兄あに帰かえる (戯曲ぎきょく)

兄あに帰かえる
作者さくしゃ	永井ながい愛あい
国くに	日本にっぽん
言語げんご	日本語にほんご
ジャンル	ホームドラマ
発表はっぴょう年ねん	1999年ねん
初出しょしゅつ情報じょうほう
初出しょしゅつ	舞台ぶたい公演こうえん
刊本かんぽん情報じょうほう
出版しゅっぱん元もと	而立じりつ書房しょぼう
出版しゅっぱん年月日ねんがっぴ	2000年ねん4月がつ25日にち
総そうページ数すう	176
id	ISBN 978-4880592671
初演しょえん情報じょうほう
場所ばしょ	シアタートラム
初演しょえん公開こうかい日び	1999年ねん6月25日にち
劇団げきだん	二兎にと社しゃ
演出えんしゅつ	永井ながい愛あい
受賞じゅしょう
	第だい44回かい岸田きしだ國士くにお戯曲ぎきょく賞しょう
	ポータル文学ぶんがくポータル舞台ぶたい芸術げいじゅつ
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『兄あに帰かえる』（あにかえる）は、永井ながい愛あい作さくの戯曲ぎきょく。第だい44回かい岸田きしだ國士くにお戯曲ぎきょく賞しょう受賞じゅしょう作品さくひん^[1]。永井ながいの演出えんしゅつで、1999年ねんと2013年ねんに二兎にと社しゃによる舞台ぶたい上演じょうえんが行おこなわれた。また、2000年ねんに而立じりつ書房しょぼうより出版しゅっぱんされている。

あらすじ[編集へんしゅう]

夏なつのある日ひ、中村なかむら家かに長年ながねん厄介やっかい者しゃ扱あつかいされてきた長男ちょうなんの幸こう介かいが帰かえってきた。人生じんせいをやり直なおすため仕事しごとが見みつかるまでの間あいだ、幸こう介かいは家いえに住すみ着つくことになる。親族しんぞくたちは幸こう介かいの就職しゅうしょくを実現じつげんしようと様々さまざまな手てを考かんがえるが、世間体せけんてい、面子めんつ、建前たてまえ、義理ぎり、人情にんじょうなどそれぞれの思惑おもわくが重かさなり合あい、話はなしは揉もめることになる。

登場とうじょう人物じんぶつ[編集へんしゅう]

中村なかむら幸みゆき介かい（なかむらこうすけ） - 本ほん作品さくひんの中心ちゅうしん人物じんぶつ。慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがくを卒業そつぎょうしたが、会社かいしゃの金かねに手てを出だして破滅はめつし、上野公園うえのこうえんでホームレス生活せいかつを送おくっていた。16年ねんぶりに実家じっかの中村なかむら家かに戻もどり、居候いそうろう生活せいかつを送おくるようになる。
中村なかむら真弓まゆみ（なかむらまゆみ） - 幸こう介かいの弟おとうとの妻つま。フリーライターとして活動かつどうしている。息子むすこの拓ひらけ（ひらく）は小学しょうがく5年生ねんせいで、幸こう介かいが来きたときにはオーストラリアにファームステイしている。
中村なかむら保たもつ（なかむらたもつ） - 幸こう介かいの弟おとうとで真弓まゆみの夫おっと。やや小心者しょうしんもの。「ガープ」という名なの犬いぬを飼かっている。
小沢おざわ百合子ゆりこ（おざわゆりこ） - 幸こう介かいの姉あね。幸こう介かいをひどく嫌きらっている。「あゆみ」という名なの娘むすめがいる。
小沢おざわ正ただし春はる（おざわまさはる） - 百合子ゆりこの年下とししたの再婚さいこん相手あいて。電化でんか製品せいひんの技術ぎじゅつ者しゃで、中村なかむら家かの冷蔵庫れいぞうこを修理しゅうりしに来くる。
中村なかむら昭三しょうぞう（なかむらしょうぞう） - 幸こう介かいの父ちちの弟おとうと。ある会社かいしゃの顧問こもんを務つとめている。幸こう介かいを取引とりひき先さきの食肉しょくにく問屋とんやに就職しゅうしょくさせようと試こころみる。
前田まえだ登紀子ときこ（まえだときこ） - 幸こう介かいの母ははの妹いもうと。酒屋さかやを営いとなんでいる。昭三しょうぞうとは折おり合あいが悪わるい。
金井塚かないづかみさ子こ（かねいづかみさこ） - 真弓まゆみの友人ゆうじん。やや風変ふうがわりな言動げんどうをする。息子むすこの大だい五ご郎ろうは拓ひらけと一緒いっしょにオーストラリアに行いっている。

上演じょうえん[編集へんしゅう]

1999年ねん初演しょえん[編集へんしゅう]

二兎にと社しゃ第だい26回かい公演こうえんとして、1999年ねん6月がつ25日にちから7月がつ11日にちまでシアタートラムにて上演じょうえんされた。世田谷せたがやパブリックシアター提携ていけい^[2]。

キャスト

中村なかむら幸みゆき介かい - 立川たちかわ三貴みき
中村なかむら保たもつ - 浅野あさの和之かずゆき
中村なかむら真弓まゆみ - 大西おおにし多摩恵たまえ
小沢おざわ百合子ゆりこ - 田岡たおか美也子みやこ
小沢おざわ正ただし春はる - 酒向さこう吉よし伴とも
中村なかむら昭三しょうぞう - 飯田いいだ和平わへい
前田まえだ登紀子ときこ - 原はら知佐子ちさこ
金井塚かないづかみさ子こ - 津田つだ真澄ますみ

スタッフ

作さく・演出えんしゅつ - 永井ながい愛あい
美術びじゅつ - 大田おおた創はじめ　
照明しょうめい - 中川なかがわ隆一りゅういち
音響おんきょう - 市来いちき邦くに比ひ古いにしえ　
衣裳いしょう - 竹原たけはら典子のりこ
演出えんしゅつ助手じょしゅ - 黒岩くろいわ亮あきら
舞台ぶたい監督かんとく - 小山こやま博道ひろみち
舞台ぶたい監督かんとく助手じょしゅ - 太刀たち岡おか正ただし、竹内たけうち章子あきこ
制作せいさく（二兎にと社しゃ） - 安藤あんどうゆか、加治かじ真理まり
制作せいさく（世田谷せたがやパブリックシアター） - 松井まつい憲太郎けんたろう、新里にいさと康昭やすあき

2013年ねん再演さいえん[編集へんしゅう]

二兎にと社しゃ第だい38回かい公演こうえんとして、2013年ねん8月がつ3日にちから9月がつ1日にちまで東京とうきょう芸術げいじゅつ劇場げきじょうシアターウエストにて公演こうえんされた後のち、9月3日にちから10月がつ4日にちにかけて全国ぜんこくツアー（地方ちほう公演こうえん）が行おこなわれた。

キャスト

中村なかむら幸みゆき介かい - 鶴見つるみ辰吾しんご
中村なかむら真弓まゆみ - 草刈くさかり民代たみよ
中村なかむら保たもつ - 堀部ほりべ圭けい亮あきら
小沢おざわ百合子ゆりこ - 伊東いとう由美子ゆみこ
小沢おざわ正ただし春はる - 小豆しょうず畑はた雅一まさいち
金井塚かないづかみさ子こ - 枝えだ元もと萌もえ
前田まえだ登紀子ときこ - 藤ふじ夏子なつこ
中村なかむら昭三しょうぞう - 二に瓶びん鮫さめ一いち

スタッフ

作さく・演出えんしゅつ - 永井ながい愛あい
美術びじゅつ - 大田おおた創はじめ　
照明しょうめい - 中川なかがわ隆一りゅういち
音響おんきょう - 市来いちき邦くに比ひ古いにしえ　
衣裳いしょう - 竹原たけはら典子のりこ
舞台ぶたい監督かんとく - 澁谷しぶや壽久としひさ　
演出えんしゅつ助手じょしゅ - 鈴木すずき修おさむ
ヘアメイク - 清水しみず美穂みほ　
宣伝せんでん写真しゃしん - 須藤すとう秀之ひでゆき　
WEBデザイン - 秦はた明あきら俊しゅん
票ひょう券けん - 渡邊わたなべ妙子たえこ（ぷれいす）
制作せいさく - 安藤あんどうゆか、本村もとむら明日香あすか

出典しゅってん[編集へんしゅう]

^ “第だい44回かい岸田きしだ國士くにお戯曲ぎきょく賞しょう選評せんぴょう（2000年ねん）”. 白水しろみず社しゃ. 2017年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
^ 永井ながい愛あい『兄あに帰かえる』169頁ぺーじ「上演じょうえん記録きろく」

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

二兎にと社しゃ公演こうえん38「兄あに帰かえる」

この項目こうもくは、舞台ぶたい芸術げいじゅつに関連かんれんした書かきかけの項目こうもくです。この項目こうもくを加筆かひつ・訂正ていせいなどしてくださる協力きょうりょく者しゃを求もとめています（Portal:舞台ぶたい芸術げいじゅつ）。

[1] “第だい44回かい岸田きしだ國士くにお戯曲ぎきょく賞しょう選評せんぴょう（2000年ねん）”. 白水しろみず社しゃ. 2017年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。

[2] 永井ながい愛あい『兄あに帰かえる』169頁ぺーじ「上演じょうえん記録きろく」

[1]

[2]

表ひょう話はなし編へん歴れき岸田きしだ國士くにお戯曲ぎきょく賞しょう
1950年代ねんだい	第だい1回かい該当がいとう作さくなし第だい2回かい大橋おおはし喜一きいち『楠くすのき三吉さんきちの青春せいしゅん』/小幡おばた欣治きんじ『畸形児じ』第だい3回かい該当がいとう作さくなし第だい4回かい堀田ほった清美きよみ『島しま』第だい5回かい該当がいとう作さくなし
1960年代ねんだい	第だい6回かい小林こばやし勝まさる『檻おり』/早坂はやさか久子ひさこ『相聞そうもん』第だい7回かい該当がいとう作さくなし第だい8回かい宮本みやもと研けん『日本人にっぽんじん民みん共和きょうわ国こく』『メカニズム作戦さくせん』/八木はちぼく柊ひいらぎ一郎いちろう『波止場はとば乞食こじきと六ろく人にんの息子むすこたち』『コンベヤーは止とまらない』第だい9回かい山崎やまざき正和まさかず『世阿彌ぜあみ』第だい10回かい人見ひとみ嘉久よしひさ彦『友絵ともえの鼓つづみ』/菅かん龍一りゅういち『女おんなの勤行ごんぎょう』第だい11回かい該当がいとう作さくなし第だい12回かい川俣かわまた晃あきら自じ『関東平野かんとうへいや』/広田ひろた雅之まさゆき『砂すなと城しろ』第だい13回かい別役べつやく実みのる『マッチ売うりの少女しょうじょ』『赤あかい鳥とりの居いる風景ふうけい』第だい14回かい秋浜あきはま悟史さとし『幼児ようじたちの後あとの祭まつり』に至いたるまでの諸しょ作品さくひんの成果せいか
1970年代ねんだい	第だい15回かい唐から十郎じゅうろう『少女しょうじょ仮面かめん』第だい16回かい佐藤さとう信しん『鼠小僧次郎吉ねずみこぞうじろきち』第だい17回かい井上いのうえひさし『道元どうげんの冒険ぼうけん』第だい18回かいつかこうへい『熱海あたみ殺人さつじん事件じけん』/清水しみず邦夫くにお『ぼくらが非情ひじょうの大河たいがをくだるとき』第だい19回かい該当がいとう作さくなし第だい20回かい石澤いしざわ富子とみこ『琵琶びわ伝でん』第だい21回かい該当がいとう作さくなし第だい22回かい太田おおた省吾しょうご『小町こまち風ふう伝でん』/ちねんせいしん『人類じんるい館かん』第だい23回かい岡部おかべ耕こう大だい『肥前ひぜん松浦まつうら兄妹きょうだい心中しんちゅうの』
1980年代ねんだい	第だい24回かい斎藤さいとう憐『上海しゃんはいバンスキング』第だい25回かい竹内たけうち銃じゅう一郎いちろう『あの大だい鴉からす、さえも』第だい26回かい山崎やまざき哲あきら『漂流ひょうりゅう家族かぞく』『うお伝説でんせつ』第だい27回かい野田のだ秀樹ひでき『野獣やじゅう降臨こうりん（のけものきたりて）』/山元やまもと清きよし多た『比ひ野の置おけ（ピノッキオ）ジャンバラヤ』/渡辺わたなべえり子こ『ゲゲゲのげ』第だい28回かい北村きたむら想そう『十じゅう一いち人にんの少年しょうねん』第だい29回かい岸田きしだ理り生せい『糸いと地獄じごく』第だい30回かい川村かわむら毅あつし『新宿しんじゅく八犬伝はっけんでん第だい一いち巻かん-犬いぬの誕生たんじょう-』第だい31回かい該当がいとう作さくなし第だい32回かい大橋おおはし泰彦やすひこ『ゴジラ』第だい33回かい岩松いわまつ了りょう『蒲団ふとんと達磨だるま』
1990年代ねんだい	第だい34回かい該当がいとう作さくなし第だい35回かい坂手さかて洋二ようじ『ブレスレスゴミ袋ぶくろを呼吸こきゅうする夜よるの物語ものがたり』第だい36回かい横内よこうち謙介けんすけ『愚者ぐしゃには見みえないラ・マンチャの王様おうさまの裸はだか』第だい37回かい宮沢みやざわ章夫あきお『ヒネミ』/柳美里ゆうみり『魚さかなの祭まつり』第だい38回かい鄭てい義信よしのぶ『ザ・寺山てらやま』第だい39回かい鴻おおとり上うえ尚史ひさし『スナフキンの手紙てがみ』/平田ひらたオリザ『東京とうきょうノート』第だい40回かい鈴江すずえ俊郎としお『髪かみをかきあげる』/松田まつだ正隆まさたか『海うみと日傘ひがさ』第だい41回かい松尾まつおスズキ『ファンキー! 宇宙うちゅうは見みえる所ところまでしかない』第だい42回かい深津ふかづ篤史あつし『うちやまつり』第だい43回かいケラリーノ・サンドロヴィッチ『フローズン・ビーチ』
2000年代ねんだい	第だい44回かい永井ながい愛あい『兄あに帰かえる』第だい45回かい三谷幸喜みたにこうき『オケピ!』第だい46回かい該当がいとう作さくなし第だい47回かい中島なかじまかずき『アテルイ』第だい48回かい倉持くらもち裕ひろし『ワンマン・ショー』第だい49回かい宮藤くどう官かん九郎くろう『鈍どん獣じゅう』/岡田おかだ利とし規ぶんまわし『三さん月がつの5日間にちかん』第だい50回かい佃つくだ典彦のりひこ『ぬけがら』/三浦みうら大輔だいすけ『愛あいの渦うず』第だい51回かい該当がいとう作さくなし第だい52回かい前田まえだ司郎しろう『生いきてるものはいないのか』第だい53回かい蓬莱ほうらい竜太りゅうた『まほろば』/本谷ほんや有希子ゆきこ『幸しあわせ最高さいこうありがとうマジで!』
2010年代ねんだい	第だい54回かい柴しば幸男ゆきお『わが星ほし』第だい55回かい松井まつい周あまね『自慢じまんの息子むすこ』第だい56回かいノゾエ征爾せいじ『○○トアル風景ふうけい』/藤田ふじた貴たか大だい『かえりの合図あいず、まってた食卓しょくたく、そこ、きっと、しおふる世界せかい。』/矢内やない原はら美邦よしくに『前向まえむき!タイモン』第だい57回かい赤堀あかほり雅みやび秋あき『一いち丁目ちょうめぞめき』/岩井いわい秀人ひでと『ある女おんな』第だい58回かい飴屋あめや法ほう水すい『ブルーシート』第だい59回かい山内やまうちケンジ『トロワグロ』第だい60回かいタニノクロウ『地獄谷じごくだに温泉おんせん無明むみょうノ宿やど』第だい61回かい上田うえだ誠まこと『来きてけつかるべき新しん世界せかい』第だい62回かい神里かみさと雄大たけひろ『バルパライソの長ながい坂さかをくだる話はなし』/福原ふくはら充たかし則のり『あたらしいエクスプロージョン』第だい63回かい松原まつばら俊太郎しゅんたろう『山山やまやま』
2020年代ねんだい	第だい64回かい市原いちはら佐たすく都子くにこ『バッコスの信女しんにょ-ホルスタインの雌めす』/谷たに賢一けんいち『福島ふくしま三さん部ぶ作さく第だい1部ぶ「1961年ねん：夜よるに昇のぼる太陽たいよう」第だい2部ぶ「1986年ねん：メビウスの輪わ」第だい3部ぶ「2011年ねん：語かたられたがる言葉ことばたち」』第だい65回かい該当がいとう作さくなし第だい66回かい福ぶく名めい理穂りほ『柔やわらかく搖ゆれる』/山本やまもと卓たく卓たく『バナナの花はなは食たべられる』第だい67回かい加藤かとう拓也たくや『ドードーが落下らっかする』/金山かなやま寿ひさし甲かぶと『パチンコ（上うえ）』第だい68回かい池田いけだ亮あきら『ハートランド』