清水しみず邦夫くにお

しみず くにお 清水しみず 邦夫くにお
生年月日せいねんがっぴ	(1936-11-17) 1936年ねん11月17日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(2021-04-15) 2021年ねん4月がつ15日にち（84歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん地ち	日本にっぽん・新潟にいがた県けん新井あらい市し（現げん・妙高みょうこう市し）
国籍こくせき	日本にっぽん
職業しょくぎょう	劇げき作家さっか、脚本きゃくほん家か
活動かつどう期間きかん	1958年ねん - 2021年ねん
配偶はいぐう者しゃ	松本まつもと典子のりこ（女優じょゆう）

清水しみず 邦夫くにお（しみず くにお、1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）11月17日にち - 2021年ねん（令れい和わ3年ねん）4月がつ15日にち ）は、日本にっぽんの劇げき作家さっか、演出えんしゅつ家か。演劇えんげき企画きかくグループ「木き冬ふゆ社しゃ」代表だいひょう。妻つまは女優じょゆうの松本まつもと典子のりこ。

新潟にいがた県けん新井あらい市し（現げん・妙高みょうこう市し）出身しゅっしん。新潟にいがた県立けんりつ高田高等学校たかだこうとうがっこうを経へて早稲田大学わせだだいがく第だい一いち文学部ぶんがくぶ演劇えんげき科か卒業そつぎょう。

来歴らいれき

早稲田大学わせだだいがく在学ざいがく中ちゅうに初はつ戯曲ぎきょく『署名しょめい人じん』を発表はっぴょうし、注目ちゅうもくを浴あびる。1960年ねん早稲田大学わせだだいがく卒業そつぎょう後ご、岩波いわなみ映画えいがに入社にゅうしゃするが1965年ねんに退社たいしゃ。劇げき作家さっかとして劇団げきだん「青あお俳」などに戯曲ぎきょくを提供ていきょうする。

東京とうきょう・新宿しんじゅくのアートシアター新宿しんじゅく文化ぶんか劇場げきじょうを拠点きょてんに、演出えんしゅつ家か・蜷川にながわ幸雄ゆきおとコンビを組くみ、一いち時代じだいを画かくした。1968年ねんに蜷川にながわと現代げんだい人じん劇場げきじょうを結成けっせい。1969年ねんの『真情しんじょうあふるる軽薄けいはくさ』（蜷川にながわ幸雄ゆきお演出えんしゅつ）が反響はんきょうを呼よび、蜷川にながわらと結成けっせいした劇げき結社けっしゃ「櫻さくら社しゃ」が解散かいさんする（1974年ねん）まで、蜷川にながわとコンビを組くみ、反はん体制たいせい的てきな若者わかものを描えがいた作品さくひんで人気にんきを集あつめる。

9年ねんのブランクを経へて、1982年ねんから蜷川にながわとの共同きょうどう作業さぎょうが復活ふっかつ。『タンゴ・冬ふゆの終おわりに』では、ロンドン・ウェストエンドでイギリス人じんキャストによる上演じょうえんを行おこなった。

1976年ねん、松本まつもと典子のりこらと共ともに演劇えんげき企画きかくグループ「木き冬ふゆ社しゃ」を旗揚はたあげ。自作じさくの演出えんしゅつも数多かずおおく手てがける。その他た、俳優座はいゆうざ、民藝みんげい、文学ぶんがく座ざなどに戯曲ぎきょくを提供ていきょうする一方いっぽうで映画えいがやテレビドラマ、ラジオドラマの脚本きゃくほん、小説しょうせつの執筆しっぴつ活動かつどうも行おこなう。

1994年ねん - 2007年ねん、多摩美術大学たまびじゅつだいがく造形ぞうけい表現ひょうげん学部がくぶ映像えいぞう演劇えんげき学科がっか教授きょうじゅ教授きょうじゅを務つとめた。

2001年ねん11月がつをもって「木き冬ふゆ社しゃ」は結成けっせい25年ねんで解散かいさん。その後ご、東京とうきょう・大山おおやまのサイスタジオで続つづけてきた小規模しょうきぼなプロデュース公演こうえんを継続けいぞくした。2006年ねん3月がつでサイスタジオの公演こうえんも終了しゅうりょう。下記かきの研究けんきゅうで清水しみずと木き冬ふゆ社しゃの長年ながねんの活動かつどうがつかめる。

2021年ねん4月がつ15日にち12時じ46分ふん、老衰ろうすいのため死去しきょ。84歳さい没ぼつ。

受賞じゅしょう・栄典えいてん

• 1958年ねん：テアトロ演劇えんげき賞しょう、早稲田わせだ演劇えんげき賞しょう「署名しょめい人じん」
• 1974年ねん：岸田きしだ國士くにお戯曲ぎきょく賞しょう「ぼくらが非情ひじょうの大河たいがをくだる時とき」
• 1976年ねん：紀伊國屋きのくにや演劇えんげき賞しょう個人こじん賞しょう「夜よるよ、おれを叫さけびと逆ぎゃく毛けで充みたす青春せいしゅんの夜よるよ」
• 1980年ねん：芸術げいじゅつ選奨せんしょう新人しんじん賞しょう（「戯曲ぎきょく冒険ぼうけん小説しょうせつ」）、泉いずみ鏡花きょうか文学ぶんがく賞しょう（「わが魂たましいは輝かがやく水みずなり」）、テアトロ演劇えんげき賞しょう「あの、愛あいの一群いちぐんたち」
• 1983年ねん：読売よみうり文学ぶんがく賞しょう『エレジー』
• 1987年ねん：第だい98回かい芥川賞あくたがわしょう候補こうほ「BARBER・ニューはま」
• 1988年ねん：第だい100回かい芥川賞あくたがわしょう候補こうほ「月潟つきがた鎌がまを買かいにいく旅たび」
• 1990年ねん：第だい103回かい芥川賞あくたがわしょう候補こうほ「風鳥ふうちょう」
• 1990年ねん：テアトロ演劇えんげき賞しょう、芸術げいじゅつ選奨せんしょう文部もんぶ大臣だいじん賞しょう「弟おとうとよ－姉あね、乙女おとめから坂本さかもと龍馬りょうまへの伝言でんごん」
• 1993年ねん：芸術げいじゅつ選奨せんしょう文部もんぶ大臣だいじん賞しょう「華はなやかな川かわ、囚とらわれの心しん」
• 1994年ねん：紀伊國屋きのくにや演劇えんげき賞しょう団体だんたい賞しょう 木き冬ふゆ社しゃ
• 2002年ねん：紫綬褒章しじゅほうしょう
• 2008年ねん：旭日きょくじつ小しょう綬章じゅしょう

作品さくひん集しゅう

刊行かんこう作品さくひん

• 『花はなのさかりに…　清水しみず邦夫くにお戯曲ぎきょく集しゅう』 テアトロ 1986年ねん
• 『清水しみず邦夫くにお全ぜん仕事しごと』全ぜん4冊さつ、河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、1992年ねん。1958年ねん～1991年ねんの作品さくひん
• 『清水しみず邦夫くにお全ぜん仕事しごと 1992～2000』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ、2000年ねん
• 『清水しみず邦夫くにお Ⅰ・Ⅱ』ハヤカワ演劇えんげき文庫ぶんこ、2009年ねん

Ⅰ 署名しょめい人じん／ぼくらは生うまれ変かわった木この葉はのように／楽屋がくや

Ⅱ 雨あめの夏なつ、三さん十じゅう人にんのジュリエットが還かえってきた／エレジー

評論ひょうろん集しゅう

• 清水しみず邦夫くにお演劇えんげき的てきエッセイ（全ぜん3巻かん、レクラム社しゃ、1975-82年ねん）
• 月潟つきがた村むら柳やなぎ書しょ（白水しろみず社しゃ、1985年ねん）
• ステージ・ドアの外そとはなつかしい迷路めいろ（早川書房はやかわしょぼう、1994年ねん）

研究けんきゅう書しょ

• 『清水しみず邦夫くにおの世界せかい』白水しろみず社しゃ、1982年ねん
• 井上いのうえ理惠りえ『清水しみず邦夫くにおの華麗かれいなる劇げき世界せかい』社会しゃかい評論ひょうろん社しゃ、2020年ねん

巻末かんまつに、清水しみず戯曲ぎきょくの発表はっぴょう年ねん・初演しょえん一覧いちらん。ISBN 978-4784511501

主おもな劇作げきさく作品さくひん

• 署名しょめい人じん（1958年ねん）
• 朝あさに死しす（1958年ねん）
• 明日あしたそこに花はなを挿さそうよ（1959年ねん）
• 逆光線ぎゃくこうせんゲーム（1962年ねん）
• 真情しんじょうあふるる軽薄けいはくさ（1968年ねん）
• 狂人きょうじんなおもて往生おうじょうをとぐ（1969年ねん）
• ぼくらが非情ひじょうの大河たいがをくだる時とき（1972年ねん）
• 泣なかないのか?泣なかないのか一いち九きゅう七なな三さん年ねんのために?（1973年ねん）
• 幻まぼろしに心しんもそぞろ狂くるおしのわれら将門まさかど（1975年ねん）
• 夜よるよおれを叫さけびと逆ぎゃく毛けで充みたす青春せいしゅんの夜よるよ（1976年ねん）
• 楽屋がくや（1977年ねん） ※累計るいけい上演じょうえん回数かいすうが日本一にっぽんいちである
• 火ひのようにさみしい姉あねがいて（1978年ねん）
• 戯曲ぎきょく冒険ぼうけん小説しょうせつ（1979年ねん）
• わが魂たましいは輝かがやく水みずなり（1980年ねん）
• あの、愛あいの一群いちぐんたち（1980年ねん）
• 雨あめの夏なつ、三さん十じゅう人にんのジュリエットが還かえってきた（1982年ねん）
• エレジー 父ちちの夢ゆめは舞まう（1983年ねん）
• タンゴ・冬ふゆの終おわりに（1984年ねん）
• 救すくいの猫ねこロリータはいま…（1985年ねん）
• 血ちの婚礼こんれい（1986年ねん）
• 夢ゆめ去さりて、オルフェ（1986年ねん）
• 弟おとうとよ（1990年ねん）
• 哄笑こうしょう（1991年ねん）
• 冬ふゆの馬うま（1992年ねん）
• わが夢ゆめにみた青春せいしゅんの友とも（1995年ねん）
• 愛あいの森もり（1995年ねん）
• リターン（1998年ねん）
• 恋こいする人々ひとびと（2000年ねん）
• 破やぶれた魂たましいに侵入しんにゅう（2001年ねん）

小説しょうせつ

• BARBER・ニューはま（1987年ねん）

「冬ふゆの少年しょうねん」講談社こうだんしゃ、1990年ねん。他たは「暮くれ市し」

• 月潟つきがら鎌がまを買かいにいく旅たび（1988年ねん）
• 風鳥ふうちょう（1990年ねん）

「風鳥ふうちょう」文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1993年ねん。上記じょうき2作さくと「魚津うおづ埋没まいぼつ林りん」

• 華はなやかな川かわ、囚とらわれの心しん（1991年ねん）、のち 講談社こうだんしゃ、1992年ねん。他たは「力ちから女おんな伝でん」
• 馬うまの屍体したいが流ながれる川かわ（1994年ねん）、単行本たんこうぼん未み収録しゅうろく

映画えいが脚本きゃくほん

• 充みたされた生活せいかつ（1962年ねん、松竹しょうちく）
• 彼女かのじょと彼かれ（1963年ねん、ATG）
• ブワナ・トシの歌うた（1965年ねん、東宝とうほう）
• 魚さかな群ぐんアフリカを行いく（1966年ねん、東宝とうほう）
• 北穂高きたほたか絶唱ぜっしょう（1968年ねん、東宝とうほう）
• 祇園祭ぎおんまつり（1968年ねん、東宝とうほう）
• あらかじめ失うしなわれた恋人こいびとたちよ（1971年ねん、ATG）※田原たはら総一朗そういちろうと共同きょうどうで脚本きゃくほん・監督かんとく
• 竜馬りょうま暗殺あんさつ（1974年ねん、ATG）
• 幸福こうふく号ごう出帆しゅっぱん（1980年ねん、東映とうえいセントラルフィルム）
• 悪霊あくりょう島とう（1981年ねん、角川かどかわ映画えいが）

テレビドラマ

• お気きに召めすまま 第だい3回かい「天才てんさいの秘密ひみつ」（1962年ねん、NET）
• お気きに召めすまま 第だい17回かい「ヒッチ・ハイク」（1962年ねん、NET）
• 銀行ぎんこう8時じ劇場げきじょう『青あおい糧かて』（1963年ねん、NET）
• 創作そうさく劇場げきじょう『いもがゆ栄華えいが』（1964年ねん、NHK教育きょういく）
• シオノギテレビ劇場げきじょう『有馬ありま稲子いねこアワー 通夜つやの客きゃく』（1964年ねん、フジテレビ）
• シオノギテレビ劇場げきじょう『有馬ありま稲子いねこアワー 喪うしなわれた街まち』（1965年ねん、フジテレビ）
• シオノギテレビ劇場げきじょう『あの人ひとは帰かえってこなかった 第だい一部いちぶ・屋根やね』（1965年ねん、フジテレビ）
• 若者わかものたち（1966年ねん、NHK）
• 泣ないてたまるか「豚ぶたとマラソン」（1966年ねん、TBS）
• 日産にっさんスター劇場げきじょう『誰だれかがあなたを待まっている』（1967年ねん、日本にほんテレビ）
• 泣ないてたまるか「禁きんじられた遊あそび」（1968年ねん、TBS）
• 緊急きんきゅう出社しゅっしゃ（1969年ねん、NHK）
• 銀河ぎんがドラマ『孔雀くじゃくの道みち』（1970年ねん、NHK）
• おんなの劇場げきじょう『霧氷むひょうの影かげ』（1970年ねん、フジテレビ）
• Yの悲劇ひげき（1970年ねん、フジテレビ）
• 冬物ふゆもの語ご（1972年ねん - 1973年ねん、日本にほんテレビ）
• 二に丁目ちょうめの未亡人みぼうじんは、やせダンプといわれる凄すごい子連こづれママ（1976年ねん、日本にほんテレビ）
• 秋日しゅうじつ記き（1977年ねん、日本にほんテレビ）
• くれない心中しんちゅうの（1978年ねん - 1979年ねん、東海とうかいテレビ）
• ちょっとマイウェイ（1979年ねん - 1980年ねん、日本にほんテレビ）
• 木曜もくようゴールデンドラマ『青年せいねん さらば愛いとしき日々ひびよ!』（1981年ねん、日本にほんテレビ）
• 火曜かようサスペンス劇場げきじょう『さよならも言いわずに消きえた!』（1981年ねん、日本にほんテレビ）
• 水みずの女おんな その愛あいはエえーゲ海げかいに殺意さついを招まねく!（1990年ねん、テレビ朝日てれびあさひ）
• 欅けやきの家いえ（1993年ねん、NHK）
• ゼロの焦点しょうてん（1994年ねん、NHK-BS2）

ラジオドラマ

• かけがえのない日々ひび（1969年ねん、TBSラジオ）
• 文芸ぶんげい劇場げきじょう『行いきずりの人ひとたちよ』（1974年ねん、NHK-FM）
• 洞爺とうや丸まるはなぜ沈しずんだか（1981年ねん、TBSラジオ）
• FMシアター『海うみへ…』（1999年ねん、NHK-FM）