・デハ622


  • デハ708・デハ758 → デハ615・デハ616
  • デハ709・デハ759 → デハ613・デハ614
  • デハ710・デハ760 → デハ617・デハ618
  • デハ711・デハ761 → デハ619・デハ620


  • デハ731・デハ781 → デハ627・デハ628
  • デハ732・デハ782 → デハ625・デハ626
  • デハ733・デハ783 → デハ629・デハ630
  • デハ734・デハ784 → デハ631・デハ632
  • デハ735・デハ785 → デハ623・デハ624
  • デハ736・デハ786 → デハ635・デハ636
  • デハ737・デハ787 → デハ633・デハ634
  • デハ738・デハ788 → デハ639・デハ640
  • デハ739・デハ789 → デハ637・デハ638

ちゅうあいだしゃ改造かいぞう[編集へんしゅう]

列車れっしゃ単位たんい大型おおがたともな1966ねん昭和しょうわ41ねん)から1968ねん昭和しょうわ43ねん)にかけて総数そうすう半分はんぶんたるデハ602・デハ603・デハ606・デハ607・デハ610・デハ611・デハ614・デハ615・デハ618・デハ619・デハ622・デハ623・デハ626・デハ627・デハ630・デハ631・デハ634・デハ635・デハ638・デハ639の20りょう[ちゅう 12]について運転うんてんだい撤去てっきょ客室きゃくしつつまめんへの広幅ひろはば貫通かんつう設置せっちおよびロングシートの延長えんちょう実施じっしされ、乗務じょうむいんとびらあとには2だん上昇じょうしょうまど設置せっちされた。また、連結れんけつはK-2A密着みっちゃく連結れんけつから棒状ぼうじょう永久えいきゅう連結れんけつ交換こうかんされた。車体しゃたい寸法すんぽうには変化へんかはない。同時どうじに1ごうがたATS設置せっちし、車内しゃない放送ほうそう機器ききトランジスタ増幅ぞうふくによるものへ交換こうかんぜんあきらとうをシールドビーム前面ぜんめんまどない上部じょうぶ方向ほうこうまく列車れっしゃ種別しゅべつ表示ひょうじまく列車れっしゃ番号ばんごう表示ひょうじまく設置せっちした。

番号ばんごうじゅん組成そせいすると4りょう編成へんせい10ほんとなるが、当時とうじ需要じゅようにあわせて、4りょう編成へんせい2ほんを6りょう・2りょう編成へんせいかく1ほんえて出場しゅつじょうした編成へんせいもある。ただし、これらはその2編成へんせいえをて、1978ねん昭和しょうわ53ねん)10がつまでにすべて番号ばんごうじゅんの4りょう編成へんせいとなっている。

まど・ドアの交換こうかん[編集へんしゅう]

1969ねん昭和しょうわ44ねん)に車体しゃたい更新こうしん不要ふようとなった、デハ500がたがわまどようアルミサッシの下段げだんぶん使用しようしてがわまど下段げだんのみのアルミサッシ実施じっしされた。また、よく1970ねん昭和しょうわ45ねん)にきゃくようドアがステンレスせいのものに変更へんこうされた。

冷房れいぼう改造かいぞう[編集へんしゅう]

社会しゃかい冷房れいぼうのニーズがたかまり、また当時とうじ京王帝都電鉄けいおうていとでんてつ5000けい皮切かわきりにかく私鉄してつ波及はきゅうした通勤つうきんしゃ冷房れいぼう趨勢すうせいけて、1971ねん昭和しょうわ46ねん)から1972ねん昭和しょうわ47ねん)にかけて車体しゃたい更新こうしん工事こうじあわせて、モニター屋根やね撤去てっきょと構体の補強ほきょう実施じっしうえ以下いかのように冷房れいぼう改造かいぞう工事こうじおこなわれた。

  • 屋上おくじょう集中しゅうちゅうしき
    • 日立製作所ひたちせいさくしょFTUR-550-206A・FTUR-550-206C、および三菱電機みつびしでんきCU-71の3しゅ併用へいよう。いずれも冷房れいぼう能力のうりょく36,000kcal/hで、寸法すんぽう各部かくぶ仕様しよう統一とういつされており、相互そうごえが可能かのうである。冷房れいぼう能力のうりょく有効ゆうこう活用かつようのため、扇風機せんぷうき6併用へいようする。屋根やねひら天井てんじょう改造かいぞうして風洞ふうどうとおされている。この方式ほうしきはパンタグラフを搭載とうさいし、床下ゆかした機器きき設置せっちスペースに余裕よゆうのない奇数きすうしゃ全車ぜんしゃ採用さいようされた。
  • 屋上おくじょう分散ぶんさんしき[ちゅう 13]
    • 冷房れいぼう能力のうりょく8,500kcal/hの東京とうきょう芝浦しばうら電気でんきRPU-2209を各車かくしゃ4ずつ搭載とうさいする。屋根やね丸天井まるてんじょう扇風機せんぷうき6搭載とうさいである。1972ねん改造かいぞう偶数ぐうすうしゃ16りょう採用さいようされた。
  • 床下ゆかした集中しゅうちゅうしき
    • てい重心じゅうしんねらい、東京とうきょう芝浦しばうら電気でんきRPU-9004を1セット床下ゆかした搭載とうさいする。これはヒートポンプしき冷暖房れいだんぼう兼用けんよう機種きしゅで、夏期かきには冷房れいぼう能力のうりょく34,000kcal/hの冷房れいぼうとして、冬期とうきには発熱はつねつりょう27,000kcal/hの暖房だんぼうとして動作どうさする。冷房れいぼうには固定こていクロスシートまど送風そうふうこうを、まどあいだはしらにリターンこうをそれぞれもうけ、暖房だんぼうには通常つうじょうどお座席ざせき送風そうふうこうもうけ、冷暖房れいだんぼう操作そうさ送風そうふうこうえが連動れんどうするという独特どくとく構造こうぞうである。屋根やねひら天井てんじょう改造かいぞうされており、扇風機せんぷうき4だい排気はいきおうぎ2だい搭載とうさいする。この方式ほうしきは1971ねん改造かいぞう偶数ぐうすうしゃ4りょう、デハ630・デハ632・デハ638・デハ640の各車かくしゃ採用さいようされたが、乗客じょうきゃくのちょうど首筋くびすじのあたりに冷風れいふうがあたり、また保守ほしゅめんでも不便ふべんであったためそうじて不評ふひょうで、1984ねん昭和しょうわ59ねん)のほん形式けいしき最初さいしょ廃車はいしゃ全車ぜんしゃ廃車はいしゃされている。

補助ほじょ電源でんげん装置そうちていかく容量ようりょう75kVAのTDK3735-AもしくはMG-111-Sに交換こうかんされた。どう時期じき新造しんぞうされた1000かたち冷房れいぼうしゃがすべて屋上おくじょう集中しゅうちゅうしきだったことと比較ひかくすると、600がた場合ばあい試験しけんてき意味いみふくまれていたとられている。なお、この冷房れいぼう改造かいぞうにより自重じちょうは33tから36tとなり、3t増加ぞうかしている。

その下記かき改造かいぞう同時どうじおこなわれている。

  • 列車れっしゃ無線むせん搭載とうさいされ、無線むせんアンテナ設置せっちのため奇数きすうしゃのパンタグラフが無線むせんアンテナを搭載とうさいしないなかあいだしゃふく浦賀うらがりから品川しながわりに移設いせつされた。
  • 連結れんけつがNBC-6がたからNCB-IIがた交換こうかんされ、連結れんけつどうけが設置せっちされた。この両者りょうしゃ相互そうご連結れんけつ可能かのうである。
  • 上段じょうだんまどのアルミサッシ下段げだんまど固定こてい上段じょうだん開口かいこう寸法すんぽう拡大かくだい、および保護ほごぼう撤去てっきょ
  • 前面ぜんめん方向ほうこうまくるい車体しゃたい中心ちゅうしんよりに若干じゃっかん移設いせつされた。
  • 車体しゃたい腐食ふしょく修繕しゅうぜんおこなわれ、内装ないそうもA-A基準きじゅん準拠じゅんきょした更新こうしん実施じっし
  • しゅ制御せいぎょ一部いちぶ回路かいろ接点せってん[ちゅう 14]

試作しさく機器きき試験しけん[編集へんしゅう]

ほん形式けいしき次世代じせだい車両しゃりょうのテストベッドとして、いくつかの試作しさく機器きき搭載とうさいして試験しけん実施じっししている。

補償ほしょうまきせんしゅ電動でんどう[編集へんしゅう]

東洋電機製造とうようでんきせいぞう共同きょうどう開発かいはつした補償ほしょうまきせんきのTDK-810/1-Bを1957ねん搭載とうさいして営業えいぎょう運転うんてんでデータ収集しゅうしゅうおこなった。これは1958ねん昭和しょうわ33ねんせいデハ800かたちようTDK-810/3-Eとして量産りょうさんされ、さらにデハ1000がたのTDK-815Aに発展はってんすることとなる。

ちょく並列へいれつサイリスタチョッパ制御せいぎょ[編集へんしゅう]

1972ねん昭和しょうわ47ねん)3がつから4がつにかけて、冷房れいぼう改造かいぞうのため久里浜工場くりはまこうじょう入場にゅうじょうちゅうだった2りょう編成へんせいのデハ609・デハ612のうち、デハ609の車内しゃない座席ざせき撤去てっきょうえ東洋電機製造とうようでんきせいぞう開発かいはつしたサイリスタチョッパ制御せいぎょ搭載とうさいし、さらに回生かいせい失効しっこう抑止よくしするためにデハ612の品川しながわ屋根やねじょうにパンタグラフを追加ついか設置せっちしたうえで、久里浜工場くりはまこうじょうない本線ほんせんよるあいだ中心ちゅうしん試験しけん運転うんてん実施じっしした。この制御せいぎょ合成ごうせい周波数しゅうはすう522Hzへるつの2そう構成こうせい、かつ回生かいせいブレーキちょく並列へいれつ演算えんざんおこな方式ほうしきで、ちょくまき電動でんどうでも高速こうそくいきから回生かいせい制動せいどう使用しよう可能かのうてんがメリットであったが、京浜急行けいひんきゅうこうでは正式せいしき採用さいようにはいたらなかった。

座席ざせきまくらカバー変更へんこう[編集へんしゅう]

1978ねん昭和しょうわ53ねんごろ座席ざせき上部じょうぶのビニールせいカバーが白色はくしょくから模様もようはいった銀色ぎんいろのものに交換こうかんされた。

その改造かいぞう[編集へんしゅう]

デハ636は1964ねん昭和しょうわ39ねん)10がつ10日とおか横浜よこはまえき停車ていしゃちゅう、500かたちデハ505に追突ついとつされ、アンチクライマー一部いちぶ損失そんしつした。その同車どうしゃ復旧ふっきゅうしたが、そのさいアンチクライマーは1000がた正面しょうめん貫通かんつうがたしゃのものに交換こうかんされている。

運用うんよう[編集へんしゅう]

600形に改番後、廃車直前のデハ601 1983年8月、逸見駅にて撮影 通勤快特12両 613 1985年、青物横丁駅にて撮影 先頭の613は2018年現在、還暦を迎えてもなお譲渡先の高松琴平電気鉄道で現役である。
600かたちあらためばん廃車はいしゃ直前ちょくぜんのデハ601
1983ねん8がつ逸見いつみえきにて撮影さつえい
通勤つうきんかいとく12りょう 613
1985ねん青物あおもの横丁よこちょうえきにて撮影さつえい 先頭せんとうの613は2018ねん現在げんざい還暦かんれきむかえてもなお譲渡じょうとさき高松たかまつ琴平ことひら電気でんき鉄道てつどう現役げんえきである。

竣工しゅんこう京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつ看板かんばん電車でんしゃとしてハイキング特急とっきゅう海水浴かいすいよく特急とっきゅう週末しゅうまつ特急とっきゅうとう優等ゆうとう列車れっしゃ中心ちゅうしん使用しようされた。

一時いちじ編成へんせいが2りょう単位たんいであることを活用かつようし、金沢かなざわ八景はっけい分割ぶんかつ併合へいごうおこな逗子ずしせん直通ちょくつう特急とっきゅう設定せっていされ、またクロスシートしゃであることをかして全席ぜんせき座席ざせき指定してい特急とっきゅう三浦みうらビーチごう」が夏期かき設定せっていされるなど、その機能きのう有効ゆうこう活用かつようする運用うんよう実施じっしされていた。

もっとも、1972ねん以降いこうほん形式けいしき冷房れいぼうされていたにもかかわらず夏季かき特別とくべつ列車れっしゃなどには運用うんようされなかった。その一方いっぽうで、1974ねん昭和しょうわ49ねん)から実施じっしされたあさラッシュの12りょう編成へんせい特急とっきゅう、その1981ねん昭和しょうわ56ねん)に運転うんてん開始かいしされた通勤つうきんかいとくにも1985ねん3がつまで運用うんようされた。

ほん形式けいしきすうひくうえしゅ電動でんどうこうのデハ1000かたちどう一定いっていかく出力しゅつりょくながら補償ほしょうまきせんたず、加減かげんそく性能せいのう以後いごかく形式けいしきくらべておとるため、ダイヤ作成さくせいおよび運用うんようじょう制約せいやくとなった[ちゅう 15]

2000がた登場とうじょうにより、1984ねん昭和しょうわ59ねん)から廃車はいしゃはじまり、1986ねん昭和しょうわ61ねん)3がつのさよなら運転うんてん最後さいご全車ぜんしゃ廃車はいしゃされた。しきであるデハ500かたちよりも5かげつであるがさき形式けいしき消滅しょうめつした[ちゅう 16][ちゅう 17]

譲渡じょうと保存ほぞん[編集へんしゅう]

高松琴平電気鉄道への譲渡車両 静態保存されたデハ601
高松たかまつ琴平ことひら電気でんき鉄道てつどうへの譲渡じょうと車両しゃりょう
静態せいたい保存ほぞんされたデハ601

廃車はいしゃ高松たかまつ琴平ことひら電気でんき鉄道てつどうにデハ605・デハ608・デハ609・デハ612・デハ613・デハ616の6りょう譲渡じょうとされ、前面ぜんめん貫通かんつうやロングシートおこなわれたのち1070かたちとして入線にゅうせんした。2011ねんに2りょう廃車はいしゃされたが、のこる4りょうしんせいから60ねん以上いじょう経過けいかしたものの2021ねん現在げんざいもなお健在けんざいであり、京急けいきゅう在籍ざいせき期間きかんよりもきんでんりしてからの期間きかんほうながくなっている[ちゅう 18]

また、トップナンバーであるデハ601が逗子ずし譲渡ゆずりわたされ、神武じんむてらえきちかくの逗子ずし池子いけごだいいち運動公園うんどうこうえん静態せいたい保存ほぞんされた。
ながらく屋外おくがい屋根やねもない場所ばしょ雨風あめかぜにさらされていたため一部いちぶ部品ぶひん破損はそんするなど荒廃こうはいすすんでいたが、2012ねんには公園こうえんさい整備せいびわせてあらたな用地ようち確保かくほしてのだい規模きぼ修復しゅうふく工事こうじおこなわれて綺麗きれい姿すがたもどした。
またこのころから有志ゆうしによる保存ほぞんかい結成けっせいされ、現在げんざい定期ていきてき車両しゃりょう清掃せいそう活動かつどうおこないつつ永続えいぞくてき保存ほぞん有効ゆうこう活用かつようけて、逗子ずし連携れんけいしながらの活動かつどうすすめている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ どう時代じだい他社たしゃ製造せいぞうした2とびらクロスシートしゃたとえば京阪けいはん1900けい電車でんしゃなどでもおな理由りゆうから電動でんどうしゃはセミクロスシートしゃとしている。
  2. ^ 上下じょうげだんとも上昇じょうしょうする。
  3. ^ 端子たんし電圧でんあつ375Vいちあいだていかく出力しゅつりょく75kW、電流でんりゅう225A、ていかく回転かいてんすう2,000rpm(ぜんさかい磁)。
  4. ^ 端子たんし電圧でんあつ375Vいちあいだていかく出力しゅつりょく75kW、電流でんりゅう225A、ていかく回転かいてんすう1,700rpm(ぜんさかい磁)。
  5. ^ TS-303・303AとTS-310の相違そういがわ受の位置いちで、TS-303・303Aでは内側うちがわにあったがわ受がTS-310ではそとされ、ゆらどう特性とくせい改善かいぜんはかられている。
  6. ^ 基本きほんてき設計せっけい構造こうぞうは3しゅとも同様どうようで、とくにOK-18とOK-18Aの外観がいかんじょう相違そういてん皆無かいむである。ただし、上述じょうじゅつ事情じじょうでデハ707・デハ757ようOK-18Aのみは中空ちゅうくうじく平行へいこうカルダン駆動くどうようのギアボックスとTDK-810Aに対応たいおうするため、これに関連かんれんするかく部材ぶざい形状けいじょう寸法すんぽう角度かくどなどがの2しゅ相違そういする。
  7. ^ 三菱みつびしせい交流こうりゅう出力しゅつりょく電源でんげん装置そうちであることから客室きゃくしつない照明しょうめい蛍光けいこうとう交流こうりゅう点灯てんとうの40 W かんもちいられたが、東洋とうようせい直流ちょくりゅう点灯てんとうようものもちいざるをず20 W かん倍数ばいすうもちいることでおぎなっている。ただ直流ちょくりゅう点灯てんとう欠点けってんとして適度てきど極性きょくせい反転はんてんしないと電極でんきょく付近ふきんくろはやく、照度しょうど消費しょうひ電力でんりょくりょう同等どうとうかかわらず東洋とうようしゃ三菱みつびししゃを20ルクスほど下回したまわった
  8. ^ 発電はつでんブレーキから空気くうきブレーキにわるさい衝動しょうどう軽減けいげんするため、従来じゅうらいのB-1でんそら制御せいぎょ電磁でんじべん追加ついかしたものである。
  9. ^ 従来じゅうらいのCB-10CはCB-10C1に形式けいしき変更へんこうされた。
  10. ^ デハ700かたち・デハ730がた偶数ぐうすうばんしゃおよびデハ750かたち・デハ780がた奇数きすうばんしゃはすでにちゅうあいだしゃへの改造かいぞう計画けいかくされていたため、連結れんけつ交換こうかん対象たいしょうがいとなった。
  11. ^ 直通ちょくつう規格きかく厳密げんみつ一致いっちするNCB-IIがたでも車体しゃたいきは必要ひつようであるが、車体しゃたいピンがわ左右さゆうに、連結れんけつ直後ちょくご上下じょうげくび構造こうぞうであるk-2-Aの連結れんけつどう流用りゅうようした暫定ざんていひんのNCB-6では殊更ことさらくび範囲はんいおおきく、それにわせてNCB-IIの場合ばあいよりさらおおきくられている。
  12. ^ いずれも連結れんけつ交換こうかん工事こうじ対象たいしょうがいとなった車両しゃりょうである。
  13. ^ 集約しゅうやく分散ぶんさんしき冷房れいぼう装置そうち分散ぶんさんしき冷房れいぼう装置そうちでの定義ていぎしたがい、冷気れいきダクトがないため「分散ぶんさんしき」に分類ぶんるいされる。
  14. ^ この改造かいぞうにより東洋とうようせい制御せいぎょはES-560Dに形式けいしき変更へんこうされた。
  15. ^ 補償ほしょうまきせん電動でんどう試験しけんほん形式けいしき実施じっしされており、電動でんどうかわそうにより性能せいのう統一とういつはかることも不可能ふかのうではなかったはずであるが、そのたね改造かいぞう実施じっしされなかった。ほん形式けいしき停車駅ていしゃえきすうすくなく加減かげんそく機会きかいすくない快速かいそく特急とっきゅう重点的じゅうてんてき運用うんようされつづけたのも、この性能せいのうめんでの制約せいやくによる。
  16. ^ ほん形式けいしきが2とびら、デハ500かたちが4とびらだったこと、デハ500がたほう走行そうこう性能せいのうたかかったこと、デハ500かたち空港線くうこうせん運用うんようできる3りょう編成へんせいだったことなどが鉄道てつどう雑誌ざっしなどでは理由りゆうとしてげられている。
  17. ^ ほん形式けいしき廃車はいしゃはじまった1984ねん当時とうじ、デハ500かたちには台車だいしゃ交換こうかんなどの延命えんめい工事こうじおこなわれており、空港線くうこうせん延伸えんしん開業かいぎょうまで運用うんようする構想こうそうだったが、冷房れいぼう要望ようぼうにより廃車はいしゃはやまった。
  18. ^ どう時期じきに1000かたち初期しょきしゃ(冷房れいぼうのままのこっていた4りょう)も廃車はいしゃされていたが、当時とうじかわらまちえきのホームがきゅう曲線きょくせんじょうにあり、中央ちゅうおうとびら乗降じょうこうなんがあったため3とびらしゃ存在そんざいせず、阪神電鉄はんしんでんてつから譲渡じょうとされた3とびらしゃも2とびら改造かいぞうされており、性能せいのうめんでは有利ゆうりだが冷房れいぼうかつ3とびらのデハ1000がたではなく、2とびらほん形式けいしき譲渡じょうとされている。なお、デハ1000がた譲渡じょうと冷房れいぼう改造かいぞうしゃ廃車はいしゃ発生はっせいした1988ねん以降いこうとなる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ TS-310B/京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつデト17+18”. 鉄道てつどうホビダス 台車だいしゃ近影きんえい. ネコ・パブリッシング (2005ねん10がつ20日はつか). 2020ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  2. ^ 久里浜くりはまねむる“OK””. 鉄道てつどうホビダス 台車だいしゃ近影きんえい. ネコ・パブリッシング (2007ねん4がつ24にち). 2020ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  3. ^ RM LIBRARY 188『京急けいきゅう初代しょだい700がたうえ)』13ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 鉄道てつどうピクトリアル』1980ねん9がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう(通巻つうかん380ごう)、1988ねん9がつ臨時りんじ増刊ぞうかんごう(通巻つうかん501ごう)
  • 佐藤さとう良介りょうすけ京急けいきゅう初代しょだい700がたうえ)』<RM LIBRARY 188>、2015ねんISBN 978-4-7770-5378-0
  • 佐藤さとう良介りょうすけ京急けいきゅう初代しょだい700がたした)』<RM LIBRARY 189>、2015ねんISBN 978-4-7770-5380-3

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]